日記最新号へ
白炭屋カウンターへ

古日記 2003年5月(前半)


ドーンブリカ篇。



クレオパトラの鼻が曲がつてゐたとすれば、
世界の歴史はその為に一変してゐたかも
知れないとは名高いパスカルの警句である。
しかし恋人と云ふものは滅多に実相を見るもの
ではない。いや、我々の自己欺瞞は一たび恋愛に
陥つたが最後、最も完全に行はれるのである。

(芥川龍之介「侏儒の言葉」)

MAY.15.2003(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。先のことは考えまい。今だけ、取り敢えず 今を生き延びよう。何も彼も終わりにしたくなる衝動を酒で。

・サワスペより 「ガンダム・ワールド」爆裂レポート。先週N川先生(受験生を受け持つ 高校教師)が興奮して涙ながらに伝えてきた実物大ザク頭部ってこれか。 「バルカン砲が撃てるんだぜ!!!」とか言ってたけど、あー、成程これは 興奮するかも知れない。高校生達連れてったけど、男子はともかく、女子は 目もくれなかったそうだ。そこで諦めちゃ駄目なんですよ先生。ガンダムの 素晴らしさを語って聞かせなきゃ。ガンダム部顧問としてさ。


MAY.14.2003(WED)

 仕事して帰ってきて、感想だけ語ったら酒で誤魔化して寝てしまう。

・プリンプリン:「ドーンドンドンドンブリカ、ふしぎなふしぎなドンブリカ」 覚えてる!覚えてるぞこのフレーズ!何てこった……シナプスの森の奥に埋もれ、 20数年間アクセスされることの無かったデータが、唐突に蘇ってくる。その記憶に 関連する僅かな映像も。そうだ、あの頃テレビには四本の足が付いていた。僕は 土間のある百姓家で、居間のテレビを見ていた……しかしヘドロの献身的な態度は 最早ランカーの姉ちゃん、いや母親の様だ。あとプリンプリンの小生意気な アイドル喋りが異常に心地良い。「マイっちゃったナァ、もう!」 「ヤダなぁ、もう」とかああいう喋り方、最近無いよねえ。

PSPとやら。携帯プレステらしい。ソフトはディスクタイプらしい。また新しい メディアが……回転部を持つのは(プレー中振動の発生する)携帯機として弱点に もなり得るだろうが、その辺は携帯ディスク再生装置メーカーとしての強みが あるか。いやSONY、やる気満々な感じ。ブランドイメージ弱ったとか言ってるけど、 やっぱソニーにしか出来ないことがある……いや、やる気満々なのはクタラキー 総統か。いろいろと楽しみだ。


MAY.13.2003(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。言葉が出ない。ヤバイ、と思った瞬間、鬱?の スイッチが入った様だ。ヤバイ。

・プリンプリン:オサゲを錬金術装置の中に放り込むランカーに怪人たる所以を 見る。オサゲは錬金術でモンキーに変換されたのかと思った。似顔絵コーナーとか 当時のままっぽいけど、そうだとしたら今頃あれ見て泣いてる人とかいそうだ。 ボンボンの歌声に酔う。


MAY.12.2003(MON)晴後曇

 仕事して帰ってきて闇鍋カレー作って寝た。25時過ぎに玉葱を炒める男。 しかもメタルインドカレー。何でメタルなんだ>メタル食品。ってMEDAL FOODSなのか。メタルゥーインドォーカレエェーってフレーズを知ってるのは 昭和何年生辺り迄なのか。カレーと言えば日本印度化計画だが、思えばあれは何故 チェリオだったのか。素直にカレーのコマソンにはならなかったのか。チェリオ と言えばフリクリだが、まあそれはいいとして、玉葱と人参の皮をまとめてゴミに 出す。生ゴミ出し忘れると厳しい季節になってきた。実際あの小蠅共はどこから 発生するのか。自然発生説を唱えた奴の気持ちは良く解る。

・昨日のアバレを見た。各方面でも語られている様に、先週に比べれば全体的な アバレ具合は落ちる、が、ラストのマイチャンリフトで大アバレ。たいへんな 偉業だ。あとレッドの前向きさは異常。超人類か。今回のエヴォリアンの哀れさ といい、或いはラスボスはレッドなのかもしれない。あと555は フルハシ式相関図が凄く参考になってます。あと 長田結花ファンクラブBBSも。

・金のごまだれのCM、何度聞いても吹いてしまう。ツボに入った。


MAY.11.2003(SUN)

 今日も雨。コインランドリーで洗濯。閑かだ。

・気が付くと灰羽連盟を「回想」している。時間が経てば経つほど、あの作品が 如何に自分の中に深く根を下ろしたかを実感している。今朝再放送をみていて、 何か、また染みた。


MAY.10.2003(SAT)

 特に何もない一日。ビデオ見たり本読んだり、雨の日ならそんな休日の過ごし方 も特に不安にはならない。後輩と電話。話聞いてたらちょっと泣きそうになる。 その気持ち解りすぎる。相変わらず純粋な奴だ。日暮れてバスケ。身体がホントに 動かない。2回も転けた。休みすぎ、或は単に歳か。寝る前にQ。これが麻薬的に 効く。

・島根行ってきた人から土産を貰う。あー僕も去年島根行ったんですよ、とか妙に 話が弾む。SF大会で、とは言わなかったけど。そう言えば次の「お〜い日本」は 島根だった気がする。覚えてたら、見よう。


MAY.09.2003(FRI)

 いろいろ凹む週末だった。大事なのは、そういう凹んでるときの気分を常態 (ナチュラルな状態)だと捉えないことだ。明日天気が良ければ、面白い小説を 読めば、美味い酒を呑めば、いい音楽を聴けば、馬鹿な話をすれば。楽しい瞬間を ナチュラルだと感じていたい。ソウヤー「イリーガル・エイリアン」読了。面白 すぎた。最初に「んなわけないやん!」というツッコミを入れ損なうと、最後まで あれよあれよと。巧いよなー。多くのSFファンがショックだった様だけど、僕も 「SF大会に行ったら宇宙人裁判の陪審員にはなれない」のには愕然と。

・ところで このアカペラっぷりには確かに吹いた( ミスナビより)。 Kid Charlemagneとか最高。あの入り方がもうなんか「豪快な歌声」シリーズの (いい加減な)テンションを思い出させる。ブプーッ。吹かずにはいられない この微妙な音。ウハハハ。

霊能者・宜保愛子さんが胃がんで死去。中学時代ムー民だった身としては、 なんか自分の親戚が亡くなったような哀しさを感じる。へんなオバサンだった けど、憎めないっていうか。ご冥福をお祈りします。

片腕切断の登山家 会見。読めば読むほどゾッとする。自分で自分の腕を切り落とせるか? 人間はこんな存在にもなれる。僕ならどうするだろう、とかぐるぐる考える。 多分死んでるだろうなー、とか思うけど、でも人間の、というか生き物の 「本然」は窮地に立って初めて出るものらしいしな。でもまあ、こういう奴 とはあんまし友達にはなりたくない気もする。


MAY.08.2003(THU)

 朝方すごい雷音だった。絵に描いた様なイナビカリを見たよ。帰ってきて 魔女プリンプリン見て寝た。この期に及んでまだ「ドォォンブゥゥリカァァー」 とか歌ってるあの根性には感動する。

BizTechの Loppi特集。UIと入出力関連(Loppi周り)はWin2KでバックがLinux*2。 これで店内BGMもカラープリントも各種発券もPosもやってる訳か。しかも殆ど リモート管理。スゲー。Loppiはチケット取りにはもう無くてはならない感じ。 バスのチケットからライブのチケットまで、Webで調べたコードをPDAにSyncして、 ローソンでチケットを出力……というのがもう普通になった。実は密かに、あの 「発券機」でチケットを出力しているとき、”21世紀”的だよなー、とか思ってる。 多分タッチパネル操作に弱いんだと思う。これだけタッチパネルが溢れた現在で さえ、あの「ボタンじゃなく画面に直接タッチ」に萌える科学万博世代。


MAY.07.2003(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。ひどく蒸し暑い。珍走団が行ったり来たりして 五月蠅い夜だったが、サイレンの後一気に静まりかえる。マッポの日イベント 発動か。蛙の歌が聞こえてくるよ、と思ったら、雷雨。それにしても 「疾走、ヤンキー魂」は面白そうだと思った。グローバルが身上っぽい ネトゲでありながらこのドメスティックな空気!(でも目新しさに慣れた後、 そのまま代替わりまで長期プレーができるかどうか……成程卒業システムは 秀逸だと思う)

・某氏よりふくやまけいこ関連付録が大量に送られてきて感涙。ねんねこちゃん の絵はがきとか、当時従姉妹から借りて(くれなかった)スキャンしたなー。 懐かしい。あの子も今じゃ大学生だもんなあ。Qでお礼がてらダラダラと。然し 気を抜くとすぐに露悪に走るのはどうなんだ自分。

・雑誌の付録と言えば、今はなき某T書店のカウンター横の籠から、よく貰って 帰ったのを思い出す。別冊付録とか。いい店だった。あそこで何もかも揃えた。 ゆうきまさみも、とり・みきも、火浦功も、岬兄悟も、大原まり子も、品川KIDも、 梶尾真治も、唐沢なをきも、ながいけんも、ますむら・ひろしも、士郎正宗も、 銀色夏生も、スニーカーも、ファンタジアも、創元も、ハヤカワも、メージュも、 レコパルも、ベーマガも、全部全部あそこで買っていた。今思えばホントに小さな 本屋だったが、自転車で行ける範囲でまともな本屋といえば、あの店しか無かった のだ。店が無くなって10年以上経つ筈だけど、今でも店内の様子がありありと 思い出される。隣のテニスコートを目の端に入れつつ、ダイドーの自販機の横に 自転車を止める感覚が、身体に残っている。

・あの日々を思うとき、あれから十何年、結局あの頃の惰性で生きているなぁ、と か痛感する。あの店で「究極超人あ〜る」を買った。あの店で「スターライト☆ だんでぃ」を買った。あの店の片隅で「愛のさかあがり」を読んで腹をよじった。 下北沢方面文化にキックされて転がりだしたあやふやな自我は、エネルギーを 失いつつも、今も同じベクトルを向いている。今後残りの人生があの日々の注釈に 終わるのだとしても、それが僕の生き様だ。

・プリンプリン:ドオン殿下の声が屋良有作の二枚目の方。なんかこう、脳の 片隅に微妙に覚えてるむず痒さがたまらない。見てた様な、見てなかった様な。 おさげとランカーが閉じこめられてる絵は、見たような……


MAY.06.2003(TUE)晴後雨

 仕事して帰ってきて寝た。ひどく暑い。夜半に雨。

・プリンプリン:花のアナウンサーが唇族だったことが判明。しかしこう、 異世界に驚くほどスンナリ移行できる感覚は、人形劇ならではだ。幻想的で 懐かしい。

・GW中猫星通信が ガンガン更新してたらしい。うわー見逃した。バックナンバーでその結果を 確かめるのみ。こういうのはリアルタイムで乗れないと寂しいモノだ。


MAY.05.2003(MON)

 菖蒲湯に入ってくる。午後の風が気持ちよすぎて莫迦になる。結局シャトナーの 舞台には行かず。あれだけ行く行く言っておいて行かない我が身の情けなさ。軽蔑 されよ!結局大阪まで出るのが面倒くさい、ってのが勝ってしまう今日この頃。 金が無いのもあるけど。それでもそこに「友達との飲み」が加算されると、俄然 行く気になるんだからいい加減なものだ。実際、一人で舞台見に行って、そのまま 帰ってくるだけ、ってのは、如何にも辛い。でもなんか悔しいので「飛龍小学校 ☆パワード」のビデオとか見たりする午後だった。座長は、ホントに輝いている。 こんなの見て、舞台を好きにならない訳がない。あー、やっぱ今日、行けば 良かったナァー、とグヂグヂ。こんなもん。

・プリンプリン一行は惑星直列の勢いで幻の国ドーンブリカに侵攻を開始。 大空に顔でキメてたジジイもはね飛ばす。なんか竹本泉ってこの辺のセンスを そのまま受け継いでる人なんだなー、とか思ったりした。

・岩本隆雄「イーシャの船」ソノラマ版を読み始めて、あまりの魅力に、 そのまま一気に読了してしまう。いやもー、号泣モノ。マイッタ。

・その激情のままに感想を書いてみた。 これまたひでえ。


MAY.04.2003(SUN)

 昨日の友人と駅前ブラリ。鄙びた喫茶店でブツ(コサキンMD一年分とモンティ パイソン)を借り受ける。これでまた一年戦える。日が暮れてから帰ってきたK永を 隊長とM隊員とで迎撃。K永に灰羽の素晴らしさを涙ながらに訴える拙者だった。 きゃつなら絶対ハマる。ラーメン屋行ってダラダラ。M隊員の部屋でガッチャマン 見つつダラダラ。草原を逃げるベルクカッツェ様を指して隊長が「これ誰?」 M隊員「んー。敵の首領が逃げてる所」ひどい。リュウがもぎ取ろうとしたバナナ は実はバナナ型ミサイル!とか、バードミサイルを撃とうとした所に鹿の群れが! 固まるジョー!とか、まあツッコミがいのあるアニメではある。爆笑。

海底牧場感想を追加。我ながら 頭悪い文。


MAY.03.2003(SAT)

 昨夜の妙な酒が身体に残って辛い。流石に調子にのりすぎた。無理して動くも、 日が暮れる迄低調。いらん所でいらん発言をしてしまったり、ままならない。 夜、遠方より友人来る。バスケを休み、某☆師匠共々部屋に招いて接待ゆめりあ。 裏関根TVで爆笑した後、大学前ガストで昔の様に駄喋る。ガストは飛び石連休の 所為か大学生で一杯。ヤル気に満ちた男女の、ユルイ緊張感漂う空気が懐かしい。 隣のテーブルに陣取ったイケメン達と、それを手玉にとる感じの小娘の会話が 面白すぎた。友人をホテルまで送って、帰って、少し眠った。


MAY.02.2003(FRI)

 29になった。仕事休み。県立近代美術館で「ウィーンの夢と戯れ」展を見る。 馬鹿みたいに点数があって、見るだけで疲れた。1900年前後のポスターや冊子の デザインが、美術館の薄暗い証明の中に浮かんで、なんか割と浸れた。版画は良い。 外の円形劇場では、日暮れから始まる舞台の稽古が行われていた。嗜好に合わない 感じだったので、これは見ず。電器屋でウロウロしたり、本屋でウロウロしたり。 一人で何でもできる。何にもできない。一人でどこへでも行ける。どこへも行く気が しない。

・隣の結婚式場のテラスは丁度僕の部屋と同じ高さで。夕暮れにウエディングドレス。 拍手と指笛と。夜半まで騒ぎ声が聞こえる。のをBGMに、一升瓶を空にする。 しこたま酔った状態でバイトあけの人とQ。なんか話が変な方向に向かいそうになった (というかねじ曲げそうになった)のであわてて落ちた。孤独に酒は危険だ。

俺ニュース閉鎖 告知。明日有りと思う心の仇桜。戦闘機のカッコイイ写真とかも全部 「萌え写真」の一言で括るセンスにすっかり染まった今日この頃。正直最近は ここしか見て無かったので、残念だ。「昔俺ニュースってのがあってさ」


MAY.01.2003(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。



日記最新号へ
白炭屋カウンターへ


tamajun■gmail.com(■をアットマークに読み替えてください) inserted by FC2 system