971105付けテキスト
ウテナ。

かなり重い・・・
「ウテナ」というキャラの存在の薄さ(主人公なのに)が
気になる今日この頃。
憶測でしかものを言えない状態では何を言っても危険だが、
この作品も「またエヴァなのか?」という雰囲気がどことなく・・・

問題が全てウテナに収斂していっているのは確かだと思う。
彼女の現実感の薄さそのものが、この作品のトーンだった。最初は。
だが今、時は流れ出し、キャラはそれぞれに道を求め、ただウテナだけが
そこにそうしているのみ、なのだ。
ウテナの「我」を見たのは、考えてみればアンシーを失って取り戻そうとした
あの一連の話位なものだ。一体彼女は何者なのか・・・・

生徒会長と理事長の二人もお互いを騙し合っている(と思っている)のは
確かだろうし、結局一番現実味があるのが七実だというこのノリ。
「怖すぎる・・・・」「どうもどうも〜」

怖すぎる。

「怖い」のは最初から解ってはいたのだ。
このアングラ新劇風味な世界で他に何が有ろう。

でも、実は、最近面白くないんですよね・・・いまいち・・・
面白くないと云うか・・・結局「解らない」・・・
「その内面白くなりそうだから今は我慢して見てる」感じなんですよね。
どうにも・・・

「その内面白く」なるんだろうか・・・・?
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(1997/11/05)

伊藤伸平「楽勝!ハイパー・ドール 5」/徳間書店/1997/10/10 個人的に、ここ暫くの少年漫画(大して読んでないけど)の中で 最も愛したシリーズだった。 1997年2月をもって、掲載紙「月刊少年キャプテン」 (合掌・・)が休刊となり、結果そのラストを見ないままだったのが 遂にその最終巻が、70pもの描き下ろしを加えて発売されたのだ・・が。 70pの描き下ろし、と云っても、要は「無理矢理最終回」な訳で・・・ この作家、ラストはいっつもこんな感じ。原作者は違うにしても、 同じ様な状況で同じ様な終わり方をした「ネメシスの剣」と最終的には 良い勝負になってしまった。あのラストを読んだ時の「あれ?」という 不快感が蘇る・・・作家の資質なのか、それとも最終回を待たずに 打ち切りにしてしまう編集側が悪いのか−。 ここまで段階を踏んでオモシロクしていっているのに、ああ、 あんまりと言えばあんまりだ。キャプテン廃刊(・・・)で我々− 私は、今世紀最大のクライマックスを見逃してしまった・・様な気がする。 ああ、これじゃエヴァ並ではないか・・・返せ戻せッ・・・ でも画面もノリも相変わらず凄いレベル。p35の「ハイパードールにお婆ちゃんが!?」 とかもーすげー好き。台湾編も「どっかで見た”絵”」(p10)のオンパレードだし。 然し斯う言う台詞(これがやりたいばっかりに・・とか)なんか見てると 自覚的にネタ振ってるなぁと。根がヲタクというかパロディというか・・・ この作品の最大の魅力でもあるミュウとマイカの掛け合い漫才(どつき漫才か)も 最後までそれなりに生きてるし(「乳もむぞこの女ー」とか)。 まぁ、面白かった、よ・・・ああ、でも、本当、キャプテンの休刊さえ無かったら・・ p100のシーンなんて結構後に引く複線なのに・・・うう・・・ (美樹=エリカ(ニャンコちゃん)か?) ラストがいまいち、の最大の要因は、赤井の不在であろう。赤井の視点が 消え去ったことで、読者が自身を投影できるキャラが居なくなってる。 パードルの(他の伊藤作品に比べての)成功というのは、赤井の存在に 有ったわけで・・・ってこれは個人的な見解ですが。 何にせよ、ラストに赤井無しでは・・・ ああ、兎に角早い次回作を望むばかりである。 ・・・・というのが一つの読み。 いま一つは、「これは最終回ではない」という読みだがどうか。 ラストのヘル春日の長台詞(エコロジー教に取り付かれた春日と、その 財力を利用して世界を混沌に陥れ、その後で世界に君臨しようと云う ザイクリッド−という図式。ああありがちだけど上手い。)の後、 春日は逃げる。ザイクリッドも死んでないし、 実際何も終わっては居ないのだ。 一見最終回だが、戦いは続く。それが証拠に最後の彼女達の台詞は、 「やっぱ終わんないっしょ」だ。終わらない・・・何が? この作品が、終わらないのだ、最終回の最後のコマで此の台詞は 取りようによっては、作者の「こんなページ数で話が終われるか〜」 という言い訳にも聞こえるが・・・もしかしたら作者は まだこの物語を続ける気で居るのではないか。 再び彼女達の勇姿が見られる事を祈念しつつ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/11/05)

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