971110付けテキスト
馬頭ちーめい+SUTDIOねむ「ブレイク−エイジ 8」/アスキー/1997/08/22
何か連載で読んでると、単行本買う気失せるよな−と云うことで
11月も半ばになって漸くゲット。噂のジェラ姫の表紙は実はイマイチ・・・
等身でかくない?ていうか顔の造作が何か年齢上がっててちょっと・・・
ってロリか>俺(今更)。
今回は逢羽工大の文化祭(2009年11/21〜23・・)だったり、強化合宿(ああ栄光の
女風呂・・)だったりで、結構イベント主体型な巻。ゴチャキャラで
わいわいやってるの描くと巧いねこの作者は。
しかしこのイベント主体な展開、見方を変えれば、彼等が最早
日常生活で(コニパレや部室で)いつも一緒、という風には行かなくなり
斯う言うイベントでも無ければもう一緒に居られる時間は少ない・・・
という事の現れでも有ろう。
彼等には彼等個人の時間が流れ始めている。時は確実に流れているのだ。
今巻特にそれが目立ったのは薄幸の少女ぽいジェラルディン。
社交界デビューを前にした、つかの間の自由・・・・切ないぜ。
今月のビーム(連載本誌)なんてもー・・・
キリぽんは相変わらず主人公道まっしぐら。久我にも人見知りしないで
話しかける下りなんかは実に良い。主人公はこうでなくちゃ。
この人見知りしない明るさというかなつっこさてのは、でも
昔いじめられまくった経験から来るものも大きいんだろうな・・・
で、もう一人の主人公とも言える久我の、「今」に至る経緯なども出てて
ああ、これがまた巧い。キャラの作り込みが深いのを感じる・・・
p61〜63の会話なんて、胸が痛い人が結構居るに違いない。
パソ業界の真実をついた台詞だ・・・。
でも久我はまだ
「きみの才能がせち辛い業界で摩耗されていくのを
見たくないねぇ私は」
とか云ってくれる、求めてくれる人が居るんだから良い方かも。
これだけ求められていながら、ヤクザなこの業界の端っこに
ぶら下がり続ける彼。一体何故−
「俺はイーディスを・・・・D・高原の遺産をぶっ潰したかっただけだ・・」
イーディスにD・高原兄妹が居た、あの黄金時代、あの古巣を愛するが故、
あの時代を求めるが故に、イーディス潰しをしようとする久我。
そのアンビバレントな感情も、明確に語られこそしないものの、
きちんと描かれている。
そして今、その標的は九郎(とキリ)にターゲットされた。
然し果たして、久我は彼等を倒す事で「古巣」への想いと
決別出来るのだろうか・・・とかいう展開だと思うけどどうか。
ホントは良く分かんない所も有るんですけど・・
単純にこうと語れない、人それぞれのドラマが絡み合って
毎日シンドイけどそれなりに楽しい、ワクワクする様な毎日が積み重なっていく−
こんな感覚を覚えなくなって久しい。矢張り自分から始めなくてはな・・
自発的に行動しなくては・・・
話は変わる。
ちょこっと出てくるCGガールズ絡みの話(p144)、あれはどうなのか。
完全AIてのは此の時代でも無理だろうから、ダテキョーの進化版
と云った所であろう。然しこういうの見ると「京美」を思い出す私であった・・
こういう、本編とは直接絡まないような設定も世界観を演出する上では重要。
例えばTALS(p34)の話も興味深い。何処から斯う言う話が出てくるのか
謎だが、これも恐らくは本編にそれほど深い関わりの無い様な社会派ネタ。
でも斯う言うのを挟むことで、「現実的な未来像」を周りから強化しているのかも。
未来・・・
もう、でも、今此の瞬間でさえ、1997年なのだぜ?
子供の頃夢に見た、科学と工業の発展系としての「未来」は
何処に有るんだ・・・
「未来は待っていればやってくるものでは無い。自ら作り出すものだ」
今月の「子供の科学」のエジソン特集を読んで感涙にむせんだ元科学少年
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(97/11/10)
水沢めぐみ「トゥ・シューズ 1」/集英社/1997/9/17
いい加減水沢漫画と決別しそうな今日この頃。
やっぱスーツ姿で買えるかどうか、が決別のポイントか・・・
実は今バレエって流行ってるらしい。大人の女性の間で。
で、この漫画。
今の所、ノリは伝統的な「バレエもの」。昔学年雑誌で良く読んでた
いがらしゆみこ先生のアレを思い出す。
然しこれだけレオタード姿が変な漫画もそうはあるまい。
描き慣れてない・・・というか・・・笑える。
服装によっては殺人的なまでに魅力的な姫ちゃん体系の、その欠点が
露呈した形になってしまった。例えば冒頭4〜5頁の見開き。
或いはp34一コマ目、p134・・・等、兎に角「足の付け根」が描かれているコマは
殆ど何かしら変である。
然し、それを敢えてでも描いてしまうだけの魅力が、屹度「バレエ」には
有るのだろう・・まぁ、バレエ漫画を描く人間がみんな萩尾望都みたいな
画力だとアレだし。
森野くるみ、バレリーナ中学一年生〜的。やっぱあの髪型は沙南ちゃんを思い出す。
こどちゃの影響は有るんじゃないかしら。やたら何処でも踊るし。
で、性格は(悪いところも含めて)ほぼ姫ちゃん。声は是非ピカチュウに
お願いしたい所である。
小5の時、友人の誘いで初めてバレエを見た彼女は、その場で自分も
バレリーナになることを決意する。それから2年−
(流石に基礎から延々描くだけの時間は無いか)
物語自体は最初にも書いた様に、古典的バレエもの(いぢわるなライバルとか)。
ただ一つ違うとしたら、主人公くるみには、他人によって見出される様な原石的
「きらめき」が全く無さそうな所か。ただ、この主人公は兎に角努力型なのである。
些か考え無しで、でも決めたら努力一本で・・・で
突っ走っては思い切り転んでしまう、でもすぐに立ち直って次へ−という。
あんまり悩まない。いけいけゴ−ゴーな魂がここには有る。
この辺は作者の「前向き」さ、という美徳感が良く出ていてると思う私。
考え無しでもいいから、兎に角やってみよう、兎に角前向きに、という
作者の向日性が出てて好きだ・・・。
兎に角始まったばかりでどういう展開になるのか、
それなりに楽しみにしてるのでした。
・・・・あー、取り敢えず樹山早紀ちゃん萌えということで一つ。
・・然し最近少女漫画開拓してないす。何かオススメの有りましたら是非。
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(97/11/10)
関西地方で「忍空」の再放映が始まった。
まとめて一気に見直すチャンスだ。
久々にあのOPを見て、初めて見た時の様な背筋ゾクゾク感が走る。
この作品の突出していた点は何と言っても「西尾鉄也」の存在に尽きた。
彼特有の作画センスがもう全面に出ている。
作画だけではなく、作品そのものが彼の世界と言っても過言ではない。
少ない線であの自然なリアルさ。この路線が突き詰められていく果てに、
今度の「人狼」が有るわけで、聞くところによると「人狼」には
影すら無いという。単純な線だけで服の質感まで描ききる西尾作画があって
初めて出来る事だ。一体どういう映画になるのか・・・楽しみでならない。
しかし「忍空」本放映当時、このアニメの「絵」の良さは
もう殆ど奇跡的なものだった。
特に後期エンディングのセンスには言葉を失ったものだった。
取り合えずまとめ録画しといて・・・
・・・本放映でも一応見てたけど、やっぱ久々に見ると面白いわ・・・。
絵だけじゃなくて勿論ドラマも良いんだよな・・絵に支えられた
静かで実のあるドラマ・・・
今は忙しくて見ているヒマがないけど、いつかは、いずれは・・・
彼等のように「たびにん」をして生きている人は今、この地球上にどれくらい
いるのだろうか?
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(97/11/10)
寺島令子「墜落日誌 ペンティアム編」/アスキー/1997/11/13
いやもう読んでも読んでも終わらない。疲れ度合いで言えば
一番細かかった頃の「しあわせのかたち」と並ぶのではないかしら。
・・・たかだか2〜3年前の恐ろしいまでの古さ、を体感するのには良いですね。
ログイン1994年8号〜1997年20号までの分を収録。
あー、でもそうだよなぁ。Win95以前だもんなぁ94〜95年末とか。
何かすっかりウィンテルに染め上げられた私の脳(及びマシン)・・・
ハッと気がつくと、100Mヘルツでもめちゃ遅いという。
パソ業界の変遷の激しさよ・・・
ああ、然し、笑えない。
以前は「濃いなァ」とか笑って読めてたんだけど、いざ自分が
毎晩日付が変わるまでパソの前に座って仕事をする様になった今、
ログイン編集部の椅子寝り描写など見ると、もう我が事の様に
その苦しさが蘇ってきて・・・ううう。正直吐き気を催す。
睡眠時間を削ってボロボロになりながらMTGを繰り返す様は、
もう見ていられないと言うか・・・辛いのだった。
最近オダヤカな生活に憧れてるんで、こういう強烈なのは
ホントにクるものがある。
個人的には矢張り第121回のガイナ祭の描写がひどく懐かしくて。
ああ、俺もあそこに居たなぁ、コスプレしてたなぁ、エヴァもあそこで
初めて見たんだったなぁ・・・とかもう、そのあまりの懐かしさ加減に
クラクラするのだった・・・ああ懐かしきSFヲタク気取りの日々よ!
等と語り始めたらキリがないのでおいといて。
うーん、なんか、読んじゃうんだけど、昔みたいなトキメキが無いというか・・
ギョーカイへの憧れが失せたのが原因かも・・・単に飽きたのか。
何事にもそういう時はある。
・・あっ、そうか、拙者MTGやらないから。これが一番の原因か。
周りには結構ギャザラーは居るのだけど、結局自分は全然ハマれなくて
・・・原因はそれだな。屹度。
でもまぁ「濃い」人々は買ってて当然、の本ではありましょう。多分。
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