今巻最も笑ったのはp161コブ平の「おい海に行くぜ　車出しな！！」だ。
このおっさんたちの楽しそうな感じは正直羨ましい。
こんな風にボケツッコミの間合いで、あけすけに生きてみたい。

女の子たちの可愛さ、おっさんたちの大友系デッサンの魅力など
絵の魅力ではグイグイ押してくれるんだけど、正直この作品世界の
「閉じた」感じがちょっと怖くなってきた。怖いというか……疎外されている
感じというか。

この作品の時系列操作に気づく以前から感じていた、
「遠い昔に通りすぎてしまった記憶、しかも他人の思い出」
を覗き見している様な居心地の悪さというか……寂しさみたいなもの。
それが、今巻ラストの「エピローグ」でより強く印象づけられた感は否めない。

もうちょっと隙がほしい。自分を投影できる様な白身とでもいうか、
背景が描きこまれていない白い箇所がもう少しあって欲しい、と思う。

これはいいな、と思ったのは、「幽霊絵画」のあの屋上の出会いシーン。
学校の屋上での出会いなんて、マンガや小説でしか遭遇したことないんだけど、
でもマンガや小説ではゴマンと遭遇してて「おなじみ」のシーンだったので
ちょっとホッとしたというか。この女子の造形は結構好みなのだった。