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古日記 2006年3月(後半)


不味い飲み屋と春の鬱篇



事件のままに身を任せている限り、人間に悩みはない。
悲しみに身を任せてさえも、すでに悩みはない。やがて後になって、
消えた楽しい夢を思い出すとき、初めて彼は苦しむはずだ。

(テグジュペリ「南方郵便機」)

MAR.31.2006(FRI)

 仕事して帰ってきて寝た……うぐう。

・やじうまよりしぃペインターによる超絶 模写

吉野の姫。なんかステキflash。


MAR.30.2006(THU)

 寒い寒い。マフラーも要るなこりゃ……という一日。めげそう。

わーヤな動きだなーBoston Dynamics のBigDogだそうな。某どらんく氏曰く「こんなん戦場で見かけたら速攻撃って まう!」。この動きの嫌さ加減は芸術的ですらある。

・掲示板より 3Dガンダム。メジャーなんかも知らんけど、僕は今回が初見。コマ撮り実写 アニメ楽しいな……あの「動くはずのないものが動く」という可笑しさは何とも言えず いい。昔見た、パイプ椅子でレースする奴とかもう一度見てみたいものだ。とまれ ガンタンクの動きが最高。目立たないがミデアもちゃんと宙に浮いている。


MAR.29.2006(WED)

 寒っ!速攻でコート復活。前に自転車で転んだときに破いたままの袖が寒い。 とりたてて語ることもなし。仕事して帰ってきて寝たよ。今電車内で読んでるのは 「ディアスポラ」と「文学部唯野教授」。どっちも眠気を催す。もう脳がむつかしい のをうけつけない。あかん。もうあかない。

・本と言えば 土踏まず日記(ここ読んでると読まなきゃ!とか買わなきゃ!とかいう 本が多くなりすぎて超危険なのだけど読んでしまう)とか読んで以来なーんか バーコードリーダーで書籍管理したい熱が。こっちきてからそんなに本買って ないけど。ていうか単にバーコードリーダー欲しいだけです。ていうか TSK-Uの価格に超惹かれ中。買える、買えるぞ……!そんでEAN128とか読み まくりたい。あとただでさえカオスと化しているPCデスク上をこれ以上汚すと 奥さんから怒りの鉄拳が飛ぶのでこっそりやっていきたい。とりあえず 私本管理導入から……

・あと物欲としては LC32BD1かなー。アキバヨドバシ見た限りじゃAD5はもう店頭から消えてるっぽい。 BD1も気がつけば値段落ち着いてるのね。買うか。買うのか。買ってしまうのか。 いやその、そのうち、そのうち……


MAR.28.2006(TUE)

 なんか××感。春だからなあ……理由もなく暗く昏く。理由はそりゃあるけど、 でもいつもなら何てことはない様な痛みがいつまでもシクシクと。春はアカン。 ホンマにアカン。放っておくとどんどん気持ちが沈んでいくよ。それを客観的に 見ている自分もどこかには居るんだけど。

・それはそれとして スナッキーで踊ろう秘話とか 大竹まことのただいまPCランド最終回とかを見て言いようのない 「生きてて良かった」感も感じているのだった。個人がため込んでる資産を こうやってどんどこ公開していってくれれば……!

・「 マルドゥック・スクランブル1」読了。なんか脳内映像が全体的にガングレイブ。 ヤクザ描写が特に。あと肉体改造な描写がどうも気持ち悪くてダメだった。悪趣味すぎる (それを意図してるんだろうけど、想像しただけでゲップが)。正直新鮮さはない。 ハヤカワで出す以上は、と過度な期待を抱いてしまうのが拙いのか。続巻を買うか どうか、ためらい中。


MAR.27.2006(MON)

 今朝からコートなしで出勤。いける、いけるぞ……いやまだ寒いけど。22時過ぎ 夜桜見物に近くの公園まで。広場でコーギー犬に「とってこい」をさせているのを ボンヤリ眺める。コーギー犬はいい。アインを思い出す。

・昨日ヨドバシで買った SANYO おどり炊き 圧力IH炊飯器で昨日までのと同じ米を炊いてみた。 一口目の衝撃。これがもう、同じ米か、という位違う。スゲー圧力IH炊飯器スゲー。 ていうか今まで使ってた炊飯器がチャチかったのか。とまれ久々に生きたカネを 使ったゼ的な。いやマジでー。


MAR.26.2006(SUN)

 エウレカ見てマイメロ見……あれ、マイメロ録れてない。マジでー。なんか ガッシュが1時間スペシャルだったっぽい。あー。エウレカはなんかここにきて ドミニクとアネモネが幸福展開に。ドミニク何しとん。あと少し。奥さん曰く 「ロハスという言葉の終焉とともにこのアニメも終わる」云々。成程。

・イカ総統が秋葉原に買い出しだというのでちょっとおつきあいする。 秋月と千石とを行ったり来たり。 PICマイコンで新人研修用キットを作るらしい。聞けば回路の設計で 寝てないとかで結構お疲れのご様子……ご自愛下さい。僕は何となくテスターを 買ってみた。先日K氏が持ってるの見て欲しくなってたのだ。道中、先日お子さん が生まれた方に向けて作成されたCDをオスソワケしてもらう。自分が描いた イラストがジャケットになっていて恥ずかしい。でも超センス良いデザインの おかげで(一見)見られる出来に。デザインってすごい。

・こないだふきこぼしてしまった炊飯器の挙動がアヤシイので、帰りにアキバ ヨドバシで炊飯器を購入。思い切ってヨドバシのポイントを全部使い切ってみた。 半年で炊飯器買える程度にはなってたよ。また貯めよう……それはそれとして、 今日の目玉はなんと言ってもアキバヨドバシでエスカレーターの後ろに乗ってた カップルの会話。

女「よーし!ここまできたらメイド喫茶にも行こうよ!」(ここまで、って……)
男「えーマジ……?」(かなりへこたれてる様子)
女「だってせっかくこんな所まで来たんだしさ!見ていこうよ!それでメイドの 子にネコミミとか付けてもらって一緒に写真とってもらおう!絶対!……メイドの みやげに、とかいって!」(だんだん声が大きくなる)
男「うわ!それいい!おもしろい!メイドの土産!それ面白いよー!」 (なんか超ウケル!みたいな勢いで、大声)
女「メイドのみやげだよ〜!どうせもう二度と来ないしさー!」

……凄かった。あの聞こえよがしさは何かのプレイですか。他の場所でも 女の子グループが「うげー!」「キモー!」みたいな奇声を上げながら色んな所を 見て歩いてる、というのに複数遭遇した。そういう地獄巡りみたいのが流行ってる とは聞いていたが。流石は日曜の秋葉原。春だしなあ。自分は観察する側にも、 観察される側にも回れない。ただの買い物客だ。歩行者天国で珍妙な格好の女子を 囲み、這い蹲って写真を撮ってる様な猛者達にも加われず。空の青うみのあをにも 染まらずただよふ。

・夕方に来客あり。お好み焼きを作って饗応す。お好み焼き用粉というのを初めて 使ってみたけど、や、これは便利だ、的な。またやろう。

・なーんかもう何ヶ月もスカイプしてないのにスカイプ常駐させとくのもナンだ なー、と思っていたところに「スカイプアウト入れたよ〜安いよ〜」的な話を 聞いて、おもむろに固定電話にかけてみたくなる今日この頃。結婚する前、 どうしてもバカ高くなる電話代をケチろうとメッセンジャー系ボイスチャットの ソフトを片っ端から試していた(奥さんにも試させていた)時期があって (でもどれも品質悪くて。それだけにスカイプが出たときの衝撃ってのは凄かった)、 でもまあ最終的にはwillcomの通話定額に落ち着いてしまった訳だけど (流石に便利すぎる)、最近のスカイプ事情はどうなんじゃろう、とか。ていうか 単に試してみたい&興が乗ったら クラッシックUSB電話を導入したい!とかそういう。机の上狭いけどな…… やりたいことありき、じゃなくてガジェットありき、で。


MAR.25.2006(SAT)

 起き出してぼんやりな休日。夫婦二人してすっかり惚けてしまっている。 ネット見たりテレビ見たりしてれば一日なんてあっという間。危機感を感じて 川向うの公園に行って、ボートをこいでみたりする。30分100円。奥さんのナビが 飛ぶものの、まっすぐ進まないことこの上なし。へろへろになって帰ってきて、 すーることないよーヒマーヒマー、まんが喫茶にでも行こうやー、とか言いつつ またしてもぼーっとにじうら見てたら一日終わったよ。

絶チル4、「シンクロナイズド睡眠!?」がツボに入った。巻数が進むに つれて世間的な評価は微妙になってきてるみたいだけど、個人的にはどんどん 面白くなってる気がする。キャラマンガはキャラに愛着がわいてくると楽しい。 特にこの作家はそうだ。


MAR.24.2006(FRI)不明

 疲れた……なんか全身疲労。倦怠感。ダメだ。ダメだダメだ。

・何でこんなにも不満たらたらなんだろう。楽しく生きればいいのに。実際明日 たちまち餓える心配もなく、ぬくぬくと暮らしているくせに、何が不満なものか。 不満、ではなくて不安、か。冬の朝、布団をはぎとられる不安。自分の実際の 姿が露わになる不安。夢も理想も嘘っぱちだと思えるようになる不安。全ての 価値観が崩れ去る不安。自分はもう親や先生に守られて生きている子供ではない、 社会の底辺で、誰かの労働を受け取っては自分の労働を付加して回す、歯車三十路 オヤジなのだ。年齢的にはもう子供なんかもいて、もっともっと色んなものを 背負っててもおかしくない。おかしくはないのだ。

・TVでやってた 「狂気の桜」を見る。絵的にはトーキョートライブみたいな。 やるせないオチ。何かが伝わってきそうで、伝わってこない。全ては春休みの 様なボンヤリとした現実感故か。暴力だけが真実だ、とは軽々しくは言えない けど、そこにある程度の真実を感じた。

・アイアム31。ゴーイノー32。あと一月もすれば32歳になっちまう。フウム。 いや、マジで、いつまでこの欝日記続けるねん。32やで君。

・ちびちび見ていた 「エデンの東」を見終わった。キャルのあのクネクネした演技は凄いな…… でも見終わったときの開放感が良い感じ。「救い」は不幸の内にしか無いものか。 こういうの見ると、今って結局拝金主義が行くところまで行った結果なんじゃろう かしら、と思ってしまう。大事な事はほかにある。もっと大事なことが。 何を求める?本当に欲しいのは何だ?


MAR.23.2006(THU)晴・寒

 怠い。仕事帰りに職場の人たちと 焼肉ジャンボに行った。 肉を網の上に置いたまま話し込んでいたら店長に怒られた。4秒でええねん! 焼きすぎや!すいません。肉も旨いがオムライスが殊の外美味かったので また食べたいと思った。またいきましょう。


MAR.22.2006(WED)晴・寒

 昨日、夜、寝る前、目を瞑ったままで、実家の、今は取り壊されてもうない 離れの自室の風景を想像して、「あのへんに机がある」「あそこに窓がある」 「足もとにタンスがある」「本棚の上にはあのマンガが入っている」と思い出し 始めたら、どんどん詳細に思い出してしまって、止まらなくなった。そのまま 寝たんだけど、目が覚めて、ひどく悲しい気持ちになった。ああ、ここは東京だ。 そして、あの部屋へは、もう二度と、絶対に、永遠に戻れない。なのに、この 胸を締め付ける、早く帰りたい、という激しい思い。帰りたくて帰りたくて しょうがない。でも、その帰る場所はもう無いのだ。あの部屋があった場所で、 今頃は芝生が緑を吹き始めているだろう。牧場は緑よ、お馬も緑。肉と骨との 車井戸。えんやとっと、えんやとっと。

・風が春めいてきたからだ、と思う。思うことにする。欝期に僕をよく助けて くれた友人は、この時期のソレを「木の芽時の不安」と名付けていた。理由もなく 恐ろしい。いや、恐ろしい理由はいくらでもある。生きることそのものが恐怖に 満ちている。普段は忘れている。忘れて、忘れて、忘れ続けなければ生きては いられない。でも今は、不安で、胃がシクシクする。一体どうしてしまったのだ。 この寄る辺ない感じは何だ。やるべきことが全然できてない感じ。あーあ、ダメだ、 こいつ、何にもわかっちゃいない、だめだな、と、(誰かに)ため息をつかれて いる様な、オドオドと、危うい気持ち。風が心地よく、湿気を含んで吹いてくると、 ダメだ。ダメなのだ。そういう回路が脳の中で固まってしまっている様だ。

・不安を胃に置いて、でも笑顔で生きろ。人間死ぬまでどうなるかわからん。 せめて笑って生きろ。嘘でも。

FC5リリース。うう、早速導入したい……環境がない……

Win用の XScreenSaver。せめてこれでlinux気分を味わうとするか……

20-goto-10。なんか気持ちいい。 やっぱりコマンドラインはいい。


MAR.21.2006(TUE)

 自転車で近所の東京都現代美術館 まで。 転換期の作法〜ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術 とやらを見てみる。しんみりホノボノと面白かった。 アゾロやアルトハメル のあくまでも穏やかな破壊感覚とか好きだ。東欧の表現に感じるこの「異様な 懐かしさ」は何なのか。個人的にはミロスワフ・バウカの「灰のアトリエ」が印象的。 あとドイツの平坦な街にゴミの山を作ってランドマークにしよう計画のプレゼンも 面白かった。常設展も面白く、わりかし充実。

・錦糸町まで戻ってから秋葉原に出て買い物。照明器具パーツをヨドバシで 買った後、コスプレビラ配り溢れる街を抜けて千石電商で SPEC7251を探すも、売り切れの札を見るのみ。再入荷は3月27日だそうな。 なんかWBCで日本が優勝したとかでいきなり優勝セールとかやってた。 錦糸町でギョウザなど買って帰ってメシ。ぼーっとダンス部とか見てたら 一日終わるのだった。なんだこりゃ……

・あ、炊飯器は乾かしたらなんか直ってました。ヤレヤレ……

・アカギを見ていたら津嘉山正種が「どこだ、どこだ、どこォ〜ン」とか甘い声を 出していて凄かった。 ここ見ると本人も倒れるまで麻雀する人みたいなので、DVDに収録されるという 鷲巣麻雀の有様はやや見てみたい気もする。


MAR.20.2006(MON)晴・寒

 寒い寒すぎる。寒すぎて体が思考を拒否する程だ。何なの……

・夢を見た。

・いささか遅刻気味なので、迷路の様な街を駅まで早足で歩いていると、途中巨大な 演劇小屋が出現する。壁は真っ赤な絨毯のようなもので覆われている。前を通り かかると、入り口前では有名な俳優と思われる男がタップダンスを踊っている。あ、 そういえば僕もこの舞台のチケットを買っていたんだった、と思ってフラフラと 入り口に近づいていく。モギリに差しだそうとして、あ、でもこのチケットは 土曜日のやつじゃないか、今日は月曜なのに、と思い恥ずかしくなるが、モギリ (先ほど小屋の入り口でタップダンスをやっていた俳優)は耳元で「今日は平日の 朝で客が少ないから大丈夫!入って右奥のカウンターでお茶でも飲みながら開演直前 まで待って、それから座ってくれればいいから!」とささやく。フラフラと入り、 開演までの時間がまだ結構あることに気づいて、急に不安になる。あれ、今日は 仕事に行かなくていいんだっけ?いや、行かないといけない、それに今日提出の 書類も全然できてない。思えば僕はまだちゃんと大学も卒業してなかったんじゃ なかったっけ?そうそう、大学受験をやり直すために、高校3年間の勉強をやり 直そう、やり直さなくちゃ、もう全部忘れちゃったけど……と思い直したばっかり じゃないか!こんなとこでボンヤリ待ってる時間があるわけない!ゾーっと体を 恐怖と焦燥が駆け抜ける。舞台は今まさに始まろうとしていたが、まだ間に合う、 今ならドアを開けて出て行ける。ドアを開けて、演劇小屋を後にした、ところで、 目が覚めた。暫く呆然となる。この「大学にも入れてない」「高校時代の勉強を やり直さないと!間に合わない!全部忘れてしまった!」ってのも時々見る夢 なんだけど、何度見てももの凄く辛い。そして夢だとわかっていても、一日暗く 辛い気持ちになってしまうのだった。

ひきこもりからIT社長に “paperboy”の軌跡が面白かった。岡田有花記。


MAR.19.2006(SUN)晴・暴風

 起きて鶏肉とかの煮込みを仕掛けてからクリーニングに行ったり散髪に行ったり。 散髪は駅近くの990円の所でやってみたんだけど、後頭部が超まっすぐ揃えられて いて、店主に思わず「……どうしてもこんなにまっすぐになってしまうものなの」 とか聞いてしまったよ。なんか悲しくなって街をふらついてしまう。

・日暮れに奥さんと錦糸町に出かけて買い物。帰宅して鶏肉の煮込みを食べてたら、 鶏肉を煮込ませた炊飯器が死んでしまった。炊飯器にまけまけ一杯まで水を 入れたのがマズかった。ううー。乾くと良いけど。明日バラそう……

・マイメロ:歌達が見た一年後の世界が気になる。後半の盛り上がりっぷりはこの 作品が「ノっている」証拠だ。続編でもテンションが維持できるといいけど。 しかし毎回OP見る度に「いつになったら歌はアイドルデビューするのか」とか 思ってたけど、こんな形で……でも衣装ちょっと違うな。/ボウケン:ピンクが 微妙な萌え(不器用真面目お姉さん萌え)路線を開発しつつあると見た。/ エウレカ:どこ行くねーん。もう、ホンマに。「ここは地球だったのか!」て やるんだったらやっぱあの海岸曲がったところに自由の女神埋めとかんかいな。 どんだけ設定明かされても心に響かないのは何故じゃろう……


MAR.18.2006(SAT)雨・風

 土曜日だけど仕事。帰りに一之江で途中下車して、某掲示板で勧められた 「ラーメン二郎」へ行ってみた。丁度店が開いたばっかりだったので、行列の 末尾に紛れ込めた。店の中にあるのは券売機とカウンターと椅子と調理場。 ただそれだけ。店の外は雨だというのに、窓も入り口のドアも開けっ放し。店内は 既に満席だが、しわぶきひとつない。無論BGMなぞは流れていない。ただ雨の音、 車の音、そして鍋の煮える音だけが。客の上には緊張にも似た沈黙がある。 店主が徐に「ハイ次」というと、客は「ヤサイマシマシ」「ヤサイニンニク アブラカラメ」とかそういう呪文を唱える。唱えると山盛りの得体の知れない丼が。 客は無言で啜り、啜り終わると丼をカウンターにのせて無言で去る。この殺伐 具合はどうだ。聞きしにまさる。前の客が唱える呪文を覚えて自分も呪文を 放ってみる。ぶた5枚入り小ラーメン650円。ヤサイアブラ。豚肉の分厚さは狂気の 沙汰だ。5枚なのかブロック肉なのかわからない。ニンニクは強烈で、これはもう 体臭とか気にするレベルの世界じゃないなー、という感じ。スープはまさに アブラ。啜っているうちにもどんどん客は並んでいる様だ。

・食べ終わって、もう暫く何も口にしなくて良い感じに。因みにこの店の隣に 何故か阿波銀行の一之江支店があるのだった。こんな所にあわぎんが。でも どこから入るのかわからない。普通の店舗とはちがうのかな……

・さて帰ろうかという時に奥さんから電話。今日は女友達とキャッキャ遊んでる 筈だけど、と思ったら今から銀座で夕飯でも、とかいう。タイミング悪し。とまれ 銀座まで出るか、とフラフラ電車を乗り継いでたら、途中でなんか常人ならざる オーラを放つ一団を発見。ひときわ長身の人は、誰あろうらじ氏だった。上京 されているとは聞いていたけど、なんたる偶然か。既にそうそうたる面子が 集まっていて、その周辺は異様な波動に包まれていた。うわー、なんか飛び入り したいー、とか思ったけどあの面子に混ざれる自信が無い。ちょっとだけ挨拶して 銀座へ急ぐ。銀座で奥さんと奥さんの友達と会う。で、なんかネタ系の飲み屋に 行こうという話になって、最初行った店が一杯だったのでその姉妹店という 店に行ったんだけど(ゴス系、というか……)、これがもうあまりの酷さに 泣けてくる内容で。文化祭の喫茶店レベルの内装、散漫な上に恥ずかしげな演出、 「カフェ」と名乗りながら割り箸が置かれるセンス、そして何より食事のゲロマズ さ!!あまりのマズさに途中から無言になったわ。これご飯なの。食べ物かいな。 ゴミやろ。俺内ゲロタン連れてきて「げべべぼおー!」て言わせたい店No.1。 しかし見渡せば客席は満席に近くなってる。そしてみんなキャッキャ言って 楽しんでる。つまり我々の「心の敷居」が高すぎた、ということなのか。もっと 鈍感で、もとい、もっと寛容であれば楽しめたのか。殆ど詐欺に遭ったような 悲しさで店を出る。憤懣やるかたない女子二人はまたフラフラしだしたので、 ライオン銀座七丁目店へ。紙カツとかカキフライとかチョリソとかでビール がぶ飲み。このうまさよ。しかしもう先ほどの二郎の破壊力と相まって、限界。 何とか帰宅して、寝た。

・奥さんの友達の人は学校の先生で、手話の教育の現在とか色々興味深い話を 聞かせて貰った。手話の言語世界というのは、口話の世界とは次元の違う、高度な 情報伝達方法なのかもしれない。手話の世界で語られる演劇なんかは、日本語には 落としきれないのだ、とか。


MAR.17.2006(FRI)晴・強風

 風が春めいてきた。桜なんかも咲いている。風に吹かれながら歩いていると、何か 徳島のことを思い出して寂しくなってしまう。春だからなー。木の芽時。脳が ウズウズする。車に乗って徳島の県南に、何の目的も持たずにボーっとドライブ したい。ラジオだけ聞きながら。コンビニでパンと珈琲牛乳買って、つまみながら どんどん南下して、日が暮れる頃にたどり着いたスーパーとかに車を駐めて、その辺 フラフラして、デジカメで写真とか撮ってみたりして、スーパーで申し訳程度の 買い物して、またラジオ聞きながら帰るのだ。あー、明日からまた仕事かー、今日も 何にもしなかったなー、なんて思いながら、クルマの窓全開にして、風に吹かれ ながら、暮れていく空を見上げたい。帰りにちょろっと見知らぬ酒屋とかによって、 珍しい酒を買ってみたりもしたい。あといつものケーズデンキでフラフラしたい。 秋葉原じゃなくね。図書館にも行きたい。図書館でめいっぱい本を借りて帰りたい。 ああ。あああ。なんかホント、郷愁。あかんなー。退行してるのか。

「演出・コンテマンのためのパース君講座(講師・ダイアポロン芦田) が気になりすぎる。今月の「この人話」もダイアポロン尊師だったけど、いや、 やっぱ、アレですよ、心にいつもビーナス固め。今度実家帰ったら人冗だけ でももってこようかな……「ガラット」からもう20年以上になるのか。 中川カツシコ……(遠い目

・夜NHKをボンヤリみてたらBANDAIのプラモの設計の仕事が紹介されていた。 CADでぐりぐり回しながら旧ザクを組んでいた。見ながら奥さんが「バンダイって みんな優しいよね……」と心底ため息を。この人も苦労している。納期ギリで 大きな仕様変更をつっこまれても、笑顔で立ち向かう設計士。その仕様変更を さらに強調拡大させて目標を高めに設定する上司。まあ、ここでキレたりする ようじゃそもそも食っていけないって事なんだろうけど。できねえー。

・いや、できねえ、じゃなくて、「好きじゃなきゃ、できねえー」ってことか。 好きな仕事で成果を出す、ってのは、きっと、幸せな事なんだろう。想像しか できないけど。ああ、仕事って何だろうね、と、仕事で自己実現の出来ない 男は呻くのみ。


MAR.16.2006(THU)曇後風雨

 なんか帰りえらい雨風で。傘壊れるかと思った。帰りに「レベリオン」読了。 そこそこ。なんかプロジェクトアームズ見たくなったなー。

・自分が帰ってきてから直ぐにイタリアに旅行に行った従兄からメール。曰く 「海外じゃなくていいからこのまま仕事しない生活でいたい」……それだ!あの 旅行が終わったときの切なさは結局ソレだったのだ。仕事しない生活に一週間も 浸ってから帰ってくると、如何に自分が日々抑圧されてるかがわかって切ない のだ。まあ抑圧あっての解放、とも言えるけど。うーん。

・なんだか無性にビバップが見たい夜。見る時間無いけどね。

・或いはビバップ的なもの。何か無いか……


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