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古日記 2006年2月(後半)


イタリア旅行篇



こんな光景はテレビでも見たことがない、無理にカメラを向けて
シャッターを切ったらフィルムが火を噴くかもしれない。

(「ミナミノミナミノ」(p49))

FEB.28.2006(TUE)

 ひどく寒い。風邪気味。やるべきことが山積していてやる気が出ないという最悪の 状態。玄箱をdebian化するためにHDDの中身を飛ばそうと箱をバラし、debian化は 難なく成功……したみたいなのでガワを組み直そうとしていたらビリリッ、っと 体にデンキが。ショートしたっぽい。コンセント抜いたつもりで抜けてなかった。 ああっ、と思って電源入れ直したらもう入らない。あーあ、またやっちゃったよ。 全てが無意味になってしまう、あの「ハイ、ソレマデヨ」感覚。

・再放送中のクリーミーマミ、何となく見たら「私のすてきな ピアニスト」 だった。久々に見てやっぱり踏切の絵で胸がジワーっとなる。別に子供の頃に 踏切が近くにあったりした訳じゃないのに、踏切(と夕焼け)というだけで 泣けてしまうのだった。理由は不明。今見ると言うほど望月か、という気にも。 後藤真砂子の流麗な女の子もいちいち素晴らしい。ホントにいい。懐かしさの フィルターを外してみることは出来ないけど、それでも。


FEB.27.2006(MON)

 職場でおみやげを配って回り、たまったメール等のチェックを終えた瞬間にドッと 言いようのない切なさがこみ上げる。耐えきれない程。楽しい夢から目覚めた様な 切なさ。そういえば前にも旅から帰ってきてしばらくはこんな感じだった。ただただ 観光とサービスを享受するだけの日々から「現実」に戻ってきたんだから、そりゃ そうなるわな。飛行機の機内では寝るか飲むか食べるか映画見るかだけで往復30時間 くらい過ごした訳だし。快適にも程がある。

・東京の街は薄っぺらく、くすんで見える。ローマの街の重厚さと華麗さに比べれば。 ただ大きいだけではない、そこに塗り重ねられた時間の厚みが違う。深夜まで仕事 して帰宅。華やかさなどなにもない。あるのは古新聞の数だけ積み重なって行く、 矮小な生活、だけだ。

・かなうなら、旅の日々に戻りたい。そのためにも金を貯めねばならん。カネ。 全てはカネだ。

・つまり、それほどに旅は楽しかったのだ。終わってみて初めてわかる。


FEB.26.2006(SUN)

 何とか朝起きて請求書とか払い込み用紙とかをちまちま処理。うーん、力が出ない…… まだ時差ぼけかのう。昨日買ってきたHDDをPCに載せて、玄箱からデータを抜き出す。 玄箱一回作り直したいん。データの整理をしつつ移し終わったら一日も終わってしまった 感じ。晴れてたら砂町銀座にでも、と思っていたけど、雨だったしね……夜、買い物に 行って、明日からの食材を冷蔵庫に再充填。生活せねば。

・荷物の整理をしつつ「蟲師」のアニメを2本チェック。「虚繭取り」「山抱く衣」。 いい。恐ろしく良い出来だ。特に後者の空気密度は凄まじい。原作も(のんきなオチ まで含めて)良かったが、アニメはさらに良作。とても半時間の作とは思えない。 布が絵の具を吸う感じも自然すぎて。南町奉行所って字面がまた懐かしい。

素晴らしい作画アニメでしたね。大変なお祭りでした……見損ねた……ッ。

・寝る前に 「サナギさん1」を読了。すごい。噂に違わぬ完成度。何度も吹き出す。 なんつーか、サナギさんの「ゲラゲラ」がたまらないよ。ゲラゲラ。あの顔。 あの動き。因みに「位置エネルギーがすごい」とかは今でも超思ってたり。 ネタの真実味というか、いじってない(と感じられる)可笑しさが貴重だ。腑に 落ちる笑い。感性でなく、記憶で笑う。経験で笑う。おかしいことの可笑しさ。 グレーゾーン。


FEB.25.2006(SAT)

 仕事に出かける奥さんを見送って、そのまま昼まで寝ていた。午後になって何となく 秋葉原へ出かける。部屋の調光器が壊れていたので、交換部品を買いに。色々見て 回って、一番近い形式の、6k円位のを買う。えらい高いのね。あとついでにSeagate の250GBのUATAディスクを買ってしまう(ついでに?)。250GBで10kとはなー。 仕事帰りの奥さんとそのままアキバヨドバシの上の万豚記で夕食。うまい。錦糸町前に あるのもおいしいけどね。オモチャフロアで奥さんが 「えいご漬け」を購入。曰く「生まれて初めてゲームソフトを買ったよ!」 ……それはゲームソフトではなく学習ソフトです。あと本屋で ねこめ〜わく4巻 さくらの境2巻 導きの星4巻 漫画家超残酷物語 ケロロ12巻 ディアスポラなどを購入。だからいつ読むのかと。買おう買おうと思っていた 西尾維新クロニクルは立ち読みで終了。結局戯言のあのラストを受け入れられるか どうか、と問われるならば、否、という気分が支配的で。いや、結末が重要な作品 では無いとは思う。作中のハッタリの美しさこそが全てだとは思う。思うけど。 作品世界を愛したが故に。愛するが故に。

・何かと話題の今月のアフタヌーンが恐くて読めません。


FEB.24.2006(FRI)

 という訳で24日17時に成田に帰着。日本は寒い。錦糸町からタクシー。帰宅して 荷物を解いて、時差ぼけたまま夫婦揃ってWebに没入。流石にネットに餓えていた。 ローマにもネットカフェは沢山あったけど、滞在中は忙しくて、なんとなくネットする 気になれなかった。時差ぼけを調整する気力もなく、夜明け前に眠りに就く。


FEB.23.2006(THU)

 あっという間に最終日。ホテルをチェックアウトし、荷物を預けて最後の散策に。 ローマの街歩きに慣れてきた所だったので少し寂しい。もっといろいろ見たかった。 買い物ついでにコロッセオとフォロロマーノをチラ見。雨で車のタイヤが滑ってるなー (ローマの道路ははアスファルトじゃなくて石畳なので超滑りやすそうだ)とか 思ってたら目の前をバイクとライダーが滑っていって車に追突してた。こわー。 地下鉄でテルミニ駅まで戻って最後の買い物。マクドでマクド肉を食い、ホテルに 戻って荷物を詰め直し、カウンターでアリベデルチを叫び、空港へ。空港までのバスの ガイドさんが能弁で面白かった。吉兆のご飯は最高だ、とか遠い目をして語っていた。 空港でぼんやりと、来し方行く末を思う。また旅行したい。旅行しなくてはならない。 海外からの帰りにはいつもそう思う。

・行きの飛行機では映画が全く見られなかったので(寝ていた)帰りこそは、と 「エリザベスタウン」という映画を 見た。これが結構面白くて、お話自体はもうなんつーかアレなんだけど、アメリカの 田舎は絵になるなあー、という感じで。いや脳天気でいい映画でした。敢えて言わせて 貰えば、こんなオモシロギャルは現実には、いや止そう。スーザン・サランドンが 全部持って行った気もする。


FEB.22.2006(WED)

 朝6時起床。生憎の雨。現地ツアーのバスに乗り、南へ向かう。ポンペイ。途中 写真休憩など取りつつどんどん走る。途中の田舎町は米軍の爆撃で壊滅しました、的な 解説が。ポンペイも爆撃されたそうだ。午後にはポンペイに到着。空は快晴に。 遺跡では、ローマ時代の街を歩いているのだ、という異常さに脳がわく。小学生の頃、 生徒会室に置いてあったポンペイの本を何度も何度も何度も読み返してたので、その 記憶の確認作業。石畳の減り具合。馬をつなぐ穴。水道橋の跡。売春宿。入浴場。 猛犬注意。ベスビオス。フニクリフニクラ。

・ローマに戻ってきてテルミニ駅地下の商店街で買い物。なんだか疲れたので 夕食は駅のミラノサンドでシメ。


FEB.21.2006(TUE)

 朝6時起床。生憎の雨。現地ツアーのバスに乗り、北へ向かう。フィレンツェへ。 アカデミア美術館 でダビデ像を見る。思いの外でかい。奴の背中を初めて見た気がする。 投石機が背中にあったのね。美術館の中にはダビデの立体CGを回して楽しむ端末が あったりして。ガイドの人がかなりアカデミックな感じの人で、展示物を見るより 私の講義をお聞きなさい!的な感じで面白かった。勉強になります。あと 教会やら城やら橋やらを見て回る。楽しい。夕食は地味に。


FEB.20.2006(MON)

 午前中はバチカン美術館。並ぶとは聞いていたが予想以上の大行列。並びに並んだ 後はガイドの超速度に合わせて美術館を駆け抜ける。システィーナ礼拝堂で一休み。 また駆け抜けて午前中はオワリ。スペイン広場前で下ろして貰ってスペイン広場から バルベリーニ広場を通ってローマの城壁まで歩き、地下鉄に乗ってテルミニ駅へ。 テルミニ駅上のレストランで遅めの昼食にした後、ナツィオナーレ通りで買い物。 夕食は現地ガイドの人にお勧めしてもらったリストランテで野菜スープとピザ。 とビール。野菜スープが胃に優しい……ピザは普通においしかったです。にぎやかな 店で、ぼーっと音を聞いていると楽しい。

・帰りにスーパーでビールとか買い込んでみた。クノールのリゾットの素みたいのが 大量に売ってて、うわ成城石井とかで売ってそう、とか思いつつ買ってしまう。 肉屋コーナーの巨大なハモンセラーノ切り売りが超ウマソウだった。イタリア語で 注文する勇気が出ず……


FEB.19.2006(SUN)

 午前中は半日かけてローマ市内の名所旧跡ツアー。バチカンでピエタを見たり。 あと広場で豆粒大の教皇ベネディクト十六世を見た。 お言葉は各国語で語られており、その都度それを母国語とする聴衆がウオー! と盛り上がっていて面白かった。他にもトレビの泉とかそのへんも。然し個人的には パンテオンの迫力に尽きた。凄すぎる。畏怖の念にかられて身動きできず。 こういうのが見たかったんだー、という、そのもの。1900年前にたかだか10年で作った 巨大建築が今も普通に建っている。日本では卑弥呼が立った頃 だというが。

・昼飯を トモコの店でとってからフォロ・ロマーノとコロッセオへ。盛りだくさんすぎて 満腹感強し。アーチ!アーチアーチ!どいつもこいつもアーチアーチ!みたいな。 そんなにアーチ好きか。その強度は、しかし現在も証明され続けている。コロッセオ なんか8年で建てて2000年だもんなー。建材に使われて半分がた持って行かれてるけど、 それでもアホかというほどでかい。その遺跡の上を、カモメが暮れつつある青空を 背景に舞い飛ぶ。光の加減の所為か、なんかどこ見ても「ワンダと巨像」な感じ。 奥さんが「この絵はかなりワンダっぽい!」とか言いながらデジカメのメモリを 埋めまくっていた。1G買って正解だった……

・夜はカンツォーネディナー。カワイコチャン卒業旅行二人連れと同席になる。 疲れた上にワインで結構酔ってしまった……なんか醜態を晒したような…… カンツォーネ歌手の眼鏡お姉さんが永野のりこの描く白衣眼鏡お姉さんみたいで 凄かった。お姉さんの立ち居振る舞いだけで一見の価値ありといえた。超強気っぽい &ノリノリなのに店に入ってきた子犬にメロメロな所とか、どっかで見たなーと 思ったら練馬大根ブラザーズのカラクリ刑事だ。宿に戻って眠る。


FEB.18.2006(SAT)

 9:55発のJL-415でシャルル・ドゴール空港まで行き、そこでアリタリア航空のに 乗り継いでローマへ。乗り継ぎ初めて。シェンゲン協定国間の移動は、最初に 入国したら後はスルーなのね。パリの空港ではカタコト英語でチェックインの お姉さんを困らせたりして申し訳なし。英語勉強しよう。

・ローマに着いたらもう夜だった。宿に入って現地ガイドの人に説明を受けてから 寝こける。


FEB.17.2006(FRI)

 仕事して帰ってきて明朝からのローマ旅行に備える。徹夜。


FEB.16.2006(THU)

 何か自分の中に力強い何かが欠けている日々。トミノ御大の作品に触れてない からかもしれない。ターンエーやキンゲがあった頃の妙な充実が忘れられない。 あの頃の空気にまた触れたいと強烈に思う。とりあえずメージュの富訊け でも読むか……

・F11でまだ数枚しか写真を撮ってないというのに ISO3200までの高感度な後継機発表。これだから……大人は嫌いだッ……! でもまあ仕方ないので使いましょう。まずは使ってこそ。

・アニメージュと 「荒野の蒸気娘」1巻 「長い長いさんぽ」 「庭先案内」1巻 「サナギさん」1巻あと グイン106などを購入。そのうち読むよ……

・我慢できずに「荒野の蒸気娘」だけ読んだ。作者久々のしっかりした虚構世界。 ザ・デイ・アフター、というか、文明が滅んだ後のサバイバルみたいな世界観は この作者の初期作品からも見受けられる(ゾンビがくるりと輪を描いた〜)。 やや危うげな展開だが、物語は果たして我々をどこへ連れて行ってくれるものか。 「メカの魂」を語らせると結構饒舌に迫る(レミィとか)だけに、期待は尽きない。 ネコミミが般若になるとかその辺あさりテイスト。因みに萌え巨大メカという点では 既にZOEのドロレスがあるが、あれはお兄様ではなくておじさま、だったからなー。 しかし既に桑島の声も懐かしの部類に入ってしまった気がする。何せ ナデシコから10年だ。そういえば今週あたりNHKFMの 青アドで「イカロスの誕生日」とかやってなかったか。 あれは僕の中では桑島度MAXだったんだけど。凄いぜ。


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