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古日記 2004年9月(前半)


親父の手術に集まる家族篇。



「どうなるのがいい?」
「……わからないわ」
「じゃあ、望みがはっきりしてからもう一度訊いてくれないか。
未来っていうのは、そういうものなんだ。きみの魂に安らぎあれ」

(神林長平「あなたの魂に安らぎあれ」P40)

SEP.15.2004(WED)

 何か油断してるとまた次のプロジェクトに突入する罠。息つく暇もなし。深呼吸 して、コールタールのプールへ沈み込む。ぼこり。ヒマがあるウチにやっておこうと 思ったアレコレは全て保留棚に棚上げ。作業作業。口内炎が出来る道理。


SEP.14.2004(TUE)晴・花火

 仕事が一段落したので20時過ぎには出られてしまう。こんなにアフター時間が あると「これから何をしようか?」とか考えられて惑う。結局酒を飲んで虹裏を見て 鉄人28号も見て寝てしまう訳ですが。帰りに神社の前を通ったら、ああ今日は八幡の お祭りだ。夜店が出ていて、良い匂い。空を埋めるかの如き花火の連発。遠くの空 にも別の八幡社の花火が見える。秋風の心地よさ。やぱし毎日これ位に帰ってこれる 生活がしたいものだ。ファミマで唐揚げ串二本(今度はちゃんと二つあった)と ハバネロ焼きそば帰宅してジンのサイダー割*2、焼酎お湯割り*1。肴に鯖の 焼いた奴。もがれた鉄人の腹からナニが!量産型オックス萌え。塗らなくて良いのに。 ビッグファイアが大物なのか小物なのか未だに良く掴めない。そしてニコポンスキーの 正体が!うーん。

・イカデビル総統に頼んでスカイプ実験をしようとするも挫折。某モ氏の協力を得て 実験成功。これまたかなり満足行く音質だが、ハウリング対策なのか、マイクが スピーカーの音を拾うと自動的にミュートになっている様な……チューニングの 必要があるな……ハッ。ぜんぜん絵描いてない。


SEP.13.2004(MON)虹・曇・雷

 とくになにもない。帰りにかつ丼屋でかつ丼セットを食べながら斜め前のカップル の会話に耳をそばだてた程度。空は雷でひっきりなしに瞬いていた。ああ 雷サージ対策グッズを充実させたいなあとボンヤリ思う。夜N川先生と電話。 彼は彼でいろいろあるようだ。動こう、動かなければ、手を動かさなければ、メール の返事を書かねば。だが結局何も出来ず眠ってしまう。要するにスランプですか。 無論年中そうだけど。

・SF大会の時にディーラーズで見かけた プリンプリンのCDのチラシが出てきたので、とりあえずAmazonで予約注文。 いや自前のTV録ソング集もあるけど、ブックレットにひかれる……

・周りに skype入れてる人がいないのもあって手を出してなかったけど、何かここにきて じわじわと押し寄せる波の様なものを感じる。発作的にXPマシン二台に入れて家庭内 LANで試してみた。確かに今までのメッセモノとは違うレベルの音の良さ。あと ディレイが全然無いのも驚く。Windowsは2000/XP対応ということだけど、試しにWin98 マシンにも入れてみた。インストーラ自体は動作するものの、これは着信後に落ちて しまう様だ。うーん。動かす方法はないものか。もっと周りに導入してる人が増えて くれば、と思うのだけど……。


SEP.12.2004(SUN)

 筋肉痛に呻きつつ目覚める。地球の重力が2.5倍位に感じられる。この感覚も ちょっと久しぶり。やっぱ身体動かさんとあかんねえ。某方面から借りっぱなの 攻殻SACをチェックしつつBSアニメ夜話をDVDに焼き出す作業。あと8月分のレシート の束をcalcの家計簿表に打ち込んでグラフとか描いて楽しむ……9月はシメていこう ……。太田虎一郎「 かるき戦線1」(良くも悪くも太田虎一郎。この脱力感覚の持つ「素直さ」に 癒される。全てをそぎ落とした”素朴さ”そのもののネタ作りに、中高生の頃の素朴 な自分をフト思い出す。希有な才能)を読んでいたらそのまま眠りに落ちてしまう。 電話で起こされて活動再開。先の台風で欠便になったバスチケットの払い戻しに 出かけて、そのままマルナカに行って古賀亮一 「 ニニンがシノブ伝3」(いつものやつ。イマイチハジケっぷりが足りない感じが するのはTV放映に対する気遣い?或いは毎日の様にゲノムを読みかえしててすっかり 毒されてしまったからなの?ねえ?)他を購入してから用足しに徳島駅前へ。CITYの ビレッジバンガードで岡本太郎のお言葉を読んだり。何となく、美しい青春を 送った人の「その後」は切ないものだと思う。

将棋の子感想追加。


SEP.11.2004(SAT)

 起きて、アニメ夜話「ジョー」「CCさくら」チェック。

・「あしたのジョー」:ジョー2は変だ、という識域下の声が今公共の電波で。やっぱ そうだよな!みたいな。敢えてこの微妙極まる作品でデザッキーを語ろうという所が 「その時代」をナマで生きた連中の選択眼だと思う。ゲストも微妙で非常に怪しげな 雰囲気が漂っていて良し。強烈なキャラ萌え、やおい熱の作品であった、という歴史 が語られつつも、座には誰一人真摯な”キャラ萌え”が居ない、その上演出燃えが 居ない(様に見受けられる)というのも何だかなあ。このアニメ面白いの?みたいな 印象が強烈に。敢えて今見返そうとは全然思わない。そんな感じ。原作モノを原作と 切り離してアニメとして語るとこうなってしまうわな。技術論だけ。銀モールと平面 レンズによるデザッキー光の撮影テクとか、実際にやってる風景を見られて面白し。 でもこの「撮影技術」も今は昔、なのか。セルドロの話も今となっては。

・「CCさくら」:うーん。ぼやけた印象。大きいお友達視点からの語りを発火出来 無さ過ぎ。なんか全く別の作品を語ってる印象さえ(それはアンタの目が濁りすぎ)。 いやまあ今放送中だし。岡田はんがチラリと見せた魔法少女モノの系譜パネルで赤 チャが魔法少女モノだったことに衝撃。でもそうだ。CLAMPの評価とか、こう”外側” からの”分析”は的確だったけど、内側でハァハァしてた連中の「真言」は永遠に 黒歴史という訳か。いやその方が良い。次を考えるなら。ていうか殊更に語るモノでも なし。池田憲章は今回も良い語りで酔わせてくれた。ロフトプラスワンの人もいい味 だったぜ。

・久々にバスケ。汗だく。最後に行った時まだドリブルも素人同然だった眼鏡君が 普通に上手くなっていてビビル。若者(高校生?)の成長ぶりたるや!あと夏の間に 新たなカップルが!とか密やかに夏休み明けの教室気分を楽しむ。青春だ。

・アフタヌーン「げんしけん」、サークル入場の感動?を丹念に描いていて、この 感覚にまたヤラれた。初めての時って、そう、そうなんだよな!でもその感動、でも ないな、あの独特の浮ついた感覚は最初の一回だけなんだよ。一日も居たら慣れる。 嗚呼、それを、よくも描いたり。紙面に展開される一般入場前の光景、それを眺める 視線の移動までが「そう!そうなんだよ!」的な。いや、なんか、意味もなく泣けて きたよ。この作者のビデオカメラ的な描写力に改めて驚かされる。

野尻「太陽の簒奪者」感想クラーク「前哨」の感想 追加。超今更ですいません。


SEP.10.2004(FRI)

 EYE-COM復活号みたいな奴をパラパラと立ち読みして、10年前の事がまるで昨日の ことの様に思われる、その自分の歳の取りように絶句する。過去記事のドッグイヤー っぷりもスゴイ。桃栗の離婚してDV男と同棲して別れてまたいい男捕まえて結婚して 子供産んだぜ!みたいなのも中々にドッグイヤー。でもそんなもんかもな。僕が 変わらな過ぎなんじゃろう。実際あの頃からどれだけ変わったろう。青木光恵も 年上年上思ってたけど、あの頃まだ23とかやってんなあ……みんな(などと、さも 知り合いの様に表現してしまう程あの頃のアスキー関連書き手には一方的な思い 入れがある)なんだかんだ言って「やること」はちゃんとやってる。それが何だか 眩しくもある。


SEP.09.2004(THU)

 安らがぬ日々。一日中椅子に座ってディスプレイを見続けてると、運動したくて 死にそうだ。超音波で叫びながら夜のグランドを走り回りたい。走り回らないが。 帰ってきてBSアニメ夜話を見る。物足りないだろうなあ、と思って見始めたけど、 なかなかどうして、普通に面白がって見てしまう。何気なく交わされてる会話の 裏に、20年以上にわたる各アニメ情報誌の検証情報がオーバーラップされる。

・「劇場版999」:金田作画を語る時に村上を呼ぶのは(まだ)逆撫で感がある。 それはもはや無意味だと知りつつ。語り手と語り要素が多すぎるのに、良くもここ までスムーズに展開するものだと感心する。まあ全て何度も繰り返し語られてきた ことだから、という事でもあろうが。ハーロックの斜めになる歩き方とか、 ミステリートレイン(中学時代のツレの姉貴が乗った。昔車内放送のテープ聞かせて 貰ったよ)とか宇宙の海は俺の海とか海野十三とか語るべき所はちゃんと入ってる。 個人的には、この映画は「松本ロマン」そのものに対する夢とか憧れとかそういうの が強すぎて、作画まで頭が回らない感じ。飲み屋で同年代の男達と軽いオタ話する ときには欠かせない一本と言える。やめてくれミルクは身体が錆びる。氷川の作画 講座も善良で楽しい。懐かしい用語を一杯聞いた……

・「カリ城」:大地のデタラメさが素晴らしい一本。御大のパクリ疑惑は既に指摘 されまくっているので「僕ら」はそれを一々指摘されなくても「ああ、あれの事」 とか思うけど(”原典”と”御大のパクリ”を延々並べてるビデオとかあったよ)、 「一般の視聴者」にはその幾分が伝わっているのか。氷川講座は水の表現について。 みんな何だかアニメの良さを一生懸命訴えていて、ああ、そうだ、この人達は 「アニメが市民権を得る」為に頑張った人達だった、とか思う。今でもこの頃の作品 を語ろうとすると「アニメを普及しなくては!」みたいな気分になったりするんじゃ なかろうか、などと根拠のない妄想を。しかし、あー、いいな、オヤジ共。

・ジョーは明日見ます。

・しかしこういう仲良し番組を見てると、いしかわじゅんは必須だなあと思う。 いやホント。


SEP.08.2004(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.07.2004(TUE)台風18号

 台風のお陰で末広大橋が通行止めになって、朝から大渋滞。道路脇をお遍路さん が歩いていたが、風で押し戻されていた。遅刻したので病院には寄らず、仕事仕事 仕事。23時頃妹を拾いに病院に寄る。組織検査の結果は、あまり良いものでは なかった様だ。医者に「誰だって死ぬのだ」とか言われたらしく、意気消沈して いる。手術は成功、予後も順調、明日にも退院して、あとは日常生活を送りつつ 様子を見て、再発したら治療して、という事になるのだろう。自分の身体が、 もしかしたら不治の病に冒されている、という全身が冷たくなるような感覚の 幾分かを、僕も以前味わった。それは杞憂だった訳だけど、あの胃のあたりが ズーンと冷え込む様な、そのくせ全身から脂汗が止まらない様な感覚は忘れ難い。 あれを数倍する感覚が今この父親の中にあるのだろう、と想像すると、いたたまれ ない。誰だって明日の命を保証されない。僕らが想像力を持ちつつも普段自らの 死について想像せずに生きていられるのは、神の恩寵という他無い。メメントモリ。 誰もが一度は通る道だとしても。日付が変わる頃に帰ってきて、メシを食って、 眠る。眠った所に電話。電話口で突然某新婚夫婦を紹介されるも、寝ぼけてて アワアワな対応をしてしまう。恥ずかしい。礼儀正しい人々であった。

・ニッチな趣味として朝日で紹介されていた イロブン見て和む。プロだけあって デザインもステキだが、各解説の文章力が並でない。赤瀬川的というか。


SEP.06.2004(MON)

 病院行って会社行って仕事して病院行って仕事してコンビニで電気代払って帰って 来たら24時。BSアニメ夜話はHDDの中。そのうち見よう。そのうちにな。

・最近とんと更新してないジオサイトの方に「最近描いてないな」とメールが 届く。自分がまんが絵を描く趣味を持っていた事さえ忘れそうな毎日。 暮しのせいにはするな、ってな。


SEP.05.2004(SUN)

 全身に倦怠感。「泥のように眠る」という感じ。ドロリと。近所の図書館に出かけ て、何となく手塚治虫全集を読んで脳を覚ます。FAX用紙が切れてたので、家電屋で FAX用紙と、あとなんとなく勢いでオーディオテクニカの FMトランスミッター(AT-FMT5)を購入。車でMDとかMP3とか聞くときは カセットデッキにSONYのカセットアダプターを挿してるんだけど、ケーブルが断線 してきてて、時々音切れとかあって結構鬱陶しい感じなのだった。で、早速電波越し にMP3鳴らして、一聴して、ダメダコリャ。これは我慢できない。うーん、こんな もんやったか……やっぱりカセットアダプター買い直そう。無駄な買い物したぜ。 街を走ってると、先の台風の被害が結構目立つ。看板が丸ごと無くなってたり、 部分的に無くなってたり。酒屋の「酒」がさんずいだけになってたりとか。近所の 空き家なんかは屋根と壁が半分がた持って行かれててビックリする。人が住まないと、 一見ちゃんとしていても古びてしまうものだなあとか。帰ってきて冷蔵庫の キャベツとソーセージを煮込んだ何かを作って保温鍋に入れてから洗濯機を回し つつ、庭の芝生を刈り倒す。掌の皮が剥けるまで芝刈り機を押して、洗濯物を 干して、キャベツを食して、昼寝。

・夕方、目が覚めて、車を出す。CALLに寄って、某☆師匠と立ち話。明日からの アニメ夜話について色々妄想会話。ああヲタ話は心が安らぐ。最近のDVD焼き事情 についてとか聞いたあと、北上して市民病院に行く。父親の病室で寿司を食ってると、 大きい地震。結構長く揺れていて、すわ南海地震か、と思ったら違った様だ。看病に 詰めていた妹を連れて帰るついでに、マルナカに寄ってコーヒー豆を買う。マルナカ の豆は自分で袋詰めにするのが楽しくて時々無性に買いに行きたくなるのだった。 備え付けのミルで轢いてから袋の中にギッチリ詰めると、”お得感”が満たされる。 実際にお得かどうかは別として。帰宅してボンヤリしているとまた地震。今度の方が でかい!いよいよか!と思ったけどこれも違ったようだ。NHKの地震情報とか 見てたらあっという間に二時三時。寝た。


SEP.04.2004(SAT)

 仕事して見舞い行って仕事して寝た。帰りにファミリーマートに寄ると、店員 全員が大声で「おでんいかがですかー!!」とか言っててビックリ。ファミマって いままであんまりなじみが無かったんだけど、こんななのか。いや悪くは無いが。 あんまり良い匂いなので鶏唐揚げ串を二本頼んだが、一本しか入って無くて凹む。 唐揚げ串一本位で凹む必要も無かろうが、なんか「裏切られた!」みたいな気分に。 一本食べたら案の定美味かったのよ。そんでああ、もう一本食べられる〜、と 思ったらもう無かった、その妙な哀しさ。

・ようやく気持ち的に落ち着いたので、酒の肴に にきにっきの北海道篇を読んで、気分だけでも旅行したような。 「飛び込んで泳ぎたかったが、助けにきそうなのでやめた」とか名文だ。

・京都方面の知の巨人から 映像の世紀風にじうらフラッシュを教えて貰う。なるほどいい仕事。 然しホント今年の前半はすっかりとしあきの一員として生きた様な気分。 土曜の夜とか、ふと見始めるとあっという間に時間が経つ感じ。

・自分メモ:月曜日から BSアニメ夜話


SEP.03.2004(FRI)

 昼休みに見舞いに行くと、親父はもうICUから出てきていた。病室で暫し団欒。 妹二人がゴロゴロしているのを見るのは何となく久しぶり。この家族が集まるのは 本当に久々の様な気がする。家族ってやっぱり家族やよなあ、とか無意味な感想を 脳裏に浮かべつつ、深夜までサービスサービス。明日も仕事。


SEP.02.2004(THU)

 父親の甲状腺の手術の日。午後半休を取って病院に。洗濯物を洗ったりしていると 手術が終わってしまう。説明室に行き、4センチ角の明るい色の肉塊を見せられて、 いろいろと説明された。手術で取り去った以上最悪の事態(未分化癌への進行)は 免れている様だが、その判断ができるのは一週間後になるそうだ。ぬか喜びもしたく ないが、取りあえず終わった。あとは妹にまかせて、21時頃会社に戻って、仕事。 何で仕事してるんだろう。

・帰ってきて気が付いたが、顎がガタガタになっていた。歯を食いしばる(判断を 保留してやりかけの仕事に逃げ込む)クセが再発している。


SEP.01.2004(WED)

 昼休みに市民病院へ。父親が甲状腺の手術の為に昨日から入院している。一泊 一万五千円の部屋に2週間も!とか嘆いているが、命だいじに。両親は最悪の事態 を予想してかなり意気消沈している。「白い巨塔」見ただけ程度の知識しかない 僕は何も出来ずただ佇むのみ。明日手術。


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