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古日記 2004年5月(後半)


無為無策の穴埋め篇。



いつかそれは来るのだろうと思っていた。
今は忙しいから。仕事があるから。大変なんだ。
喰うために働かなくてはならないだろう。
刑事の仕事がどんなものか解っていて添ったのだろう。
今に、今に楽になるから。
今とは何時だ。
今とは結局過去のことなのだ。
未来を指して今にと云うのは詭弁なのだ。
未来は何処からもやって来はしない。
過去の先端である今だけが、多分
――そのまま未来になるのである。

(京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」(p524))

MAY.31.2004(MON)

 朝、会社近くの風呂屋で朝風呂に入ってから仕事。いい感じだったのでまた やろう。夜、先生に転職した人が仕事帰りに昔のスクリプトの解説に来てて、口調が 思い切り先生になってて内心非常にウケる。以前は物腰の柔らかい、誰に対しても 控えめな人だったけど、なんだかすっかり「先生」になってた。何というか、自信に 溢れてる。表情が生き生きしてて、ああ、天職ってのは、あるね、と思った次第。 それに比べて俺は!(好きだねどうも

・ケロロ軍曹。クルル来る。小山茉美の使い方がいい。漸く脂がのってきた感じ。 或いは、「アニメ版」の空気に慣れてきたというべきか。過剰にオタ臭くなるまい、 でも濃いポイントもちゃんと入れたあるよ、みたいなバランスが良い感じだ。/ レジェンズ今週分まで:火のサーガ氏クビかよ。あとハンバーガー食べたい。BLT? ボウリング行こうぜ、とか会話してる奴等の描写が異常に細かくておかしい。 スローする仕草とか。作画が演技してるなー。楽しい。なんか猫になって 次週に続くのか!?とにかく物語が始まってるんだか始まってないんだか、この 妙な肌合いは、確かに大地だと思う。


MAY.30.2004(SUN)

 夕暮れの街をそぞろ歩く。空気は風呂の中の様だ。茶店で素揚げ野菜入りカレーを 食べつつ、カウンターでイチゴのケーキが完成していく様を眺める。今夜これを囲む のはどんな人々か。お祖母ちゃんの誕生日、とか、○○さんガンバレ!、とか、そんな 感じのメッセージを入れてた様だ。誰かの為にケーキを注文する人が住んでる、そう いう街はいい街だ。名を変え姿を変えてこの見知らぬ街でひっそり暮らしたい幻想を 抱く(左腕にサイコガンを隠して)ものの、その「新しい自分」を裏付ける”何か” が今の自分には決定的に欠けている、という自覚で目が覚める。つまり賞金稼ぎに 追われてるとかいう”理由”に欠けている……あー、DragonAsh曰く「理由が要る 人は残ればいい」。思いよりも理由。「自分がやりたいこと」を明確に口に出せない 間は、駄目だ。


MAY.29.2004(SAT)

 なんとなく旅に出て見た。寝不足の頭で見知らぬ街をフラフラ歩く。夜、辿り 着いた商店街の鍋屋で温野菜鍋などつつきつつ来し方行く末に思いをはせる。誰を 責めるでもなし。ただ己のみ。このままじゃ、あかんのよ。

・よしながふみ「フラワー・オブ・ライフ1」を読む。ホモのようでホモでない。 強度のオタ眼鏡(でもデカくて腹筋割れてる)漫研部長真島がいい味。ていうか 「こいつは俺だ!」みたいな哀しみに暮れる。いや腹筋は割れてなかったけどさ。 あの「複数人で席を囲んでも一対一でしか(しかも一方的に自分が楽しい事しか) 語れない駄目さ、でも空気は読めない訳じゃないから周りが引いてるのは解ってて 余計に孤立」の再現性に泣く。ああ俺はああだったよ。甲子園古墳とか言わされて 嗤われて逆ギレする奴だったよ(全校集会で似たような発言をして語りぐさに)。 ていうか今でもああだよ。ぐああ。


MAY.28.2004(FRI)

・暴走する鉄人を前にしてうっとりと己の夢を語る敷島博士は真性のマッドサイエン ティストだな、と思いつつ鉄人28号を今週分まで見る。面白いのか面白くないのか わからん。ずーっとプロローグが続いている感じ。倒すべき巨悪が存在しないからか (ヘタするとアメリカが”巨悪”になりかねない勢いだ)。脚本の方向性が見えない まま迷走しない事を祈る。さっさとGロボ世界にしちゃえばいいのに。

・絢爛舞踏祭の水着作画はそこそこだと思えた。あとタモリ倶楽部のジャンクション 特集は心が震えた。あとギブスンのパターン・レコグニションの感想が聞こえてきて、 うう、こりゃ読んでみるか、という気分。久々にSFに浸りてえー。今年はホントに SFしてないからなー。

プロフェッサー竹村のIT的「スローライフのススメ」「スピード」は「習慣性のある 合法ドラッグ」なのだろうか?。この事(技術の進歩に伴い我々の余暇は増える 筈だった、のに、この忙しさは一体何故だ?)は80年代から神林長平によって言及 されていることだ。僕らは今や一人当たり一世代前の何倍もの仕事”量”を処理して いる(らしい)が、それでも残業の日々を送っている。ネットワークの発達、交通 機関の発達で、何処へでも直ぐに行ける様になった、からといって、都市への人口 (才能)集中は加速する一方だし、「地方の時代」は一向にやってこない。神林長平 は論理的(SF的に、ではあるが)にそれを語っていた。


MAY.27.2004(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。先日の飲みの折りハチクロを貸したN川先生より泣きの メール到着。泣け泣け。泣くがよいわ。


MAY.26.2004(WED)

 久々に気持ち悪くなるくらい仕事したよ。単に弱ってるだけか。滅多に人と交渉 したりしないんで、緊張感でクラクラ。まるで仕事してるみたいで新鮮だ!どうでも いい。コンビニ寄って帰宅して、オレンジジュースをがばりがばりと飲んで寝た。 がばりがばりと言うと津野裕子漫画を思い出す訳ですがまあそれはそれとして。昨日 泣き寝入りして読めなかった「ナノトリノ2」を読んでホンワカ。多分この作者の 狙ってる所とは違うところでうっとりしてる。それはつまり「ふくやまけいこだから」 という一点で。


MAY.25.2004(TUE)

 健康診断あり。久々に自分の血を見る。BMI値は去年とまったく同じ。常に増減を 繰り返していたので、なんかこう、停滞感が。ま、相変わらずデブちん道を邁進 してる訳ですが。昔(大学時代とか)は 安田大サーカス級だったから、それに比べたら。医者に肩こりがひどいと 訴えてみたけど「時々姿勢を変えて下さいね」とスルーされた。 PCと腰痛・肩こりの因果関係と対策とか 簡単 ストレッチとか見て自衛するしかないか。一時期ホントにひどかった。

・今日買ったまんが:「ハチミツとクローバー6」”自分探し”が出たー!とか 言うと妖怪みたいだけど。キャラ愛の向こうに作者の冷酷な観察眼が見え隠れする。 こういう目で世間を見ているのか、と。ギャグが走っていて惑わされがちだが、この 作者のそういう「気安くない」感じには、時々ゾクリとさせられる。それはそれと して生首パンの下りで腹をよじって笑う。最近沈みがちだったんで、スゲエ気持ち よかった。笑うっていいな。/「バーバーハーバー5」痛くて痛くてもうなんか 過去現在の諸々を謝りたくなる。とてもじゃないが冷静には読まれへん。情熱と現実。 青春のあとさき。遠恋と仕事。漫画的にはマスターの好き(だった)人妻、ってのが どうも取って付けたみたいで、或いは作者、近場でのドロドロ展開を避けたか?とも 邪推する(必死で視点を逸らし中)。人気に乗じて(だと思う)の諸々の力業な展開 も、ああ、でも現実ってこうだよね、と思えてしまう、のが日常4コマだ。人生よな。 /「ナノトリノ2」まだ読んでません。おなかいっぱいで。

・かいけつゾロリ見て寝た。今大人気のサッカー選手になりたい!→サッカーチーム には入れて貰えなかったのでサッカーチームを自分で作る→選手を発掘に小学校へ →サッカー少年達が生意気だったのでこらしめるためにトイレの花子さん作戦→勇気 ある少年達に敗北して退散。これでいいのかゾロリ先生。


MAY.24.2004(MON)

 歯を食いしばりすぎて頭痛がする。30歳という数字の焦りからまだ逃れられずに アワアワといらんことをしていらん結果を招いたり。己の身の丈を識れ。年齢じゃ なくて中身で。 心はいつも15歳。あかんやん。

・負けないために生きるしかない。生きるために負けないのではない。「生き残る」 ことが負けない事だ。勝つ必要は無い。生き残れ。

・昨日のプリキュアが良かったというので見始めたが最初の数分で恥ずかしさのあまり 視聴停止。いまだにこういう「気恥ずかしい」のは駄目だ。ううう。ケロロ軍曹も 見たけどこっちはこっちで何か良い感じに力の抜けた作画で楽しかった。これくらい ”似てない”のがいいなー。味わい的に。


MAY.23.2004(SUN)

 夜明け頃駐車場の車の中で目覚める。酒の抜けを確認してから帰宅。午後まで眠る。 喉がガラガラ。徐に「究極超人あ〜る」を全巻読破して涙する。面白くて懐かしくて 切なくて泣けた。背筋を伸ばそう。上を向こう。ちゃんと生きなくては。あの頃の 自分に恥じない様に。等と飲んだくれてカラオケで喉を痛めた後で誓ってもな。だが 俺はやるぜ。何をや。夜、ニャッキ氏より観望会のお知らせ。M隊員、K永を拾って、 大川原高原まで行って去りゆくニート彗星を見る。望遠鏡ごしにぼんやりとした彗星が、 見えた。肉眼でバリバリに見えたヘールボップ や百武には及ばないが、確かに彗星だ。月とか土星とか木星とか星雲とか見て 23時頃解散。帰宅して、眠った。


MAY.22.2004(SAT)

 昼間、なんか決定的な引き金を引いてしまった感じ。結果を確認する術も無し。 どうして俺はこうなのか、という落ち込みのまま街に飲みに出る。気がつくと男二人 、ポッポ街のカラオケ屋で「飯田線のバラード」とか「少年の夢は生きている」とか マジ泣きしながら歌っていた午前2時。


MAY.21.2004(FRI)不明

 仕事して帰ってきて金ロの 「ダンジョン&ドラゴン」見て「白い巨塔」読んで 朝までナマステ聴いて 寝た。落ち着くなあ。

・ダンジョン&ドラゴンはなんというか切ない出来だった。絵的な出来が「良い」 だけに切ない。コアなファンが見たら喀血しかねない出来だろう。「指輪」が如何に 優れていたか。或いは、ファンタジーを実写にすることの難しさを痛感する結果に。


MAY.20.2004(THU)

 さもありなんさもありなん。そんなフレーズが脳から離れない夜。

・それはそれとしてCGアニメのスパイダーマンは相変わらず面白い。


MAY.19.2004(WED)

 仕事して帰ってきて天上天下見ながら筋トレしてにじうら見て寝た。ボンバヘー。 最近ヘル・カーの影響でにじうらにハマりがち。いろいろ解説してもらって約束事を 覚えたら、一気にハマってしまった。大して盛り上がる訳でもないのに、気がつくと 延々見続けている。今夜も気がつけばえらい時間に。文体までとしあき化してきてて、 うう、こりゃヤバい。自粛せねば……ホント、他に何もできなくなるわ。

トップ2の話がここにきてドンと出てきてますね。トップ2までの流れは SF2001時の新世紀アニメ宣言で聞いた通りになって来てるみたい。ヤルナ。 その次はもう「ウル」になってた、筈だ。やるのか。ホントに。

おめでとうございます。あー。丁度今日後輩から内祝い貰っちゃったよ。 イカス氏といい ぷりめ氏と いい、ゾクゾクと次世代環境が整えられていくな……ナントモハヤ。

・西尾維新「零崎双識の人間試験」読了。作家本来の魅力、文体の切れや言葉遣いの 美しさ、は全く損なわれていないが、やや荒削り、というか、ナイフエッジを埋める 柔らかい部分(つまり戯言使いの存在)をはぎ取ってる所為で、ひどく荒々しい印象 になっている。竹氏のイラストも、作者と一心同体の様に、荒々しく、刺々しく、 禍々しい。この統一感は流石このシリーズ、という感じ。殺し名、呪い名など、作品 世界の「厚み」の為に語られていた、と思っていた連中が次々に現れてくる。これは、 正直危険な兆候だと思う。つまり、僕はこの作品に「ブギーポップみたいにはなって ほしくない」のだ。ああ。最も心を締め付けられた「クビシメ」は、今や例外的な 作品となってしまったが……とまれ、それでも、僕はこのシリーズの次回作を楽しみ にしている。自分でも驚くほどに。これだけ人が残酷に死に続ける作品を読んで、 こういう感想を得てしまうのは或いは危険なのかもしれないが(特にこの作品の 主たる読者であろう中高生にとっては)然し、何とも言えず、魅力的なのだ。 その言葉が、文字が、響きが。


MAY.18.2004(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。

・米軍の捕虜虐待に関して、スタンフォード大の 囚人・看守実験の話を 例に挙げている人が結構多くて、おおみんな学あるな、と感心する。昔僕も何かの 本で読んだし、確か数年前に es[エス]という映画があった時にも話題になってた筈だ。でも忘れてた。 結局「そういうこと」なのかね。人間、「私」というこの存在は、簡単に環境や関係 に支配されてしまう、と。或いは脳内の化学物質のバランスが「心」の全てなのだ、 とか思うと、なんとなくやるせない。人間、という存在そのものが「そういうもの」 なのだとしたら、誰も他人を批判できない。あるのは諦めと哀しみだけだ。

・まあ、逆に行くと、落ち込んだり凹んだり卑屈になったりしてる時は、思い切って 環境を変えてしまうとあっさり解決(解消)するもんだぜ、という事でもあろう。 いや、最近ちょっとね……妙に低調で安定してて、それが恐い。


MAY.17.2004(MON)

 仕事して帰ってきて投げ売りのトンカツ食って寝た。うまいものには味が ある、とか言いながら。

・先月のSoftwareDesignをボンヤリ読んでいたら やねうらお氏の 御名前が。最近はこういう感じなのね……とか思いつつプロフィールを見てると、 なんか多方面で活躍中!という感じで、カッコイイ。それに比べて俺(もういいよ

「本日のスープ」って歌のサビが妙に脳にこびりついて離れないのでAmazon で注文してしまった。ああ、カードの伝票Amazonばっかりだよ。気がつくと身の 回りがAmazonの段ボール箱だらけに。ゴミ箱も本箱も文具入れも全部Amazon箱、 みたいな有様。タバコは地元で買いましょう、じゃないけど、ホントは本も地元で 買うべきなんだろう。昔、店員に好み覚えられて、勝手に取り置きされてたり、とか そういう事もあった。今はAmazonがお薦めしてくれるけどね。

・BSのマスコットキャラの名前がいつのまにか ななみちゃんに決定してた。 アニメ 「ななみちゃん」とかやってるし。ななみかー。そのうち牛になったりする のかのう。

WindowsRG。 ムカつく程の再現性。MSと言えば最近知ったけど 宇宙天啓データベース G.2 と、断続的な絞首刑が発生します。 宇宙天啓データベースG.2。いい響きだ。アカシックレコード並。


MAY.16.2004(SUN)

 雨中県南をブラブラとドライブ。mp3対応CDプレーヤのお陰で延々BGM流しっぱなし。 なんかスゲーなーこれ、と今更ながらに。電池も減らないし。あー、しかし。もう5月 も半ばを過ぎたというのにこの気合いの入らなさは何だ。自分リソースが引き裂かれて る感じ。あれもやりたいこれもやりたい、で結局何もできなくてボンヤリドライブ なんかしたりして時間を「潰し」てる。目標が無い、訳ではないけど、具体的じゃない から、散漫なんだよな。もっとタスクをダイエットして、優先順位つけて処理を流して いこう……などとドライブ中は思うんだけど、帰ってきたらダラダラとスゴ録の中身を 鑑賞してしまって。ああ。あああ。

NHK スペシャル「疾走 ロボットカー」が面白かった。ロボカーならではのドジッコ ぶりに萌える。その先には、アメリカン未来SFのお約束道具「荒野を疾走中ギャングに 襲われる自動トラック」も見えてくる。でも暫く三原則は載せてくれなさそうだと 思った。

・今年は 17年蝉の年。この周期にもなんか”理由”があるんだろうけど。この辺、草上仁 あたりに考証(捏造)して頂きたいものだと思う。あとこのセミの話、昔OUTの あるみか通信でやってたなあ、成程あれから17年かー、などと。その17年でるうい さんはアメリカで結婚して子供も産んで。それにひきかえ俺は(以下略

セブン イレブン、米国で「おにぎり」発売へ。最大の難関は海苔なんじゃないかと おもったりしたけどもうアメリカ人もブラックペーパー位食えるかのう。昔は ホントに気色悪がられた様だけど。

民間宇宙飛行目指し、高度64キロを記録 米チーム。 Xプライズ挑戦中。 やっとるやっとる。空が黒いんだぜ!という台詞にその感動がにじむ。あー、 イイナァ。


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