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古日記 2004年3月(前半)


イノセンス見た篇・或いは海岸でマッタリ篇。



人生は一箱のマツチに似てゐる。
重大に扱ふのは莫迦々々しい。
重大に扱はなければ危険である。

人生は落丁の多い書物に似てゐる。
一部を成すとは称し難い。
しかし兎に角一部を成してゐる。

(芥川龍之介「侏儒の言葉」)

MAR.15.2004(MON)

 仕事してコンビニ経由で帰ってきて爆笑問題のススメ(おおひなたごうゲスト) 見て寝た。ゆるく、静かな内容。実物を見ないと描けない、ってのは、そうだろう なー、と妙に納得する。だからこそああいう絵になる。それがいい。

・京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」を読み終わる。かなり早い時点で全てが見えてしまって、 (ひばり書房系の恐怖漫画を愛読した少年時代を背景に持つので)ラスト京極堂の語り にも新鮮な部分が殆ど無い、という。まあ「こういうの」を期待している読者は満足 なんだろうけど、「宴の始末」で「おお京極堂がついに立ち上がった!いよいよ巨悪 との戦いが!?」とか(スーパーアキヒコによるバトルものを)期待してた身にはなん だか、うーん。いずれやってくれるとは思って期待してるんだけど、でも「それ」を やるときはシリーズが終わる時でもあろうしな……関口君が良く恢復していて安心。 次回作として予告されている「邪魅の雫」は何時出るのかしら。

太陽系10番目の惑星を確認 NASAが発表へ。セドナ(仮)だそう。 えー魔王星じゃないのかー、と思ったけど、月以下サイズみたい。惑星って サイズでもないのかしら。

ナルニア映画化。個人的には「物語から帰ってきたときの喪失感」 度では指輪よりナルニアが圧倒的に上だと思うのだった。”向こう側”を期待して 洋服ダンスに潜り込んだクチ(後にバイクロッサーにより上書き)。


MAR.14.2004(SUN)

 午後から徳島市内に向けてぶらりと出かける。CALLで 塊魂の試遊。「塊」 の表面に猫とかがくっついてびちびち動いてる様に、思わず顔がにやける。うひゃー。 うひひ。駄目だー(褒め言葉)。これはだめだ、馬鹿だ。王様のキャラとか音楽とか もうどうでもいい。むしろ後付け感バリバリ。この「雪だるま式」の異常な感触こそが 魅力。なんつーか、諸星大二郎的笑い。外面の雰囲気的はなんとなくSCEな感じだけど、 アイデアそのものの魅力だけで一本出してしまうのはやっぱりnamco、かしら。 いや、まあ買ってまでするかどうかは不明だけど……でもファーストインパクトは 凄いよ。clieないのーとか云いつつcocoonに貯まっているマリ見てを鑑賞したり。 後はその辺で散髪したり、靴を買ったり。襟足が直線になってる哀しみ。坊やっぽい 頭に。あっワイシャツ買い損ねたー。寝具売り場でテンピュールの枕をふにょふにょ していたら日が暮れた感じ。いや、試してはみたいけど、外れだったら痛い値段よ >ふにょっと。

・メッセのビデオチャットで酔っぱらい相手に蔵書自慢大会。カメラの先に自慢の 本を立てるだけ。やや楽しい。キャプテン・フューチャーが表紙のメージュとか。 インタビューされてるノダコウが若いのなんの。あんまりやってたら「ノリコの 部屋か」とか云われて凹む。


MAR.13.2004(SAT)

 ふと見ると車がべったりと細かいホコリに覆われている。黄砂か。雑巾で拭って 満足するも、その日の夕方には元の木阿弥。通勤用の安靴がかなりヤバイ事になって いるので思い切って捨てる。買いにいこー、と思いつつ気がつけば一日は終わる。 日が暮れてからバスケ。汗をかく。メロンパンなどほおばりつつ。風呂屋に行って、 M隊員とイノセンス話、I上氏と最近の総菜売り場情報などを交換し合う。

・掘り出してきた水木しげるの妖怪百科にちゃんと「おんもら鬼」が載っていて びびった。今読んでるんで>陰摩羅鬼の瑕。


MAR.12.2004(FRI)

 某局の受信料CMがフリッパーズで、なんかそれだけでほろほろと泣ける春だ。 へーびにぼーいおーゆぶるぼーいてぃーねーききゃんだーい。雪が溶けて僕たち は春を知る。同じことただ繰り返す。喋る笑う恋をする僕たちはさよならする。 分かりあえやしないってことだけを。我慢ならずCDを掘り出して、午前3時の オプを聞いて、静かに狂う。

・フリッパーズ世代がもう”社会”のコアにいるのだ、という実感。僕はまだ (まだ!)パステルズバッヂを外す事さえしてないけど……ホントに?もう とっくに無くしてしまったんじゃないのか。あと一ヶ月と少しで30になる。 蹴っ飛ばすためのブーツを履くこともなく、ただ恵方を見て微笑むだけの オヤジとならん。


MAR.11.2004(THU)

 帰ってきて白い巨塔見て「またか!またここで続くのか!」とか泣き叫び つつビール飲んで眠る。次回最終回。然しウガイ先生ステキすぎる。某氏から 「白い巨乳」の文字列が送られてきて吹く。こういう匙加減が好きだ。

トヨタロボ。人工唇、というのに過剰反応してすいません。なんか 繊細そうで、ホンダロボとはまた趣が違う感じ。二足歩行車椅子はイカス。 えーと、アレだ、「天にも昇るような気持ちで地獄行き」。酔うぜこれは。


MAR.10.2004(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。


MAR.09.2004(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。

ヤパネットかたかた も応援してる。負けるな。


MAR.08.2004(MON)

 降ってわいた有給休暇。何も予定がない。北島シネマで「イノセンス」を見る。 入りはパラパラ。前の席に座ったのが細身のカワイコちゃん(気合い入りまくりの 服背中出し&ミニスカ)とオタ野郎(如何にもな)なカップルで、色々ねたましい のだった。キイイ。

・で。映画の方はとゆうと背景美術が超すごい。目が追いつかない程の情報量に 痺れる。九龍テイスト、或いはリドリースコット的未来の気色良さ……とか思って たけど、択捉辺りでもう目が慣れてしまったのも事実。高精細なアキラというか。 美しいのは美しいんだけど。いや押井好きだしIGのブラブラ作画もヨダレ垂らし ながら見たけどさ。ホラ、アレですよ、センス・オブ・ワンダーが無い。ああ、 バトーは面倒な女に惚れちゃったねえ、かわいそう。あと犬がかわいいな。あと トグサん家は何となく近いうちにテロられそうだ。そんな感じで。絵だけは見る 価値有り。大画面で。

・「2」を雑誌で読んだとき、素子が義体に無線で入って(ダウンロードして)て、 って所で脳をガッツーン、とやられたよ。義体サクサク乗り換えてく所とか、もう なんかえらい事になってる、一体これをどう「感じ」たらいいんだ僕は!みたいな ”パニック”に襲われたのを覚えてる。のに、今はもう全然そう言うのを感じない。 ああ、そういうのもアリだよね、みたいな感じ。佇む人形の”中”には彼女は ”居ない”。それでもその人形にジャケットを着せるバトー。それも「解る」のだ。 違和感抜きで。うーん。違和感、驚き、抵抗感、パニック、を、もう全然感じられ ない出来になってる。それが単にそういう概念が珍しくなくなったから、という事 なら、いやー、やっぱセンスオブワンダーは腐らない内に、という話で。

・あとアップルの予告編やってたけど、背筋ゾクゾクな部分と「こらあかん!」な 部分が混在してて微妙過ぎだと思ったが皆さんはどうですか。戦闘シーン”だけ”は いいなーと思ったさ。

・兎に角「絵」には確実に酔える。”接続された連中故の”と言い訳ありのコピペ 発言満載で鬱陶しいことこの上ない押井イズムは、まあこんなもんだろう。見る 価値があるかと言われれば、そりゃ勿論あるよ、まあ見とけ、と云う。や、ホント 「眼福眼福」な感じの映画。内容は、多分「あーあまたやってるぜ>押井」的に 流せばいい程度のモノだと思う。全てにおいて「イチゲンさんお断り」なので、 その辺安心といえば、安心か。

・亀山助清の声はいいなあ、うっとり、と思ったのも付記しておこう。

・プリンプリン、トントンがロボだと解るやポイ捨て。この娘の見切りの素早さって のは凄いよなーといつも思う。結局ボヘミアンなのか。あと最後の子供ってのが 「チグリスとユーフラテス」を思い出させてくれた、パクリだ!(いやいや)みたい な事もメモっておこう。

・ボヘミアンって言うけどじゃあボヘミア人はみんな放浪生活者なのか。

・つまり映画見てTV見て寝たという。


MAR.07.2004(SUN)

 うってかわって暖かい。県南の海岸に車を停めて昼寝を決め込む。

・諸星大二郎「栞と紙魚子 何かが街にやって来る」面白すぎる。この面白さをどう 伝えたものか。「人の部下を味噌漬けにして返すな!」とかで転げ回って笑う。こう いう「味わい」で攻められるとホントに弱い。キャラそれぞれの魅力に痺れる。 ああ、もう、サイコーだ。/林ふみの「新世紀エヴァンゲリオン鋼鉄のガールフレンド 2nd・1」:某総統が受けていたので買ってみて受けた。今更エヴァかよ、とか思いつつ しっかり反応してしまう己の脳の駄目さ加減(ユルさ加減)も再確認。


MAR.06.2004(SAT)

 南国とはいえ、3月に雪が降ることもある。海に出かけると、いつの間にか 砂浜にブルーシート屋敷。それが暖かそうに見える位に寒かった。ボンヤリ ゴロゴロと過ごす。


MAR.05.2004(FRI)

 某プロダクトの打ち上げの席で先輩社員の退社の旨を聞く。転職先は誰も文句の 言えないところ。これから半月程度で先輩がやっていた仕事を引き継げ、と上司に 笑いながら言われても、凍った表情しか出てこない。その後のカラオケになんか とても行く気にはなれなかった。ブーイングを背に、辞して帰る。吐きそうだった。 一体、僕の人生はこのままでいいのか。いいわけないけど。

・松本清張「砂の器」読了。まさかこいつが犯人だったとは……!という感じ。 そしてオチはSF、なのか。スケールは広いが、ご都合に過ぎる感あり。それも 「時代」ということだろう。


MAR.04.2004(THU)

 いろいろうまくない。モヤモヤを抱えて帰宅。はあぁ、とため息をつきつつ 「白い巨塔」を見始めて、見終わった頃には「うわ此処で続くのかー!!勘弁して くれよー!!」とか血管切れそうになって叫んでいたという。安いものだ。ヤナの 部屋で見せた佐々木蔵之介の表情の演技に心底感動する。あの「含みあるよ」と いう表情の巧さ。いやホントに良い顔するよー。流石過去に飛龍小学校で番長を やっていただけのことはある。過去といえばさっき初めて知ったんだけど、 蔵之介ってのは実家が造り酒屋だからついた名前だったのね(ゆるいファンで すいません)。ああ、この人も27にして人生を決めたのか。男の人生の転機は27歳 にやってくるという。特に何事も無く30代を迎えんとする身には、なんだか。いや (涙をこらえ夜空を見上げつつ)まだまだ。

・ていうか佐々木酒造のページ あるし!なんかのんちゃんとかあって、謎だ……今度買いに行こうっと。


MAR.03.2004(WED)

 帰りにセルフのガススタンドでガソリンを入れていたら、カードのポイントが100pt を超えて1000円引きに。これで2回目だ。1000円で1ptだから、100pt貯まるのに10万 円。2回ということは20万は使ってるって事か。わー、二酸化炭素排出しまくってるな ……すいません地球に厳しくて。

・帰ってきて酒飲んで寝た。なんかまた色々ヤバイ。春が来るからなー。これから 二ヶ月くらいは、意味もなく辛いのだ。夏まで続く、異常な焦燥感に焦がされる 日々に、だが意味なんか無い。ただ、”木の芽時”に踊らされているだけだ。 ああ踊れ狂え。この世は夢よ。

火星の表面に水の証拠。いや今更そんな事言われても。まあ然し今のうち、 このクリーンな内に調べるだけは調べておかないと、火星緑化とか言い出して あっという間に汚染(地球の微生物で)されてしまうかも知れないし。今思うと 安彦のヴィナス戦記の設定は(多分穴だらけなんだろうけど)力強くて説得力が あったよ。いやつまり、ああしちめんどくせえ、もう彗星でもぶつけてさっさと テラフォーミング始めようぜ、という。クラークも人類が滅びないためには火星 への移住が必要だって言ってたし。Make room!Make room!ま、クラークが「必要だ」 って言ったら、遅かれ早かれそれは必要になるので、もう諦めて下さい。

・順番的にはそのまえに軌道エレベーターな訳だけど。C60でエレベータ用の ケーブルが作れる!とか言い出してからもう20年近いが。スペースシャトルで テザー実験(引き綱垂らし実験)とかやってたのも、今となっては懐かしい思い出、 なのか。まあクラークが出来ると言ったら遅かれ早(以下略

・しかしクラークって1917年生まれだから今年で87歳か。フーン。なんかあと 100年位平気で生きてそうだな。


MAR.02.2004(TUE)

 すいみんすいみん睡眠不足な一日。去年は毎日8時半まで寝てられたものだが、 今7時前には起きてるから、どうにも夜更かしすると辛い。とか言いつつ今日も サービスサービス。今頃になって前の部屋の清掃費他が請求されてきて、まあ妥当 な値段だったんで良いんだけど、すっかり忘れてました。はー。結構どかりと出費。 今でも時々、目が覚めるとあの部屋に居るんじゃないかって気になる。タイムカード を圧しつつ、このあとあの部屋に帰るんじゃないか、って気になる。一昨日見た夢 は、もう空け渡しの期日が来ているのに、ぜんぜん片づいてない部屋を見て呆然と なっている自分。ああ、駄目だ、まだ後半年くらい住まなきゃ……と、心のどこかで ホッとしているのだった。

・いや、春だしな。昨日「海がきこえる」読んじゃったしな。はー。新生活……あ、 SUEZENの新生/性活、買ったままどこへ押し込んだやら。DeadSpaceも併せて読み かえさねばー。ああ大学生エロライフ。世の中の大学生ってみんなあんななのか なー。いいなー。拙者なんか。はー。作者は昔西原に女癖の悪さを暴露されていた が、うーん、実際はどうだったんだろー。

・去年から推敲せ、いや、言い訳はすまい、とりあえず 竹本泉「よみきりもの」衛藤ヒロユキ「魔法陣グルグル」の読書だだ漏れ メモUP。腐らせるよかマシじゃろ。


MAR.01.2004(MON)雨後晴

 仕事して帰ってきてデカとライダーとプリキュアとプラネテスとスピカを5倍速位 で見る。もう味わいもへったくれもない。デカはいろいろ緩くて見所が読めない/ ライダーはムっ殺す!位か、見所は(見所なのか)/プリキュアは順当に幹部入れ 替え劇が。セラムンだよなー。/プラネテス:なんか度胸星?スピカとかぶるー。 タナベはモテすぎ。/スピカ、絵が全然違うんですが。何かあったのか。ちょっと 無理矢理泣かされた感じ……泣いた訳ですが。/プラネテス単行本4巻に関しては つらつら書いてたら馬鹿みたいな量になったのでまたやりなおし。もすこし素直に 読もう。

・メージュの塔のなかからひとつかみ、海がきこえるの20回あたりをぼんやり読み かえして、嘆息。ああ、そうだ、高校時代の僕は、「こういう」青春を夢想していた。 バイトと恋愛とサークルと。照りつける夏の開放感。僕の大学時代の夏には、孤独と、 クーラーの冷気と、夜の涼気だけしか記憶にない。焦りだけがあった。楽しいこと なんて何一つ無かった。ゼロにはなにをかけてもゼロの道理、流石に僕の妄想力も 「何もなかった」事の前には屈服せざるを得ない。強烈な「敗北感」。これから 大学生になろうという人は、お願いだ、多少自分を殺してでも、プライドを削って でも、最初の数ヶ月は「身も蓋もない、下らない連中」の輪の中に入って暮らして くれ。最初が肝心なのだ。スタートで躓くと、最後までずっと引きずりかねない。 あんな重苦しい夏を、もう誰にも味わって欲しくない。せめてGW明けるまでは、 自分を、殺してくれ。

・あ、いや、帰りにコンビニで「げんしけん」(俺達の大野さんが!……俺達の?) 立ち読みして色々語りのツボ押されたってだけのことです……斑目……


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