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古日記 2003年7月(後半)


夏休みはT3篇。



うまくいっているなら、放っておけ。
護る必要などないのだ。悪い状態はもとよりそれにしがみついて
護ることはないのだから、人生、なにも護るべきものなどないのだ。

(神林長平「魂の駆動体」(p22))

JUL.31.2003(THU)

 おたおたした毎日が続く。週明けの報告会にはどうも間に合わない予感。自分の 処理能力の低さに呻く。こういうときはホントもう駄目。久々にこういう気分に なった。仕事できないよなー自分、とつくづく。この仕事、向いてないんですよ元々。 なんて今更。ていうかfrom9to5の「定時生活」が僕の人生だった筈……帰宅部な 人生だったからさ。今からでもそんな”堅実な人生”を模索した方が良いのかも。 そんなのが有ればだけどな。ていうか成長してえ。ちゃんとシナリオ作ってスキル アップを図っていかないと、いつまでもこんなんじゃなあ。

・宝くじ買い忘れてたー、とか。三千万円位当てる予定だったんだけどなー。 ていうか当たったら隠居するよ。養蜂と読書の日々に。逃げる事ばっかり考えて ます。ていうか三千万じゃ駄目か。

ダサ4始動だ そうで。一回しか行ったことないけど。人づてにやりそうってのは聞いてました。 でもその日は駄目なのだったー残念。なんかずーっと行き損ねてる感じ……


JUL.30.2003(WED)雨後晴

 休み中に溜まった複数の作業を同時に進めようとしていて、虻蜂取らず、っつーか、 何にも出来ない状態に。物事を整理して進める、っていうスキルが相変わらず欠損して いるなあと思う。鍛えなきゃなー。脳を。グズグズ仕事してたけど、もうどうしようも ない感じになってきたので泣く泣く退却。帰って寝た。もういっそクビにして!とか そんな気分。

・プリンプリン、ピテカンドロップオシモサクのオシモサクに続いてオシモサコ 登場。なんかここはアッサリ通り過ぎた気がする。どうだっただろう。宇宙人の歌も ボンヤリと覚えていた。あとヘドロの姉御があからさまにランカーへの愛を語って いて、でも「ええい!このアマ!」とか言われてて切ない感じだった。でもヘドロが 欲しいのは「ランカーの妻」っていう地位なんだろうなあ。いや、しかし、あの従順 っぷりは……あとおじゃるの再放送、伝ボの声が違和感バリ。

・寝る前にチャットして一日の疲労がチャラになる。この瞬間の為だけに今日 一日があった様なものだ。


JUL.29.2003(TUE)

 カレーを食って、コンビニにジュースなんか買いに行って、くじ引きでコーヒー 一本貰って、帰って、電話で話して、寝た。語れる事は何もない。

・「ヒトクイマジカル」を読み始めた。この吸引力は何だろう。彼等彼女等の言動の 一つ一つに惹かれるのを感じる。無関心と怠惰と諦めと戯言を以て尚輝く、これは 「若さ」だ。こういう事言うとホントに自分は年取ったんだよなあ、とか思うけど、 いや、でも、やっぱ「今現実に大学生である」という空気は、そのときにしか描け ないものだと思う。「人生」を冗談めかして語り飛ばす事ができるのは、己が「世間」 と無縁であり、また「残り時間」が無限にある、というあの「真のモラトリアム」 感覚あってこそだ……と言う様な事を、まあ年寄りは書きがちだけど、さて、 果たして。つーか自分が22の時にこんな流麗な物語が描けたか?格が違うよ、格が。 大体僕が22の頃なんて、これ以上ない位「世間」にとらわれて、もうどうしようも 無くなってた頃じゃないか。


JUL.28.2003(MON)

 久々の仕事。溜まりまくったメールの整理と会議で一日終わる。全然頭に入らない。 22時過ぎまでぼーっと座ってたけどホントに仕事にならなかったので帰ってきてメシ 食ってプリンプリン見て寝た。なんかいきなり急展開なんですが。魔女を船外投棄 したかと思えばもうピテカンドロップオシモサクに到着、プリンプリン音頭まで 踊るって始末。あとマイホームは確かにいい男だ。ムチュー。しかし何つーか、 ホント今では考えられない位ユルイよねえこの展開。素晴らしい。

・また「仕事を辞めて学校に入り直す」夢を見た。でも当の僕は何かやりたいことが あって学校に入り直した訳じゃないので、何をしても退屈極まりない。「ああ、 仕事に逃げ続けた日々の中で、”やりたいこと”なんて全部忘れてしまったなあ」 とか落ち込んでいるのだった。やりたいことは一杯あった筈なのに。


JUL.27.2003(SUN)

 ナージャが終わる頃起き出して、アバレが録画できていない事実に愕然と。マイ ちゃんの不良っぷりを見損ねた事に血涙を流す。JRTの再放送を待つしかないか…… コインランドリーに出かけて、洗濯機を回しっぱなしにして食料の買い出しなぞ。 天気が良くて洗濯物がよく乾く。CALLに出かけて某☆師匠と駄喋る。気がついたら ポップン8とポップン専用コントローラーをセットで購入してしまっていた。ぐああ。 それはそれとして、色々ブツを融通して貰えそうなので楽しみだ。その足で佐古の 酒屋までぷらぷらと。また量り売りの焼酎を買いそうになるが、今日はウヰスキーを 買いに来たんだ!とか我慢。ズブロッカとチューハイとウヰスキーで鞄を膨らませて 帰る。部屋でポップンしてたら日が暮れるのだった。

・夜に至って猛烈な喪失感・孤独感に襲われる。楽しい毎日を過ごした後はいつも こうだ。多分またすぐに慣れてしまうんだろうけど。独りで生きるんだよ。誰だって そうだ。逃げるな。甘えるな。


JUL.26.2003(SAT)

 サボキャン11巻を読み終わって、何か放心。ここまでやらなくても良かったんじゃ ないか、というデジアド2最終回みたいな感想を書いてみたい。僕の中でのサボ キャン最終回は、やっぱあのビールネタかなあ。あとウエダハジメの「Qコちゃん」 も読んだが、あーなんていうかウエダハジメ世界って「こう」なのか。いや 「ここ止まり」みたいな事を言うつもりはなくて、でも「こう」なのかと。 どう展開しどう集束するのか。期待しよう。

・日が暮れてバスケ。ちょっと動いただけで流れ出す汗。心なしかみんなハイになって いた。リバウンドもジャンプも高い高い。怪我人が出なくて良かったよ。


JUL.25.2003(FRI)

 何してたのか思い出せません。寝てました。あ、あと魔女宅絵チャに参加して 朝まで描いてた様な……途中で寝落ちてた様な……ぱんつ……

・なんか仕事やめて大学に入り直す夢、を立て続けに見ている。これは何だ。 でも大学入り直しても全然授業に身は入らないし単位は取れないしで苦しい ばっかり。そういう夢。何だろう。


JUL.24.2003(THU)

 部屋に帰ってきて、片付けもそこそこに某所の電気工事を覗きに行く。割と頭を 抱えたくなる仕事。ケチを付ける箇所を拾い出しておく。部屋に戻って、爆睡。 何時間寝たのやら……


JUL.23.2003(WED)

 午前中はどらんく氏宅で氏がプレイする BF1942の画面を後ろからずっと見たりしていた。午後、氏が仕事に出かけるのに 合わせて部屋を出る。ホントにお世話になりっぱなしで何のお礼もせず……すみません。 いつかこのお礼は必ず(こればっかりだ。いい加減なんとかしよう……)。

・で、浜松町からバスに乗って徳島まで帰ったって訳でした。もうあと一日くらい 居れば良かったなあ、とも思うけど、まあ当初の予定通りということで。


JUL.22.2003(TUE)

 午頃起き出して西日暮里へ。そもさん氏(高3!)と会って、半チャンラーメン など食しつつブツを貰ったりする。タイ語マスターとなって、是非タイSF第一人者と なって頂きたい。氏の高校の側にある古本屋に案内してもらって、いやこれがもう 如何にも「高校の側の古本屋」って感じで、2Fのマンガ棚の雑多さに目眩がした。 でも買ったのはかがみ♪あきらの本だったりして。10年位前ホントに欲しくて 欲しくて探し回ってたのが身体に染みついてて、持っててもついつい買ってしまう。 そういうのってあるよね……途中で合流した一歩氏と林哲也氏とでドトールで珈琲 を飲んだりしたのだった。その節はあわただしくてすいませんでした>両氏。 貧乏性なので「折角東京に出てきたんだからあれもこれも!」みたいな所が あって……


JUL.21.2003(MON)

 日付が変わってもSF大会は続く。

・6コマ目は飲み飛ばしてしまったので、7コマ目、「コミケットの部屋」 で3時過ぎまで面白話を聞き倒す。曰く原子力空母を買って会場にしたらすぐに 沈められていいとか、アメリカにもイワえもんが居るとか、総統グラス片手に 語る代表の顔の楽しそうな事。「この時期にこんなトコに居る場合じゃないんだけど」 この人ホントに生き生きしてるよなあ……気負いが無いっていうか。側で見てると ホントにスゴイ。例のショタ少年突き落としとか、小学生監禁とかの事件にも言及が あって、やっぱりコミケ側に問い合わせがあるらしい。ソレでなくてもこの時期この 手の事件が起こった場合は、コミケ側で参加者リストの検索をかけるそうだ。あとは やっぱり合否判定の話とか。ホントに細かくて感心というか感動してしまう。 「このサークルがなくなったらこのジャンルは無くなる、と言うようなサークルは 極力残す」っていう、それだけの事がどれだけ大変か!去年まで弱小ジャンルだった ものが突然爆発したり(009ね)とか。あとショタ系の中に男性作家が入った時/ エロ系に女性作家が入ったときの配置とかもホント気を遣ってるらしい。カネの こととかシビアな話もあった気がするけど、ええ案配に酔っぱらっていたので何も 憶えてません。笑ってました。あーしまった奇跡の詩人ビデオ上映会見るの忘れた。 あと韓国アニメ上映会も……寝てました。

・で。気がつけばもう夜明け。朝飯で胃袋の悲鳴を感じつつ、なんかあっという間な 時間を思い返してみたり。今年は事前に大会そのものに対する準備が不完全でどうも イマイチだったっぽい。あとやっぱりカジシンの朗読に行くべきだったと血涙。 あとウチワは何となく捌けきった模様だった。ほっ。星雲賞とかはまあその手の サイトで確認して下さい。閉会式では次回から三回分の予定が発表されていて、 どの大会も「若手の獲得、平均年齢の引き下げ」をうたっていた。実際「毎年 平均年齢が一歳ずつ上がっていく」っていうのが笑い話にならなくなってから10年 近くは経っている訳で、周りを見渡すとゾッとしなくもない。いや、まあ手段は いろいろあるだろうけど、その辺を探ってみたりもしたいね……閉会式を終え、 バスに乗って、 アグリバル塩原(道の駅みたいな)へ。次のバスが出るまで結構時間があった ので、ガストで昼飯食ったあと、近くにあった TEPCO塩原ランドでまったり。受付のお姉さんが必要以上に綺麗でドキドキ した。あとホントに時間があったので、某氏の乗ってきていたガルウィングな 車に乗せて貰ったりとか。アイス食って、またボンヤリして、バスに乗って、 新宿まで。反省会を開く事もなく、三々五々解散。僕もヘトヘトになりつつ (それでも夜の新宿は久々だったのでちょっと彷徨いたりした)またどらんく氏の 部屋へ。お世話になります……近くのラーメン屋のラーメンが異様に美味かったり した。やっぱまともなメシはイイ。


JUL.20.2003(SUN)

 起き出したらみんな555を見ていた。ので一緒にナージャまで見てしまう。 兄貴達が大勢でTV囲んでナージャのフラメンコ姿に萌えまくっている様を見るに つけ、この国は素晴らしいと痛感する。あとナージャは運命の扉開けすぎだと 思った。朝飯を食って出撃。

・1コマ目は「昔の日本SF大会記録フィルム上映会「みんな、若いや!」」。 タイトルそのまんまの内容。40年近く前のカジシンのネグリジェ姿は悩ましかった。 もう少し編集&解説があればなー。でも「トキワ荘の青春」みたいで面白くもあり。 途中で抜けたけど、後も時々覗きに来た。映像に映る集団の中で一際カッコイイ のはやはり筒井康隆。ひとり俳優の様な格好と表情なのだった。で、途中から だけど「ジェンダーSF研究会「文学とコスプレカルチャーのあいだ」」 を覗く。この辺は正直よく分からない部分が多くて保留。コスプレの持つ異化作用は 極めてSFファン活動的である、それが証拠にワールドコンのマスカレードでは、 云々、みたいな話だった様な気がする。1978年「あの」アシノコンでのパーティが 全ての始まりだった……光瀬杯とか野田杯とかいう言葉を聴いたのは初めてかも。 ハードSF全盛の頃、コスプレが低く見られていた(曰く「アニメとか好きなん じゃないか?」そういえば昔はSFファンとアニメファンは互いに啀み合ってた らしい。ヤマトが星雲賞を取るまでは)とか、当時の体験談などはなかなか貴重 だと思えた。アシノコンとコスプレ関連は ここでも読める様です。シカゴのSF大会のクラークコスは僕も写真で 見た記憶がある。「ハインラインなら解るんですよ、悪徳なんか怖くないだから。 あとアシモフも変な人だし、でもよりにもよってクラークが!」みたいな語りに 涙流して笑う。こんな会話ができる世界で生きていたかった。

・2コマ目は最初「トンデモ本大賞記録ビデオ上映会」だったんだけど、 ピンボケの上音声が全くまともに聞き取れないという内容で早々に退散。眠くて しょうがなかった。で、今回企画の華たる「無銭飲食列伝・鉄人屋」を覗きに行った。 「本日のメニュー:晶穂と同じの」群がる米兵、じゃない群衆の中を見ると、秋山 先生が睡蓮鉢の様なラーメンを相手に死にそうな顔で食べていた。そして例の箸で 持てない餃子、そして極めつけに「鶏卵がウズラの卵に見える中華丼」。後にこの バトルで暗黒星雲賞に輝いた秋山先生は「生き恥をさらしております。腹も身のうちと 申しますか、嘘は書くもんじゃないなと思いました」と語っておられた。

・3コマ目は「となりのロボット・人間協調・共存型ロボットプロジェクト」 (五十棲隆勝(川田工業)・梶尾秀司(産業技術総合研究所)・出渕裕)へ速攻向かう ……予定だったんだけど、通路で上映されていた フランスファイブの 第二話を見始めてしまってついつい終わりまで見てしまったりしたのでちょっと遅れた。 行くと既に川田工業の人がパワーポイント使ってガンガン解説を始めていた。中国 (先行者とか。別機体だけど、オリンピックで聖火リレーするんだって)とか ドイツ(Johnnie・ジョギングロボ、日本のライバルと言われる)とかの 二足歩行ロボが紹介されていて、どこも凄そう。話の中で、 IFACWorldCongressのOPで踊っていたロボ(着ぐるみ)はヒューマノイド だったけど、会場大受けだった、よく言われる「西欧人はヒューマノイドロボット が苦手」ってのは嘘だ、少なくとも宗教による好悪の違いはない、的な話が興味 深かった。むしろアメリカ人はスターウォーズで育ってるから、C3の役立たず っぷりよりR2の方が良いじゃん、ってすり込まれてる可能性はある、とか。 ナルホドなー。で、HRPの話に入る。

・HRPってのは「経済産業省が1998年から5ヵ年計画で実施中の「人間協調・共存 型ロボットシステムの研究開発」【プロジェクトリーダー 井上 博允 教授 (東京大学)】(HRP:Humanoid Robotics Project)」……ってやつで、まあ 終わった訳ですが、今回の話題になっているのはその成果物。あの プロメテの誕生秘話、出渕裕デザインに絡んだ話など……。元々HRPには 応用技術の研究とプラットフォームの開発の2本柱があって、清水建設と川田 工業がプラットフォーム、つまりロボ側の開発に回っていた。この プロジェクトリーダーの井上先生っていう人が本当に怖い人らしくて、企画中も 何度もその恐ろしさを強調されていた。

・始めたときはHRP-1(ホンダのP3改)しかなかった。重いんで大変だった。 ガンダムみたいな全天周型コクピットを作ったり(ロボの歩行に併せて座席を 揺らし、画面酔いを防いだのだそうだ。パトレイバーの1巻を思い出す)。で、 最初はマシンもOSもホンダ製だったのから、シミュレーションで制御系を開発、 実機でテスト、そしてロボット自体を開発、という順番で進んでいく。

・川田工業という橋梁の会社がなぜ航空機械産業に手を出したか、またそこからなぜ ロボットに向かったのか、みたいな話も切実で面白かったけど割愛。取り敢えず 航空機用の機材ってのは軽くて丈夫だから、それがそのままロボットに生かせた、 みたいなのは「表向きの話」である、というあたりに面白味がありそう。

・HRP-2の目標タスクは、1:建築現場等屋外での人間協調作業・2:不整地歩行・ 3:壊れにくい、倒れても立ち上がる、で、人間サイズで起きあがれるのがウリ。 2年間で3-5台生産された。H12、足だけ、手だけ、視覚だけで開発、アセンブリし、 最後に出渕デザインで地獄を見たとか。身長154cm、体重58kg、腰2軸を含む30 自由度と、軽量多自由度を実現。難しかったのは軽くすること。あと二足歩行の 研究者はその入り口で「自分はどうやって歩いてるんだろう」と思い出し、必ず 一度は歩けなくなるのだとかいう話もあった。プロメテは平均台の上も歩ける。 「これはAsimoにはできません!」(会場拍手)。「角度で歩いている」から、 部品のたわみ、歪みを無くすのと軽量化を両立させるのはホントに大変らしい。

・出渕裕デザインはなかなか上がってこなかった。当時映画を撮っていたというのも あって、二週間遅れとか結構きつかったみたい。あと国民の血税でこういう「趣味」 の入ったデザインはどうなのか、とかいろいろ揉めたらしい。特に川田工業の技術者 達にはあのツノ(レイバーの耳みたいなやつ)が抵抗があったらしくて、「倒れたら 壊れるんじゃ?」とか「せめてアンテナ内臓して実用性を」とか。ナントカ実用性を 持たせたかったらしい。出渕氏側としては、元々アリモノのメカの外見を変えるだけ だから、結構苦労があった様だ。そんな中でも「足をこうデザインすると頭身が高く 見える」とか、川田側には驚きの連続だったらしい。デザインには対人親和性が重要 視された、あとあの怖い井上先生の意見。例のブチ穴は出渕裕本人も「つけたらまた 色々言われちゃいそうだから敢えて描かなかったのに、とは口が裂けても言え ません」とか仰っていた。あと「安くてスイマセン」といわれたデザイン料について、 「ああ、アニメ界って本当に安かったんだなあ……」と思った、とか。プロメテの あの小顔なアタマについては(メインカメラと、両頬のエアインテークみたいな 所のカメラ、という配置)、小顔にすることでさらに6頭身が7頭身にみえる、とか。 あと井上先生に「血税で作るからこそ格好良くないとだめでしょう!」とか(怖い って知らなかったから)言ってみたりとか、あと「俺に来たってことは、結局アレ でしょ、レイバーでしょ、どうせ!」っていうのもあった、とか、あとP2が出たとき 動きがあんまりなめらかだったんで、押井守が結構拒否反応を示したらしくて (未来のロボットはあんな動きしちゃだめだ!)それにたいする反発もあった、 とか色々。で、出来映えに関しては、「正直ナメてました、ここまでデザインに 忠実だとは、負けました」

・で、ここまでは「足」の人の話。視覚系は産総研(電総研から独立した研究時、 つくばにある)の人からヒューマノイド研究の今後のステップ解説があった。一応 HRPは終わった。次は……協調作業をしつつ仕事をする、身体はできた、あとは脳 ……「知能化」が次の目標になってくる。ちなみにロボットの知能化の段階は
・環境を認識して簡単な命令で言われた事をする(ASIMO)

・命令を判断し、作業に応じて計画を立てる

・問題点を自分で発見して解決を試みる

・人類を滅ぼして地上に理想郷を実現する

・知能判断ブログラムの画像(バナナと椅子と猿、のモデルを示したあと バナナと椅子とプロメテの画像を入れる)も爆笑を誘っていた。巧い。

・4コマ目は最初カジシン朗読に行く気満々だったんだけど、宇宙企画を何も覗か ないで(野田司令の熱い語りを聴かないで)終わるSF大会ってのもなあ、という 気がして「野田篤司の最新宇宙開発講座」へ変更。一研究者の 「今年何してました」話を聞くだけの会、な訳で、もう「野田司令萌え」で なければ「なにこれ?」みたいな部屋だと思う。自己紹介とか仕事の話とかさ。 でもそれが燃える。さっきの川田工業の話もあって、「仕事に対する取り組み方」 とかそういう部分で背筋の伸びること多し。この人の話を聞いていると、いつも 何かしら打ちのめされて、そのあと「俺もガンバロウ」とか思わされる。「仕事」って いうのは、こういう風にするものだ。そうありたい。でも後で聴いたらカジシン朗読 凄かったらしくて(涙涙だったらしい!!ムキー!)そっちも行きたかった…… あああ。

・で、一旦部屋に戻って持ち込みの菓子の山を掘り崩しつつ、センター試験開始を 待つ。途中参加の木戸氏もやってきて、いざセンター試験へ。……えーと、 今年は一応全員参加とされる「SFセンター試験」っていうのがあって、 これが結構良くできていたのだった。試験会場に行って、何かホントに試験!って 感じの雰囲気に久々に緊張する。試験開始後、携帯電話が鳴って受けてる人が いて、みんな割と真剣に「ギっ!!」となっていた。真剣だ。ちなみにワタシは61点 でした。閉会式で表彰されたのが9位(同点の人がいたので)までで、その9位が 62点だったの。あと一点あれば壇上に上がれたのになー……まだまだだ。だいたい あの一問目でひっかかったのが甘すぎる……ちなみにとなりで受けていた人が62点で 9位の 古橋先生でした。ワタシが採点したのよ。

・夕食はまたしても身動きの取れないパーティーで、正直もう結社部屋にひっこんで 酒でも呑んでいたい気分だったけど、一歩氏から渡された星虫があったので、額に 貼り付けて出撃。メシを結社テーブルに運搬する係に徹する。あんまし腹減って なかったので。パーティ自体はわやくちゃだったと思うけど、まあこんなもん。 メシは昨日よりは美味く感じた。腹が減っていたからかも。

・5コマ目は「ワールドコンの部屋」を覗いたんだけど、まだ決定して なかったのね。決定の暁には、6000人のヤバイ欧米人がヨコハマに押し寄せることに なるというが……受け入れ態勢とかスタッフとか、大丈夫なのか、と心配に…… 途中で切り上げて、数人で連れ立って風呂に。岩風呂で木戸氏と来し方行く末に ついて話し込む。いろいろあるのだ。もうすぐ30だもんな我ら……そのまま結社の アニソン部屋に引き上げて、来ていた人と酒(こっちから持っていったすだち酎、 サワヤカだがきつい)を交わし乍らオタ話。結局これが一番楽しいんだよな…… 風呂上がり、アニソンBGMに酒飲みながら知らない人とオタ話。こんな楽しい 瞬間は人生にそうは無い。やってみれば、解る。


JUL.19.2003(SAT)

 途中で電車乗り間違えたりして5分遅れで新宿駅東口に到着。既に秘密結社員は 集合していて、恥をかく。とまれ、SF大会へ向け出発。冬コミ以来だから7ヶ月ぶり の面子だけど、忙しくしていたせいもあってか全然そんな気がしない。最近のWeb 事情とかアニメ話とかしてたらあっという間に時間は過ぎる。昼頃には会場の 塩原温泉に到着。鄙びた、というのか、温泉街らしい温泉街で、所謂 温泉パチンコ(温泉街にのみ存在するようなスタイルのアレ)も普通に存在 するような。会場の ホテルニュー塩原の結社部屋に荷物を積み上げ、腹が減ったので近くの鰻屋 旭亭で鰻重を喰らう。 これがもう旨くて。美食家・「特上の人」で知られる(らしい)某氏は ここでも特上を注文。「メシより鰻の方が多いんだけど!!」とかいいつつ、実に うまそうだった(正直ホテルの夕食の味が凄かったもんで「昼に旨いもん喰っちゃ 駄目だよなー」とかみんなでため息をついたりしたのだった)。そのうち自家用車 チームも到着し、ルームパーティー機材が組み上げられていく。まあ単にアニソン 流して駄喋る部屋、なんだけど。

・受付をすませて愕然。今年は配布物の中にウチワが!しかも部屋割りと タイムテーブルつき!しまった!今年も結社ウチワを用意したのに、何たる 事か!かぶってしまった……案の定捌けないことこの上無し。あー。 来年もやりそうだなあ……どうしよう。

・で、夕食は立食パーティー形式。当日参加者がかなりの数居たという事も あってか、すし詰め&食糧不足。このすし詰め状態の中、手に汁気のある肉団子 を持って歩けと!?速攻でこぼしてる人居たし。仕方なくひたすらビールの消費に 回る……しまった眠気が。一歩さんの紹介で、 タカアキラさんや 林哲也さん達のグループにちょっとだけ混ぜてもらったりして。うう、有名人気分 ダー。気分だけ。

・1コマ目は突発企画っぽい「小松左京・豊田有恒・田中光二SFおもろ放談」。 これがもうひどい内容で大笑い。小松左京の知識のダダモレを制御できない/ 制御しなくても理解できる面子(豊田有恒、田中光二)が横に付いてしまった おかげで、もう止まらない止められない。よもや小松左京の歌声を生で聞けよう とは!(しかも美声で音程もキッチリしている。普通に上手い)しかしこう、 CMソングと氷河期が同時に語られる会話に君は付いていけるか?さっきまで 「あっかるーいなしょなーる♪」とか謡ってたかと思ったら「君たちはSF大会に 来る位だからこの100万年に氷河期が4回有ったことは知っているね、その名前を 最初から言ってみなさい」とかいきなり指名したりしてもう無茶苦茶(今Webで 調べた所によると、ギュンツ氷期・ミンデル氷期・リス氷期・ヴュルム氷期、だ そうです)。源氏物語と平家物語を立て続けてに語って見せたり、女流作家話から 少女漫画話になったり(田中光二は西原理恵子が好きで「あれは無頼の文学だ!」 とか)CMソング→宮さん宮さんお馬の前に→田原坂→日本の民謡は暗い→GHQ→ 北欧→ナチの将校の逃亡踏破距離記録→高等数学→南極探検→温暖化→貝塚→ 京都議定書→与那国島の海底遺跡→大林組によるピラミッド建築費試算、みたいな 展開。ギリギリ話に展開の連続は見られるんだけど、もう飛躍が凄すぎて。やっぱ 高千穂先生には横についていて頂きたい。例によって星新一語録が出て面白い。 南京町の真ん中で、夜中に窓開けて「オーイ、チャ○コロー!!」とイキナリ 叫び出すような「生まれたまんまの人」だったそうだ。思いついたら言って しまう。ポルシェ事件とか。当時山口百恵の「みどりの中を駆け抜けてく真っ赤 なポルシェ」が流行ってて、星さんは「ポルシェは赤いモノ」と思いこんでいた らしい。半村良だったかがオレンジのポルシェに乗ってきて、それを見た星さん 曰く「早く茹でろ」。これ前にも聴いた気がするけど、星新一という存在がどれ だけ異常だったか、希有な存在だったか、というのは、実際に本人を見てないと その50%も分からないよ、とは田中氏の弁。そうだろうなあ、と思う。存命中は 絶対に世間に出せなかった対天皇不遜発言集とか。日米経済戦争華やかなりし頃、 反日感情燃え上がるアメリカに天皇の訪米、こんな時アメリカに行ってどーすん の?とかいうニュースに「お国のために天皇に死んで貰おうという宮内庁の陰謀に 違いない」とか。ウケていた。不遜というか……ねえ。あとSF作家クラブの入会 審査が「宇宙人はダメ、ピーはダメ、馬はダメ、……星より背の高い人はダメ」 というもので、要するに誰でも入れる、って事だったんだけど、田中光二はさらに でかくて、入会するに当たって「足を詰めろ」と言われたとか。あとまとまった話 としては海賊版の話とか。ライオンキングとか最近のディズニーで目立ち出す以前 から、日本のSF、マンガのシノプシスを英訳して売ってる特定の奴が居るらしい。 斯くして海賊版の海賊版、翻訳がいい加減な作品が出回る事に。上海で小松さんの 作品がヒットして、海賊版がどんどん出てた時、その海賊版の出版社から序文を 書いてくれないかと言われた(「本家」であることを示すために)とか。 海賊版に序文?あと「あなたの本を翻訳してあげました、ついてはお金を送って 下さい」とか「ルーブルで払いました(ルーブルは国外持ち出し禁止だった)」 とか。田中さんのパクリ小説に「ミスター・タナカ」っていう研究者が出てくるん だよ!とか。「この中で作家になりたい人はいる?老い先短いから知ってること なら何でも教えるよ」とか言うボケボーイズ(自称)に手を挙げる人たち。 「誰か好きな作家は?ツツイみたいになりたい?ダメダメ、あの人の格好良さは 天性のものだから」みたいな。兎に角歌と語りの数十分。ただ、やはり言葉が モゴモゴしていて非常に聞き取りにくく(別に作家なんだからしゃべりが上手い 必要はないけど、10年位前に公演を聞きに行ったときとはもう別人の様だった)、 高千穂先生あたりにデータの引き出し作業を引き続きお願いしたい所だった。

・2コマ目は前々から習得してみたかった 志村式折り紙キングギドラ普及教室」。ビシバシしごかれながら一時間 かけて折り上げる。もう二度と折れません……折り紙に一時間もかけたの生まれて 初めてかもしれない。なんかもう「先生わかりません、ここからどうしたらいいん ですか?」とかそういう気分になってわりと切ない企画だった。

・3コマ目は「誰も知らない相撲SF」を爆笑しながら途中まで聞いて (ビッグSF!ハワイ巡業の帰り、未来の世界にタイムスリップしてしまった関取達 を描く。恐竜を前にしても「俺の張り手が通じる相手ではない」とか適当な感想を述 べている泰然自若な関取達だが、彼らが消えた後の番付表を見せられて初めて愕然と するシーンに大ウケ。女達が支配し、男は奴隷と化した未来社会で彼らは……)切り 上げる。SF大会の醍醐味の一つは、複数の企画をのぞき見してその「広さ」を体感 するところにもある、と思う。企画単位でべったり居ると、あの「同時にいろんな 企画が!」という妙な「旨味」が味わえない、気がするんだけどどうでしょう。 てな訳で、時刊新聞片手にぶらぶらと、宇宙企画を覗いたり、その他の企画を覗いたり、 温泉に入ったり、結社部屋で来客の人たちと駄喋ったりして、寝落ちまでの時間を過ごす。 他の企画に行った人の話で面白そうだったのは(宇宙作家クラブ企画は当然として) 「『語れ!!学研の科学は世界一ィィィ!!!!』」で30年モノのシーモンキーの卵を 水に戻したらしい、とかいう。生まれるんだろうか……経過は時刊新聞で刻々と 報告されることになる。夜明け前には就寝。

・ロビーではガイジンな夫婦?が延々アニソンを演奏していた。ご苦労様……


JUL.18.2003(FRI)

 早朝東京に到着。例によってテキトーに電車に乗ってテキトーに街をフラつく。 麻布十番から六本木辺りまで「東京は元麻布、仙台坂上のこの辺りは古くからの屋敷 町、そしてこの路地を曲がった先のホラあそこ」とかブツブツ呟きながら怪しさを 演出。演出?仕事明けのどらんく氏と合流して秋葉原へ。まだ明日からの事を考える とモノは買えないんだけどーとかいいつつ、ついつい虎穴に入って買い込んでしまう。 あと例によって トライアミューズメントタワー5Fでまったり。ダライアスの「ボゴゴゴゴゴ」 的サウンドをバックにふじひろしのマンガを読んでいると、時間の流れそれ自体を 忘れてしまいそうだ。夕方は某氏と飯。夜はまたどらんく氏の部屋に厄介に。 毎度毎度お世話になります……


JUL.17.2003(THU)

 明日から夏休み。明日は予備日として東京でダラダラする予定。明後日から SF大会in栃木。

・そんな訳で19-21はSF大会です。 当日受付もあるそうですよ(ヤッパリか)。ちなみに今回のタイムテーブルは こんな。 あと秘密結社ウチワは若干ですが余りがあります。多分早い者勝ち。名刺シール印刷 できてないので手描き予定。あした描くか……

・SF大会あけてから7/22-23は東京にいる予定なので(毎度毎度すみません>各方面) 東京在住で平日ヒマな人がいたら連絡ください。メシでも食いましょう。メールは 普通にnmtの方に送ってもらえれば外から読めるのでー。とかっつって滅多に連絡 貰えた試しないけどさ。

ジャーマンちょっといい話。いい話なのか。でも妙に脳内いい話ツボを くすぐられる。


JUL.16.2003(WED)

 口内炎大発生。胃が……精神的に追いつめられている。自業自得。

・プリンプリンとDS9とウルフズレインを見て落ちる。プリンプリンはブリコ改め 魔女の暗躍。でもますます自滅しそうな気がする。言うてもドビンチ先生の作では なー、でもあのオートメーション化技術は凄まじいし、工作技術の確かさはあるから 案外やばいのか。あとあのネズミっぽい生き物がたまらん。取りあえずUFOの椅子で 遊ぶ軍曹が楽しそうだった。マイヨーの兄貴は何処へ。/DS9、オドーがあの病に! とか思ったら実は奴こそが!ってこの作戦好きだよな>連邦。ボーグでもやってた様な ……/狼は相変わらず解った様な解らない様な。ドーム内の描写は何となくヴォークト っぽくていい。きれいな花にはトゲがあるとやら、トゲに巡り会いたい。

・まさに、 まさにジェットコースターバカ!



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