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古日記 1999年7月(前半)


やねこん篇。


いづくにもあれ、しばし旅立ちたるこそ、目覚むる心ちすれ。

(徒然草 一五)


JUL.15.1999(THU)地球が地球が大ピンチ

・うぃす。今夜もネタは無いよ。帰ってきて飯食って 十兵衛ちゃん見て風呂入って寝る。以上。

・今更だけど 前号のメストの超芸魂、見開き半分が 毒島に占領されていた。 メスト読者のハートをわしづかみ、という事か。下半身パンツ (「探偵」OPのアレ)ネタ多し。ばっしちーばっばっしちー。 うーん。リベンジ難しいっすよ。でもがんばる。 然し相変わらずあの投稿ハガキの巧さは尋常ではない。 今月のワルキューレ(何か毎月一枚はあるよな)なんかもうため息が出る。 一枚の絵にここまで空気を描き込む、あんたら一体何物だ!? 実際、一色イラストの出来の良さ(ダバ絵含めて)は、今メストのあの 赤いページ以上のものは無いんでは無かろうか。眼福眼福。

・メストで福と言えば 犬福ですが、こないだ大阪行ったら 1プレイ10円でした。近所のゲーセンなんかいまだに100円なんだぜ。 仕方がないので子育てクイズマイエンジェルでも買います。 そろそろ安くなってるだろうし。まだCALLに残ってるかなぁ。

・うーん。そうですかそんなに面白いですか 「エイリアン9」。なんかこないだもどらんく氏に「読まねば死」とか 言われたし、 こまつだいら氏の所でもオススメみたいだし・・・うーん。 取り敢えず週末になったら探しに行こう・・・

・下の妹(高1)が廃部同然の天文部を立て直そうと走り回っているらしい。 話を聞いてると、引き伸ばし機も暗室もない写真部、天井が開かないドーム、 赤道儀を知らない先輩、等々、なかなか手応えのある世界な感じだ。 近年全く活動が無い状態だったらしく、過去の部誌をひもといては 「何で天文部にタロットカードが!?」とか言ってるという。 そりゃあんた天文部と言えばタロットカードだよ。 取り敢えず「星の瞳のシルエット」を読むように強く勧める。 あと弱小部活ものの基礎として「月は東に」。


JUL.14.1999(WED)えびしんぎがっびのらいきゅわなどううううう

 すいませんネタがでません。おやすみなさい。

米国のポケモングッズ人気。この勢いで行くと、 そう遠くない将来、アメリカのSFに「ポケモン」の名前が出てきても おかしくない・・・昔パックマンでそういうSF有ったよな。 ある面をクリアすると大統領の顔が表示されて・・・・ 当時はみんなそういう妄想に走ったんじゃないだろうか。 チャロンなんかその妄想を再びゲームに取り込んだ感じ・・・。 うーん、でも、カードバトルとかアメリカ人好きみたいだもんな・・・。 アッチの ポケモンサイトも良い感じ。しかし、こういうの見てると つくづく、プロの「仕掛け」にはゾクゾクする。それに比べて ガイナックス・・・ていうか比べんな。

・そんな訳で先週放送された「ミュウツーの逆襲」を今更見てみたり。 (多分)新作映像部分は蛇足・・・うーん。全体として、そこそこ。 子供は泣くだろうけど、個人的にはTVシリーズの 中にもっと「泣ける」話は有ったよな・・・なんか意図的に 「過剰」になるのを抑えてる感じ?まぁ、何にしても 湯山の「実力」を見たという感じ・・・

・そう言えばまだ見てないんです、ファントム・メナス。 今度の日曜にでも見に行こうかなとか思ってるんですけど・・・ 一杯だろうな・・・あ、そう言えば、こないだ玩具屋で 流れてた予告編みたいなのが吹き替え版だったんですけど、 あのお姫様の声が坂本真綾だった気がするですよ。気になる・・・


JUL.13.1999(TUE)おーらいうおーんいずゆう

 ビームと週アスとメージュと晩飯用の食料を買って帰宅。 ビームを読みながら晩ご飯。「敷居」がもーつくづく良い。 正直あの雑誌でこのセンス、は奇跡に近い。 ・・・いや、ホント「奇跡に近い」ってのが正直な感想。 自分の中に「残っていた」もの凄く狭いポイントに飛び込んでくる様な 空気感。絵柄だけじゃ、無いんだよ・・・あとやっぱ今月は「てきぱき」の ヒカルでしょう。あの「ふっふっ」がもー。「おさんぽ」はそこそこ。 玉吉っつあんはもうかなり凄い事に。人生此全てネタか。残りはまた明日。

・地上波でNYkersを見る。 「好きなことをやるために64歳まで待つなんてまっぴらだ」。 心臓を射抜かれた気分。人生は楽しむためにある・・・人生は短い。 せめて、精一杯生きたという手応えをもって死にたいものだ。 ・・・今死んだら屹度「俺の人生一体何だったの!?」って 思うだろうな・・・まだ、何も成し遂げてない。何も。 ・・・「まだ始まってない」んだ。始まらないまま終わるつもりかよ。 終われやしねえよ。畜生、僕もまた、「君はガンなのだ」と 宣告されなければ自由になれないタイプなのか?誰しもモータルな 存在だというのに、何故それが解っていながら・・・いや、 解っちゃいないんだ。そして、解った頃には、遅すぎる。 「自分の人生を生きるのは、自分自身なんだ」・・・ その事さえ忘れていたよ。

・で、あんたの「やりたいこと」って、何なのよ?>自分。


JUL.12.1999(MON)

 うわ。なんか落ち込む。どんどん落ち込む。やべえ・・・


JUL.11.1999(SUN)家族ゲーム

Ogre Series Saga。家族でゲームやってる様が素晴らしい。 つーか、拙者の場合、親がゲームしてるのって見たこと無い・・・・ 拙者の家族で多少なりともゲームするのって、下の妹位だぜ。上の妹は 全然やらなかったな・・・

みずしな孝之CLAMP坂田靖子栗本薫萩尾望都に追加。


JUL.10.1999(SAT)タイモンとカーバンクル

 バスに乗って大阪へ。先週行けなかった日本橋方面をウロウロ。 「わ」の前で どらんく氏と落ち合う。 秋葉に比べるとまだまだ(表面的には)オタク臭の薄い家電中心の電気街だが、 やっぱり同人屋の類は存在するわけで、そんなところを覗いてみたり、 パーツショップを冷やかしたり、カツ丼食ったりして有意義に時間を潰す。 Office2000 のフェアをやっていたけど、個人的には冴子先生(MSOffice97には アシスタントが居て、結構芸の細かい演技を見せてくれる。 冴子先生はその中でもダントツのアニメーションセンスを誇る)の アニメパターンが増えていれば買わないでもないとか思うのだがどうか。 実際、あの動きはただものではないよな・・・見とれてしまう。 なんつーか、あの歯をむき出して笑うやんちゃ系の笑顔がモロ矢玉アナ。 ・・・あんまり増やすと仕事にならないか。

 17時よりシアタードラマシティにて惑星ピスタチオ「破壊ランナー」観劇。 見終わってからかっぱ横町で飲み。今巷では エコアイスが 人気であるとか、最近のオススメマンガの話とか、エグザクソンの話とか、 えばQの話とか。そんな話をだらだらと。22時過ぎに別れて、 バスに乗って帰還。

そのへんとか


JUL.09.1999(FRI)ガイモンとサーファンクル

 なんか激烈に怠い。何もする気が起きない。読まなきゃならない本も有る、 書かなきゃならない感想もある、チェックしなきゃならないビデオも山程有る。 でも、それがなんだっていうのさ・・・なんにもなりはしないわよ・・・ くそー。ルリヲを殺しにいきなさーい。

・取り敢えずレッドドワーフ。最近頓に展開が狂ってきてるけど、今週のは もういよいよ何が何だか。ていうかあんなに似てないJFKも珍しい。 ダレよあんた?みたいな。勿論見ていてカレーが強烈に食いたくなったのは 言うまでもない。

・おじゃるのビデオチェックをしていて、思わず「コレクターユイ」まで チェックしてしまう。相変わらずの出来。心意気も何も感じられない。 子供はこれを見てどう思っているんだろう?あるいはNHKのエライ人達は この出来に対してどう思う?今や上層部にもアニメオタクは多かろうに。 或いはオタクだからこそ駄目なのか?


JUL.08.1999(THU)寄せてはかえし

・デジモンADVをダビング編集しながら見て、もう冒頭から泣いてしまう。 あの互いに対するいたわりの気持ちが・・・・! パルモンの「ミミ・・・」というあの不安げな喋りもサイコーだ。 後は勿論シャワーシーン(はなかったけどバスタオル一枚の空とミミが)。 スタッフロールによれば原画1名、動画2名。動きもさほどではないし、何より 画面の情報量は非常に少ない。少ないんだけど、だからこそ伝えたいものが はっきり見えるって事も有る。決して「手抜き」感は無い。 つーか目の弱ったワタクシの如き視聴者にはこれくらいが丁度いいんだよう。 あとトコモンが石化した後、ころ、と転がる(まるっちいので)描写が 死ぬ程にラブリーで。動画側のセンスか演出側の意図か。 そんな一見何でもない所にひどく感動してみたり。ハマっちゃうと駄目だ。 冷静な判断なんてそもそも出来ようも無い・・・子供の集団ドラマでここまで 心を鷲掴みにされたのは、ゴウザウラー以降久々だ。

・妹の友達がカレカノのビデオを貸してくれと言ってきたので一応 中にヤバイものが映ってないか確認。勢いで思わず「点綴」の回を 見始めてしまって止まらない。久々に見るとつくづく画面の力が強いのを感じる。 これでまだ半分かよ!!みたいなあの時間の密度。やっぱ凄い作品だった。 ・・・ていうかカレカノそのものがヤバイっちゃあやばいんか。

・光瀬龍が食道ガンで亡くなった。享年71歳。小学生低学年の頃、 まだSFをSFとして意識する以前、鶴書房のSFベストセラーズで 「消えた町」を読んで、あの本体より「ゆめの中の街」という 今読んでも多少不気味なあとがきに文字通り夢でうなされた記憶がある。 或いはあのおよそSFらしからぬ抽象画の如き表紙の 「百億の昼と千億の夜」を読み終えた夜の衝撃も忘れ難い。 兎に角あの「クラクラする壮大さ」こそは幼年期に感じたSFの 魅力そのものだった。 ・・・斯くして「光瀬龍」という存在もディラックの海に還元され、 寄せてはかえし。我々もまた遅いか早いかの違いではある。 手塚治虫、星新一に続いて遂にあの世代にもとうとう死の影が、と思うと、 何だか居ても立っても居られないというか。 人生には決して充分な長さが用意されているわけではないのだよ。 だらだら毎日を過ごしてる場合じゃない。もっと読んだり書いたりしないと! みたいな焦燥感にかられてしまう。 ともあれ、ご冥福をお祈りいたします。いつか星の海で。

・その裏でほそぼそと続いている筒井の再読は現在「宇宙衛生博覧會」。 やっぱ久々に読むと「急流」の勢いは凄い。あのオチがわかっていながら 先を読むのを止められない。当時強烈な印象だった「顔面崩壊」は今読むと それ程でもない。昔は強烈に痛痒かったが。スプラッタ描写には いい加減慣れてしまったか・・・

・私信:以前はフェリーで和歌山経由大阪行き、が超便利だったんですが、 小松島港が滅してからは全く利用しなくなってしまいました。 でもお心遣いには感謝します>どらんく師。あと先ず日本橋には行きます。 取り敢えず「わ」で買い物しないとおさまりません。つーか坂田靖子の新刊が 何処にも無いってのはどうしてなんだ。ポン橋−シアタードラマシティ− かっぱ横町、みたいな。どうでしょう。


JUL.07.1999(WED)きんぎんすなご

 1999年7の月7日。Make a wish.星に願いを。皆様の願い事は何でしょか。 「夏目家」じゃないけど、子供の頃は確かに家で笹を立ててた気がする。 幼稚園や小学校の頃も学校行事的にやったかな。でも、それ以来もう十何年も 「七夕」っていう行事をやってない。今年は願い事だけでも、とか思ったけど、 さて短冊に書いてまでする具体的な願いってのは案外思いつかない私 (明確な夢も目標無くだらだらと人生を送っている様が良く出ていますね)。 とっさには「世界人類が平和でありますように」とかそういう奴しか 浮かばないもんな。あ、あと金!金と権力と地位と名誉と・・・ とまあそんな時節ネタとは何の関係もなく今日も一日過ぎゆく訳で。 ちと仕事が押してて辛い。BSマンガ夜話タイマーセットして置いて正解だった。

・ガイナックスから ヴィスタフカが届く。・・・出来が・・・非常にお座なり。 つーかやっぱ画集は紙で見るもんだよ。兎に角解説のロードとかページの 切り替えとかがタルくてタルくて。本ならページを捲るだけで済むってのにな。 挙げ句今回の目玉である所の「重箱」なんかは描き文字が読み難くてたまらない。 ・・・・やっぱ単行本化を強く望むものである。 この中で語られている意見に賛同するか否かは置くとして、この作品は 広く世に問われるべきだと思う。特に若い世代の「アニメファン」達は、 多少なりともこの手の視点を脳に入れておくべきだ。 ・・・まぁ、それによって「アニメそのものより業界裏話の方が面白くなった」 とかいう弊害もあるわけですが。「それ」をふまえてなお作品としてのアニメを 楽しめるのが真のアニメファンでしょう。 「だけど〜やっぱり〜すきだよ○○○○」って奴。 ・・・山本正之の「降臨!アニメの大王」(これもそろそろ賞味期限切れだな)に、 「オモチャが売れてうれしいか(NO!)、アイドルになれてたのしいか(NO!)」 というフレーズがあるんだけど、あそこで血が騒がない奴は 「アニメファン」じゃねえ。そんな気がする君の胸に遙かな故郷の風。

・BSマンガ夜話「エースをねらえ!」。盛り上がってるんだか 盛り上がってないんだか。アジャから「一般読者体験ネタ」を引き出そうとして 失敗している感じ?毎回毎回ゲストの扱いの軽さには感動すらしてしまう。 矢っ張り割り込んでくる位の喋り手が必要だよ・・・・竹熊健太郎とか。 戸川純の復活を切に願う。さて「説教マンガ」「人格陶冶マンガ」などと語られる この作品ですが拙者はまだ読んだことがありません。すいません。 あんまし読もうとも思わなかったんだけど、今回のを機に一度読んでおきたいです。 元々が「異世界の文化」だっただけに、夏目の目は鋭い感じ。 「これは恋をしかけている目ではないか」の下りに絡んでの いしかわ氏の「女は恋愛で駄目になりやすい−ので大成し難い」論は結構ヤバげ。 どうですかその辺>経験者の人とか。ターンエーと化した岡田斗司夫氏は もうこの際どうでも。・・・作者本人からFAXが来たのって初めてか?

・アニメでの話ですが、緑川蘭子さんが好きでした。やっぱ声がね。 あの声には勝てん。


JUL.06.1999(TUE)想像の中では一万回

 ああ。先週のベターマンがまだチェックできてないのに・・・・ こうやって未見のビデオがまた一つ・・・つーか「十兵衛ちゃん」 まだ見始めてません。すまんす>木戸氏。いや今夜もマンガ夜話がある訳で。

・そんな訳で今夜のBSマンガ夜話は「覚悟のススメ」。 取り敢えず某戦術鬼絵のFAXを送っておいた。 読まれなかったけど映ってたぞ。何となく(カメラマンの趣味?) おたくっぽい可愛い女の子の絵だと結構映してくれる見たい。 罪子ばっか映ってたもんな。戦術鬼は駄目かのう。 ・・・・明日は是非竜崎麗華さんを可愛くロリーに(無理だ)。 それにしてもみんな嬉しそうに語ること。特にスタッフ写真の面白さや その向こうに見える人間関係の話題なんかで盛り上がってるのを見ると、 この作品の持つ魅力の一つが見えてくる気がする。紅Xの話題が出たときの いしかわ氏の嬉しそうな顔と言ったら。ああいうの(真摯なバカさ) 好きなんだろうなぁ。岡田斗司夫氏の山口貴由はヤンキー美学の昇華だ、 というのは成程。「そういう」のに魅かれる自分を否定しない・・・ あと零式鉄球は確かに欲しかった。もう本気で打ち込んでくれ! とか思ったものだったよ。最高にカッコイイんだ。 然し久々に読んだら、濃いわ・・・・ あー、いよいよ明日はアレだ。実はまだ未読なんです>エース。 アニメしか知らない・・・駄目ですね。天国で割腹。

・メールの返事とか遅れてスミマセン>早乙女様。「エースをねらえ!」劇場版は ホントに面白いのでレンタル屋とかで是非どうぞ。所で例の作品はどうなったん。 楽しみにしてるんですが。ていうか見てないかこんなとこ。


JUL.05.1999(MON)涼しい風

・有休取って京都をぶらぶら。鴨川を吹きわたる北からの風の心地よさ。 京都駅を初めて見たけど、ガメラとイリスを入れるにはちと小さい様な。 小さいっつーか、狭い・・・いやまあ尋常じゃなくでかいんだけど、 映画の印象に比べるとちょっとね、という。
・国立近代美術館目当てじゃなく京都を彷徨くのは久々。京大周辺とか。 学生の街での逍遙は、矢っ張りいろいろ感じること多し。
・路線バスに乗ると大量の制服が。つくづく修学旅行の街だよ・・・ 昨日が信州で今日が京都で修学旅行で・・・となると、やっぱり 「すくらっぷ」を思い出さずには居られないよ。うーん。 その筋(?)では結構有名な早稲田中学の制服を見かけたり。 で、あとは大阪に戻って古本屋見たりして帰途についたのだったよ。

・帰ってきてからBSマンガ夜話と金曜のヒゲを見る。マンガ夜話は マスターキートン。何か不思議な展開。岡田斗司夫の寝返りに ちょっと薄暗いものを感じたりもする。あとヒゲはヒデキの歌声にメロメロ、 ということでひとつ。あと明日の「覚悟」はゲストにひぐちきみこを 呼んで欲しいなあ。「我々」の間にアレを流行らせたのは 何と言ってもひぐちさんなのだし。


JUL.03-04.1999ビフロストの橋渡って

[第32回日本SF大会「やねこん」簡易レポート]

・3日朝、梅田から「れふこん」バスで雨の中を一路長野へ。 道中延々と流されるアニメOP/ED集。7:30発で3時過ぎ着。

・オープニング:雨によりOPは室内(地下)に変更。 地下宴会場に詰め込まれた見渡す限りのSF者。 星雲賞は 結構予想ハズレ。動いている横山えいじ氏を初めて見たのは感動。 野田大元帥のスピーチはホントに巧い。人間大学のタイトルが変わった理由は そういうことだったのか・・・そして例によって例の如し、の寸劇等が いやが上にもSF大会気分を盛り上げるのだった。あと「信濃の國」はなかなか名曲。

・1コマ目:月着陸30周年記念部屋。講師は星雲賞作家笹本祐一先生。 アポロのプロジェクトマニュアルを前に、フォン・ブラウンが研究チームごと アメリカに身売りする下りから始まって、ひたすらアポロ計画の(裏)話。 宇宙開発関連のブツばっかりをオークションしてる所があって、そこで出た アポロ1の遺品の話とか。「人類、月に立つ」にはフォン・ブラウンが 全然出てこなかったが、アレはつまり彼がナチ協力者だったからだ、とか (アッチの映像産業はユダヤの力がもの凄く強いらしい)。でも彼曰く 「悪魔に魂を売ってでもやった」。やっぱ宇宙開発は悪魔に魂を売らないと出来ないよ。 今でもアメリカの宇宙開発は、「月に行けなかった」ブラウンの怨念によって 動いているのだ・・・というのはありそうな話。誰よりも行きたかったのは彼なのだから。 後半になって国内宇宙開発の内幕ネタ等が転がりだして結構笑う。 「オネアミスよりひどい」世界一開かれた発射場の話とか。 雨漏りのする管制室とか。質疑応答も強烈にマニアック。エンジンの型番で会話された日にゃ。 でも結構スペックやその素性まで全て頭に入ってる感じの人が多かった・・・ 他にはH−2の近況とか、H−2であれだけの迫力なら、サターンVは一体どんなだったのか、 想像もできない・・・という話とか、サターンVの炎は本体の2倍の長さだったとか、 打ち上げ管制から軌道管制(?)に移るのは発射台の高さを超えた瞬間 (その辺ちゃんと「人類、月に立つ」では描かれていた)だとか、 近いうちにアメリカの民間打ち上げ会社で使われる予定のブースターには 60年代に作られた(挙げ句に使われなかった)ロシアの月ロケット用エンジン (比推力が酸素−ケロシン系のエンジンの理論値に近いという化け物)が 使われているとか、F−1エンジンの数を増やして馬鹿みたいな打ち上げ能力を 持つ筈だった次世代ブースターの話とか、今だに野天でセッティングするロシアの ロケットとか、ライカ犬は「ライカ」って名前の犬であってライカ犬という種類ではないとか、 科学文部省とか、例の個人による有人ロケット打ち上げコンテスト (X賞) は安全性を50%位にすれば結構いけるとか、 アメリカの打ち上げ基地の場所は政治と強烈に絡んでいるとか ああああメモ帳が無くなってしまってその辺細かい話が書けないのが辛い。 兎も角そう言う話を延々。何にしてもあさりよしとお氏の欠席は残念。

・2コマ目:野田大元帥ペンネーム30周年記念座談会。何か参加者が少なくて、 テーブルを囲んでのホントに座談会風。野田節を数メートルの距離で堪能出来るこの快楽。 昔話と野田コレクションの現在など。当時のコレクションの輸入の大変さとか。 それに比べてのインターネットでの購入の便利さとか。 ある程度コレクションが集まると、それらが語り出す・・という例の持論を展開。 語りだしたときにその語りが偏らないように、あらゆる方面を まんべんなく集めることの大切さ、なども力説して居られた。 これからはフランス語圏のSFに手を出そうかと思っている、とか。 今構想中のテレワークもののプロットとか、NASAが規模縮小するときに トラック一杯貰ってきた書類の山は殆どまだアメリカに残したままだとか、 SFショーの頃の小松左京を困らせた話とか、筒井康隆による「鬼」(当時 未発表原稿)の朗読の鬼気迫る様だとか、あの生原稿を盗んでおけば今頃は・・・! とか。兎に角それらの話題全てが渾然一体となって聴衆を魅了する。 しかしSFファン・野田昌宏の功績の数々を今思い起こすと、それだけでもう 日本のSFファン活動の歴史そのものなのだった。その昔のSF大会のショー性なんかは まさにその影響下だった訳か・・・ コマが終わった後、野田大元帥閣下と直接お話をする事が出来たのだけど、 舞い上がってしまって「銀乞のファンです〜」とかそう言うことを へどもどと喋ったような記憶が。なんか紀宮の旦那候補の母親 (これがまた上品な奥様なンだよ)と会ったら 「銀乞の新作楽しみにしています」とか言われちゃったんだよな・・・・ とか仰有ってた。ワタシも心底楽しみにしてます。いやほんとに。

・3コマ目:TVファンタスティック。池田憲章先生のナマ憲章ファイル。 宇宙家族ロビンソンとかのメイキング番組(アチラではそういう番組が何年か毎に 製作されていて、とても良質なのだが日本では殆ど紹介されていない)をサカナに、 ひたすら濃い50−60年代アメリカSFドラマ話。 何かもうCS見てる気分になれること請け合いという。池田憲章氏の ほのぼのとした風体とほのぼのとした(しかし膨大な知識に裏付けられた)語り口が ほのぼのと幸せ。風呂に入って聞きたい様なのんびりさ。流石はプロだ。 ・・・正直拙者の特撮やアニメに対する評価眼は、その殆どを池田憲章から教え込まれた モノであって、よってその御大の語り口が心地よくないわけは無いのだった。 何物にも揺るがせられないあのキッチリした価値観こそは、映像マニアが 目標とすべきものである。まぁ「池田憲章に騙されてこんな所まで来てしまった」 という気分も無いではないけど。だって「特撮ヒーロー列伝」での紹介の方が 本物より数倍面白いんだぜ。

・自主企画:1時〜2時まで担当。ルームパーティで烈&豪ベスト上映会& ミニ4駆レースをやってました。結局朝まで。あんまり手伝えなくてゴメンナサイ・・・・

・4コマ目:ガイナックス次回予告。何にも決まってないのはいつものことで。 取り敢えずの「蒼きウル」の現状話とか。ILM見学の土産話とか。ともすると裏話に 転がっていきそうなのを必死で停める武田氏。停めんで良いのに。 特に耳新しい情報は無し。取り敢えずPS2用ゲームから、だそうです。

・朝企画が始まるまでは例の風呂場前広場にてアニソン歌い込み。 多分100曲は歌った。沖縄の時もアニソンマラソンやってたけど、 ホント企画者のあのサービス精神はどこから出てくるのかとつくづく感心する。 素晴らしい。他の企画に参加せず、ひたすらアニソンをミキシングし続けるストイックさ。 因みに1000曲は達成できなかった模様。来年こそは!って大丈夫か。 初参加の人曰く「みんな歌詞無しで聞いたこともない様な歌ガンガン歌うんだよ」 私も初めて見たときは結構ショックを受けた様な記憶が。

・夜明け頃にうとうとしていると庭で爆発音。草が焦げていた。後に語り継がれる鍋爆弾。

・5コマ目:朦朧とした意識の中でトンデモ本大賞。 後ろの方だと殆ど声が聞き取れないので辛かった・・・あと眠かったのもあって、 途中で抜けてエンディング会場へ。

・エンディング:とりあえずのーてんきのインパクト。あのピンク色の武田氏に 会場割れんばかりの喝采。再来年、東京でDAICONを、だそうですが、 6000人規模の大会って・・・まぁ然し何にせよ「あの連中」がやる大会に 参加することが出来ようとは。あと今年も暗黒星雲賞が。 暗黒星雲賞の人のあの飄々とした語り口が好きだ・・・ 取り敢えず来年も申し込みだけはしておかねばなー、と 薄れ行く意識の中で思うのだった。

・エンディングからバス出発までは結構余裕があって、天気も良くなってたんで ちょっと山の方に登ってみたり。風が涼しくて最高にいい気分だった・・・んだけど、 バスの出発が30分早まったって放送が聞こえなくて危うく乗り損ねるところでした。 30分くらい早めに行っといたほうが良いかな・・とか思いついたのは 今思えばSFの神の思し召しであったのだろう。

・非常に良い大会でした。もうこれを二泊三日くらいでやってくれねえかなぁと 切に願った次第。多分保たないけど。ホテルは綺麗だし、サービスは万全だし。 風呂も広くて気持ちよかったです。風呂を出て、自販機でビール買ってから アニソン歌い込みに参加して、満足するまで歌ったら時刊新聞を片手に ぶらぶらとその辺の企画部屋に潜り込んで。あの「同時にいくつもの企画が 進行している感覚」は矢っ張り完全合宿型でこそ。 時刊新聞の存在がまたその感覚を盛り上げてくれる。 合宿型だと拙者個人にとっては矢っ張り沖縄大会が印象的ですけど、 その次位にイカス大会でした。スタッフの皆様には本当に感謝。ホテル側にも感謝の言葉を。 また来年会いましょう。


JUL.01.1999(THU)燃え上がれ

 そう言う訳で1999年7の月がやってまいりました。案外盛り上がらないものですね。 あまりにも浸透しすぎてしまって、信仰力を失ったのかしら。 言霊にも賞味期限があると言うことか・・・・当時世をはかなんで 自殺した人まで出たというのに。一つのパラダイムの終わり、を明確に見ることの出来る 希有な瞬間と言えましょう。下手したら敗戦以来かも。 これから先、カタストロフの希望を持って生きる事さえ 出来ない我々は、何を支えにこの停滞してぐずぐずに膨れ腐った社会の中を 生きて行けば良いというのか。80年代中期の廃墟願望(アキラ、とか ビューティフル・ドリーマーとかああいうのね)を背負ったまま、残りの人生を 生きて行かなくてはいけない我々・・・いやさワタシに、あの「夏の夜の夢」 をかなえられるときは来るのだろうか? あんまり年寄らないうちに来て欲しいものだけど。

・98V10にPlamoを入れようとして潰れる時間のことを思うとき、 この時間を読書や映画視聴に振り向けたらどれだけ有意義だろうかと 思わないでもないこともない。或いはゲームとか。 入れてどうなるものでもないだろうに。 でも一度躓くと、その躓きを解消しないでは眠れないよな。人として。 あー。ていうかホント、こんな事してる場合じゃないだろうに。

・例の あさりよしとお画集ROMですが、なんか「重箱」が 収録されるらしいじゃないですか。これだけで買わざるを得ないという。 卑怯なり。8/27発売。買うんだろうなあ。あー。 ・・・あ、そういや 少女探偵金田はじめの事件簿ってどうなんですかね。 イマイチそのノリについて行き切れてないというか・・・同誌ならやっぱ 火星人刑事もある事だし。


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