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古日記 2007年9月(前半)


東京での日々、その終わり篇。


SEP.15.2007(SAT)

 奥さんは打ち合わせで出かけている。引っ越しの準備で煮詰まってきたので、 これを最後に、と思って秋葉原へ。自転車で、夕闇に沈み始めた両国橋を わたる。秋めいてきた風に吹かれ、雲一つ無い空の、濃紺から黄色への グラデーションを見上げると、初めてこの橋を自転車で渡った日に感じた 「ああ、自分は今東京に住んでいる!」という興奮を、今更思い出してしまう。 自転車で秋葉原へいける!という……そのうちまた浅草橋でネクタイ買おう、 とか思っていたけど、もうしばらくは果たせそうにない。

・ヨドバシ前の駐輪場に自転車を駐め、今や眠らぬ街へと変わりつつある 電器街をふらふらと歩き回る。秋葉原はいつも通りの喧噪で、いつも通りに 浮き足立っている。このにぎやかさが好きだった。

・特に何も買い物はせず。


SEP.14.2007(FRI)

 東京の職場での最終出社日。引き継ぎ相手のNT氏の熟練度合いを探りつつ、最後の ドキュメント整理を行い、自らのアカウント抹消申請を行い、承認を得た後、自らの アカウント抹消、データの削除を行う。ゼロから2年間かけて作り上げてきた環境から 自分の痕跡だけが消えるのが、寂しくもあるが、清々しくもある。定時後、自転車で 近くのキタムラ書店まで。記念に何か一冊買おうと思って、大久保町シリーズの2巻を 買う。自転車は職場の人に譲渡証明を書いて譲渡。もらい手が見つかって良かった。

・夜、六本木で東京勤務チームとお別れ会。NT氏も参加して大いに盛り上がる。 彼はかなりのゲーマーで、飲みの後、一緒に近くのゲーセンに行って、マジアカ をプレイするところを見せてもらう。なんか面白そうだったので自分もやってみたけど、 成る程これは気持ちいい。ネットワークでゲーセン同士が繋がっている、というのは つまりこういう感覚なのだな……漸く「今」を垣間見た気がする。そして、これは つまりコニパレなのか、これがブレイクエイジの感覚なのか、とも。古いね どうも……


SEP.13.2007(THU)

 永田町の某ビルの地下に詰め込まれて、怪しげな付け焼き刃教育を受ける。 10月から全国展開されるもののヘルプデスク業務を短期で受けたんだけど、 これが最初の話からすると数倍の内容となっていて、うーん、またいつもの パターンか、という感じ。これ、ヤバイぜ……久しぶりに手に汗握る。 いや、ホンマに、やばいとしかいいようがない……


SEP.10.2007(MON)

 夜、徳島に行く奥さんを送って浜松町まで出る。高速バスを見送って、ふと 目を上げると東京タワーが。何となく東京タワーの足下まで行ってみた。

・大門周辺にくると、いつも某キャプテンの結婚式の前夜を思い出す。 日記を検索したら 2002年8月ということなので、もう5年前か。男ばかり何人も、浜松町のホテルで 一緒に泊まって、まるで修学旅行の様な状態でこのへんをうろつき回ったのだった。 あれからもう5年とはね……

・取れるはずだった夏休みは結局研修でつぶれたくさい。次の仕事の準備に 入らなくては。

・あと8日。


SEP.09.2007(SUN)

 引っ越し準備して橋の上の祭り見てその辺フラフラして一日終わる。 あかん……これではあかん……


SEP.08.2007(SAT)

 あと10日で引っ越し。いつの間にか収納いっぱいに増えた本をひたすら 段ボールに詰める作業が続く。

・窓の下に見えるクローバー橋の上ではなにやらお祭りの様子。台風一過で 川は泥水だったけど、その泥水の中をカッターや和船が行ったり来たり。 ヨサコイダンスありジンタありチンドン屋ありで、橋の上は朝から 賑やかなのだった。


SEP.07.2007(FRI)

 遅めの夏休みを漸く取得。とはいえもう残り少ない日々を引っ越しに向けて 動いて行かなくてはならない。引っ越すとなると急に町並みが恋しくなる。 電脳空間カウボーイズを聞きながら、あてどもなく自転車で近所を走り回って いる場合ではないのだ。


SEP.06.2007(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.05.2007(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.04.2007(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。

・徳島に帰るということについて特にインパクトがあるわけでもない。 ただ今思うことをダラダラと綴ってみるならば以下のような感じ、とういことだ。 嘗て17歳頃から27、8頃までの自分の中での逃げフレーズ(追いつめられた ときに呟くアレ)に「いつか東京にいけば」というのがあった。東京に「出る」為に 今俺は耐えている、耐えて力と人脈と貯金を蓄積して、満を持して東京へ「出る」 のだ、的な妄想に依って生きていた。そしてそんな蓄積は(勿論)全くないままに、 東京に「来て」2年間、ただひたすら泥仕事に明け暮れ、明け暮れ、明け暮れ、 いまそこから立ち去ろうという所。引いた目で見れば「結局はそういう階層の 人間なんでしょ」という。

・言い訳の種が増えたよな、という感じではある。東京で、実際に「夢を形に」 して「好きなことを仕事にして」生きている人たちと会い、その様を見たことで、 自分とは人種が違う、彼等は「天才」だ、と実感を持って「諦め」を口にして しまえる。「僕には無理だ。それを知れただけでも価値はあった」云々。

・今やっていることを「自分の仕事」として捉えられているか否か。この国で 生きている上では、それが大きいのだと思う。心のどこかで「やらされている」 「やってあげている」と感じているうちは、どんなに滅私奉公していても ダメだ。心が「転んで」いなければ。


SEP.03.2007(MON)

 まったく秋か、という位の涼しさ。窓をあけると寒い位だ。 仕事の方は、あと数日だというのに先週末からのイロイロが尾を引いている。今更何を 言われても、ただ粛々と行うのみ、という感じではある。出社日数はあと数日を 残すのみ。ただ粛々と。

・代替要員として来たNT氏はかなりイケる人だった。ゲームやラノベの話の 食いつきが素晴らしい。長年この会社で働いてきたが、ここまで「話せる」人と 会うのはもう何年かぶりだ(ITバブルの頃はかなり居たが)。昼休み、 メシを食べながらひたすら「その手」の話で盛り上がる。職場でオタ話が できるのがこんなにも幸せなことだとは。だが、それも、あと数日なのかと 思うと、寂しいものでもある。


SEP.02.2007(SUN)

 夜、 東神奈川のアイリッシュパブでイカデビル総統、京典さん、てっちゃん、K氏らと 飲み。ここで飲むのいつ以来かのう。スキンヘッドの英国人店主は日本語がめっさ 上手くなっており。横浜で開催中だったワールドコンの話とカメラと巨大なフィッシュ (スズキ丸ごとフライ)アンドチップスを肴にグダグダと。

・SFな人たちの話に耳を傾けるのは好きだ。昼間まじめな顔をしてクリティカルな 仕事のプロマネとかやってる人が、都会の片隅の飲み屋でこんなにもアツく惑星観測の 今を語りあっていたりする(最近の衛星事情とか観測結果の失敗とか成功とか、 具体的な名称や値がばんばん出てくる)。やっぱSFに、或いは都会に集う人々は スゲーのだ。リソースを仕事に振り切ってなおまだあまりある好奇心と行動力。

・北野勇作のウニバーサルスタジオを読みつつ帰る。「いつものあれ」。亀とか 烏賊とかザリガニとか。癒される〜


SEP.01.2007(SAT)

 特に語ることなし。


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