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古日記 2006年10月(前半)


ディズニーランドに行ってみた篇。



狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。
悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。
驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。
偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

(吉田兼好「徒然草」第八十五段)

OCT.15.2006(SUN)

 ひきこもり続く。特に何もせず。何故かHDDレコーダに水曜どうでしょうclassicが 録画されているので延々見てしまう。見てしまうなーこれ。


OCT.14.2006(SAT)

 奥さんが風邪でダウン。ひきこもる。ゴミ捨て以外部屋から一歩も出ず。

・遅ればせながら、 入江亜季の2冊、 群青学舎 コダマの谷1を読了。前者は如何にもビーム掲載の女性漫画、という所。流麗な線と しっかりしたお話作りが気持ちいい。作者が持つ「世界」を惜しげもなく紙の上に 流し込んでいる感じで、読んでいて嬉しくなる。なんというか、この”贅沢”感。 この惜しげもなさがいい。読みでのある短編集。後者は同人試作品、作者曰く脳内 世界だけで完結しているというが、実に存在感のある「ヨーロッパ風」で、王子様も お姫様も眼鏡もチビッコも実に素敵なのだ。すこし、いや、かなーり説明不足の感じ がするんだけど(読んでてつながりが読めない所多し)、雰囲気で読ませてしまう。 こういう漫画は久々だ。p135のウーナのハジ線を見てない殿下は哀れ。とりあえず 成長後のマージは認めねえ……あとライダーのオヤジ話をもっと読みたい……! 作者がいつかネタをためて描いてくれることを期待しつつ。


OCT.13.2006(FRI)

 モヤモヤ。己の能力以上の事を求められていて、それに応えられない。苦しさと 悔しさ。自分は無力だ。ヘラヘラと笑って相手の無表情を逆撫ですることだけ。

とりぱん2 コオニライフを読了。 前者はそこそこ。こういう人が雪国で生きている、ということ、それを思うとちょっと ほっとする。僕も昔は庭の夏みかんを切って鳥にやっていたものだ。そんで 鳥がつつき終わったミカンを庭に穴掘って埋めてたんだけど次の年の春に そこから一斉にミカンの芽が出て面白かった。育てようと思ったら爺さんが 全部除草剤で枯らしてしまったけどな……牛脂はいずれ 試してみたい。後者はいつものやつ。学園物という縛りがなくなったら、なんだか 短編集みたいになってきた。うーん。霊格が高い子猫が躾けられて霊格が落ちる、って のが妙にツボった。ビジュアル的にはサトミーさんが好きだ。


OCT.12.2006(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。いろいろある。

・グインの新刊が殊の外面白い。快楽都市タイスの濃密な描写に暫し浸る。 やっぱこういう観光的なのは好きだ……心なしかグインも若々しいし。

・京極堂新刊 「邪魅の雫」を1/3程読んだ。しかし 相変わらずの厚さ。話者の視点が多くてもう既に脳がついていけてない…… というのは、まあ相変わらずといえば相変わらず。面白くなるのは これからだろうから……流石にもう一晩で読み切る様な気力はない。

・ふと思い立って Stellarium を入れてみる。日本語化も簡単。なんかいいわこれ…… できるなら大型ディスプレイで楽しみたい。


OCT.11.2006(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。過去のミスが色々と暴露される日。つらい。キムチ鍋を 作って食す。

・Googleマップ徳島探訪。単なるノスタル爺。 毎週土曜日にバスケやってた体育館。こうしてみると海が近い。 漫画雑誌が充実してたコインランドリー。毎週金曜日の夜に一週間分の洗濯物 持ってって、洗濯機2個回したりしながらチャンピオン読んでた。 たたえ城東たたえ城東われらが母校は自分がいた頃とは全く違う建物になって いる。もはや余所の学校だなこれは…… 徳島大学はこのE型の建物の中で2〜4回生の日々を過ごした訳で。でも当時は 絶賛ヒキコモリ中だったので殆ど記憶はない。

カタリベ 人斬り龍馬読了。前者は、作者ナウシカ好きなんだろうなあ〜、という感じ。 蟲使いのマンガとか描いて欲しい。後者はちょっとシナリオが弱いかなー。絵を 楽しむ。この人何でも描けるなあ、とは思うけど、その分シナリオの善し悪しが 作品を決める感じだ。しかし斯うしてみると「もやしもん」はこの作者の作品の 中では(どっちかというと)特殊な方なんだなー、と。


OCT.10.2006(TUE)

 奥さんが風邪引いたらしい。休み中無理しすぎたか。反省。 風邪薬を買って帰る。

・なにげにGoogleマップの徳島地域高解像度化が進んでて、昔住んでた部屋が 見える様になった。 このへん。すげー。小松島はまだまだだけど。

・メージュ富野に訊け、「字を練習しろ、もう他のことやってる時間はない」 的な斬り捨てっぷりがたまらん。斬ってほしい……ばっさりと。


OCT.09.2006(MON)

  「息子の部屋」を見ながらグラタンを作って食べる。イタリア映画はいい。 エンディングのどっちらけっぷりも好きだ。過剰なまでに等身大。それでいて 非常に「映画的」。ありふれている、ということのすごさ。どこにでもいる家族。 どこにでもある日常。世界がドラマで満ちていると感じられる。ホントに いい映画だ。思い出すとじわじわ来る。

・日が傾く頃、奥さんと自転車で秋葉原まで行ってみた。駅下の駐輪場(2時間まで タダ、それ以降は一日100円というリーズナブルさ)に自転車を駐めて、ヨドバシ前で やってる劇団鹿殺しの パフォーマンスに拍手を送る。関西の劇団らしいノリ。昔のピスタチオの様だ。 ピスタチオと言えばこないだリリーエアラインの「巨獣」のDVDを買ったんだけど、 音声が聞き取りづらくて半分諦め状態。やっぱ脚本も併せて買うべきだったか…… 秋葉をブラブラしてからヨドバシ上の本屋で本を買いあさる。グインの新刊とか とりぱん2とか働きマン新刊とか竹本泉新刊とか。あと仕事関係の本も。次は 自転車で上野まで行ってみたい所存。この調子なら軽くいけそうだ。


OCT.08.2006(SUN)

 前々から一度行ってみたかった東京ディズニーランドに(渋る奥さんに頼み込んで) 行ってみた。思えば高校の修学旅行(大雨)で行って以来。15年ぶりか……。傾いた 陽光の所為もあるだろうけど、全体的に褪色した感じは否めない。延々一時間以上も 列に並んだりするのもえらく懐かしい感じ。自分の人生の中で万博ブームだった 1985-1987以降、こんなに並んで入場することなんてあったろうか……あ、あるわ、 あるある。有明で毎年やってた。

・並んでは乗り、並んでは乗りして気がつけば22時。ホーンテッドマンション とか初めて行ったけど何かサンディクロウズ仕様になってて楽しい。 あと椅子が勝手に階段とか上ってくれるのが超楽だと思った。スターツアーズも 高校生の時以来だったけど相変わらず色々イカしてて凄い。いやー、遊園地、 いいね!特に夜の遊園地は。奥さんはサイレントヒルを思い出して恐かった らしいけど。確かに……流石に疲れたのでサクッと帰宅して、HDDレコーダで 「息子の部屋」を見ながら寝てしまう。


OCT.07.2006(SAT)

 先日注文した LEXONの鞄が届くのを待っていたらもう午後になっていた。なかなかいい 塩梅と思える。行ったことの無い所に行こう、と急に思い立って巣鴨に行って みた。おばあちゃんだらけかと思ったけどそうでもなく。全体的に味わい深い。 空が綺麗に夕暮れていて、思わず写真を撮りまくる。そのまま立川まで足をのばして 悪の秘密結社の飲み会に参加。面子はイカ総統、WAX氏、こう1氏、京典氏、 リッチー氏、てっちゃん氏、奥さん、拙者。場所は以前も来た居酒屋。あれは いつだったか……2年前の冬?いや、3年前だ。2003.12.29。相変わらず 焼き鳥の類がヤケにうまい。そしてヤケに安い。まとまりのないだらだら話を 延々と。それもまた良き哉。またしても焼酎濃度を見誤ったまま連続 投入して酩酊。ううう。あー、でも、ホンマ楽しい時間でした。楽しく飲んで 楽しく話して。またやりましょう……


OCT.06.2006(FRI)大雨

 仕事して帰ってきて寝た。久々に深夜の新東京郵便局経由。 土砂降りの中、列をなして郵便物を待ち受ける郵便トラックの列。24時間止まらない 仕分けセンターの天井には「郵便物は結束が命」等の渋いスローガン。ここでは こういう風景が24時間絶え間なく、そしてはるか昔から遠い未来まで続いている。 雨は止まず。


OCT.05.2006(THU)不明

 仕事して帰ってきて寝た。色々と見たくない、聞きたくない事が発生中。 吐きそうだ……


OCT.04.2006(WED)不明

 仕事して帰ってきて寝た。


OCT.03.2006(TUE)不明

 仕事して帰ってきて寝た。


OCT.02.2006(MON)不明

 仕事して帰ってきて寝た。


OCT.01.2006(SUN)

 雨の日曜日。一週間の疲れがドッと出て身動きできず。日が暮れてからなんとか動き 出す。東京駅方面にでかけて本屋で洋書とか眺めて時間を過ごす。本はいい。夜、和食 レストランで東京駅を見下ろしながら奥さんと食事。思えば入籍してから一年経った。 長かったような短かった様な。食事は美味なり。

・帰宅してニュースを見てショック。久々にぎゅっときた。胃の腑がぎゅっと。 米澤代表が亡くなったそうだ。肺癌で。53歳で。人は死ぬ。死ぬのだ。自分も いつかは死ぬ。そう遠い話ではない。多分今自分が思っているよりも残り時間は 少ないだろう。自分はまだ「ワカモノ文化」に属しているつもりで、気づけばもう 32。十分すぎるほど歳をとった。肉体だけが。ただ生きてただ死ぬ。その怖さ。 その悲しさ。

・自分は死ぬのだ、と思うとき、虚無感が押し寄せる。それは小学生の頃も、今も、 変わらない。「アニメがお仕事!」の5巻の葬式シーンで、死んだときにどれだけ 人の中に思い出を残しているか的なシーンがあって、「そうだよな」とも思ったけど、 死ぬ側からすれば、死ぬ、という絶対的な事象の前には何事も無意味である、と 思えてしまって、そこから抜け出すのに、大抵一週間くらいはかかるのだ。いつか 悟る日が来るのか。いつかこの「自分が居なくなってしまう」という恐れを脱ぎ 捨てることが出来るようになるのか。

・何故か録りこぼしてたのでYoutubeでホスト部の最終回を見る。面白かったんだけど なんかこう、悩みとかの部分が全然「遠い」感じだったので正直もうどうでもいい、 という所。「ぜひウチの嫁に」とかいうシメは、ああ、女の子向けなのね、という。 見ている間は楽しかったけど、見終わった時に心には何も残っていない。ほどほどに エキセントリック。ほどほどに華美。世の中砂糖菓子でいっぱいだ。そんなものばかり 見てたら、脳が腐ってヨーグルトになっちまうぜ。

・石原藤夫「ハイウェイ惑星」読了。所謂「惑星シリーズ」の自薦集。こないだ実家に 帰ったときに未読棚からつかんで帰ってきた一冊。漸く読了。身近なハードSF、と いうか……面白かった。特に表題作は「ゾウの時間ネズミの時間」で「なぜ車輪動物が いないのか」の解説を思い出す。進化の過程で舗装道路が存在していたら……的な。 ラストの「ブラックホール惑星」は「絵にも描けない」落語の頭山的な面白さがあり。 ブラックホール茶漬けは食ってみたい。

・あきさかあさひ「終わる世界、終わらない夏休み」下巻読了。作品が繰り返し を扱っている以上、どうしても「あ、ここ知ってるわ」的に、ノベルゲーなら 「既読箇所は早送り」スイッチを入れたかの様にぐいぐいと読み進む。目が ゆっくり活字を追えない。殆ど駆け足の様な感じでラストまで読み終わった。 正直、もう少し”外側”からの接触があっても面白かったのではと思う。 閉じて繰り返すなら閉じて繰り返すだけの理由が欲しい。何にでも理由を求めて しまうのはおっさんだから。繰り返しの夏休みなら絶望と死の連鎖ではなく ビューティフルドリーマーであってほしいとも思う。これだけの筆力(熱、と 言い換えても言い)を持つなら、作品の傾向はもっと「普通」でいいと思う。 さて圧倒的な絶望の中で、どうやったらサイコロを振り続けられるのか。不意に 己がそうなら、圧倒的な絶望を前にして”前向き”でいられるものか、と思う。 こういうとき思うのは、安彦良和「ナムジ」で、ナムジが岩牢に落とされ、 はい上がる迄の歳月。僕にとってはあの程度が限界とも言える。この世界では、 真っ先に死んでいる。今は何というか、生命力が減退し切っているので……

・自分の中にある決定的な壁(努力しても超えられない、というよりは努力する気力が 沸かない)を感じて絶望する、という事がこの32年の人生の中にも何度かあった。 今またそれをじわりと噛みしめている所だ。自分は何者かではない、自分はただ 「その他大勢」に過ぎないのだ、と(既に痛いほど思い知っている筈なのに)更に 思い知らされる。ゲンジツの己を受け止め、あきらめと、そこからの再出発を。 小さいことかもしれないけど、今、その絶望からはい上がろうと努力している所。 いや、まだ、努力はしてないな。これから始めるところ。今はまだ。


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