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古日記 2002年9月(後半)


仕事して帰ってきて寝た篇。



考えてみれば奇妙なことだとおれは思う。
いまという時間を共有している人間の、どのくらいが互いを知っていることだろう。
圧倒的に知らないままでいる相手のほうが多い。
それなのに、自分の知らない人間もたしかに存在していて、
自分と同じように寝たり食べたり楽しんだり苦しんだりしていることを
だれも疑わないで生きているというのは、不思議なことだ。

(神林長平「ライトジーンの遺産」p184)

SEP.30.2002(MON)

 ハレグのOVAを借りようとレンタル屋に行ったら貸し出し中だったので「雪風」 を借りてみた。感想:ムッシュかまやつの衝撃は聞きしに勝る。「グッドラック」 のテイストでリファインされた旧作、という感じ。高校時代に読んだ「雪風」と まるで同じ映像が何カットかあって、それなのに何もかもが違う、という印象。 つまりそれだけ誤読をしていた、ということ、だ、ろうか。あの時の「雪風」は、 もっとこう、遠い(文字通り異世界の)物語だった気がするよ。アニメの零や雪風 には「キャラ」が有って、血が通ってる感じがしてしまう。うーん。数年前読み 返した時も、もう少し乾いた、冷たい(でも魂が熱い)印象だった気がする。それに してもみんな伏せ目がちだと思った。あとメシ食ってる時の零萌え。

・絵的にも、さほど衝撃があった訳ではない。「あのスーパーシルフが映像で!」 とかいう感動も実は薄い(その意味では「グッドラック」の頃に初めてその”姿” を見たときの衝撃の方が大きい)。「青6」と比べてどうか、というと、まだ青6 の方が「マシ」かも、と言いたくなる。萌えキャラ多いし。GONZOの「この路線」 には、何か大切なモノが欠けている気がする。何か、なんて適当な言いぐさだとは 思うけど。でも、ラストの雪風の見捨てっぷりには、思わず喝采をあげそうに なったのも事実。この瞬間こそが、この作品の最も「美しい」所だと僕は思う。 その切り口の鮮やかさ。センスオブワンダーの瞬間。グッドラック。

・ぷちぷりユーシィ。何かイマイチ食いつきにくい導入。絵的には、赤井キャラに 只野フィルタでああなるのかー、という感じはするけど、その分ソリッドさが無い というか。惹き付ける力を欠く。プリメ初代世代として、勿論楽しみで無い訳は 無いんだけど、うーん。まあタイツだしね……タイツ……sukima……はっ 俺は今何を。

はしくれ工房バーチャの教え がツボに入って、一日頭から離れなかった。ああ、全くそうだ。僕はただ ”技を出したい”レベルの人なのだ、28にもなって、とか。実は「ただ会話する」 という事が出来ないのよ。ネタがないと喋れない。「あのアニメ見た?」っていう 会話なら出来るけど、逆にそれ以外の会話が出来ない。それは、会話じゃなくて、 情報交換だ。虚構読みもWebも、全ては代償行為、逃避行動の結果なのか、自分の 場合。いや、多分そうなんだろう。今更何をか言わんや。


SEP.29.2002(SUN)

 腕が怠い。足腰も昨日のバスケでガタガタ。田中芳樹「春の魔術」読み始め たりした。来夢のタイツっぷりに、つくづくこの人はロリの心を忘れない大人だと 思った。空だって飛べてしまうコーヘイ兄ちゃんの描写は、最早病的と言える。

・この作品の中では、あれから殆ど年月が流れていない。だが、しかし。ふと 現実に帰って、俺何やってんだろう、何のために生きてるんだろう、とかいつもの 奴がグルグル。なんか例の黒い影が心臓に迫りつつある。平日は仕事して帰って きて酒飲んで寝るだけだし、休日はこーやって引き籠もり。こんなんで明日が 見える訳もねー。ファミリアが買える程には金も貯めた、が、然し。 ジャースティィィィーーーース。

・CALLでバックトゥザフューチャーDVDをちょとだけ見せて貰う。マーティの吹替 が山ちゃんの奴。マーティ:三ツ矢雄二、しか頭に無かったので、スパイクな 喋りのマーティに結構違和感が。ドクはミスターマッドサイエンティストの青野さん で無問題。あっでもビフは誰だったんだろう。玄哲以外は想像もつかない。あと まほろさんとかも。ぼーっとゲーセン行ってスーパー行って海辺の倉庫っぽい酒屋で 安ワインと冷凍餃子とキムチを買って帰って飲んで食って寝た。孤独すぎる。

・それでも今、ひでまるの最終回を見終わって、何かを成し遂げた様な気分さ。 そんなはずはねー。


SEP.28.2002(SAT)

 突然解雇されて、再就職しようにも何のスキルも資格もないので、仕方なく 演劇の専門学校みたいな所に行ったら、まわりがみんな17,8で、その若さと勢いに 押されて、酷く惨めな気分になる、俺こんな事で再出発出来るんだろうか、とか 思いながら目が醒めた。なんで演劇。

・意を決して、買ってからずっと恐ろしくて開けなかった「恋愛ディストーション」 3巻を読む。毎度の事ながら、効果覿面。なんか泣きながらフラフラと街を彷徨って しまう様な。畜生恋愛なんてのは幻想なんだよ!そんなものはこの世に存在しねえ !

・なんか自縄自縛な大量のToDoリストを抱えてる筈なのに、ぼーっとコーヒー メーカーが珈琲を淹れるのを見てたり、ぼーっとスパゲッティが茹で上がるのを 見てたりする一日だったようだ。駄目すぎる……無理矢理街に出かけてみたり したけど、どーも、モヤモヤと。ナンダコレハ(恋ディスの影響下に有るのは 火を見るよりアキラカ)。使うアテのない買い物とかしまくり。日が暮れてから バスケ。何か久々にエキサイトした。興奮物質が背中を押している感覚に酔う。 今夜は防衛隊も勢揃いだったし。風呂屋に行って、バーミヤンでメシ、な夜。 然し相変わらず春巻が熱いんだよ……

・M隊員と先日放送された「ノイズ」(The Astronaut's Wife)ていう映画に ついて「何なんだアレは!」と盛り上がる。いや、あのオチは衝撃的でした。 ミステリ?サイコもの?とか思って見てたらC級SF(いやアレをSFと言って いいのか)という……演出及び演技が妙に巧くて(ジョニー・デップも シャーリーズ・セロンも本気で演技してる)、最初から終わりまで、一生懸命 見てしまったのが悔しい。いや、多分オチは三つくらい考えられるんだけど (DVDには別のオチも入ってるとか)、その中で一番駄目なオチだと思えた。 X-FILEならこんなん日常だけど、ねえ……

まんがバカ一代 がとうとう終わるという。始まりが有れば終わりもある。ああ、でも、何か永遠に 続く様な気がしていたよ……はああー(肩を落とす)。いや、あのアンケート結果を 読むのがホントに楽しみでねえ。まーまバは最初から完結を予定した体裁だった 訳で。ウチみたいに日々のディスコミュニケーションの「代償行為」として更新 されるよーなアレなサイトは、本人が満たされない(成長しない)限り終焉を 迎える事はない、とするならば、未来永劫。


SEP.27.2002(FRI)

 仕事して帰ってきた。

・最終回ラッシュだったってのに何一つチェックしていない。もうここまでか。唯一 寺本演出のふぉうちゅんドッグす13話のみ。ドッチの話。あのエリマキされて飯食う シーン(皿にカポっとはまっている様)が萌えすぎる。個人的に結構当たりだった。 到底半時間とは思えない物語密度(然し決して重くない)や、限られた枚数ながら レイアウトを意識した画面構成は、ペリーヌや三千里頃の世界名作劇場を彷彿と させる。爺さんがドッチにハーモニカを吹いて聞かせてやるシーンの、瞳→花→ ラジオ→思い出と展開する誘導の巧みさには脱帽。必要最小限のシーンをここぞ、と いう作画で、音の力に乗せて見せる。広場でハーモニカを吹いている爺さんの横で ドッチが見せる尻尾だけの演技とか、兎に角細部に神が宿っている。中盤、ドッチの 「去りがたさ」をあからさまな演技で示す前に「雰囲気」で示せてしまう、この 「当たり前」さ。そしてラストのタメの効きまくった別れ。演出ってのはこれだ。 こういう事が出来るのだ、と改めて。犬と人間の関わり、を本気で描こうとする、その 心意気に惚れまくり。世界名作劇場終了以後、この手の技術は失われたかと思って いたけど……それはそうと 世界名作劇場食玩の角砂糖ラスカルは萌えまくる。

・なんとなくかまいたち2をやってみた。陰陽篇と底蟲村篇を一気に完まで。底蟲村 篇はかなり燃える。だんだん面白さが解ってきた。

・オコジョの最終回は見たかった気がする。遠い地では、妹がフェレットを飼い 始めたらしい。おはんはほんによかおこじょじゃ。

真空管アンプ搭載マザー「Aopen AX4B533-TUBE」を試す。なんか、エージング とか、いろいろ勉強になった。実は真空管アンプの音って聴いたこと無いんです。

Tablet PCでオレもマンガ家デビュー。なんか微妙な記事だな……


SEP.26.2002(THU)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.25.2002(WED)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.24.2002(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。


SEP.23.2002(MON)

 明日のことを考えると眠れない。何が辛いと言って身から出た錆という奴が 一番辛い。「ああお前は今まで何をしていたんだ」とか風にふと問われるという。 どうせ一人モンよ。いつか本気で笑おう。

・県立美術館で 高村光雲とその時代展を見てきた。「老猿」以外見るべきモノ殆ど無し。何か 全体的に中国の土産物みたいな印象。サイズがどーしても。インパクトに欠ける。 「老猿」はその意味まるで別物。でかいし。次のユトリロ展に期待しよう。

・とり・みきの新刊を買い損ねてしまった。Amazonも取り寄せっぽいし。 神林のラーゼフォンは今半ばまで。アニメとの妙な符合がキモチワルイ。 ちょっと軽薄な感じ(不良っぽい)が、”光文社の神林”っぽい。

・先週に続き今週のサイキックも滅法面白かった。高校の部室な会話に癒される。 ギターもひいてみたい。考えたら楽器なんて縦笛以外何も出来ない。友人に徳島 一の楽器屋が居るというのに。


SEP.22.2002(SUN)

 なんか納期仏契して泣きながら仕事してる夢を見た。夢じゃねえ。

・永野のりこマンガを箱詰めしてたら、最近の作品を真面目に読み込んでないこと に気付いて辛くなる。手塚系スターシステムを使った、読めば読むほど「本体」が 見えてくるド深い作風についての再確認は、いつかまた僕がこの箱を開けるときまで。 「デイジー」なんか台詞暗記するまで読んだってのになぁ。

・発作的にファントマの「温泉大名」をビデオから取り込んでmpeg1にコード し直してCDRに焼いてみたりした。ノイズ除去スイッチ入れたら、30分の ビデオ再コードするのに4時間かかった。


SEP.21.2002(SAT)

 目覚めて、なんとなく「かまいたちの夜2」を始めて、取りあえず陰陽篇 まで入ってまた寝た。目が覚めたらバスケの時間。I上君は今日が誕生日 だったので、その挨拶だけでも、という感じで顔を出したが、結局最後まで プレイ。僕以外に防衛隊の姿は無し。ふと気がつくと、初期からのメンバーは 代表者関連とI上君だけになってしまった。バスケやってる海辺の 体育館が取り壊しになるかも、という話もあるし、何だか。まー、 その時はその時で。虚無的な一日を満喫して了。

・ブックオフで買い込んだ「ナバナバパラダイス」四冊を一気読み。 何か愛しすぎて疲れた。

イリヤ3の感想?を追加。


SEP.20.2002(FRI)

 みからでたさび。週末は寝倒そう。来週は今週よりも、眠れなそうだ。

・小学生の頃、「アニメーターかプログラマー」になりたかったけど、なんで そんなに睡眠時間を剥奪されそうな仕事ばっかり。知人のアニメ演出家は、まるで 往年の手塚治虫のよーな生活を送っている。それでも、楽しくて仕方ないのだ そうだ。そうか、楽しそうだから、なりたかったのか。


SEP.17.2002(TUE)

 ちょーやばい。まじやまい。一日が一瞬で過ぎ去った。今回の対納期戦は…… ってどうでもいいですねスイマセン。もう今日は自分リソースの95%以上を 吸われてしまったので。明日も。

・携帯に、8月末のメールが今朝になって届いた。こんな事って有るんだねえ。 ていうかバグってんのかドコモ。と言うわけでスイマセン今読みました。

IDF2002 Fallレポート:基調講演にカーク。「最前列に座っていた男性が 「できる、いやできるに決まっている」と述べて立ち上がった」こんなことされたら 泣く。間違いなく。カークが出来ると言ったら出来るンダ!あー。日本にはこういう人、 ちょっと居なくなっちゃいましたねえ。居たとすればおやっさんとか。 藤岡弘では、 ちょっと駄目な気がする。その頃レナードニモイはトレッキーのコンベンションで バルカン耳をつけてはしゃいでる30代男性に「君は一度でも女の子とキスしたことが あるのかい?」と問いかけていたという。


SEP.16.2002(MON)

 某肉屋のコロッケ(あげたてを土産に貰った)と東北方面から届いた水餃子が 死ぬ程美味かった日。炭水化物にたんぱく質をてんこ盛り。脳味噌が痺れるのだった。 他にはなにもなし。棒ラーメンもいい加減食わないとなー。あー太る太る。ハッ! これが食欲の秋って奴か!

・やらなきゃいけないことがいっぱいある。優先順位付けを怠っていたらあっという 間に何も出来なくなる。今年に入ってもう何回ToDoのリセットボタンを押したか。 人生にリセットボタンは無いよ。「イリヤ3」読み終わって、「スリーピー・ホロウ」 見て、コサキンMDの最後の一枚を聞いて、中身の解らないMD/ビデオのラベル整理 して、部屋の掃除して、mp3の整理して、飯食って、はしもとしんの「LDK」ぼーっと 読み返して、あー俺も彼女と一緒にショッピングセンターに行きたい。ただそれだけ の、だが、なんと遠い夢か、世の中には2種類の人間が居て云々等と身悶えて、 はっ、と気付くともう日付が変わっている。ああ、何にもならない。

・何て言うか、雑念が多すぎる。或いは集中力が無さ過ぎる。やりたいことだけ やれよ。今年もあと106日。人生、思ってたほど時間は無いみたい。雑念を払え。 やりたいことだけやれ。そう遠くない将来、全てを諦めてしまうだろう予感(確信) は強くある。「いつまでもこんな事やってらんないよ」って言い出すと思う。今 もう既にそんな感じ。夜更かしすると、朝が辛い。ただそれだけのことで、もう 何もやる気が起きない。精神なんてのは所詮肉体の隷属物だ。

・それはそうとスリーピー・ホロウ、あれどうなんですか。ミステリーかと思いきや。 いや、全く京極堂の登場を願わずには居られない。科学的に(バカにも)納得のいく 説明を(口先だけでも)!十分に浸透した魔法は科学と見分けがつかないと言う話も あるが……



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