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古日記 2002年1月(前半)


ハー!マイオニー!篇。



わたくしは学殖なきを憂ふる。常識なきを憂へない。
天下は常識に富める人の多きに堪へない。

(墨東/鴎外伊沢蘭軒が傳・末節)

JAN.15.2002(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。


JAN.14.2002(MON)

 目覚めて、顔を洗った後、アニメ「フルーツバスケット」最終話に臨む。 身構えて見た最終話は、でも、それに充分応えるパワーがあった。危ないところ だった。これがあるからアニメ見るのは止められんよ、という感じ。この物語の 続きが(この演出で)見られないのは寂しいが……いい作品だった。

・某☆師匠宅にお邪魔する。10年前、床から天井まで積み上げられた5インチ ディスクの柱(が何本も林立)に戦慄したものだったけど、今は代わりにCDRと DVD(未開封の山)が柱を作っているのだった。「何かDVD貸してくださいよー」 「何か持っていくか?」「……また考えときます……」多すぎて探し出す気力が。 オモシロFlashとか見せて貰って帰るのだった。

・とうとうerでルーシーが死ぬ回をみてしまう。嗚呼。

グルグル14感想とか いい電子2感想とか 細腕三畳紀感想とか トラヴィ3感想 とかの感想を勢いで。

・お馴染み人民日報ロボニュース。 犬ロボ。バッタ屋で売られてそうな感じ。先行者を越える逸材はなかなか 現れない。


JAN.13.2002(SUN)

 ドラムスキー氏、ニャッキ氏、M隊員、K永、拙者の面子で香川うどん食い 倒れツアー。讃岐うどんに異常なこだわりを持つドラムスキー氏の案内で、 製麺所系の讃岐うどん屋(うどん打ってる作業場の横でそのまま食ったりする 様な。製麺所も一見ごく普通の民家だったり)を巡るのだった。流石に立て続け で4食食うとおなかイッパイ。満濃池で煙る湖面を見つめ脳味噌を真っ白にして 腹をこなした後、映画。ジョジョ好き面子が選んだのは「 メメント」 で、見終わった時の感想も「ジョジョまんまやー」「ええのかあれは」みたいな。 某ドンキーなハンバーグ屋でハンバーグを喰らいつつメメントの考証突き会わせ。 大体納得。後はひたすら走って、さっき帰ってきたところ。然し久々に高速延々 走ったら流石に疲れた感じ。ていうか昨日のバッティングセンターでの筋肉痛が モロに出て腰と肩が悲鳴を。昨日は調子に乗りすぎたよ。

・帰ってきてメメントの公式サイトのBBSで「答え合わせ」。大体こんなもんか、と 言うところ。疑いだしたらキリないしな。


JAN.12.2002(SAT)

 午頃起き出して買い物。後N川先生とバッティングセンターに行って、ここには 書けないお年頃の男と男の話を小一時間一方的に聞かされる。100球位やってから (やりすぎ)先生の実家に行って例の女子高生号泣ビデオを見せられる。というか 愛媛県立川之江高校「七人の部長」のビデオなんですが。

・完成度がバカみたいに高い上に個人的にツボにはまった文芸部部長がもー カワイくてカワイクテ。キャラ造形が実にもう「文芸部部長」なんよ。カワイイ。 声がまたカワイイ。やっぱ高校演劇はキャラあってナンボだなーと思う。いや、 面白かった。良くできていた。ラスト、一人一人去っていく会議室の空気感の 持つ能弁さは、それを言葉にすると失せてしまう感傷に満ちていて。何かが 変わるかもしれない、変えられるかも知れない、という予感、そして何も 変わらなかったけど、刻まれた記憶。無自覚没個性な繰り返しの日常、それ 故の切なさ、かけがえのなさ。意識しないまま「繰り返し」てきた事共への 切ない愛惜。表面上は、たかがプリント一枚の伝達に終わった、風に舞う塵の 如き「日常」の一瞬、その瞬間に、その会議室で演じられた「予算会議」と いう「場」のかけがえのなさ、その……ああ、繰り返しになるな、どうも 言葉にするにはまだ読み込みが足りない。とにかく良かった、のだ。

・でも何か「イマイチ」だったのは、多分「作品」が面白すぎて、逆に ハマれなかったからかも、と。ホットチョコの時の「痛みピンポイント 集中攻撃」に比べるとまだ「痛さ」度は低い。低いけど、でも、「人が 生きていく事の真実」(何故陸上部員は走るのか、とかそんな事。意味は なくとも「そういうものだ、そしてそれは悪いモンじゃない」、という)を 静かに確かに語る視点は、今の僕には沁みて仕方の無いテーマで。でも「それ」 を将来明るかるべき高校生が演じるのは、どうなんだろうね。などとクサしつつ お土産に持っていった SPAMを食らう事もなく退散。 雨上がりの空を会議室の割れた窓から見上げつつ、放課後をそれぞれに散って いく部長達の気持ちを抱えたまま、何となくバスケ行って、何となく風呂に行って、 何となくバーミヤン行って、駄喋って2時頃帰ってきて寝たのだった。 「終わることの切なさ」を語ろうにも、バーミヤンで駄喋ってる面子が高校時代 以来変化無しというのが痛し痒しではある。


JAN.09.2002(WED)

 年末に東京に引っ越した人から電話。新職場は秋葉でじこ屋の近く、とか。 「お先に、とでも言っておくかな……」(万丈っぽく)とか言われて己が身の 上について考える。ここ暫く仲間の人員は減る一方。結局今やってる仕事の 重要度が落ちてきてるのかな、と。こりゃ真面目に「次」を検討した方が 賢いのかも。毎日を自覚的に生きよう、と思い直さなければならない程に 此処んとこボンヤリ生きて来てたけど、目ぇ醒まさないとなー。ブースに 隠れて(?)ジッと仕事してると、パーティションの向こうで何が起きてるの かが気にならなくなってしまう。アンテナを張ろう……でも転職先を探すなら 今が限度だよな。……とか言いつつ明日もズルズル。

・年末最果ての本屋で買ったままだった「破壊魔定光」を4巻まで一気読みして 混乱する。一冊読み損ねたか?と思える程の説明の無さ。設定の見せ方があんまり にも針穴的で、再読三読を強要する。アクションラブコメバイオレンスSFの 「SF」の部分で納得するまでは「読んだ」とは言えないのがSFの血で。 但し成程絵の巧さ(というか魅力)は極上だ。

・東京方面から古いSFMを何冊か貰ったので読んでいる。1966/11号の メイコン・レポート(第五回日本SF大会/名古屋)の写真の野田宏一郎氏の イメージの変わって無さにビビる。柴野拓美氏の若々しさにはこれまた逆に。 或いは新刊広告に並ぶ日本SF作家達の、著者影の若いこと若いこと。てれぽーと (読者投稿欄)の投稿者が15歳の女子で「誰かブラッドベリが最高に好きって方 いらっしゃいませんか?」「今はもうブラッドベリでなければイヤ」とか。36年 前に15歳って事はこの方今年で51歳。ブラッドベリ好きの少女はその後どんな 人生を歩んだろうか。或いは受験前にSFMを読みあさってしまう14歳の少年とか。 そういう時代があったのだナァ、と。

キン肉マンII世の河野陽吾によるOPは串田っぽくて熱い。


JAN.08.2002(TUE)

 仕事して帰ってきて寝た。

・だぁ!:七福神。なんかうる星めいて。作画がへにょへにょだったんだけど それが逆にいい味に。黒豆の鍋揺すってる美夢の何にも考えてないよーな顔が 実に良いのだった。宇宙人宇宙にいるから宇宙人地球の人も実は宇宙人。

・フルバ22話:先輩。この人の話で一本丸々使っちゃうバランスが好きさ。妙な ノスタルジックさに満ちた空気感。「終わってしまうこと」を予感させる3年生の 生活。可憐なモノを可憐に描ける作画は、当たり前のことなんだろうけど、時々 そのことに感動する。ガシャポンの「いい仕事」っぷりに感動するような。/ 23話:猿。声優のパワーと作画のパワーが程良くマッチ。テンションは高い様に 見えてその実低い。確かに「良くも悪くも大地」なのか。オリジナルは向いて ないかも。原作に「異常な力」があればある程生きる演出っつーか。残り少なく なって来た。ゆっくり見たい。/然しこの寂しさは何だ。「呪われた一族」とか そういう、社会から隔絶された世界に生きる者達の、虚無感にも似た穏やかさが 痛々しい。今市子の描く世界の様な、開かれているのに閉塞した世界の雰囲気。 彼らは「あきらめ」を越えてその先へ行けるのか?どう展開すれば「めでたし めでたし」なのか。透がただ「異形でも愛してあげる」だけでは駄目だろうし。 物語は、或いはまだ始まったばかりなのかも知れない(キャラ紹介しかしてない という……)。

デマウィルスメールが回ってるみたい。

おたかさんの マイオニーはごまかし無く似ている上に微妙にえろいと思った。

ペインキラー氏の日記でアシッドでのボンちゃんの壊れっぷりが詳細に。 「何ですか、A.1.ですか」とかもうホントにどうでもいいボケを延々。 酔ってた(或いは飛んでた)んじゃないかなーと思える程。サイキック、 竹内・板井(平野)をメインに、というのはもう何年も言われ続けている事で、 でもそれやったら多分半年で打ち切りだと思う…常識人(とゆーか強引に話を 引っ張っていくタイプのプロ)は必要ですわ。板さんも時々暴れるから面白いん だと思う。毎回あれやられたら引くかも…

フバ新imacを一目 見るなり発した「その高輝度ぶりを読書に転用」の下りにあー矢張この人の センスは普通とは違うと思わせるに足る下駄履きリアル感触だと思った。


JAN.07.2002(MON)

 仕事して帰ってきて寝た。


JAN.06.2002(SUN)

 買い物して珈琲飲んで、そんだけの一日。ヌルさ極まれり。夜N川先生と長電話。 某先生の退官祝いに潜り込めそうだけど…とかいう話。は10秒で終わって、後は 延々「10代の頃の経験に注釈をつけるだけの毎日」について鬱鬱と。相乗効果で 非常に後ろ向きな気分に。10代の虚ろな過去を繕う事に汲々として20代を終える のか>自分。或いはこの先の人生全部かけて?ていうかこの話数年前にもN川先生 としなかったっけか。同じネタを同じ口調で喋ってたんじゃないかなー>自分。 深夜、年賀状に(今頃)返事を。今年一番の衝撃作は某病弱(元)美少女からの モノで、曰く「今年は結婚・出産とひかえてて…」云々。何か年々「結婚します」 「家族が増えました」系のハガキに対する防御能力が落ちてる気がする。然しあの 華奢な美少女がなー…とか思うと、何かモヤモヤして思わず腕立て伏せを始めて しまう拙者だった。挙げ句話題の ウイメン・イン・ブラック読んで案の定妙なツボ押されちゃうし。はー。

・正月休みは荒井由実とムーンライダーズをCDチェンジャーに入れて意味もなく 車で走り回っていた。半日走ってたどり着いた海辺のコンビニで缶コーヒーと マシュマロだけ買って帰ってみたりとかそういう。振り返り人生を満喫。まだまだ 世界は解釈出来てない「過去」に満ちている。久々に軽シンでも読みたい気分さ (どこまで行くねん)。ネットを彷徨いてたら90年代に書かれたムーンライダーズの アルバムレビューがあったので読んでみたりとか。

まバ20回アンケートは1/15迄。「2001年面白かったまんが」。今更乍ら 去年の漫画を総括する機会としたい。一番繰り返して読んだ漫画、なら攻殻2に 間違いないんだけど。

「CNN.co.jp」休止。個人的にあの味わい(こぼれ話系)が好きだった。

日本語ネット検索エンジン「グーグル」採用7割超す。エゴサーチャー (自分の名前や自分が運営するサイト名を検索するのが趣味の駄目な連中)の身と しては、正直有難くない話。以前の様にいくつもある検索エンジンを併用してた 時代は最早遠い日の幻か。多様性が失われる事には常に不安な感触がある。

・昨日のアシッド、ボンチャンいい味出し過ぎ。サイキックではツッコミに 回らざるを得ない鬱憤がもーグズグズの投げっぱなしなボケに溢れてて素晴らし かった。ル ーテシア→アルテイシアなのか?→兄さん!みたいな。やっぱこの人の 感性あってこその両番組なんだよなーとかしみじみ思ってしまう。


JAN.05.2002(SAT)

 昨年一年分のニュータイプを処理しようとして挫折。8割がた見てないアニメの 「新番組特集」と「最終回直前特集」の繰り返しだけ……夜はまたバスケを休んで しまう。たるみきっとるな。たるんだ勢いでフルバ21話まで見終わる。結局電波萌え な印象は変わらず。あの鼻づまりっぽい喋りがツボか。「泣くわ……」はこの作品 随一の台詞だと思う。あの作品世界の中で敢えて自分を置くとすると、電波の立ち 位置が近い、って事もあり。電波宅進入の回もこれで4回目だけどやっぱ何か妙な テンションに呑まれるし。扨「対人感情」だけで構築された物語を素直に受け取れる だけの弱弱な感性を維持できるのも明日までか。残りはまたGWにでも。あと後半 ばびっと(おにぎり)が出て来るのは仕方なかったのかなー。こればっかりは 「そういう」作品じゃないっしょーとか思うんだけど。っしょーと言えばあの 眼鏡っ子メイド店員は必要以上にアレで良かった。

・ハリポタ見た。ハーマイオニーのモサモサ髪しか見てなかった。あの 「ハイ先生!あたし解ります!ハイ先生!ハイ!」みたいなアレがタマラネエ。 俺もトカゲヘッド先生になってマイオニーに手を挙げさせては当てないプレイを 永遠に続けてみてえ!とかONAWAで有名な某ウサギヘッドの人と電話で。 夜中の2時に漢達が「モサモサ!」「膝小僧!」「白タイツ!」「マイオニー! マイオニー!」等と叫んでいた事をエマたん(11歳)は知る由も無いだろう。 マジで写真集とか出ないかなー。DVD待ちか。

・そんな訳で映画の出来云々は評価の対象外に。原作に忠実なのは間違いない。 忠実さで言えば満点の出来。美味しいところはちゃんとオイシイし。ただ原作の 悪いところ(というか個人的に納得できない部分)もそのまま。スリザリンいじめ なラストはドラコ君の嫌みさが描かれてない分より浮き上がっていて。あのラスト に感じる違和感は、でも教育現場の悪平等主義(努力崇拝)に対する皮肉なのかも とか思ってみる。子供が生まれ持った才能を生かして何が悪い!魔女は血で飛ぶン ダ!みたいな。

・こないだ勢いで買ってしまった中国の少年向けSFアンソロジー「365夜科幻故事」 を何となく。中華/北欧/ソ連系SF作家に混じって艾・阿西莫夫とか儒勒・凡尓納 (从地球至月球)とか威尓斯(隠身人)とか何となく「らしい」名前が。でも英国 の「雷勃金」とか美国の「・姆斯・亜力山大」とかわかんない名前も。あと星新一や 眉村卓、矢野徹等日本人の作品もチラホラ。でも亀山竜樹の「星期五」って? まーどっちにしても本文は読めないんだけどサ。


JAN.01.2002(TUE)

 一日飲んでいた。正月番組は下らないのが無いのが逆にイマイチ。昔はホントに 脳味噌足りない企画が目白押しだったものだけど。新人歌手新春シャンソンショー はあったんだろうか。三咲姉弟に聞いてみよう。

・「最終兵器彼女」最終巻を読んで、ボンヤリと泣き、ボンヤリと切ない気分に。 実際暫し呆然となっていた。作者後書きに誘導される様で恥ずかしいが、結局の所 「この作品が必要な時期」を過ぎてしまった(或いは次のタイミングまでの 間氷期の)身としては、涙した「切なさ」の向こうに感じるのはただノスタルジィ のみ。或いはSF的な部分(ちせの自我の消滅と曖昧な再構築っぷりは最近の 流行りを思い起こさせる)で泣いたのかもしれないが。作品の「暴力性」は凄まじい。 吐き気を伴う絶望感は凡百の終末SFを軽々と超えている。それだけの暴力を持って して描かれた「●●」について、今の僕は何も語れない。語る資格が無い。僕には この作品を語る資格は(或いは永遠に)無い、というのが結局の感想か。打ちのめ されて年を明けるのもまた良し。



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