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カウボーイビバップ 最終2話感想


25話「ザ・リアル・フォークブルース(前編)」

ジュリア、そしてビシャス。
ついにスパイクの「過去」が表に。

「ビシャス・・・ジュリア・・
 俺には物騒な名前に聞こえてならん・・
 開けちゃならん扉を開くまじないの様だ・・」

男にとって「過去」、事に「重い過去」ってのが、どれくらい
その「男」を魅力的に感じさせるアイテムであるか。
「過去」を引きずり、重くなる足を引きずって生きている、
一種マイナスの、併し抗いがたい魅力。


「フェイ・バレンタイン・・良く有る名前よ・・」
「ジュリア。良く有る名前だわ」

「過去」を振り切ろうとして、振り切れない。
結局、「男と女」なんだよね。振り切れないものの全ては。

「なくした自分のかけら」
・・・この切ない言いぐさ!!


26話「ザ・リアル・フォークブルース(後編)」 「あいつは自分の過去のために行ったんだ!」 「俺の知ったことか!」 ジェットの気持ちは、誰しも感じたことが有るだろう。 今の生活、今の和やかな関係を、見も知らない「過去」によって 引き裂かれる・・・というのは、案外良く有る話だ。 だからこそ、辛い。つらさがリアルに伝わる。 ましてその女、彼等からスパイクを奪う女は 「普通の女よ。きれいで、危なくて、ほっとけない、普通の女・・」 なのだ。 「こんな話、知ってるか?」 もうここでは、殆どダイレクトに会話が交わされている。 装う理由も無いのだ。 「スパイク、一つ聞いて良いか・・・・・女の為か?」 「・・・死んだ女の為に出来る事なんて・・」 「此の目を見ろ」 「醒めない夢でも見てるつもりだったんだ・・」 フェイに向かって一気に喋るスパイクの、台詞の一言一言の力。 一言一言に膨大な時間と思考が詰め込まれているのを感じる。 フェイの最後の泣かせぶりも最高。 彼女はまさに此のシーンのために居た。 音楽と共に始まるアクション。・・・だが、このアクションシーンは もうその先に見える哀しみを既にたたえている。 「ジュリアは行っちまった・・・終わりにしようぜ・・」 「望み通りに・・・」
物語的には全く「お約束通り」だった。 特にスパイクとビシャスなんて、もうキャラ設定の段階で ラストの死に様まで設定済みだったのではないだろうか。 だから、正直、其程の「感動」が有ったわけではないです。 格好良さこそ有ったけれど。あまりに「予定通り」だったので。 こういうラストで終わって欲しくはなかったんだ。 でも、こういう風にしか終わることは出来なかったろうな、とも思う。 湿っぽい、ありがちな、ラストらしいラスト。 ビバップを構成していた話数の殆どが、「らしい」終わり方を避けていた 部分が有っただけに、こういうラストも・・・ まぁ、こういう終わり方も、有り、か・・・ うーん。 やっぱ最高傑作は「マッシュルーム・サンバ」だね・・・・ あれが個人的には最もビバップらしい一作、だった。 もっとああいうのが見たかったんだけどなあ・・・
(99/05/05)

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