白炭屋カウンターへ
日記へ戻る

990710付けテキスト


−未来を、愛せ。


惑星ピスタチオ公演「破壊ランナー」



7/10(土)17:00〜シアタードラマシティ
で観てまいりました。



ビデオで何度と無く見てしまった挙げ句の今回の観劇、
それでも初見の感動こそ無いものの、矢張り強烈な出来。

なんだかんだ言っても「ハイイロクチトンガリ」の下りで心が震える。

「奴ら、反重力装置もロケットも使わなんだ!それが雲に届く位高く、
 空を飛ぶんだぜ・・・・」

或いは
「俺より速く走る男が、俺にも限界を超えさせる・・・!」


ああいう所がシャトナーの美学なんだと思う。
美学というか・・・・SFマインド。




ピスタチオ特有の映像的な演出、パワー溢れる演技そのものは健在だったし
(特に冒頭の飛行ガレージ内の演技は「WORLD」を彷彿とさせた)
特に問題なし。


・・・まぁ、問題なし、ってだけ・・・ってのも考え物ではある。



先ず驚いたのは福岡氏の変身ぶり。平和堂に代わってリンコを演じた
福岡氏の、あの存在感、あの美しさ、あのヒロインぶりは必見だ。
平和堂ミラノ氏が去り、いちいりえ氏が去り、遠坂百合子氏までもが去った後・・・
正直それまで印象の薄かった福岡氏に、ピスタチオに良く出てくるあのテの
「ちょっとキツイ細身の美少女」的な役をやれるとは(失礼にも)
思っていなかったのだけど、これがもう完璧。ヘソ出しの衣装に
やる気をビシバシ感じた。もともと滅茶苦茶通る声だし、声優系の可愛い声。
今更気づいてどうするかってのもあるけど・・・かなりイイ。
つーか今までとキャラ全然違うじゃん!すげー。流石というか・・・
何でも出来るんだなぁ・・・いや、感動しました。
ものの数分ですっかり福岡さん萌えモードに突入。これが俳優の力か・・・!


そして今作何よりの見所である黒川フランクの「妖しさ」は
完全に前作を超えていたと言えよう。あのリフトのすさまじさ。
登場シーンからして歌ってるし。演出最高。保村氏のゲイぶりには
ますます磨きがかかった様だ。ただ敢えて難点を言えば、名詞コントは
もっとやってくれても良かったんじゃないかと。好きなんですよあれ。
あとガレージが飛行ガレージになったのに、ガレージを片づけるシーンの
セリフが一緒だったりするのはちょっと不自然に感じたか。
自動部屋片づけマシーンとか「王子様!」「夜は荒々しくて野性的」
とかも期待したんだがなぁ。


で、もう一つの見せ場であるところの腹筋氏のパワーマイム
(シャトナー曰く「座長が上演中に見る幻」)は、以前の3倍は有ろうかという。
ひたすら長え・・・「城之内君!」「俺はこの千年パズルを信じるぜ!」
「シッポを立てろ!」「カモメは〜うたう〜」「デスラー総統・・」
つーか詰め込みすぎ。「肝臓あたりの筋肉の調子が良くてな」ってあの
伏線も無くなってるし。うーん・・・
実は以前の方が個人的には好きかも。場面場面の切り替わりがハッキリしないのも
気になった。もっと丁寧にやってくれればなぁ・・・せめてパワーマイムと
本編の切り替わり位はハッキリやってもらいたかった・・・

なんかここに限らず全体的にコントの部分がルーチンワークっぽく
なってるのが見えてしまって辛い。やっぱこの辺は初見の人とは全然
感じ方は違うんだろうけど。「中央・・・」とかさ。
卸売市場よりは郵便局だよなぁ・・・局、の字が合ってるし。
・・・ああ、下手にオチを知ってると、駄目ですね。コレばっかりは。

でも、ホント「ふー、このまま筋肉の話が続くかと思ってヒヤヒヤしたぜ〜!」
って一言があるだけでも違うと思うんだけどなぁ・・・。


あと、客演俳優のセリフが驚くほど聞き取りにくいのも辛かった。
逆に言うと、いかにピスタチオのメンバーの発声が見事かという。
福岡氏のあの明快な「通る」セリフでのDJを聞いてしまった後では、
希ノボリコ版早井速三13歳、のあの聞き取りにくさは全く駄目。
そりゃ毎日やってりゃ声も枯れるだろうけど・・・。進藤スパイクなんかは
ちょっと早口になるやセリフが全然聞き取れなくなってしまう。
声量は有るんだけど、聞き取れない。佐々木氏のあの低音且つ明確な喋りを思うと
イライラしてしまう・・・。
・・・それに比べると宇田氏のあの「ヨォ、チャンプ!」とか、あの辺の
声の通りの良さは抜群だ。是非今後とも宇田氏には登場場面の多いキャラクターを
あてて欲しいものだと思う。


・・・ところでエンディングシャウトで年号を思い切り叫び間違えたのは誰だ!?


ボーナストラックは何だか感動的で。以前の終わり方とはもう全然違う。
これぞ新生ピスタチオ!と言った。





・・なんだか延々あら探しをしてしまいましたが、これも結局は
以前にもっと良い(かどうかは別としても、完成度の高い)ものが
有ったという知識があるからで。初見の人は充分楽しめたと思います。
なんだかんだ言ってもあの脚本の力は凄いですからね・・・

その「脚本の力」の重力を振り切って到達したのが「WORLD」。
アレが結局の所「惑星ピスタチオ」としては最高の出来だった・・・
という様な事にならなければ良いんだけど。・・・逆に完全に
「シャトナー世界を演じる」事で完成されていた「飛龍小学校」も
傑作ではあったか。



兎に角、次回作はあの「白血球ライダー」であり、あのイカスハチマキ姿の
座長の雄姿がもう一度見えるという、もうそれだけで期待は高まるのだった。
「にこッ!キラリーン!」の笑顔を楽しみに。


「私はサイコ・・・」はやっぱ福岡さんかな
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@

カロンの船


白炭屋カウンターへ
日記へ戻る

tamajun■gmail.com(■をアットマークに読み替えてください) inserted by FC2 system