3月25付テキスト群。
マリJ最終話「いつもキミがそばにいる」。
演出・コンテ下田正美!
うーん。SFアニメはこうじゃなくちゃね。
イヤラシイよ、確かに。バラード系の音楽をBGMに回想シーンを重ねて
特攻・・・なんてなー、10年以上昔のお約束だ、だが、ソレをノリ切れる
というのは今や尋常な作品では不可能なのだ。
ちゃんと10年前の感動を再現して見せてくれるじゃないか。
おなじあかほり系でも「あの」爆れつのラスト(矢張りバラードで特攻)との
違いは歴然で有る。単なる思い入れ?まあそれはそれで。
いやまあ言いたいことは有るけど、いいじゃん。こうゆうの。
良く出来てた。アニメーションのセンス、ていうか例えばレイアウトとか
作画タイミングとか、そう言うのがちゃんと今も有る、有って
受け継がれている、ってのが解って嬉しい・・・背景美術も良かったしさ・・・
思わずスーパーウーファーの音量最大にして見ちゃったよ。
何か忘れてるような気はするが、もう「終わったアニメ」の話はしない
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機動戦艦ナデシコ最終話『いつか逢う貴女のために』
會川昇、煮詰まったな。いや煮詰まってるのは前回から見え見えでしたが。
その煮詰まり具合や良し。面白え。・・・勿論不満は残る。しかし、扱いきれない
設定を詰め込み過ぎて溢れる−という某作品の轍を踏んではいるものの
そこでやっぱりケツまくって逃げ出さずに力技でちゃんとやりきっちゃうのが押しだ。
「物語」は一向終わっちゃいないが「ナデシコ」はちゃんと終わった。
ガンダム的・・・
しかし最終回までイネスさんで引っ張るか。
ボソンジャンプ関連ネタ、伏線は早く片付けて最終回で大展開、
ってのは無理だったか。まあキスが有ったから良し。
しかし時間ネタ。背後に考証を感じさせるものの「見せ」が甘い。
ネタとしてもっと押し出しても良いのに・・・そういう「ヲタク臭い事」嫌い?
ああ。すっかり良い奴になっているアカツキ。まあ好きだから良いけどさ・・
一番キャラ立ってる様な気がする。好きだ・・・あの喋り。
自爆のロマン・・・
遺跡を壊せば全てチャラそりゃそうか。っておいおい。そういう設定は・・
・・・リセットボタンは押されるべきではない。
「ヒドイ話だけど、ゾクゾクした・・」という台詞にゾクゾクした。
結局台詞回しだけだな・・時代を超えそうなのは・・・
それでいいのだけど。
でも多分もう観ない・・・
やっぱり最後は愛が勝つ。
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ひぐちきみこ「もっとがんばれ!プリンセスちゃん」/主婦の友社/1997/3/25
ひぐちきみこ作品集2。
まさか「2」が出るとは・・・恐らく「1」が予想外に(・・・・)好評
だったのではないかしらん、と思うのですが。
何にしてもこの続刊は、部屋に氏のサインを飾り、或いは某ファンロード誌の
「お気キャン」に「がんばれプリンセスちゃん」のヨイショ葉書まで
出した者として、喜ばしい限りです。
確かに「かき集めた」感は強い・・・同人誌云々は兎も角、ナディアネタがもう。
勿論読んでいてこの上なく幸せなのは同じ(魅力は「作風」そのものだから)
なんですが。でも、それでも未読のひぐち作品を読めるこの幸せ。
特に「猫バカ日記」の絵柄とノリの合体技は殺人的に良い。
「猫バカ日記2」の猫への愛情の深さもまた猫の飼い主だったことのある人間には
「解る解る!!」の世界であろう。ああ。猫飼いたい。飼いたい!!
でも今犬ブリーダーとして修行中だしな・・・
勿論この本の目玉であるところの園田健一の同人誌「朝鮮飴」
(知らない・・見たことも無い・・・読んでみたい・・・)から収録された
「不敵な奥さま」は、赤井夫妻の尋常ならざる日常を描いていて素晴らしい。
何度も何度も読み返してしまう傑作である。是非続刊を希望。
・・しかし。ああ。ああああああ。あああああ。
この絵そのものから伝わってくる「人の良さ」・・・
快楽中枢直撃の波動。
だから「絵柄」だけ真似しようとしても無理なのだ。
やってみると解る。何か、絵は似せられても雰囲気が全然出ない。
すいませんそういう葉書でした>FRに載せてもらったやつ。
ああ。こういう人が身近にいたらどんなにか人生楽しいだろうと思わせる。
それを裏付けるゲストページ。貞本の豪華(今となってはそう言える)絵や
鶴田謙二氏の深い絵など、もうその人脈というかオトモダチが濃い濃い。
しかもひぐちさんの前では「良い子」なんだ・・・雰囲気が・・・
・・・思わず「のりことさよちゃん」読み返しちゃうよな。
ホントにノリが変わって無くて素晴らしい。結局幸福感てのは
その人の感性に寄るぜ。人生の幸福感を切り出して他人に伝えられることが、
本当のシアワセなのだ・・・自分の感性を信じろ・・・
人としてこうでありたい、と思うワタシであります。
なかなか生まれつき備わったカリスマってのが無いと難しいんでしょうが・・・
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たむらしげる「スモール・プラネット」/青林堂/1985/6/1
たむらしげるの最初期の単行本だったと記憶します。
全編CGで加工、ハイビジョンで制作された事で有名(だった)アニメーション
「銀河の魚」の原作を含む1980〜1983の作品集。
随分前に一度手にしていたのですが、いろいろあって、今回再び購入。
久しぶりに読みました。
矢張り他人の追随を許さないオリジナリティというのは有るもので、
この作者の世界は、そのモトネタを稲垣足穂に求めるのは簡単(特に「終電車」は
かなりタルホライク)ですが、でもそれを絵に起こし得たというのは全くの才能。
絵柄という点では少なくとも日本作家にこういう絵を描ける人間は
当時は居なかったに違いない。今も少ないだろう。最近ではすっかりメジャーな
「絵柄」となってしまった様だが・・・
デザインセンスのカタマリの様な作風は、CGの持つ塗りの均一性や機械的な
グラデーションに見事に対応している。アニメーション「銀河の魚」はその意味で
本当に素晴らしい作品だった。
一家に一冊、の類の「いい本」です。
持っていたい、宝石のような本。
やはり稲垣足穂にイラストを付けるとしたら、現在日本には
たむらしげると草ナギ琢仁の二人しか居ないな・・・
と思うのだった。
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永野護「ファイブスター物語 VIII」/角川書店/1997/2/28
漫画界の一つの尖端であるF.S.S.の8巻である。
前巻が1995/4だから2年近くで一冊か。
メインはヤクト・ミラージュの登場シーンだと思うがどうか。
NT本誌で読んでて爆笑したものである。いや凄い。
目から光線はお約束だがさすがだ>ソープ。
ストーリー的には前巻の「つづき」でもあり・・・
しかし安易な感想しか出てこない(というかそう有らざるを得ない)作品だ・・
いややっぱアトロポスはいいなあ、と。好きなんですよあの娘。
毅然とした空気と線の細さがかがみあきらの漫画を思い出させる・・
何より、こう、作者の愛が有るような気がして・・・
後は星団にカイエンと並び称されたブラフォードの剣士バカぶり。
いや、こういうモンでしょ、剣士は剣を捧げる相手を見つけてこそ輝く。
でもいいなあ。こういうの。
可哀想なのはパルテノで、あの「こわれる・・よ・・」が来た・・・
”シャフト”は個人的に凄く好きなキャラだったので、これっきりかと思うと
辛いです。いい味出してたもの・・・
MHの居る戦場、てのが良く描かれていたと思いますが、実際数日の展開が
単行本になるのに何年かかってるか。まあ作者の生命が無限だったとしても
こっちが死ぬまでに読み終えることは出来無さそうだ・・・
本誌で読んでてもストーリーは殆ど気にしていないので
単行本で初めてまともに読んだ気になる
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坂田靖子「水の森綺譚 IV」/偕成社/1997/3
例によって例の如き
サリと「友達」の送る水の森の日常である。
他に語るべき事は無し。
読んで、浸って、ひたって、浸って・・・・
坂田靖子作品の凄さは、そのあからさまにファンタジー系の理想郷な世界観、
あまりに御伽な物語展開にも関わらず「もしかしたら有るかも知れない・・」
と感じさせる一種リアルな空気だと思う。
それは例えば今巻の「冬の星」に見られる理不尽さ。
理不尽で、ちょっと哀しげで、そういうのが「現実」に近いからなのかも・・・
まあ、相変わらず水の森はニギヤカで、
釣りによし雪だるま作りによしハイキングに良し。
星もカモシカもイースター兎も流しの流しもユキヤマタマムシコガネも
それぞれ自分の道をぐいぐい進んでいます。
それが気持ちいい。
こうやって他人の目を気にしないで気ままに生きられれば・・・
愛して止まぬ作品の一つです。
・・・もし宜しければ一度手にとって読んでみて下さい。
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いがらしみきお「ぼのぼの 14」/竹書房/1997/3/27
オビや人物紹介には冒頭の「だまされ」(まわりくどすぎ。これ以降の伏線として
使うなら兎も角。)がこの巻のメインの様に語られていますが
どうも今巻はバラエティ篇というかいろいろいっしょくたに入って
一冊になってる感じがします。
その個々の話の中でもお気に入りは
ビビジランテソンテネグロホメストーニカルマンドーレポポスくん
ですね。
いや彼(彼?)のキャラクターは良い。一回切りのゲスト登場では惜しすぎる。
その辺どうなんでしょうか>雑誌で読んでる方々。
いや・・・なんか「水玉螢之丞」っぽくて・・なんかさ・・・
あと、最近扱いが軽くなりがちだった
ぼののお父さんがフィーチャーされてていい感じです。
思い返す為の旅、というのは正しい。
むしろ旅の本質はそう言うものだと思うです。
それはいくらそうじゃないもっとこう・・・と言ってみたところで
矢張り真理なのだ。と思う。少なくとも僕の中ではそうです。
だから旅先で何かを置いてくる、あるいは旅先に何かの印を付けておく。
いつかもう一度来たときに、それを確認するために・・・
ああ・・・小旅行でもいいから今のうちにやっとくべきだな・・・
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永野のりこ「GOD SAVE THE すげこまくん! 9」/講談社/1997/2/6
もう出たか9巻。
相変わらずのアレがソレな漫画である。
ほぼ惰性で買っているワタシ・・
やっぱナガノの「本質」ってコレなのかなあ・・・
「デイジー」とか「おち天」とかで救われた人間としては
「あの頃」が懐かしい・・・確かに「電波オデッセイ」は凄いけど。
ああ。
とにかく藤江田にはシアワセになって欲しい。
そのへんツンドラブルーこと北原はシアワセだよな・・・
美奈世の声はしかしやっぱり宮村しかないのか?
CDの声も好きなんだが・・
くぬぎちゃんも巨乳だらけの青年誌世界の中で一人孤高を保って
虫娘を演じている。いやあの娘の造形はいいぞ・・・あの襟足が・・・
眼鏡は兎も角。
ヨシオお兄さんにもいよいよ救済の手が・・・
涙無くしては読めない所である。
やっぱり漫画っていいよなと思わせる・・・
何はともあれ次は遂に大台の10巻となる。続きも続いたり、だ。
こうなったら惰性で最後までつき合うしかないぜ。
一体この作品の「最終回」、「ハッピーエンド」はどういう風になるのか。
すげこまがリハビリする事なのか、
このまま「オタクのご主人」になってしまうことなのか・・・
「デイジー」の例もある。兎も角見続けよう。
ではまた。
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