971101付けテキスト
藤島康介「ああっ女神さまっ 15」/講談社/1997/9/22
何か分厚い15巻。総ページ数236p。
前半は前回ラストよりの「引き」で来た、対沙夜子戦(ってやな表現)だが、
盛り上がりを欠くことこの上無し。一番の見所たる
「ベルダンディーは螢一の側を離れてしまうのか?」的危機感が全く無くて・・・
もう少しどうにかならないものか。この展開で、読者が「どきどき」する事は
難しい。余程のことがない限りベルダンディーが螢一の側を離れる事は無い、と
読者は「知っている」からな・・・
沙夜子のキャラも薄すぎ。もっとキャラに「生活臭」が欲しい・・・いやまぁ
「薄い」のは昔からだけど、特に最近・・・
「シチュエーション主体の少女漫画もどき」と言うか・・。
後、連載が長編化してくるとどうしても陥るのが話の引きずりで、例えば
chap86・87は一本にまとまるべき話だ。ネタが無い訳でも無さそうなのに。
コーラで酔うベルダンディーは、梅干しで酔うラムちゃん以来(いや或いは
それ以前)の「異世界生物」の代表的行動パターンの一つであろう。
かなりあからさまな使い方だが、この回ってベルダンディーじゃなくて
井上喜久子じゃんか、とか思った私。キャラ的に。
ベルダンディーって「こう」だっけ?
見るべき所は矢張り「絵」。然しスクルドのこの髪型(固定化してる・・)は
個人的には駄目・・・昔のが良いよう。
p130の恵の段抜き登場シーン等に見られるポーズの類似感(p182のスクルドなどの
腰の後ろに手を組んで乗り出す、俗に言う「あんた馬鹿?」ポーズ。
って言わないか)がちょっと疲れる。前巻からこのポーズ多いよな。流行か?
何か文句ばっかり言ってて「昔は良かった」ぢぢい状態だが、それでも
p148〜149の見開きを見たときは興奮したし(この人は矢っ張りバイクとか
描いてるときが一番「カッコイイ」よな)スクルドはいちいち可愛いし、恵だって
今にも渕崎ゆり子の声が聞こえてきそうな位生き生きと動いている。
・・・思わず文句が出ちゃうのはその昔、生活の全てを「女神さまっ」に
捧げていた時代があるからで・・・・。
だが何にせよ、いつまでも続けられるものでもあるまい。冗長に陥る前に・・・
とも思ってしまうが、それこそ大きなお世話と云うものであろう。
うる星だって、34巻続いたんだ・・・
ではでは。
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(971101)
惑星ピスタチオ「WORLD」
10/11 シアタードラマシティ。
昨夜、一気に「Believe」の台本?を読み終えた私。
ピスタチオに欲していた(欲するな)のは全くこれだ。
白血球侍のくだり、「おるようで、おりませぬ」、「歯がポロッ・・・象牙」
もうその場面が目に見えるようで、見えませぬ、と言うか、ああ、見たかった!
ビデオとかどうやったら手に入るのかなぁ・・・
何か、シアターチャンネルとか・・・誰か、もってたらお貸し下さい・・・
という感じ(テレパシー)。
で、「WORLD」なんですが・・・。
Believeとは全く違う面を見た様に思う。
私は西田シャトナーを良く知らない(天才ドリルを知らなかった位だ)
のだけど、多分シャトナー色は脚本の骨子の部分にしか
存在していないんじゃないか・・・と。
ピスタチオ=シャトナーの手による錬り込まれたギャグ脚本と、
それを演じきる面々・・・のイメージは今回大外れ。
その残滓は見えるものの、むしろそれを脱ぎ捨てて別の方向へ
走って行こうとしているのは明らかだった。
ぴあなどで語られていた西田シャトナーの「つきはなし」が
今回のこの「お約束」の喪失感を生んでいるのは間違いない。
・・・私は劇場慣れしていないため、どうしても観劇方法のキャパシティが小さく
(要は経験値が少ない)「受け取り」に苦労した、と言うのも有るんでしょうが・・
実際、演劇系のボード、HP等を見ていると、一部では評価も高いのだけど、
反面私のように「ついていけな」かった人も結構居て、
「バラけた話がバラけたまま終わるアンチクライマックスが嫌」
「パワーがない、ロードムービーにしては疾走感がない」
「説明台詞の出来が悪すぎる。今回は全く駄目」
「花屋の女達が全くつまらない」
「このまま行ってしまうのか?」
何と言っても
「カタルシスが得られない!!」
という感想が多く見られたのも事実。
佐々木&いちいのアンチパワーマイムな演技を賞賛する声も多かったが・・
が、やはりピスタチオと言えばシャトナーの演出による、
腹筋の見事な演技力による、激しい笑い(感動的なソレ)が有って欲しいのだ。
例えば今回の保村氏、ジョーよりも働き蟻(当然雌)のカマ演技の方が
遙かに生き生きして見えた。
インデペンデンスデイな特撮シーン等は流石にピスタチオならでは
だったと思うけど・・・。あっあとタクシー(じゃないパトカー)のシーンかな。
無茶しよんなぁと思いながら笑ってたのが、
でもだんだん笑いが少なくなっていく・・・
結局脚本がSF臭くないのが問題なのかも>拙者の場合。
飛龍小のラストが今思い出しても泣ける、その理由は何と言ってもアレが
「SF」だからなのだ。あのテイストはまさにSFマインド。
白血球がそうだし、破壊ランナーがそうだし・・
SFというジャンルそのものが持つ「格好良さ」及び「切ない泣き」と、
独自の「笑い」の各要素が、今回兎に角薄かった様に思う。
これじゃ「泣けない」よ。
これからこのままこんな感じで行っちゃうんだろうか・・・
西田シャトナーの真の目的とは?
それでも、数日間は頭の中からあの乾いた世界が離れなかったのも事実。
有りもしない店を確かに見たし、有りもしない遺跡を、UFOを、
地平線まで真っ直ぐに続く道を、確かに見た。
風景だけが、心に焼き付いているのだ。内容は、この際薄い。
その辺は、成る程「ロードムービー」を言うだけは有ると今更ながらに思う。
車のウィンカーがカッチカッチ言う度に腹筋の頭を思い出す始末。
−取り敢えず今は過去の舞台のビデオ(特にBelieveと白血球)が見たい
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(971030)
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