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ゆうきまさみ


YUKI MASAMI


ゆうきまさみ「パンゲアの娘 KUNIE 5」/小学館/2002/10/15

連載は読んでいなかったのだけど、打ち切りらしい、という噂を聞いていて
屹度バタバタした終わり方なんだろう、と想像していた。

でも、こうして読んでみたら、全然そんなことなくて、ちゃんと終わってた。
勿論多少(いや、読み返してみるとかなり)の詰め込み感はあるものの、作者の
中にあった主なストーリーボードは、きっちり使い切っているのでは無いか、と。

実に完結巻らしい密度の出来。正直、打ち切りみたいだ、という噂を聞いて
いなければ、特に違和感なく読み終わったと思う。短期集中連載、という感じ。

実際綺麗にまとまっている。この辺、「どんな語も16ページで描ける」という
修行時代の賜物と言えよう。要するに情報の圧縮、と言うよりは整理が巧いのだ
(その代り、読み込めばちゃんと行間が出てくる。個人的に好きなのはゲイルの
艦長が普通に戻る下りとか、ヨイチロの思い出にマカロフが食いついて展開する
会話とか)。いや、プロだよなー。ホントに。読み返してて、その「編集」の
巧さに感動してしまった。3時間分のシナリオを90分に収めてしまえる監督の様な。

オチは収まるべくして収まった感じ。いや壮大さという点ではこれ以上無い様な
壮大さなんだけど、まあ、ありがち(いやホラSF者だから)。正直この捻りの
無さは寂しくもあった。いや、多分、このラストに至るまでの展開(道程)が
このマンガの華となり得たのだろう、けど、キャラクターを生かし切れないまま
終わってしまった感じ……もしないな。ちゃんとそれぞれがそれぞれの見せ場を
持ってる。各キャラへの気配りの細かさは、週刊連載とは思えないほどだ。
結局不満点も無いんだよね。ただ、激賞するような作品では無いけど。

や、良くできた児童向け南洋冒険マンガ、という感じでした。


キャラクター達に愛着を感じる前に物語として終わってしまったけど、いいキャラ
揃いでした。ゆうき先生の次回作にご期待くだ……いや、期待してます。
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(02/10/15)

ゆうきまさみ「パンゲアの娘 KUNIE 4」/小学館/2002/09/15 ゆうきまさみ「パンゲアの娘 KUNIE 3」/小学館/2002/04/15 ゆうきまさみ「パンゲアの娘 KUNIE 2」/小学館/2002/01/15
ゆうきまさみ「パンゲアの娘 KUNIE 1」/小学館/2001/10/15 ゆうきまさみの新連載、その第一巻。明るいコメディタッチを目指している様だ。 「じゃじゃ馬」でも時折見られた、ホームコメディ的な要素を全体に拡大、と いうのが今巻一読した感じなんだけど(痒くなるほどのラブコメを、とか言って たけど、まだその気配は無い。果たして?)でも根本にはSF「っぽい」表現が。 南洋に突きだした「杭」及び謎の古代生物諸々。毎回毎回思い出したように 「今週も杭は元気でした」みたいな描かれ方で、「そっち側」での物語の展開が 「本筋」なんじゃないか、と想像させる。連載読んでないんでわかんないけど、 今後どう展開されるのか楽しみだ。ゆうきまさみのSF力はかなりのモノだと 踏んでるので。 ……結局の所、SF者(のはしくれ)としては、「その方面」がどれだけ引き上げ られるか、が今後の評価の鍵となりそうな気がするのよ。少なくともキャラ萌え で読むには、うーーーん、という所。 ていうかキャラ造形的には、どうなんですか。どうなんでしょう。名古屋弁指導は やっぱり山本正之なんでしょうか。何でクニエ(高高低。発音注意)さんが「あの 造形」なのか。あの顔、あの性格、どう見ても「萌え」的記号は少ない気がする。 或いはあれがゆうき解釈による「萌えの現在」なのか。名古屋弁とか、確かに萌え 記号に転化し得るかなー。でも主人公(今時の少年)の視点で読むと「困った姉 ちゃんだよなー」的なものなのでは。嬉しいには嬉しいけどーとか。 あ、ナガヤは好き。ナガヤのキャラ造形はかなりゆうきまさみ生粋のオモシロ キャラと言えよう。涙でネズミ描いてる所が素敵。 「おお!?」という様な所で次巻に続く、という。相変わらず単行本間でのヒキは 上手い。さてこの後どう展開するのか― @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (01/10/22)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 25」/小学館/2000/10/15 ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 26」/小学館/2000/12/15 良い作品だった、と読み終わって素直に思う。 人間が人間として正しく生きる、というのは結局斯う言うことなんだろう、と。 人生の模索があって、出会いがあって、自分の人生をかけられる「仕事」に 出会って、スキルを高めて、人脈を広げて、恋をして、家族を作って、 業績を上げて。 ダンス・ウィズ・ウルブズを思い出す。人間の「生き様」の最も根本的な所を ただ丁寧に描いた、そういう作品。・・ってのは、馬、というファクターを結局 最後まで読み解けなかった身としてこの漫画を読んだ場合の話だけど。 まー、ただもう悟さんとあぶみさんがうまくいって良かったなー、と。 斯う言うことがあれば良いよね。あればいい・・・(遠い目) 兎に角見事だった、と思う。ストーリー構成の幅の広さ、描写の確かさは 一級品だった。再読して、その確かさ、的確さ、を改めて感じたよ。 描き足りない/描きすぎ、という感じが無い。無駄がない。いびつさが無い。 全ての描写が「流れ」に乗っている。つくづくプロの仕事だなーと。 読み終わって、ああよかったね、とか、イイナーとか、そういう「感想」は 出なかった、ただ「ああ、こういうのが”正しい人生”なんだよなー」てな 感想。生きると言うこと、人生を重ねると言うことは、そういうことなのだ。 いつか僕も「人として正しい生き方」が出来るのだろうか、と思ってみたりする。 が。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (01/04/30)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 24」/小学館/2000/08/15 悟さんがどんどんいい人になっちゃってたまりません。 やっぱり何処かに痛みを抱えてる奴に異常に感情移入してしまう私です。同類 相哀れむつーか、親近感が。でもホントいい人だよな。年相応に大人だったり 若かったりするし。ひびきさんという「棘」が抜けただけでああもなれるか。 イヤ全く(何が)。 今巻は構成から言っても間違いなくp135からの「馬」シーンが目玉なんだけど− いやこれはやっぱり背筋がゾクゾクした。都合3回位。サンデーで読んでいてこれか、 という。競馬漫画の面目躍如。どっちつかずかなあと思って読んで来たけど、生産 側からの視点で馬を見るというダビスタビュー、がここに来て漸くど真ん中に 入った感じもある。 でも今回は個人的にはむしろ人間の描き方の方に目が行った私。特に 渡会の家族の描写には個人的に感じるものがあった。久しぶりに帰ってきた 佑騎の、あの「どことなく」居場所の無い感じ。あの感触がたまらない。 「ベッド作っておいたから」のたづなの、何気ない立ち姿にも何かしら妙に 胸を打たれてしまった。この娘はホントにこういう性格なんだなあ、こういう 位置にいるんだなあ、とつくづく。説明は難しいけど、兎に角あの何気ないシーンで ぐっとつまってしまって。作者もそこまで意識はしてないんだろうけど、でも 基本的に漫画ってのは作者が描こうと思わなければ描けない訳で、無駄なシーンは 無いと考えれば。 たぶんたづなの態度は「昔の」佑騎に対する温度だったのだ。彼女とこの兄の関係は 多分薄かった筈だ。どのシーンでも自己主張の控えめな存在である(つきあいの カラオケであくびしてたり)たづなを見ていれば、佑騎が家に居た頃もあんまり 積極的に関わっていなかったであろうと思われる。だからこそ彼女は佑騎に対して 昔のままの温度で接している。それをまた佑騎は当たり前の事として受けてはいる・・ ・・が。 ああ、何と説明したらいいのか。暫く離れていた間に「家族」のスタイルが 変わってしまっていてとまどうんだけど、でも家族という「場」を離れたとき 「兄妹」の間に流れるあの空気は(多分)相変わらず昔のままで。 「兄妹」の近い様で遠い、遠い様で近い独特の関係があの一瞬に凝縮されている・・ 様な気がする。まあこれはホントに個人的な思い入れからの深読みなんだけど。 それだけの読みを許す余裕がある作品であると。 そしてまた佑騎は彼の生活へと帰っていく。だがこの夜の時間は、この家族の歴史の 中での「節目」のひとつだ。かけがえのない瞬間、というか。どうも最近そういう ものにやたらと弱い。胸が詰まる。最近駄目だわホント涙腺ゆるゆるで。感性が 鈍る一方で、物語を自分に都合良く解釈する回路だけが太くなってる様な。 ヤバいぞ>自分。 それにしてもあぶみさんの選曲が「狼になりたい」ってのはホントにぴったりだ なァとうなってしまう私であった。ともあれ悟さんの未来に栄光あれ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/08/23)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミンUP! 23」/小学館/2000/06/15 妊娠しちゃったのを東京の両親に話す二人、の段。 ああ。なんかもう、ひとつひとつ乗り越えていくねえ。「当たり前のこと」を 当たり前にこなしていくことの、その力というか。世の中の夫婦者ってのは (一部を除いて)こういう山を一つ一つ乗り越えてきてるんだよな。と 妙にしみじみ。拙者には一生縁のない話だとしてもさ。 昔、教習所に通いだした頃、世の中の自動車運転してるヒトタチ(そりゃもう その辺のおっさんおばはん)がもの凄く尊敬の目で見えた事がある。この人達は こういう風情(・・・)だけど、でもあの教習所(ワタシは卒業するのに半年 かかりました。鈍さ大爆発。いやもう悔し泣きに泣いた泣いた)をクリアして 車運転してるんだよなあ・・・と。ただいきなり免許を取った訳じゃない。 それなりの苦労の結果今がある。そしてそれは皆「あたりまえ」の事なのだ。 その「あたりまえ」の積み重ねの持つ力・・うーん、難しいな、何て言うか・・・ ワタシの周りにも所謂「できちゃった結婚」する奴は何組か居た(23歳頃までは 結構居た。最近は聞かないね)けど、当時は成程「軽率な話だ」とも思わないでは 無かった。若さだけで、勢いだけで何故そうも生き急ぐのか、と。でもそれだって 勢いだけで済む話じゃないんだよな。結婚に至るまでの「長い道のり」は 彼等にもちゃんと在ったはずなのだ。思えば自分の両親にさえ。 とまあこの漫画を読んだりしてるとそう言う風に思えてくる、と。いやそう言う 風に思える歳になったってのも有るには有るか。「めぞん」とか小学生時代に 読んで、あの時どういう風にあのラストを読んだのかイマイチ思い出せないんだけど 今読むとまた違う感想が出るかもしれない。・・・いや、だから、拙者には 一生縁のない話だとしてもさ。 悟さんとあぶみさん、はまあなるようになるかなという感じで、ああもう悟さんが どんどんいい人に!これはもうまとめ状態か!?まあ気のいい兄ちゃんではある。 まーこの先は「ワタシの知らない世界」なので馬の話でもメインに読み進むとしよう ・・・なーんか、ね。このまま延々何年も続きそうでそれはそれで、うーん。 でも、ホント、ゆうきまさみって凄いわ。プロだよな、ってつくづく。今更だけどさ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/06/07)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミンUP! 22」/小学館/2000/04/15 なんか落ち着いちゃったねえ。後はもう目の前の障害を越えていくだけ、という。 先が見えちゃった感じがあるんだけど、まだ一ひねり二ひねりあるんでしょうか。 周りが「受け入れていく」感じも素直だし、まあ、そういうこった。 俊平の「男」がどこまで上がるにしても、一回くらいはどん底が待ってると 思うんだよ。あの「前向き」な性格からして。いやそう言う展開を期待するね。 で、ひびきさんにライトがあたるという。でないとひびきさんのキャラ活躍しなさ すぎ。せっかくあれだけのキャラを作っていながら、結局は只のお姫様で終わって しまうのか?彼女に「葛藤する人格」は無いのか・・・いや、多分有るんだけど、 そこまで踏み込んで描かない。俊平の方は結構ぐぢぐぢした所まで描くんだけど・・・ そう言えば野明の時もそうだった。結局最後まで踏み込まなかったよね。 ・・・ま、その辺は(作者も含めて)男だから分かんないことなのかも知れない けれど。 何にせよ、あの危うい「前向きさ」(それは時に無反省とも思える程の)が、挫折 するのが少年まんがとして良いのかどうか(いやそもそも「彼女の妊娠」を少年 まんがとして捉えるのもちょっとアレだけど)は兎も角、もう一波乱欲しい。 安定しちゃった色恋沙汰には興味無くなっちゃう・・・ 実際、この後どうするんだろう。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/04/25)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミンUP! 21」/小学館/2000/01/15 「むねがいっぱいだ〜」は読者とて。前半厳しかったよ。 なんでマンガ読むのにこんなにしんどい思いしなきゃならないのか。 「オレたちもう十分ヘンになってるって」(P36) 解るんだよな。自分たちがヘンに熱上げてるのが解る。周囲にも気付かれてる だろうなってのは解るんだ。でも、もうしょうがないじゃん、という。 互いの気持ちを確かめ合った後の、あの妙な踏ん切りのついた高揚感みたいな・・ ああ、うまく言えない。妙な冷めた視点と、でも熱っぽい頭と。 梅ちゃんがいい湯冷ましだ。 「自分を今までとは違うキャラとして、回りに認めて貰わなきゃいけない」 っていう。本人達だって恥ずかしいのよ。急にカミングアウトするのは。 本当ならこう根回しして、じわじわと認識を浸透させていきたい・・・でも こればっかりはね。でも、そうやって恥ずかしながらも繰り返し繰り返し 「新しい自分」を回りに浸透させていって、それで人間関係は変化していくのさ。 ・・ああ・・・若いって良いねえ・・・ まあ周りの連中が「文化的」な人たちで救われたけど・・・いいか手前ら、 ゲンジツはそんなもんじゃねえぞ。そんなもんじゃあ・・・ 俊平の人柄だよな。結局は。良い奴だもん。若さ故の行動へのイラダチさえも 許せる様なキャラクター。今になって漸く、奴の目線と対等になった気がする。 いや、もう追い抜かれてるのか。ああ、「目標」に向かって生きる人間にしか、 その輝きは存在しないよ。手前には何もないだろうが。 とかまあお約束の自分語りを挟んだところで馬ですが。 後半に入っては矢張り馬の話が主軸に。天皇賞で充実を見せるハイネスと 調子のあがらないイーグル。果たして!? 以上。 ていうかサンデー立ち読みしちゃ駄目だよ。 サンデーのマンガは単行本で買うものだぜ。 そういやまだワイド買ったこと無い。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/12/21)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 20」/小学館/1999/10/15 あー。今回はもう「漫画」としては読めませんよ。もうその向こうの物語しか。 なんかなあ。(今巻読んだ限りでは)思ったより痛くないんだよな。 いや、妊娠させてさえ「ラブコメ後の地獄」があんまし地獄じゃない。 この巻のラスト辺りにある、駿平が「男」として社会に認められていく いわば立身出世物語的な所があるからだろうか?とすると、ひびきさんは この時点で結局脇役に落ち着くしかないのか。 「新しい世界」に踏み出すラインで躊躇のあるひびきさん。言うてもまだ子供だし。 このフォローがきちんと出来てないと(漫画として)ひどいことになりそうな予感が。 ていうかやっぱ駿平って「こういう奴」なんだよな。居るんだよ一人、 こういう友人が。髪型が同じ奴ね。結構居るでしょ。こないだ結婚してさ・・ ものすごい子供な奴なんだけど・・・悪い奴じゃないんだ。真面目だし。 ・・・うーん。まあ、そういう「ひびきさんの扱いがあんまりだ」とか 「駿平調子乗りすぎじゃん?大丈夫?」とかいうのも、結局は 作者の手の内なんだろうなぁとは思うけどさ。 やっぱ一読者としては心配で。 相変わらずあんまり深い感想を言い難い(言っちゃうと自分の人生経験の 底が割れそうな)展開なんで、もうこれはこのへんで。うう。うううう。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/09/28)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 19」/小学館/1999/07/15 あーうー。 何か何にも言えんわ。今巻ばかりは。次巻もかな。 やっぱこー、さぁ。あのやたらキスしたくなる時期とかさー。 うー・・・・あああ止め止め。今回ばかりは下手な自分語りをやると 己が身の破滅を招きかねん。 取り敢えず蓼沼との再会シーンは巧いなー、と思ったり。 「決定打」の手前で、もう一度駿平の持つ「人生の岐路」性を思い起こさせる。 電話の「すれ違い」の苦しみ、痛み、不安はラブコメの− コメディっつうか、これはもうラブ故の苦しみというか。 ただ電話が来ないだけでどうしてあんなにも不安になれるだろう? ・・・斯う言うの良く「研究」してるなーとは思うさ。何つーかもう あの「のぼせた」感じとかたまらない。ナマナマしい。ゆうきまさみに これだけの「熱」の有る展開が描けようとは。「パトレ」の頃の人間関係よりも まだ数段踏み込んでいる。「人間関係」という点では全くそうで、これだけの 多数キャラがそこそこ深く絡み合うドラマをきっちり描いているのには 今更ながら驚いてしまう。 ただ、現時点で読んでる分には、視点が客観的なのが気にならないでもない。 友達が恋愛してのぼせてるのを横で醒めた目で見てる、そんな感じ。 感情移入はしにくい。キャラクターに感情移入して、相手に恋しちゃう様な レベルまで一気に行けないものか。何か一々分析的で。生態学的というか。 どうもその辺に「いまひとつ」の原因がある様な気がするんだ・・・ ・・・しかし、あの時期の母親の手強さってのはホントに・・・電話とか 取り次がれないわ手紙は勝手に見られるわ相手の素性は調べられるわ。 「呉々も変な娘に引っかからない様に」とか二十歳前には良く言われたなーとか 思い出す。今ですか?今はたまに話すと二言目には「彼女は居ないのか、 誰でも良いから捕まえておけ」ってそんなあんた。犬や猫じゃあるまいし。 その辺に落ちてるもんかい。 などと結局自分語りで(しかも語るに落ちるオチで)終わってしまうのだった。 ・・・しくしく。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/06/29)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 18」/小学館/1999/04/15 ・・・もうどうでもいいけんね、わし。とか シーナ調ケンネモードに入ってしまうことであるよ。 今や駿平にもひびきさんにも全く感情移入が出来ない俺様− いや、ホラ、こういう「ドキドキ」って、もう失って久しくて。 駄目なのよ。もう思い出せない。昔確かに有った筈なのに・・・ 読んでて、恥ずかしくて目を反らす、とか そんなんだったらまだ良いんだけど、この展開はもう 「あんまり面白くないんだけどTVつけたらやってるんで、 たまたま見てしまう連続ドラマ」以上のものでは無くなってしまって。 何て言うんだ、こういうのは・・・そう、「陳腐」。 ・・・こういうの、面白いですか?>皆様。 いや、「経験」が少ないから面白く感じられないんじゃないかとか そういう恐怖が・・・いや、もう、どうでもいいです・・・ ・・・俺の青春は、もうとうの昔に過ぎ去っているのだから・・ あー、駄目だ・・・・せめて「ラブコメ後の地獄」を痛々しく描いてくれれば。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/04/01)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 17」/小学館/1999/01/15 感想なんか書けるか! @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ ・・・つーか。 まあクライマックスは次巻な訳ですが。 流石になー。少年誌でもOKかそれ!みたいな。 やっぱし時代は流れてるんだねえ。 あああ。 「コミック・ファン」での対談によれば、次の展開(なんとこれで終わらない。 この「次」がまだあるのだ)では「ラブコメの後の地獄」を描いていくそう。 ・・・多分限りなく痛くなるのではと思うがどうか。そういうの巧いからなぁ。 今んとこむずかゆいレベルだけど・・・果たして・・・ 何か結局「北の国から」に収斂して行くのか? 或いは一転馬メインマンガ(業界マンガ)に転身するのか? 取り敢えず次巻は歯を食いしばって読み切って、その次、だな・・・ ・・・とりあえずたづなちゃんをこっちにわたせ。今直ぐ。それで取引は成立だ。 畜生・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/03/17)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 16」/小学館/1998/10/15 フルモデルチェンジした今年度版ひづめちゃんに 心動かされつつの16巻。 板東騎手が格好良い。表情なんかが結構作り込んであって、 これは結構中心枠に噛んでくるキャラかも、という印象。 今巻のメインテーマはそりゃ何と言ってもあぶみさんの縁談な訳ですが ケンさんって「そう」だったのか・・・という驚きは読者にもある。 伏線無いんだもん、いや、有ったのか? 猪口繁行氏も「いいひと」そうだし、難しいのでは・・・・うーん・・・・ 気になる。サンデーの方でもまだハッキリしないあたり・・・まだ引っ張るのか、 或いは・・・ どうしてもキャラ関係のまとめに入ってる感じがしてならない。 終わりが見えてきたのかも。ヒコの行く末が見えた辺りでエンド? 一時期に比べるとちょっとダレ気味かもなーとか思うけど 牧場が潰れたりしてる描写はさすがゆうきまさみ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (98/10/17)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 15」/小学館/1998/08/15 人馬のバランスが中間点にあるような今巻。 なんか知らず知らずのうちに「競馬漫画」に引き込まれているような・・・ って巻数も早や15巻か。 然し15巻を超えた長編なら、もっと「その他」にカメラを振っても。 渡会牧場の寮の仲間一人一人にそれなりのドラマがあるのだろうし・・・ たづなちゃんの「学校での」生活とかさーってそれが本音ですか。 34巻完結として(いや何となく)、中盤であるこれからの 4〜5巻のうちに「それ」をやってくれても良いんじゃ。 でも実際ページ数余裕なさそうだしねえ。結構詰め込み度は高い。 時間そのものの流れが速い感じ。 ・・・STEP155の、走り過ぎちゃって怒られちゃう駿平、とか 相変わらず巧いよなぁ、とか思うさ。 ていうかモテモテ王国でスね駿平!! こんなヤツと一緒に寮で生活してたらたまらんかも知れん。 ときメモ的に行くとこの後爆弾が爆発するはずなのだがなー。 決定的だったp52の大ゴマ以降、「二人の心」は割と近い。 p148のラストのコマ「とほほほほほほ」なんか見てると、もう 心の底ではOKなんじゃよねー、という感じ。 「たづなをどうするのか」なんて会話はその裏を簡単に読みとれるわけで。 もしかしてもうそろそろシメに入ってます? ・・・ああ、それでもたづなちゃんが一番っすよ。 最近某所でたづな党同志を発見して妙に嬉しい @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (98/08/10)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 14」/小学館/1998/05/15 バランス感覚良いなぁ・・いや、良すぎる・・・ と云った感じの14巻。 前巻で人間関係方面のドロドロが過度になってた感が有ったが、 その分今巻では乾いた馬関連の描写が増えきている気がする。 あくまで気がするだけですが。 何かこう、「計算」を感じるほどの・・・ 以前にも、たづなちゃんのキャラ描写ベクトルを変化させておいて 今のひびき&駿平の雰囲気につなげる前フリをしていたりしたけど 本当のところ、どの辺まで計算してやってることなのか・・ 兎に角駿平(=読者)の心を浮き沈みさせる事に 死力を尽くしている様な感もあり。p47のひびきさんの、あの眉!! 落ち込むよなーあのシチュエーション。 これも「気がする」レベルの話ですが、今巻に至って特に絵のデフォルメ、 「ギャグ」的な漫画記号が可成り入ってきている様に感じる。 コメディ、じゃなく、ギャグ漫画家としての描画形式。恐らくは例の 「土曜ワイド」の影響下があるのではないか(時期的にはずれるけど)。 p53〜54のたづなの表情なんかは、可成り「漫符」化している。 或いはp124、4コマ目のお茶をひっくり返すあぶみさん、これなんかは 流石に「実際にひっくり返した」と思うよりは、そう言う「心理描写」 と読みとるのが自然だろう。さり気ない所で、こうした「絵」を 持ってきているのが、今までのそれとは何かしら違う感じを与える。 他にもP145の梅ちゃん地球を救うの段や、p148「ハミはいいねえ・・」etc. 然したづなちゃん。 たづなちゃん心理の一種醜さは、少女特有の −と云ってしまって良いのかどうか− 「恋に恋するおしつけがましさ」的なアレ。 「永遠の野原」の潔癖性少女がそうだった様に、いずれは・・・ あー、でもこの四姉妹も(あぶみさんはちょっと違うかな)漸く歯車の噛み合った 面白い台詞回しを展開してきてくれていて、嬉しい。 姉妹でありながらも「おんなのたたかい」を内包した会話がイカス。 やっぱ面白いわ、ゆうきまさみの台詞劇。 あとひびきさんの「なしてあたしなんだ?」(p56)を見てて、ああ、 この人も主人公だったのだ・・・とか思い出したという。何かここんところ 「駿平から見た(心理の読めない)女の子」でしか無かったから・・・ この人も又、悩める青少年なのだったな。 テーマが一つじゃない(馬のみでも、ラブコメのみでもない)だけに、 何となく精読を要求される部分はあるが、 その分能動的に読まざるを得ないので実は結構はまってるのだった。 でも、ああ、たづなちゃんはいい娘だよ〜。 なんかもうかいぐりかいぐりしたくなる。 取り敢えずキル駿平同盟を結成中の @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (980507)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!13」/小学館/1997/02/15 13巻。遂に来たかの告白編だ。ゆうきまさみまんが史上初(多分)。 しかし巧い。巧いよなぁ・・・・ 何処でこういう「ドラマ」を見つけてくるのか・・・ 駿平のドキドキがもうこっちの鼓動まで早くしてしまう。 ああ、ジンセイに置いて、有るよな、ああいう状況は。 勢いで言っちゃうか、ゴマカスか・・・・そんで逃げた奴は一生後悔するのだ。 ああいっそ駿平の様に玉砕した方がナンボかマシだった・・・・って誰の話ですか。 えーと、つまりアレですね、結局話さなければ伝わらないよ、と。 たづなちゃんの好意が駿平には全く届いていなかった様に(心の何処かでは 気づいていても、見ない・見えない、のだ)、案外に「伝わらない」「気づかない」 のだよね。ああっ。ああああああああッ。 で、ちゃんとそこへ至るまでにたづなちゃんの「潔癖さ」が薄れて 一種の、厚かましさ、一人良がりラブラブ世話女房モードが展開されて、 読者たるワタシなどは「ああ、「違う」な・・・」と 「ふっきる」事が出来るという(・・・・)。 ・・・然し駿平は果たして「いい男」なのかどうか。 何も持ってはいない。だが全ては「人間性」なのだし・・・ 埼玉の、夏の終わりの、夕陽の公園でひっくり返って空を見上げて 「どーでもいー」とか言ってるなんてなもー、ああああああああ。 そこへシルエットで現れるひびき。良いなぁ。イイ。魂を揺さぶるねどうも。 切ないな・・・ああ俺には「これ」もまた過ぎ去りにし過去なのかッ。うう。 作者のセイシュンも斯くあったのではないか、と想像させるが・・・ そのへんもまた「はてしない」で語られるときも有るかも知れないですね・・・ あー、然しホントにおもしれえなぁ・・・没入してしまった・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (98/01/25)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!12」/小学館/1997/12/15 今巻の要はp113にあると言えよう。 p113だ。もうこれに尽きる。尽きるったら。 いや、ひづめちゃんもイイ感じ(・・・)だけど。だけどね。 やっぱサ。 解ってるんだ狙って描いてるのは。ああそれでもッッ ・・漫画読んで本気でドキドキするなんてもう何年ぶりかという。 ハマってるなぁ>拙者。 物語の方は、駿平の「もう一つの可能性」、と言うか、本来なら そう進んでいたであろう未来/東京を連れて「女子大生のお姉さん」二階堂が 現れるあたりが今巻の背骨。 ここでまたヤキモチ妬く(「妬いてる」よね・・明確に・・)たづなちゃんの あの可愛さがあああああぁぁぁぁぁぁ(誰か止めて)p170〜の動きなんて もーー・・ああああああ(誰か・・) −で、 そのあり得た、或いはこれからもあり得る「未来」を、二階堂は ひびきに提示して見せる訳だが−(p168)それは、あるいはゲンジツかも知れない。 「いつまでもこうしている訳にも行くまい」と言うのは、 自分なりのやり方で夢を追いかけているときの、最大の不安であり、悩みの基だ。 特に駿平は周りに「将来を嘱望」される様な「人材」で有っただけに、 (本人はどうあれ)周りに「そういう心配」をさせるのだ。 駿平というキャラ・・・ 馬の方は天皇賞。イーグルの気質が災いして−という展開は いっそ馬の気質をはっきりさせて良い。次は行けるかも・・・という 引きでもあり・・ p52「あ!ケンカした!」の下りは、如何にひびきが馬を鋭く見ているかの 現れであり、「競馬馬」にかける意気込みが(さりげない形で) 良く現れていて好きだ。 ひびきはそのキャラクター上、自分から理想を語ることが少ないから こういう「らしい」描写は重要だ・・ ・・・うーん・・・でも実際馬方面は相変わらず弱い私・・・ ダビスタでもやっときゃな〜・・・ 兎も角、飽きさせない。良い漫画です。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 11」/小学館/1997/8/15 気が付いたらもう11巻。いつの間に二桁になったんだっけ的感慨が。 で、今巻は たづなちゃん特集号と言うか。 うーと。 とりあえずたづなちゃんは俺の(俺のってあんた)だッ。 作者が狙ってんのは百も承知というか、狙ってやってんのは明らか (P116とか!119とか!!)なんだけどでもそれにハマる俺。 あかん・・・もう・・・ いや、狙って狙えるだけの力があると言う事か・・・ 少なくとも、今まではここまであからさまにはやって無かった様に思うですよ。 惚れたハレたやっても「大人の恋」とかで、多くの読者が等身大で ハマれるそれが無かったと思うのさ。「あ〜る」以降ずっと。 それが新鮮というか・・・ 駿平はしかしたづなの好意には気付いてんだよな。心の何処かでは。 だから「責任」が回ってきそうになるとボケを打つ。本能的に。 経験者(・・・)は頷いても呉れよう。 然してっきり遠くの高校に通い出して、出番が少なくなるかと思ってたんだけど この展開は予想外。もっと計算高いというか、人生設計がしっかりあって、 夢に向かって一人暮らし、みたいなタイプの子だと思ってたから、 読者としてはうれしい誤算だったのかも知れない・・ ・・・かも知れないけどその理由が駿平じゃなぁ・・・ ・・・で、馬の事なんか全然目に入ってない現状。 もすこし競馬に興味が持てれば・・実際に馬券買うのが一番なんだろな・・ 燃えるには。 人間ドラマだけを見てても良いんだろうなとは思うんですけど、 それじゃあ馬漫画である必要は無い訳だし、矢っ張り蚊帳の外というか、 知らないで読むのも辛いし・・・。もっとこう馬解説漫画みたいな事を やってくれても良いかなとか・・・ ・・ちゃんと読めば解る様になるのかしら。馬周辺は結構斜め読みな私・・ 然し矢張り駿平のキャラは面白い。リアリティもあるし(出来る父親の前の息子って 実際あんな感じだよな・・・)、いちいち「うんうんそうだろうとも」と 頷いてしまうのだった。 でも人格的にはまだあそこまで達観というか人格者になれない私。 駿平は岡田式分類法では恐らく「職人」タイプと見たが如何に。 ちょっと「王様」寄りか? @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (1997/09/06)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 10」/小学館/1997/4/15 いや早い早い。 また感想を書きそびれて仕舞うところだ。相変わらず良い漫画。 パンチは決して強くはないが、しかしラブコメ(!!)たるもの、 やっぱ風邪の女の子の看病してこそだよな。 ひびきさんの「王子様」が悟さんだった、と云うのは、広くはない(?) 生産主の世界、有りそうなことではある。 それよりも、今回は俊平の方が(悉く!)ポイントが高い。様に見える。 問題はひびきさんが全く意識してないって事だが。 でも、気負ってる割には、お互い(俊平&悟)そんなに巧んでない感じが 好感度高い。結局良い奴らだなあ、と。悪人の居ない漫画。 今、確かに居ないな・・内海さんみたいなのが。それが良いのか悪いのか・・・ そう言うわけで、今巻も主眼が明らかに人間関係で、割と馬漫画じゃない感が強い。 これはアンケートの結果か、それともこれが本当の向きなのか− ”ひびき”を賭けた俊平と悟さんの戦い(?)は割とあっさり(今回は) 終わっちゃって、もっと引いても良いんじゃないかな−と思ったのだけど、 このあっさり、がゆうきまさみだな、と。 いやー、しかし兎に角ひびきさんが可愛いってのはもう認めざるを得ないわ。 どんどん可愛くなっていく。可愛いだけじゃなくて、良い子なんだ。と。 ちゃんと悩んで答え(らしきもの)を出す。ホントに。ああああ。 あの一家の娘は(奥さんはアレだけど)みんなそうだけど、裏心みたいな物が無くて 良い娘ばっかりだ。 勿論たづなちゃん(ミルクの匂い!)は心のヒロインだけどさ。 何か絵に愛が有る− と思うのは単なる思い込みか。 ひづめちゃんも何と無ーく(お茶出ししたりさ)可愛くて、 p140の「うはよーす」見てからファンなのだった。いや、あの子は面白い。 ファンだなあ。って誰でも良いんかい>俺。 あ、あぶみさんは・・・その・・・ でも本当、初期に感じた、「可愛くて読者が一目惚れする様で 無くてはならない筈のヒロインが可愛くない・・・」と云った感想は、 もう感じない。 作者の意図する可愛さ、ヒロインらしさ、がちゃんと描かれているのを 読み取らされる。本当に、良いです。 ・・・・だめだ。 何度書き直しても「〜ちゃん萌へ〜」以上の感想にならない。 女の子が可愛いってのは、それだけでとても凄いことなのだけど・・ ま、いいや。そういう漫画である。違うか。 ・・・僕にとっては、そういう部分が、有る、と。 ではまた。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (1997/04/15)
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 9」/小学館/1997/1/15 「太陽」シリーズの程良い息抜き感が良い。 久々に駿平が「主人公」ぽい巻でもあった。いやまあ主人公なんだろうけど。 彼の一人称になってる部分が多くて、それが上手く効果を生んでいる。 いや、彼の・・駿平の「浮き沈み」がもー我が事のように感じられて。 「グミチョコ」じゃないけど、密かに好きだった彼女が、手の届かない 「遠くへ行ってしまう」というのが(まだ実力の無いタダの男の子にとって) どれだけ焦りを与えるものか。・・でも、反対に言うと、「遠くへ行ってしまう」 方が、よりドラマチックではあると思うですよ。彼女のキャラじゃ無いにしても。 その意味で、P143の、土産を貰って喜んでるひびきさん(さん付けしないと 怒る人がいるから)は、その危機感を生むに十分ではある。 こーやって彼女の一挙手一投足に一喜一憂してるってのは、もー「男子」なら あるよねそうゆう事。解りすぎるぞその気持ち!というか。 カメラ、が登場したのはしかし面白い。 駿平というキャラがまた一つ面白みを増した。 作者のカメラに対する思い入れも感じられて良い。これ読んだ後、 また写真が撮りたくなってしまった。 ・・・でも、やっぱ。たづなちゃんだよな、と思う。やっぱりね。 (1996/12/24) @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 8巻」/小学館/1996/11/15 もう8巻!ハイペース過ぎ。7巻の感想書いた覚え無いぞ。 それだけ感想書きサボってたって事ですが。 コレだって買ってからもう随分経つ・・・ 今巻も相変わらず微妙微妙、な会話のセンス。 P77からの「危うい」空気は、まるで自分がその場に居るようで・・・。 「他人」じゃなくなった会話。危ういけど、ちゃんと(恋愛感情は別として) 近づいているのを感じさせて良い。 で。 やっとひびきが「主人公の恋する対象」に見えてきたですよ。 顔、姿、仕草・・が可愛い、とかそういう一時的な部分じゃ無くて、 そのキャラクターそのものが「良い」という感じ。 好きです彼女。 なんちゅーか、多分一緒にいるとドキドキしちゃうよな。 予想できない反応が、素直に帰ってくるのがリアル。 ちゃんと「女の子」っぽいしねぇ。こういうのは取材してどうこう、じゃ ないでしょう。さんごも可愛かったし野明も「女」・・だったけど、このひびきに 至って更にその描写力が高まったと感じる。はっきり何処がどう、じゃないん だけど・・・ あぶみさんもいいなぁ。今巻はアレだけど、7巻の酒乱ぶりで一気に人気が 高まったと噂の(何処でよ)彼女、その弱さも強さも含め、いいキャラだと思う。 こういうお姉さんいるよね。 ・・・たづなちゃんは今巻は殆ど出番無しか・・しくしく・・・ サイアーラインもいい。ちびちびと続けて欲しい・・・あの世界と、この世界が ちゃんとクロスしているのも見所の一つ。 竹岡オヤジのキャラはいいね。声は千葉繁(押さえめ)だとどうか。濃すぎるか。 しかし矢張りメインは「取材モノ」という感じは強い。 あくまでも「馬漫画」なのだぜ。そこのスタンスもまた気持ちいいけど。 ただ競馬というか、レースそのものから得られる快感ってのは(今の所)少ない。 マキバオーとかそのへんの熱い展開とは別・・・・そのへんはどうなのかしらね。 まぁ努力友情勝利でよっしゃ!という漫画じゃないか。 P52の「無能な俺・・」は、オトコノコなら一度ならず感じた筈。辛いものだが、 でも若いってなそれをクリアさせて呉れるんだよ若いってのはなぁ・・とか もうすっかりオヤヂな俺。 あの落ち込みはしかしもう少し引っ張っても良かったかもしれんな、とは思う。 けど、駿平の性格上それはないか。つくづくいい性格してる。 P101のファーザーもいい。ながい閣下にエイコウアレ。 それはそれとしてモテモテ王国は何時になったら単行本化するのか。 最近「あ〜る」を久しぶりに一巻から読んで、 その印象の激変(どう変わったかは秘密)に愕然とした @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 7巻」小学館/1996/9/15 酒乱。「ひとりごと」。
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 6巻」小学館/1996/6/15 もう6巻である。マジでハイペース。 今までとは違うぞ・・・ イーグル、強かったねぇ。竜さんもタダモノではない感じ。 しかしワタシ、未だにケンさんの「本性」が掴めないんですが・・ どうなのかしら・・ P162はしかし笑った。ゆうき作品らしい笑いだ・・・ バレンタインのネタも良し。いや、リアルだよね。そうそう。 義理でも貰えると無性に嬉しいの。何故かね。「バカだから」?そうかも・・・ 家族の食卓、のラスト、P100の「うひゃあ・・・」っていうシアワセ感、 伝わりますね。「こんなにシアワセでいいの?」自分の存在を認めてくれていて、 自分をお客様扱いしないで呉れる。シアワセってのはこういう事よね。 ああ俺も・・・ 素直に生きないと駄目だよなぁ。 流されてるだけ・・・ 単なる「取材漫画」としても十分描きこなしていて、凄いとは思うのですが、 それだけではない人間関係のポップさというか、明るい感じが、好ましいです。 なかなかこんな風にはいかないものですが・・・ ひびきさんよりは、まだ(まだ?)たづなちゃん、の @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 5巻」小学館/1996 もう5巻である。妙にハイペースなのでは・・・・ 今巻のメインは何と言っても菊花賞!! と その後のおたのしみ。 ケホケホ 駿平も仕事が板に付いてきた様で・・・多分描かれていない「日常」では、 一日中仕事に追われているのであろう。 彼の「自然体」な生き方とゆーのは、考えれば僕がはるか以前に無くした物であるぜ。 失ってみると解るとゆーか・・・「自然体」「普通であること」というのは、離れれば 離れるほど尊い物に見えてくる。 彼の様に「人として」素直・・・・自分の感情に素直って言うんじゃなくて・・・ 何て言ったらいいのか・・社会の中でそつなく生きるっていうの?いや・・違うな ともかくああいう風に振る舞って見たいと思うね。そう思ったりすること自体もう 駄目人間の証かしら。 で、読んでてどうも困って居るんですが、僕はどーしてもひびきが(そんなに) 可愛いとは思えないんですよね。駿平は三姉妹中断然彼女!らしいけど、なんかね。 読んでる方もそう(断然たづな!と)感じられると、このマンガは倍は面白くなると 思うのだけど・・・ 何せ野明顔でしょ。駄目なんですよ。野明ってずっと「主人公」だったから 「女の子」としてはなかなか見れない・・・ で、その分「女の子らしさ」を集中されているたづなちゃんにどうしても 目が行ってしまう私でした。 気になるのは「もう一人の主人公」と僕が勝手に思いこんでいるところの佑騎。 これからどう育っていくのか・・・どう「本編」と絡んでいくのか。 相変わらず沢山のキャラクターを絡ませるのが上手い作者である。 で、たづなちゃんはやっぱしかわいいのよね。 ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 4巻」小学館/1995 もう4巻ですね。早い。 今巻から梅さんの受難が本格化する・・・ 駿平は果たしてどの様な生き方を選ぶのか・・・ 父親が怒鳴り込んできたことで、いよいよ彼の心は 一方向に固まりだした様にも見えます。 しかし そうね。 だから旅行やバイトってのは重要なのよ。 単に「経験」とくくられるそれが、学校、ひていは学歴偏重社会(渡会家の娘達に しても、そう)から一歩引いた視点を得る、まさに「見聞を広める」ことにつながる。 一般論だけど、ムツカシイでしょ。 高校の頃は何はともあれ、前には「進学」しかなかった。 大学に入ってから、大学に入ってから・・・・ で、入ってみたら目標を失った。よくある話。現代病。 親からでもない、先生からでもない、「世間」から重圧をかけられた僕らは 視界思考にバイアスをかけられているのです。仕方ないけどね。 いつの時代もそうだった。 誰のせいでもないのだ。駿平の父親のせいでもない。 だから若者よ。旅行をするがいい。ついでにバイトなんかするといいぞ。 僕見たく家庭教師ばっかやってると少しの経験値も貯めないまま オトナになってしまう事になる・・。 ましてをたくちゃんな趣味なんか持ってると、いくら稼いだ処で、月末までには 本、CDの類に化けている始末。をたくは物欲の権化(水玉)でもありますからねぇ。 読んでも読んでも読み切れない、聞いても聞いても聴き終わらない。 だからいつまでたっても終わらない・・・ をたくな趣味だけは持つもんじゃありません。 長い人生です。 矢っ張り「やりたいこと」をやりたいですね。ええ。 その為にも「学校以外の世界」に価値観を見いだせる様に・・ でもそれが今一番難しいみたいですが。僕も。 それはそうとたづなちゃんはやっぱしかわいいのぅ。 ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 3巻」小学館/1995 新キャラ登場。 こいつ好きなんだけどなぁ。ゆうきキャラらしくて。 名前も佑騎(ゆうき)だし。 しかしこのシリーズ読んでて興味深いのは、「東京の高校生」の姿。 事実ああらしいスねぇ。 夏は予備校で明けて暮れるし 教室はああだし。 考えたら、僕の高校時代も、教室はあんな感じだったと思うけど・・・ 一応英数クラスって奴だったからねぇ。一応。 でも僕は教室にいてへんかったけど。地学部の皆様にはお世話になりました。 さて P43、泉酒店で働く野明。時代はこれで合ってるのかな? これから後、レイバー隊員に成るのだね。 馬そのものは今巻はちょっと押さえ気味かな。 ちょっと人間ドラマしてみたり。でもメインは競馬だぜ〜 それはそうとたづなちゃんはやっぱしかわいいのぅ。 ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!」2巻 小学館 /1995 これからこれから。 導入ですよねぇ。まだ。 本格的な「競馬漫画」にするには。 巻末の「サイアーライン」がああいう風につながってたとは 単行本でこういう風に並べられるまで気がつかなかった・・情けない・・ でも駿平っていい奴、よね。個人として。 うまいなぁ、と思うのはP81〜84のしっぽ君の人気・・ 将棋がさせる、とか、そんな事って大事。 この作品、今の所「強烈にイヤな奴」が全く出てこないですね。 結局人間のドラマだと思うんですが、まだまだ。 これから時間をかけい読ませてもらいたいモノです。 面白いな、と思ったのはP14蓼沼氏の意見。 これは、そうだとは言わないまでもゆうき氏自身の意見でも有ろう。 重要なのは「必死の形相で」という所か。 努力なんて全然無駄、と言ってるわけじゃなくて、 「勉強」以外にも才能は有る筈なのだ、という・・ まぁ高校生なんかの頃は一度はこういう学制批判をしてみたりもする訳ですが ちゃんとそりに対するフォローというか伏線の締めとしてP34を 持ってくる・・うまいなぁもぅ。 ところでやはり僕はたづなちゃんが好きだなぁ。一番。 何にせよ、続きが楽しみな数少ない良質の漫画の一つ、です。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
ゆうきまさみ「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 1」小学館390円/1995 ゆうきまさみ待望の新作の登場である。 ・・結局まだ「動物のお医者さん」なんだけど・・・ 大勢の魅力有るキャラクターをどうやって組み上げて行くか・・・ これだけいると消化不良になる(描ききれなくなる)キャラクターが 必ず出てくるに違いない。少なくとも、今までのゆうき作品を見るならば。 うーん。でもキャラクター自体は既にして立っているのだ。いつもの事。 キャラクター達のセリフ一つ一つがもう凄くゆうき作品していて・・・良い。 あとは展開。これがオモシロイ。 サンデーを読んでおられるならばご存知でしょうが。 取材に基づく漫画というのは色々と苦労も多いようですが それでもこれには傑作の香がするですね。 ケンさんが好きだな。凄くいい。 あと4姉妹だとたづなちゃん。やっぱね。登場シーンが。

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