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津田雅美



津田雅美「eensy-weensyモンスター 1」/白泉社/2007/07/10
津田雅美「eensy-weensyモンスター 2」/白泉社/2008/01/10

ラブ度の強いラブコメ、という感じ。
ああ、王道だ、いいなあ、と思う。

主人公五月七花(なのは)は平凡だけど小さくて可愛らしい女子、なぜかみんなに
愛される、でも本人は心の中の怪物にビックリしたりどぎまぎしたりしている、
という。

一方の王子は美形でナルシスで、その「キャラ」が女子達に愛されてるん
だけど、そのことに自分で気づけなくて、それを七花(の中のモンスター)に
指摘されて、変わっていく。
人は人と出会って、成長するよなあ、と思う。ラブ要因であれ何であれ、
気持ちいいヤツになっていく課程を見るのは、まあ気持ち良いのだ。
所謂ビルドゥングスロマン。

あと七花は基本的に「そのままでいいんだよ」的な。成長と言うよりは、
その持つ「良さ」が周りに理解されていく感じの。

などと書いてしまうと平凡なマンガに思えるけど、読んでいるときの恋愛描写の
痒さ、描かれる世界の清浄さ、明るさ、そして何より女の子のかわいさ、で、
ああ、やっぱこの作者スゲエなあ、と思う。
カレカノの時も思ったけど、なんかこの妙な開け具合(初めて一人暮らしを始めた春、
みたいな、これから全てが始まる感)っていうのが、一貫していて、いいなーと。

なんかホント、久々に「少女漫画〜!」という感じで楽しめました。
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(09/05/02)

津田雅美「彼氏彼女の事情 13」/白泉社/2002/05/10 何か感想と言うより妄想になった。 キャラの立ち具合や日々の幸福感から、何となくこのまま「究極超人あ〜る」的 学園生活モノに突入するのか(或いは「TO-Y」的に?)という気持ちも無いでは なかったけど、作者自身が仄めかし続けてきた「有馬編」へと一気に突入。 作者のもどかしさというか、やっと描ける!みたいな勢いをページ配分に感じる。 もう待ってましたとばかりに。それぞれの「その後」も描いたしもうええやろ! 各脇キャラへへの責任は果たした!ここからはもう二人ドロドロで行くぜ!的な。 ラストが実に嫌な感じでグーだ。 作者が「ここからが本題なんだ」と言い続けてきただけに、この先にはどうにも 期待が高まる訳で。勿論作者も「それ」を言うことの危険性を知ってはいよう。 多分それだけ、「期待させといて、これだけですか?」という事には、ならない 自信があるのだと思う。 暗黒面の有馬はホントに暗黒なので、(今の)宮沢が見たら多分引く。目はもう 大学の向こうを見て、いつも前を向いて歩いている彼女には、過去に拘泥して、 過去を真っ黒に塗り替えてやろうという有馬の姿は(或いは)下らない男、と映る かもしれない。そりゃ一線は超えたけど、そこまで支える義理はアタシには無いわ、 と言いそうな気がする。相手に感情移入しない(させない)のが彼等のスタイル でもあるし。そこから宮沢がどう変化(成長)していくのか。 つまり、今後の「読み」としては、”目覚めてしまった”有馬を宮沢が如何にして 受け入れるか(或いは受け入れないか/更正させるか)という所に行くのかなと。 (ブラック有馬を隠し通せるとは思えない。展開上)宮沢がどう変化するのか、 という所が見物だと思う。今のままでは支えきれないだろう。またそうであっては つまらない(……)。生得的な女神的才能で有馬を浄化!とかそんな話にも ならないだろう。 あーお互いに傷つけ合って血まみれになってドロドロになってしまえ!(何か嫌な ことでもあったのか)。いや、でもそれがこの作者には出来そうな気がする。 大学受験を前にして一波乱あるのか、それとも、もっと長期戦になっちゃうのか ……何せここからが本番。過剰すぎる期待を持って次巻を待つのだった。 然し何だ、あさぴんの担任はエライよ…… @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/05/24)
津田雅美「彼氏彼女の事情 11」/白泉社/2001/07/10 津田雅美「彼氏彼女の事情 12」/白泉社/2001/10/10 2冊合わせて本体は芝姫×、じゃねえ、+一馬編。 前半、母親の再婚→美少女な姉の誕生やら、バンドの成功やらで 「こんなに幸せでいいんだろうか、僕が?」 みたいな気分の一馬が、己の中の才能を開花させ(否応なく)「次」の ステージへと登っていく下りでは、作者の持つ「才能有る人間を描く腕前」を 存分に堪能できる。後半は、一馬を音楽に取られた形になった芝姫が、 「音楽込み」で一馬を捉えられる様になるまでの下り。 ……今頃再読して感想を書く有様ですよ。 いやー、熱量凄いわ。マンガに込められた熱量が半端じゃなく熱い。 汗かくわ。いやホンマ。 理知的というか。お話の構造が出来てて、演出が利いてる。読者の感情を こういう風にドライブしてやろう!という意図がちゃんとあって、その「型」に キッチリはめていく手腕。 (でもアドリブっぽいギャグもちゃんと入っているという) 才能のある人間が、その才能に呼ばれて、才能の虜になっていく。 取り巻く世界の歯車が、彼を中心に回り出す。 「無垢がその次の段階に進む下り」を描けてしまう、その凄さ。虚構とは言え、 震える訳ですよ。 「歌う歌は変わるはず それを間近で見るなんて 贅沢だろ?」 リカちゃんの方もさくっとまとめられてて(これがまた巧い)、いよいよ 本体に突入!という事ですか。楽しみだ…… @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/04/01)
津田雅美「彼氏彼女の事情 10」/白泉社/2000/10/10 「陽射しのいい部屋」「GOGO京都」「アクト・ゼロ」を収録。 「陽射し・・」は真秀さんと例の28歳歯科医との出会いの話。 誰かのことを好きになる事で、それまで見えていた白黒の世界に色がついていく・・ 勿論真秀さんも其れ程単純な人でも無いんだろうけど、でもこの人一番「常識人」 って感じだしな。キャラクターの位置づけがナチュラル。邪悪な性癖が無い。 中学三年生。 周りの世界全てが味気なく見えて、何かしら諦めた、もう自分の人生には 何も期待しない様な灰色の気分に陥っている真秀さんの前に、突然現れる 色つきの世界。 「憧れられる」異性に出会ってしまったことで、世界が暗闇からカラーになる。 そういう事もあるのだろう、と半ば想像、半ば経験から心の深いところで頷く。 彼女にとって彼は一緒にいるだけで世界の色を変えてくれる存在。 だがその歯科医は27歳、彼女は中学三年生。自分にとってメリットがない、と 拒絶するP46の下りは読んでいて胸がキリキリと痛んだ。彼の心にもまた こういう事を言わせてしまう傷が有る、それが再読時には読みとれて、その 不幸に心で涙を流す。実際この2頁はスゴイ。今読み返していて、この頁に 込められた互いの感情で読んでいる手が震えた。 彼、貴志氏のモノローグによる「他人に何も期待しなくなった」経緯説明の後、 それでも彼にとって(ここが大事)彼女は「そうじゃない」存在なのだ、と 持っていくこの巧さ。 利発だとか、自分にだけ特別心を開いてくれるからだとか、可愛いからだとか そういうんじゃない。結局彼女も彼も「同じ」だったからだ。彼女は彼の半身 だったのだ・・・・そう読者に(いとも簡単に)納得させてしまうこの作者の 作り込みの巧さ。 利発で、若々しくて、美しい。恋愛漫画斯くあるべし。 この「利発さ」はこの作者の特徴かも知れない。基本的に。 変わって「GOGO京都」こと修学旅行編は開き直ったかの如きキャラ漫画。 P72、男子チームの「YES!!」の絵の素晴らしさ。何十回見ても肩が震える。 スゴスギ(「あ 見るぅプリクラぁー」もスゴイが)。有馬のキャラ立ちもイイし なぁ。P75の、結局心配しちゃうお姉さん性質の宮沢と、その辺ヘーキの有馬なんか 実にイイのだ。良く作り込んである。姫と騎士の下りとか、りかちゃんとへっぽこ 三姉妹とか、細かいネタが次々に畳みかけられて、この賑やかさがホントにイイ。 毎日がお祭り騒ぎの連中が、修学旅行というお祭り中のお祭りでどこまで暴走して くれるか・・・楽しみに読んでいる読者の前で、作者は(恐らく)持てる限りの 少女漫画的ギャグの手法を惜しげもなく投入して見せて呉れる。4元中継とかもー どこまで楽しませて呉れるのか。それぞれのキャラにそれぞれ思いがある感じ(特に 亜弥ちゃんのキャラは、どこか隙を見て活躍させてやろうという作者の気持ちが 伝わる様だ)。つばさ&一馬の歌っちゃうシーン(とそれに動揺する理科系の 真秀さん)のシーンなんかもー! でも矢っ張りラストは有馬の闇でシメ、みたいな。どうするどうなる有馬問題。 「アクト・ゼロ」は個人的にはまあこんなもんでしょう、という感じか。 「彼氏彼女」以前の宮沢と有馬。こうして見ると、この作者の漫画には「ラブ」が 必要不可欠の条件なんだとつくづく。 いや兎に角オモシレェーーー!!っと叫びだして走り回りたい気持ちをこらえて 此処まで書いたけど、ああ、駄目だ。だってただ読むのに緊張して手が震えるんだぜ この漫画。もう完全に負けてます。全く作者の手玉に取られてます。 ホントにこの作者スゴイ。頭イイ、というか、切れる感じなん。高潔・・・と いうのでもなくて、何というのか・・・昔フリッパーズギターやオザケンに感じた 「出自の良さ」がこの作者にも感じられる。利発、なんだよな。怜悧というか。 自分は別に学歴偏重者だとは思わないけど(ていうか自分自身大した学歴が有る 訳でもなし)でも、それでも「優等生」的な世界には憧れる。世界はそんなに 単純じゃないぞ、社会に出れば、所詮漫画じゃん・・・とか思うには思うけど、 でもやっぱり「エリート校の中でも優れたウツクシイ集団」の図には憧れてしまう。 彼等に臆面もなく自分を投影して、臆面もなくドキドキニヤニヤしてる26歳男。 まあこれくらい許して呉れよ。日常じゃ輝きも色気も無い生活してんだからさ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/10/15)
津田雅美「彼氏彼女の事情 9」/白泉社/2000/03/10 文化祭が始まった。 メインは沢田亜弥先生入魂の脚本による演劇「鋼の雪」。 いやあさぴんディナーショウも気になったけど。 ・・・漫画読みの本能が「これは、いいものだー!」と叫ぶ。 も、叫びっぱなし。 宮沢達の「演技」に痺れる。 「宮沢、演技巧え!!!」 「あああしばひめっ!可愛過ぎる!!成程こりゃ当て書きの良さだよなァ〜」 とか本気で興奮してる自分。劇中劇もいいとこなのに。いや、ま、それだけ 本来のキャラ立ちがしっかりしてるって事なんだ・・・と思う。 幕間のテンション(あらすじコピーとか)もホントに巧くて、文化祭モノとしての 完成度は文句無い。特にその「さなか」を斯うして魅力たっぷりに描いた作品って あんまり無いんじゃないか(「ビューティフル・ドリーマー」や「青春デンデケ デケデケ」に見られる「前夜祭」モノは結構有るみたいだけど)。その意味でも これは道標的な作品かも知れない!・・・等と、まあそれくらいはまり込んで 読んでたのであった。いやもう最後の幕が下りる瞬間のゾクゾク感ったら 無かったね。緊張感とその解放。いやー、良い舞台見ちゃったよ、という感じ。 だってSFだしさ。漫画読んでてこういうゾクゾクするような感触に出会ったの ホントに久々。 ・・・然し沢田の書く作品てこんな感じなのか・・・結構良いかもしれん。 上にも書いた様に基本的には劇中劇として楽しんだんだけど、でも「鋼の雪」 そのものも物語として非常に沁みるものが有った。あのサイズであの厚みの ある「物語」性は、なかなか出せないものだと思う。流石。・・・流石なのは 沢田亜弥なのか津田雅美なのか。 昔の少女漫画ってこういうSF(っぽい)ものがいっぱいあった(らしい)。 特に竹宮・萩尾がそれこそ沢田の様な年齢の頃に描いた世界ってのは、何て 言うか「SF」の魅力の一端をキリキリに研ぎ澄ませて突きつける様な物が 有って、沢田はその小説版とでも言おうか。長野まゆみの様に、現実世界から 飛び上がる為の道具としての「SF」(みたいなもの)ではなく、あくまで 現実世界の延長線上のレベルに視点を置いて、でもこういう設定で無ければ 描けない物語、を描いてみせるための「SF」。現実と地続きだからこそ 感動が真に迫る。近頃はこういう作品も見なくなった・・・気がするけど ホントは結構有るのかも。最近全然読んでないからさ。 巻末の言葉によると、これで「雪野編」は終了。各サブキャラの話を挟んで いよいよ後半「有馬編」に入る、と。成程この人は絵よりも「構成」に力点の ある作家だったのだな(いや絵も良いんだけど、でもどっちかというと)、と 妙に納得する。一連のシーンや台詞毎にちゃんと意味/含みを持たせてあって 後で気付いて感心する、という様な作風。いや正直当初ここまで「深い」作家 だとは思ってなかった。近年希に見る程の白泉花ゆめ/LaLa的な作家。 久々に「本物」の漫画に出会った感じがする。 ・・・ま、半分は思い込みとしてもね。 今後の「有馬編」、つまるところ闇有馬の噴出(と救済?)がどう描かれるのか。 作者の意気込みがこのあとがきからなんとなく伝わってくる。 読者の私も「どんと来いや!」みたいな気持ちで待ち受けているのだった。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/04/13)
津田雅美「彼氏彼女の事情 8」/白泉社/1999/09/10 14DAYS、はまだ続いている。 一話一話は面白いんだけど、全体としてみると妙にアンバランスで不気味。 それがまた魅力。どこへ転がっていくのか「予断を許さない」のに弱いわし。 大ゴマで決めてくるところが、ばしっと決まる辺りはホント巧い。 「おまえみたいなやつ 好きにならないわけがないのに」(p83)とかへの たたみかけ方とか、成る程これが少女漫画なのか、という。 「ハリケーン」の回のまとまりの良さなんかは、ちょっとまとまりすぎじゃん とか思うけど、もう強烈にアニメで見てみたいという。 あの声で、あの作画で見てみたい。絶対面白い。もう間違いなく。あああああ。 似たような境遇を生きた父の、あの雰囲気が最高。 有馬の心の闇をほどけるのは、宮沢「一家」なのか。 ともあれ、展開上有馬の「闇」は噴出するだろう。いくらなだめたところで 直接対決「すべき」だと考える。山場をどこに持ってくるか・・・ 巻末作者が語っている様に、それぞれの「人生」をかかえたキャラが 結構増えてきてるから、引っ張ろうと思えばいくらでも引っ張れそうなんで どの辺に落としどころを作るのか、それも楽しみ。 ・・・・などと落ち着いた感想を書けるようになるまでに 1週間以上を要した私でした。 最初の数日は、読みながら転がり回ってましたよ。そりゃもう。 あ、そうそう、同時収録の「あばれる王様」は、なんと言ってもあの ヤンキー入った制服の造形がすばらしいです。作者の出自が見える様な。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/09/16)
津田雅美「彼氏彼女の事情 7」/白泉社/1999/03/10 この巻までは、やっぱどうしても「アニメの原作」として読んじゃう 「さいきん読者」の私。 でもアニメ化のお陰でこの作品に出会えたわけで、どっちがどう、という 話でもないし。そう言うわけで「さいきん読者」の位置でちょっと。 こうして読むと、あああのアニメ、本当に原作に忠実だったんだねえ、と。 セリフ、ギャグの間、描き文字の挿入に至るまで、あまりに見事な「アニメ化」。 驚くべき事にそれは14DAYS・1・・・あの劇メーションの回ですらが 「そう」なのだった。っていや別に漫画の方で割り箸にくっついたキャラが 玄関突き破ってた訳じゃなくて、タッチが同じ、間が同じ・・・っていうのが、 ちゃんと貫かれていたのだなぁと。 漫画を読む速度は人それぞれ(友人の背中越しにジャンプを読むと良く分かる) コマとコマの間の視点の移動とか、そういうのからして十人十色な訳だけど、 アニメ化っていうのはそれ(時間の流れ)を一つにしてしまうのだから それなりに「違和感」が生まれるのは当然。ただ、僕個人で言えば 「漫画よりもアニメの方が速度感があって気持ちが良かった」という印象だった。 少女漫画のコマ割に慣れてないのかもな。 アニメが原作に忠実だった、っていうのは、裏を返せばそれだけ原作依存だった 訳で、アニメがあれだけ面白かったのは、詰まるところ原作が面白かった からに他ならない。「いまふう」の少女漫画を装いつつ、その裏に有る 作品の存在感。気骨ある漫画家揃いのLaLaの中でも、その存在感は確かなものだ。 絵柄の単純化や感情表現が漫符に置換されていくのを嘆く向きも有ろうかとは 思うが、だからといって作品の質が落ちたとは思わない。 各キャラが「立っている」から・・・キャラが立つと、もう漫画の絵は 記号に過ぎなくなる・・・うーん。なんか一般論でごまかそうとしてるな・・・ キャラ萌えの話でもしてお茶を濁すとしよう。個人的にはやっぱ芝姫。 特に裏表紙折り返しのあの魚がたまらん。或いはあの魚まるまる食ってる姿が ラブリーでラブリーで。あのぎざぎざの歯がいい。 7巻の主役たる十波君。彼のキャラも良い。見た目はああだけど、中身は あの頃の彼と同一人物なんだ・・・というのがアニメ版のラスト、 8巻あたり収録?で出てたけど、斯う言うのもキャラを設定した段階で 作ってるんだろうなぁと。巧い。佐倉も掘り下げれば掘り下げるだけ 深みを出してくるし・・・あさぴんも良いしねえ。あさぴんと 手芸部りかちゃんの間柄も妙に気になるし・・・・ああ、幸多からんことを ・・・じゃねえ、早く続きを!ってLaLa読みゃ済む話ですが。 ギャグも良いんだよね。基本的にやっぱり此の作品の最大の魅力は 「笑い」だと思うし。まほさんが逃げ、宮沢が追いつめる下りとか最高。 逃げるまほさんが可愛くてもう。 作者が一体この作品を何処へ持っていこうとしているのかは 今もって良く分からない。航海の果てにたどり着いた岸がどこであっても きっちりと前向きに終わってくれそうな気はするけど、ああ、でもやっぱり いじるとしたら「有馬の闇」だよね。基本的に「エリート達の高校生活」 的爽やか/明瞭な物語展開の中で、唯一ドロドロとしているのが有馬。 思わせぶりな展開とか見てると、或いは「やろうとしていること」が 有る様な気がする。読者のツカミはもう充分だろう。そろそろ 噴出するんじゃないか?「宮沢の手に負えない有馬」が。 高校生活は長い様で短い、短い様で長い。彼等にはまだ時間がある。 まだまだ、一波乱も二波乱も有りそう、有って欲しいと願う 「これから読者」なのだった。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/04/07)

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