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SUEZEN



原作:大地丙太郎 漫画:SUEZEN「風まかせ月影蘭」/角川書店/2000/11/01

原作付きの漫画化。なんでまあしょうがないと言えばしょうがないけど、「そこそこ」
の内容。絵は巧いし漫画としての「見せ」は相変わらず巧いんだけど・・・。

アニメのは好きだったなあ。アニメは良かったよ。アレはね。疲れて帰ってきて
酒飲みながらぼーっと見るには最適のアニメだったさ。基本的に意味無いし。

然し何だね。SUEZENと言えばこの手の「体臭のする色香」みたいな所に
行くようになってしまいましたね。元々そう言う所(性的な「臭い」の作風)は
あったけど、最近はダイレクト(オシッコしたりね)だもんな。何か。そういう
需要があるのかしらん。過剰なフェロモンは昔から出てたけど。

SUEキャラ然としたミャオ姐さんも「萌え」ってキャラじゃないし、うーん。
ストライクゾーンを外されている感も有り。逆にこういうのが好きな人(偏見だろう
とは思うけど、女の子の方が受けは良いんじゃないだろうか。こないだの単行本と
いい、女性側からの評価が高い気がする)にはヒットしてるかも。作者の最近の
傾向の先にある作品、では、ある。

高校生の頃からこの人の作品に対する「違和感」は変わらない。それでもね。
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(00/11/06)

SUEZEN「パーコレイション」/角川書店/1999/01/23 何が面白かったって、巻末の大塚康生×貞本義行×SUEZENの テレコム閥ビッグ3の鼎談であろう。特に、近年その立ち位置が (いちアニメファンからは)今一つ明確でなかった大塚氏が今 何を考え、何をしているのか・・・が何となく読みとれて嬉しいのだった。 テレコム出身、という肩書きが即ちその実力を表したように、その名前は 当時よく目にしたものだったが、その実、僕はテレコムがどんな雰囲気だったのか とかその辺の所を良く知らない。大塚さんの言う「陽あたりの良い浜辺」と いうのがその雰囲気を表しているのかもなぁ、という感じ。 古き良き80年代・・・「陽あたりの良い浜辺」という表現は この作品の雰囲気にも合致する・・・ ・・・とか本編とは違うところで盛り上がってますけど、ホント、80年代 中後期のアニメ観て育ったアニメファンは割と読んでみても損はないかも。 斯う言うの読むと、ああ、アニメも作ってみたいなぁ、とか思うのだった。 アクションレコーダーの代わりにパソコン使えば・・・ ・・えと・・・そう、マンガ自体は− SUE氏のマンガってまだまだ未読作が多い(初期の短編とかね)上に その作品数自体もそんなに多くないでしょう、だから「おぉ、こんなのも アリですか!」みたいな感想が先ず第一で。うーん。 何というか。SUE氏描くところの女の子っていうのは、割と他に 類を見ない気がしますな。感性が独特。 その精神面の作り込みは、もしかしたら実在のモデルが・・・? とか思ってしまう程存在感があって。でも、理解はできない。 異質な感性、異質な感情。そもそも男のオヤジが バリバリの少女の内面など伺い知りようもないわけだけど、それは多分 作者も同様な筈で(そうか?)。それを「解らないもの」として外堀から 埋めていって作り上げたキャラなのかも・・・ ・・・要するに主人公には感情移入はしにくかった、と言うことで。 その分SUEキャラのオールドスタイルな感じもする三白眼のおテツが 割と良かった。斯う言うキャラ好きだ。地に足がついている 大地属性の主人公とは違い、何処か危うげな精神世界を持っていそうで。 彼女を軸にして、この世界を観てみたい気もする・・・ 「穏やかな毎日」。そんな感じ。かなり初期の作品に斯う言うのが なかったかな?ガンバスターだったか・・・? 一人の人間が、その足で歩ける範囲でのみ起こる事共。そこから 生まれる静かで深い情動・・・感動は日常の中にこそ在り、というのは 望月の出現以来アニメ者の常套句ですが、実際そうだとも思う。 ただ、穏やかな日々、を描くにしては、もう少し情動を押さえても 良かったんじゃないかなぁと。SUEキャラの感情表現は、みんな 過度に激しいからねえ。染みてくるような感動が欲しい・・・ ・・・なんか見てるとけなしまくってるみたいですが、 「感性・嗜好が違う」というのと、この作品が好きかどうかっていうのは また別で。好き嫌い以前に完成された世界観に惚れてしまって。 違和感こそが感動への第一歩ですよ。とか。 この作者には、まだまだ秘めた作品世界が有りそうで、 これからも楽しみ。そのうち是非「普通の学園まんが」を描いて欲しかったり。 この人の懐の深さを生かすには、やっぱり日常の(それもできれば地方都市の) 風景とそこに暮らす人々、みたいな・・・のが良いんで・・・って これは只の願望ですが。 ・・・虚構読みの最大の魅力には「他人の人生を生きる喜び」ってのが 有るわけですが、この作者の筆致には、そう言った「他人の人生」を リアルに感じさせてくれる所が(まだまだ)有りそうで・・・・ えっと。 これも春の、旅立ちの季節に相応しい一冊。 季節にあわせてどうぞ。 ではまた。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/03/12)
SUEZEN「マリンカラー 5」/角川書店/198/09/07 ・・・このシリーズも完結ですか。 「???」という部分も含めて読み続けてきましたけど・・・ うーん。面白かったかな・・・・? とか疑問符をおいてみたりして。 結局絵のインパクトだけだったのか・・ いや、この作家に関してはもともとそうだったんですけどね。 「ヤダモン」のインパクトは、最初にその絵を見て以来 7年近くを経た今でも強烈に残っているのだけれど・・・ 「壮大な物語」にするには絶対的に枚数が少なすぎた様だし、かといって 物語主体に展開したら、この作品の持つ「ムカツくまでのラブラブ」を 思う存分展開することは出来なかったろうし・・・ 正直な話、「まぁ、こんなもんでしょう」的な感想しか出てこなくて・・・ 感性衰えまくりですが。 クリプトの宇宙船?が実に80年代してて好きだ・・・ あとリヴァイアサンは何となくたがみよしひさだとおもう @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (980916)
SUEZEN「マリンカラー 4」/角川書店/1997/11/7 全編 あーーーもう。あーーー。あーもーなー。ねぇ・・・ ・・・という感じ(わかって・・・) 冒頭のバウワー&レトラとか・・デリータも・・・ 勿論ススム&パレッティもな・・・あーー。あーもー。 あーもうしょうがねぇなぁ・・・的ニヤニヤマンガ。 p76〜の、背景のジンベの哀れさと対比して、 二人のラブラブさが際立つという。何回見ても笑っちゃう。 笑う、ていうかにやけちゃうのよね。にやらまや。 新キャラも続々登場。 アクリル&ガッシュのセイレーンデュオ・・・歌はいいねぇ(以下略) p156の馬鹿女子高生喋りするカシマシ娘なシーンとか 折り返しの通天閣直下演歌スタイルとか、ああ 作者相変わらず「女の子の仕草」を楽しんで描いてるな、 という感じがするのだ。 でもこの作者の「ツボ」って結構特殊な感じがする・・・ トルソーの歌なんかも、如何にもSUEZEN節でイイぞ。 「間」の外し方も絶妙だ・・・ 然し何が起ころうと、全ては彼等を如何にラブ☆((C)伊藤伸平)させるか、 それだけの為に用意された「障害」であるに過ぎない様だ・・・ −にしても絵。良いなぁ。もう。 今でこそ見慣れて来たけれど、5年前(もう5年にもなるのか!) アニメ誌上で「ヤダモン」を初めて見た時の、脳天直撃な感動は 今も生きている。 あと、報われないジンベは報われないままでいて欲しい。 良いキャラだ・・・ ああ・・ ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/12/17)
SUEZEN「マリンカラー 3」/角川書店/1997/4/15 リッキー&テックスの巻末のノリで大爆笑。 巧すぎる。 だけど本編の方はギャグ一つ無い厳しい緊張感に包まれている。 一体過去に何があったのか、全てはススムの父親に絡まって行きそうな気配である。 人魚と人が関わってはならぬ、その理由とは? いやー引く引く。長編の匂い紛々たる出来。 ・・・ちゃんと完結するんだろうなぁ・・・ 相変わらず絵は無茶苦茶巧い。 ペンの線も益々滑らかさを増してきたようだ。 初めてアニメ雑誌でヤダモンの絵を見た時の、 脳天をガツンとやられた感じは今も変わらず有る。 でももう少し装飾を排した絵が好きなんだけど・・・ 昔のソレとか・・・ うーん・・・ 然し先生は本当に結婚しないんでしょうかね。 サイバラによれば無類の女好きだそうですが・・・ サイバラも結婚しちゃったしなぁ・・時は流れる・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/07/20)
SUEZEN「マリンカラー 2」角川書店/1996/6/5 キレイ! 楽しい・・・ 読んでいて溜息が出る。 何が良いってあの痒くなるようなパレッティとススムの会話だぜ。 あー、もう・・・ もともとがSUEZEN絵にハナから弱いので、 こうして単行本で読めるなんて、挿絵やなんかでしか見られなかった一昔前に 比べれば夢のようだわ。 「女はラインだ」というアレじゃないですが、人魚達の身体のラインの 色っぽさというのはもう・・・ キャラクターはきちんと生きているし、その背景できちんと物語は進行している。 一読しただけでもこの作者が非常に「アタマがイイ」事が解ろうという。 言ってしまえばガイナックスとか系の、「構造」をきちんと持った作品でしょう。 ヤダモンに比べれば枚数にも余裕が出てきたみたいで、読んでいる方も気負わず すんなりと物語に釣り込まれる快感を味わえます。 緩急のつけ方、直線割りながら読みやすいコマ割等、絵柄以前に 学ぶべき部分も多い・・・ 願わくは「長編」としての見事な物語の起承転結を味わわせて呉れんことを・・・ ライナーノーツの「アムラーからのお怒り」はしかしさもあらんと思った @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (96/07/08)
SUEZEN「マリンカラー 1」角川書店/1995 連載時は(綺麗なんだけど)よくわかんない漫画だった・・・ それがこうして単行本になってみると、いやー、面白い。 SUEZENの絵、物語のセンス、いいねぇ。 そもそもヤダモンで受けたショックってのはいまだに有って、 あのツリ目は、それが動く以前、かないみかの声がでる以前に 一枚絵としてのショックが有ったものよ。 ギャグのノリもいいねぇ。タイミングがちゃんと掴めてる。 ただのアニメーター上がりじゃないのは確かだよな・・・ 井上編集長が爆笑(この回読んでなかった)だわ。 うーん、あーゆう人だったのか・・・ 人間と人魚の恋、という古典的設定も、SUEZENによって 感度良い好作に・・・いやホント。素敵です。 ライナーノートも良い。 デザイナー志望の人魚、という設定が出てきた原因とは? うーん。やっぱSUEZENは良いわ。 SUE作品はこれから読むって人にも、オススメです。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (95/12/13)

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