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士郎正宗


SHIROU MASAMUNE



士郎正宗「DOMINIONコンフリクト編1NO MORE NOISE」青心社880円/1995

最高。
もう何回読んだかしれぬ。


今までのシロマサ作品とは確実に一線を画した作品では。
何よりディティール描写のグレードは落とさずに
愛有る(と言い切ってしまう)キャラクタードラマとして仕上げたこの味わい!!!

アンナとユニの描写(特にアンナの言動のかわいさたるや!!)にはもうただただ
「はあぁぁぁ〜〜ええなあぁ」という感じです。
「分隊長マイク貸してマイク〜〜 一曲唸って聞かしたろ!」とか・・たまらん・・
本当に、アンナとユニの造形、性格、喋り、などもう殺人的に良い!!

アンナとユニが今回完全に別個性として描かれていて面白いです。
ユニットプーマがオリジナル、という設定もなるほど、と頷けます。

しかし何より人間関係が主眼に展開されていて、SFなところ、メカな所じゃなくて
人間のドラマの所で感動させられてしまって、何ともシロマサはおそるべし、です。
ニューポート署のたった一日(しかも割と日常)を描いただけ、であるのに
もうすっかりはまってしまいます。この世界の人間関係やそれの生み出す
思い、悩み(レオナの「上司としてどうあるべきか」、など)、喜び、信頼、等々、
現実よりも現実的というか、たった一日の描写でもここまで描くか!という。

伝わってくるんですよ。彼らの気分が。
ラスト部分、新人婦警の伊藤が初めての大仕事(彼女にとっては)を片づけて
「ああ、私もやれるんや」というかやった!という達成感の顔でレオナに昼間の礼を
言ってるシーンなど、たまらなくいい。わかるぜ。そこでまたレオナがハズミで
ほめてしまって「あちゃーハズミで褒めてしもたー」なんて言ってる所。
(・・ぜんぜんわからんですね。これじゃ。・・マンガ読んで見て・・)
もうなんか「凄い!凄いぞ士郎正宗は!!」とか叫んで転がり回ってしまいます。

かなんなあぁ。

こんなん読まされたら他のマンガなんかよめんわ。
いやまあ僕個人の嗜好ですし、でも、やっぱりシロマサは、違う。と思う。

この内容で880円。安すぎ。

ああああああ早く次のシロマサ作品が読みたい。
神戸の震災の後、漫画描きは再開されたのだろうか。
大変だとは思うんですが、もうなんというか読みたくて読みたくてたまらんす。
漫画家本業にしていただけないのかしら・・
一年一冊出るか出ないかでは・・・ああああ。耐えられない。


もちろん
絶対のおすすめです。
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@


士郎正宗「コミックガイア版アップルシード総集編 士郎正宗ハイパーノーツ」青心社/1996 なんだかなぁ。 いや、凄いのは凄いのよ。ウム。 でもホラ、シロマサにはまった頃に古本屋走り回って買い揃えたりしてたから・・ 今回の為に文章を一つくらい書き下ろしてくれてもよかろうというもの。 中途半端なページ数とか、ううむ。 もうちょっと詰め込んでくれても・・・収録し残しがいっぱい有るでしょう。 マシンヘッドのだらだら文章とか好きなのに。 オリオンノートはまとめて読めて便利。 いやしかし、こうして久々に読むと、いいねぇ・・・・しみじみ・・・ いや、アップル、ね。 たまらん! こんな銃と格闘と・・ばっかりの漫画の何処がいいのか!?と言われると どーも困ってしまうのだが(特に「攻殻」あたりから入った人間には不満らしい) 一時はパチもんの嵐だったこの作風も、結局また本家のみとなってしまったこと からも、今やこの手のを読めるのはシロマサだけ!というか。 俺ぁあのブリちゃんが無理矢理キスしてくシーンが好きでねぇ。 あのシーンは燃える! 単純な「国家間の対立、テロリストの主張」等・・わかりやすくて(設定) 分かり難い(展開)。 デュナンの相変わらず人付き合いの下手なところとか(ブリがいるからいいのか) ヒトミが結構大変なのに頑張ってるのとか、見ててなんかこうしみじみしてしまう。 いいねぇ(こればっか)。 しかしシロマサの仕事のうちこうして出版されているのは 1/3位なのでは無かろうか?膨大な下書き、アイデアノート、未発表原稿の山! 「データブック」にあったヒトミの受難、なんかももっと読んでみたい様な・・ 兎に角シロマサ作品は眼の保養。もっともっと読みたい!のである。 所で青心社以外から出ているシロマサのコミックってどれくらい有るのだろうか。 攻殻だけかしら・・2、とか出たんじゃなかったっけ。 うーむ・・・チェック能力落ちてる・・・ 先月は坂田靖子の新刊逃すしさ・・ もう僕もダメかな・・・ しくしく。 ではまた。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@

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