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近藤るるる
近藤るるる「黒蘭 3」/角川書店/2001/12/25
いつのまに出てたんだか。今頃発見して購入しました。
「そして、時は流れた!」みたいな。
いきなり成長して登場の黒蘭とカズラマル改めカズラ。
ぷに系じゃなくてアバラ系に持っていったあたりに作者の趣味というよりは
この次の進化形態が用意されているのではないかと穿ってみたり。
こういうの、やるの楽しいだろーなー、作者。なんか古典的大技を自分の作品の
上でドライブできてる喜びが感じられる。こういうのって地力が無いとなかなか
出来るものじゃない……
展開自体は変わらず「抜け忍モノ」というか、刺客と戦いつつ己を取り戻して、
というパターンの中にある。いずれ「上がり」としてのコクリュウへと向かって
いくのだろうが、その中でコクリュウの存在感も大きくなるのであろう。
その人望の基になっている、彼の思想とは?それが描ききれるかどうか……
物語展開上、読者の予想を大きく裏切る、という事はまだ無いんだけど、オチで
どれだけ読者を裏切ってくれるか、が今から楽しみなのだった
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(02/07/23)
近藤るるる「天からトルテ! 14」/エンターブレイン/2002/03/08
Episode242-264、最終回までを収録。
終わっちゃったなあ、としみじみ。連載期間は五年五ヶ月、というけど、
もっと前からやってた様な印象がある。間違いなく「近藤るるる」の代表作と
言えるだろう。毎週(買うにしろ立ち読みにしろ)ホントに楽しみにしてた。
引っぱろうと思えばいくらでも引っぱれただろう。だからこそ、こういう終わり方
しか無かったかも知れない、と思う。作者自身あとがきでも「機会があれば再び」
とも言っているし、まあ。「再び」が実現するにしろしないにしろ、「この先」
のドタバタへの布石、新人魔女っ子やサバランを放り込む事は忘れない。読者の
想像をかきたてつつ終わる、この辺がプロだなーと。
で、終了を予感させない前半のバカンス篇はおいしい絵の連続でナイス。オチに
使われる佐倉はどんどん哀れになっていくな……彼女自身が作者に愛されている
証拠か(誰にも渡したくないのだろう)。
何でもない話、として栗拾いの下りが印象的。魔女ッ子でもなんでもない、本当に
ただの話なんだけど、これが何かもう……駄目だー。こーゆーのにホント弱い。
或いは闇鍋話の、畳みかけのギャグとオチの柔らかさには、もう何というか。
この作者、本当に良い漫画を描くよな、と思う。今でも多少いびつな作風は見える
けど(それが個性であり魅力でもある)、この「トルテ」に関しては、週刊で、
基本的に読み切り、というスタイルからか、過度の作り込みのない、本当に「幸せ」
な漫画になっていたと思う。
何かを主張するのではない、何かを目的として達成しようと努力している訳でも
ない、ただそこにある、変わらない毎日。それでも毎回新鮮さを保ち、読者を引き
つけていた。トルテ達の魅力「だけ」でここまで来たのだ。キャラクター造形の
魅力、という、根元的な力を思い知る。
最近、全然「トルテ」なんて読んでなさそーな友人が、ファミ通めくりながら
「あー早く近藤るるるの次回作始まんないかなー」と言っていたのが印象的だった
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(02/04/17)
近藤るるる「天からトルテ! 13」/エンターブレイン/2001/09/11
Episode224-241を収録。
今巻もこれといった話は無いんだけど、まんべんなく面白い。
あ、でもサバランがトルテの様子を見に来る話は結構いい感じかも。
オチの「ほう…」とか、多少意味深。まー結局ウニにそれだけの魅力があるという
事なんだろうけど。ウニの方は、一時の佐倉との急接近ぶりも影を潜めている
感じで、うーん。やっぱ本命はトルテなのかのう(サバランの姿ってトルテの
成長後の姿と多少かぶると思える。ウニはサバランの「姿」を見て初めてドキドキ
している訳で)。
冒頭引っ張ったわりにあっけなかったメカトルテは、造形の拘りにちょっと
受ける。こりすぎだよシードル。運用コアントローに任せた時点で、詰めが(毎度
ながら)甘いけど。
すけすけクッキーは結局オチが佐倉かよ!違うだろ!そこはもっとこう!みたいな。
そろそろエクレアにもぎゅーっと泣ける話を一つ、と望んでいる
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(01/10/20)
近藤るるる「天からトルテ!×3」/エンターブレイン/2001/08/09
あとがきによると「ファミ通ブロスのトルテグッズの商品展開にあわせて」
描かれた作品。トルテ達が魔女界から人間界に来るまでの話を描く、「天トル
以前」の話。ページの開きが左右逆である以外に、本編との温度差は殆ど無い。
……ので、今回コレといって語ることもないんだけど、まーこの単行本
オリジナルの要素としては、やっぱりサバラン姉ちゃんでしょうか。うーん、
にのうで&ふともも!というか。彼女のやや太め、な体型は、この人の作品でも
珍しいのでは(筋肉太りの人とか部分的に脂肪付きのいい人は居るけど)。
トルテの母親のスラリとした造形とも違う、「優しさ」を形にしたような造形と、
何よりその慈愛有る思考パターンが、何か読者(つーか僕)の心のやらかい場所を
今でもまだ締め付けるっつーか。こんな人が近くに居たらいろいろたまらない
だろうなー、とか思ってしまう僕の妄想は兎も角、この姉がいたからこそ、今の
あのトルテがあるのだなーと思わせる、何ともいい造形。幸せにしてあげたい…
…けど今でも充分幸せっぽいし……みたいな。あー妄想妄想。
意図的に絵柄を変えてる感じが多少。絵柄変わったのかなー、と思ったんだけど、
ファミ通連載の方は相変わらずの絵柄だし。例えばp149-150のグラニテなんかは、
明らかに本編のキャラとは違っている。表情の出し方が違うんだよな。部品も
違うんだけど、それ以前に、雰囲気が違うというか。それは、やっぱり人間界に
来る以前のグラニテ、を意識した表現なのかも、とか思った、んだけど、でも
p50ヒトコマ目のトルテも微妙に違う気がするし……要するにぷに度が低い絵に
なっていて。人間界で太ったのかもー。
まー天トルファンなら買いでしょう。ファンじゃない人はまず無印の1巻から。
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(01/10/12)
近藤るるる「天からトルテ! 12」/エンターブレイン/2001/06/06
今頃書く奴。Episode206-223を収録。
バランス良く連中の日常が配されているというか。まぁ要するに「コレ」と
いった話の無い巻なんだけど、でも面白くない訳じゃなくて。性格が反対に
なる鏡の世界、の「反対」になる属性の容赦の無さとか、作者が「このキャラは
ここが特徴」ってハッキリ意識したキャラ造形をしてるからこそ出来る技だ
なぁと思う(ex.佐倉=乳)。それにしてもp29のグラニテ様の女王様っぷり。
エクレアの秘密サーチ話はやっぱりグラニテ様の秘密バレアセアセ顔(p98)を
拝む為に展開されたと思ってよろしいか。よろしいな!
巻末の吹っ切れたグラニテ様に涙した
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(01/10/12)
近藤るるる「黒蘭 2」/角川書店/2000/12/25
愛らしい少女の両腕を一刀両断。これが近藤るるるなんだよなー、という。
絵柄がこれだから余計にクる。それは「あんな」の頃からそうだったんだけど。
初期から黒蘭のデザインが腕を隠すようになっていて、この辺は当初からの予定
だったのかもなーと思う。どうだろう。
一見少年のカズラマルが女の子、なのもあの辺の伝統で、永遠の美学というか。
そういうのを意図的に踏襲しようとしている感じが好ましい。伝統にはそれなりに
意味があるのだ。ちゃんと「女装してまるで女の子みたい」な描写とかもあるし。
いや、でも、可愛い・・・
取り敢えず物語を構成するキャラは一通り登場したみたいなので、ここからは
コクリュウの圧制みたいなのと神鉄の太刀の完成、黒蘭の復活/復讐劇が平行して
描かれたりするのであろう。ハクサンボクのその後とか。
「精鋭」を倒すことによって戻ってくる感情。感情が戻るのが単純に「良いこと」
でも無いのかも、という下りが重い。2巻現在欠如している(と作中で言及されて
いる)「怒り」や「恐怖」(そして多分「悲しみ」)が戻ったとき、黒蘭はまだ
戦い続けられるのか・・・個人的には今の「どことなく感情が欠けている」感じが
何かちょっと不気味だけど、好きだったり。天然っぽいし。
ツワブキの真意も気になるし、良いヒキだ。物語の作り込み度合いからいって、多分
最終回までの線引きが出来ているものと推測する。それが故のヒキの巧さ。
「トルテ!」とかとはまた全く違った、「漫画」そのものの巧さを感じさせる。
我が儘を言えば、背景世界の観光をもっとさせてくれても、という。もう少し設定を
表に出してくれても良いのではないかしらと思うのだが。
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(01/04/18)
近藤るるる「天からトルテ! 11」/エンターブレイン/2001/04/06
何となくグラニテ活躍編、みたいな気もする11巻。
いや読み返してみたらそうでもなかったんだけど、やっぱそういう印象。
気苦労が耐えないからな。
長い話がない分短編で各キャラの味わいを引き出していて良い感じ。
ただ佐倉とウニの間の距離がまた妙に安定期に入ったというか。この辺で
また波乱が欲しいところではある。ってこの感想何回目だ。
でもまあ、この漫画の位置づけを考えれば今のままでも良いのかなとも。
ファミ通という(基本的に)活字媒体の中で、アイキャッチとしての役割を担う
漫画だから、その意味ではピンナップ的というか、ぱっと見て目が止まる様な
要素で組み上げられているのは当たり前なのだろう。その上で、キャラ漫画として
如何にキャラの魅力を引き出してみせるかという所に(ちゃんと)重点が置かれて
いて。要するに「萌えてナンボ」という構成。実に気持ち良い。
それが何かを語っているとか、何かを問題提起しているとか、そう云うのでは
無くて(まあ読みとり様によっては幾らでも切り口は有ろうけど)兎に角
魔女達の愛らしさと、一癖有る登場人物達の、それでも基本的に善良な人間関係と、
そして「魔女」故の独特の闇とをバランス良く配合して見せている、という。
後々に評価されることは少ないかもしれないけど、単純に読者として愛すべき漫画。
・・・なので
p52のグラニテのうなじ萌え〜!!
とか
p150トルテの「いいなあ かわいいですのー いいなあー」喋り超萌え!
とか
p116からの髪の毛おろしたプディング激萌え〜!!
とか
そういう感想を吐くのが正しいのだ。もぇもぇ。
ていうか巻末解説が見事なのでこっちはもう言うこと無いです。どんな漫画の感想
書くときでも、こういうの書けたらいいなあと思う。
萌へまんが絵的には最高のレベルだと思う。模写してるとシアワセ。
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(01/04/02)
近藤るるる「天からトルテ! 10」/エンターブレイン/2000/09/06
p95、3コマ目。ぷくれる星歌に悶絶。
そしてp144で思わず「うっひゃあ!」と声を上げ手を叩いて大喜びする26歳男。
もーこのマンガ「萌え」だけ。ほんとそれだけ。それだけで読めるしそれだけで
十分楽しい。もー模写しまくり。顔ばっかりだけど。顔マンガだよなホント。
ホント、「いい絵」だと思う。崩れないし・・・
今回問題の「ウニから佐倉への歩み寄り」が見えて、この後も結構尾をひくん
だけど、まー連載が続く間はこんな感じのままなのかもしれん。
巻末「基礎知識」は今回も充実してて良。他人の視点を加味してまんがを読む
楽しさを味わわせて呉れる。
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(00/09/28)
近藤るるる「黒蘭 1」/角川書店/2000/05/01
今月の見せましょう、近藤るるるの「どろろ」。
失われたのは体の一部ではなく心の一部。
「宮処」の新王が放った「精鋭」と呼ばれる剣士達を倒し、彼等の持つ
「魂鋼」の刀を取り戻すことで、心を取り戻していく、という・・・
心を失ったのは12歳の少女、黒蘭。そのお供にどろろ、じゃないカズラマルも
ついてるし。あと小さい女の子をつれた医者とかも出てきたり。
個人的に近藤るるるの漫画にはその絵の愛らしさ以外には
特に何も求めてないんで、まあその意味ではこれも十全の出来。
黒蘭のほえっとした造形は流石。
今は感情が欠落しているからか割と大人しい表情だけど、これが
心を取り戻すに従っていろいろな表情を見せるようになるのかと思うと
それだけで十分楽しみなのだった。
ではー
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(00/05/08)
近藤るるる「天からトルテ! 9」/アスキー/2000/03/08
p9のトルテの笑顔!p66の「きょるん」のグラニテ!
相変わらず「ここぞ」という所で決める絵をきちんと決められる腕は流石。
(グラニテに関してはp61の押しの弱いグラニテがいっとー好きだが)
p13の寝倒れたプディングも捨てがたい。
やっぱ良いなー。良いわ。もー絵の力が凄いのよ。愛らし過ぎる。
このままどこまでも走り続けて欲しい気はする。
p126/127の佐倉・ウニの「関係」を暗示するような描写は結構後々まで尾を引いて
いて、こないだなんかウニが佐倉の家に訪ねていったりしてて結構行き来が有る感じ。
でもってその状況に慣れつつある佐倉。いいのか!?って何まんが読みながら
煩悶してますか>自分。
扉の美葉とエクレアのカットが凄く良い感じで、ああ、羨ましい・・・
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(00/04/25)
近藤るるる「天からトルテ!8」/アスキー/1999/10/06
うぬー。なんか新刊出るたびに買ってしまうのもどうかと思うんだけど。
やっぱ絵の力がなー。物語に一貫性を出しにくい所が(その仕様上)あるから、
もうキャラ立ちだけで物語を引っ張っていくしかないんだけど、それが滅法巧い。
一回キリのキャラ麻田陽子さんなんかもちゃんとキャラの作り込みがしてあって
そういうの(キャラ造形の作り込み)好きなんだろうなぁというのがよく解る。
魔女っ子達にしたってそう。似たような等身、似たような服装でも
(特に今巻集合シーンが多いだけに)ちゃんとキャラが解るあたり・・・
所で最近佐倉さんが妙に気に入ってしまって。あの盲目的性格がたまりません。
多分周りからみてたらフェロモン出しまくりで鬱陶しい女なんだろうけど。
女性化したウニの造形の巧さも光る。
何にしても今巻はやっぱり対天使戦の始まりたる恐怖の大王編での
各アクションの決まり具合でしょうか。p108の「キッ」て停まるコマとか、
p140-141の船長・ジムシィ於ギガントごっことか、いちいちの「アニメ的」
絵がたまらない。作者の日アニ素養が伺われるのである。
あと邪悪なジト目トルテに一票。
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(99/10/14)
近藤るるる「天からトルテ! 7」/アスキー/1999/07/07
相変わらずイイ。イイとしか言いようがない。
・・天トルを下手に褒めるとまたぞろ「ロリ野郎」とか
罵声が飛んできそうですが。でもイイもんはイイのだ。
今巻は個人的に給料の使い道ネタが好き。アレでトルテのキャラ立ちが
さらに強くなった。ああいうベタベタな「ええ話」にはとことん弱い・・
デートの話は結構良く出来てると思う。お供の動物の人間化した姿も
結構サマになってるし、ていうかココア可愛すぎ。声は小桜エツ子で
決まりでしょう。駄目?・・ああ、そう言えばドラマCDとか有ったね・・・
一度聴いてみたい気も。
あとはやたら状況に流されるグラニテ(様)が最近滅法好きです。
まぁそんなに重みもないし、何よりコメディが基本。
安定した絵の可愛らしさを愛でればそれで良し、でせう。
これが近藤るるるの作風な訳でさ。漫画として云々、はこの際いいじゃん。
(<何か不満があるらしい)
星歌の出番が少なかったのが多少辛い
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(99/07/18)
近藤るるる「天からトルテ!4」/アスキー/1998/07/07
P61に尽きる。
以上。
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・・・とかで終わってしまうとあんまりなのでも少し書きますが。
マカロン良いですね。こういうキャラ、好きです。
飼うんだったらマカロンが良いなぁ、とか思う。
そんで弁当にジャムパン入れて泣かす。
初期の前髪が揃ってない頃のマカロンもいいなぁ、とか。
もうマカロン萌え萌え状態。
先週辺りのファミ通の展開も良かったしさー。
佐倉との関係を軸に話を組んでくれても楽しめそう・・
正直連載が始まったときは「あー、編集部ものまたやるのね?」的不安が
有ったのだけど(コースケ!、が、あんまりにもアレだったんで)、
このシリーズは虚実の混ぜ方が、かなりイイ感じだと思う。
微妙な線ではあれ。
ただ、ファミ通読者がこの作品を読んで得た感想と、
ファミ通の読者じゃない人の感想に、もうそれ程差は無いんじゃないか、と。
星歌の初登場のシーンの擬音「パルン」の出典が気になる
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(980717)
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