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ながいけん


Nagai Ken

ながいけん「神聖モテモテ王国 6」/小学館/1999/12/15


「自分を信じてごらん?」

「さあ・・・ほくそえんでごらん?」

「勝つけど?」

なんかもうTの字の野郎の魅力大爆発。純粋悪としての存在感がスゲー。
ターンTとか。


使徒の口から、或いは大王の映像から、チラリと「何か」が見え隠れするが
だからといって何がどうなったわけでも無し。


「さてさて・・・今週はどんな不幸を」
「アホア」

・・・駄目だ。何を語っても虚しい。どこを抜き出しても意味がない。
間違いなく面白いんだけど、その面白さを伝える言葉を持たない。

この作品の前に言葉は無意味だ。ただ感じるんだ。そんな。


「おれはこの扉を選ぶぜ!」
一見シチュエーションギャグだが、真体は純粋ギャグ。
その場その場で考え得る最高の「ズレ」を選択し続ける。
全く表情の見えない作者の裏に、だが胃に穴のあきそうな労力を感じる。
それとも、生得的にこういう「センス」を持っている人なのか?


「進めたら前人未踏の世界にたどり着きそうだ。」
作中漫画「供えガイ」と本編の間に、基本的な違いが全くない所に
この作品の恐ろしさがある。様な気がする今日この頃。

「どういう事なのだ。作戦中である、不明瞭な会話はやめよ。」


感想書きとしては、敗北宣言をせざるを得ない。まいりました。
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(99/11/29)

ながいけん「神聖モテモテ王国 5」/小学館/1999/06/15 何かそのうち第二部も始まってしまって、まぁいいや的第5巻。 あんまり細かく言及してるとこっちの頭まで健康になって しまいそうなので、ベストのみ。 やっぱ第15話「健康生活週間」(p137)からが ベストかのう。こういう中途半端にパロディやってくれた方が 個人的には笑いやすくて(やすくて、に傍点)好きだ。 あと恋愛大将の男らしさに乾杯。 トーマスマークの間が妙に好き。 以上。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/08/26)
ながいけん「神聖モテモテ王国 4」/小学館/1998/07/15 ブタッキーの台頭とキャプテントーマスの登場。 以下略。 連載時に毎週「読んだか」「読んだ」話をやってると、 単行本が出ても何も言うべき事が見つからないと言うか。 もう無理矢理感想をひねり出そうとして可笑しいところに ポストイットを貼ってたら殆ど全ページになるのでやめた。 大体歌で受けてる感じ。 何十回読んでも「軍人軍人軍人軍人」(p109)の部分で悶死してしまう。 ・・・漫画なのに文字部分で最大の笑いを感じてしまう辺り、 この作家の特性が出ているとは言えまいか。 実際、この漫画の可笑し味というのは、須くその「文字」によっているとも言える。 絵単体ではとてもじゃないが笑えない。「そういう」タイプじゃないのだ。 非赤塚系というか(勿論、先ず絵有ってからの文字なのだがその辺は置く)。 その言霊の影響力・浸透力の大きさは測り知れず、読者の語尾には自然と 「にゃー」「じゃよ?」が付けられてしまうという。 美女を「高熱源体」と呼称し、絶対のピンチには「だめだあー」を叫ぶ。 「さて、ジェントルマン諸君・・・残念な事実がある。」 とか結構使ってしまうよ。 ・・・寧ろこの作品について語る場合は、ひとしきり爆笑した後に始まる 元テキスト解析について語るのがより有意かも。 例えばP122の「サムソンティーチャー」とは誰か!?キン肉マン?とか。 何せ、ガンダムネタの総合的理解のために劇場版3作品の上映会を開いた 連中を私は知っている。 毎週各々の知識を動員して解析を進める様が全国で繰り広げられているのでは。 こう、ネタの拾い出し具合が絶妙なんだよな・・・三国志とか。 ゴッドファーザーとか。ガンダムとか。軍人とか。 もう・・なんか・・・解析したくなる・・・ 常に元テキストの存在を感じさせる台詞回しは、「パロディ」という 懐かしい単語を思い出させるのだった。この熱気は「あ〜る」以来の事かも。 雑誌立ち読み時の受け度合いとしては・・・ 二枚目ハーンの下りと、策士溺れる辺りだったか。 あの辺最高に受けた記憶が。たたみかけのギャグに弱い・・・ 後はやっぱりp172「わしの大事な洋服が清原のユニフォームに−」ですかね。 ギャグ漫画は三読に耐えないと良く言うけど、この作品は再読必至。 ただ、初読の時は爆笑するけど、再読以降は笑いの質が多少変わるのも確か。 じわじわと来るおかし味というか。 そして更に他人との対話によってパワーアップ。 互いの「笑いのツボ」を交換し合うことでより笑いは拡大されていく。 (笑いのツボは伝染する・・・) ・・・どうでも良いけど、ブタッキーみたいに激おたく風体でその実おたくで エロゲーマニアなのに彼女が数人居て取り合いに・・・という奴(現某市役所勤務) を知っているので、その辺ファーザーのやるせない気持ち及び深田君の 諦め気分(本物だ・・)は良く分かるのだった。・・・・くそう。男と犬は敵だ! 「よくさがせ」の元ネタ分かる人情報募集。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/01/13)
ながいけん「神聖モテモテ王国 3」/小学館/1998/03/15 「センチメンタル。」 ファーザーが歌っている歌については ・フランダースの犬(p151) ・アルプスの少女ハイジ(p167) が確認されている。また、このパターンで後に あらいぐまラスカル(ハイリーハイリーレッチューラスコー) も見られる。 既に「第一部・完」を迎えてしまった我らが聖典だが、 コミックスは後2冊くらいは出るんじゃなかろうか。枚数的に。 で、3巻。 この辺はもう連載期間中一番ノってる時期だと思うのだが どの回読んでも妙に笑える出来ばかりである。 特に10話「教団の戦い」の狂気的笑いは 拙者を仮死状態に至らしめた。 「汝はだめだ。汝は敵のくせに。」(p79) 「ううーことさらにくやしー」(p80) 等々名台詞目白押しである。 いやそれを云うならこの巻全体がその手のイカした台詞の宝庫なのだが。 「店主、コーヒーってなんだ?」(p101) は最早神業の台詞。何十万回読んでも此処で爆発的に吹き出してしまう (昔のながいけん調に云えば「ブウ!」というアレだ)。 状況の妙さ加減とそこに流れる緊張感、 そしてそれを一撃で破壊するファーザー もとい新スパイ大作のこの発言。 完璧だ。一分の隙もない。 然しこの巻のラストのショッキングさはどうだ。 サンデー誌上で読んだときも可成りのショックだったが、 (当時、仲間内では 「次回の展開はどうなるか。以下の内から選べ   1.何事もなかったかの様に、今まで通りの展開が続く。   2.出ていったファーザーとオンナスキーの各視点で別個に展開が続く。   3.「別のオンナスキー」とファーザーの物語が何事もなかったかの様に続く。   4.モアイに乗って宇宙に帰る。   5.・・・」等と言った話で持ちきりであったのを今、思い出した。) 斯うして巻の終わりにレイアウトされると(当然狙った配置だろうが)、 本当にインパクトが強い。何のマンガかと思う。 ・・・あとどうでも良いことですが、最近「翔丸」読む機会が有って、 そんで気付いたのだけど、ながいけん漫画に出てくるヤクザ系のひとって 能條純一なのな。今更だけど。「・・・・くっ。」 次巻は更にイってしまった展開が目白押しだ。特に三国志ネタ (まだ入らないかな?)。策士溺れる。とか。 刮目して待たれよ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/03/02)
ながいけん「神聖モテモテ王国 2」/小学館/1997/8/15 我らが基本の書。その完成度は芸術的でさえある。 デビル教団遂に登場。その首領アンゴルモア大王の特異なキャラクターは あの「チャッピー」の復活を思わせる。特に悪手帳の下り (p49「こんにちは 悪の者だが」)は、あの名台詞 「ババァこんにちは 悪の者です」を思い出させるではないか。 然もチャッピーには無かったかっこいいポーズまで身につけているとは。 「見よ。このポーズは前面には敵なしといえよう。誰もが畏怖しよう。」(p111) 兎に角読んで吉。 読まねば死。 今巻中最大の名台詞は矢張りp115 「遠い宇宙の果てから光に乗って次元をこえて彗星帝国に拾われた  バスカービル家の勇者ファーザー・ド・グランバザールOK?  生き別れの息子を求めての大気圏突入は古今例のない事である。」 であろう。 もう馬鹿すぎる。100回は笑った。 この台詞だけ見ても解るが、この2巻の時点で作者の嗜好が二つ、 大きく現れている様だ。・・・だからどうって訳じゃないが、 妙にこだわってて、それがまた変でオカシイ。 一つはガンダム。ララァならわかってくれるよね? もう一つは探偵モノである。嘗て名探偵ポアポア卿を世に送り出した作者の、 古典推理物好きが良く出ている。特に巻末の大傑作、 第20話「名探偵ファーザー」は全くそれであり、「ザクの犯人はシャア」で 日本中の100万読者を昇天させかかったのは記憶に新しい。 ローソンで立ち読みしてて、もう死ぬかと思った。 然しブタッキーの下りは結構長かったのだなぁ。忘れてた。 さあ高らかに「誰がためにファーザリオン」を歌おう。 うさぎ追いし耳ロケット こぶな釣りし手ロケット 永遠MNO隊員 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/07/25)
ながいけん「神聖モテモテ王国 1」/小学館/1997/2/15 きらめく何か 今や我々にとって基本の書なり。聖典とも言える。 読んだことのない方はサンデーなどで立ち読みなさってみて下さい。 単行本を手に取ること必至。 聖典な割に感想が遅れたのは 毎日のように友達と「モテモテ」の話をしていたからわすれてたんじゃよー。 いや顔を合わせるとモテモテの話。こんなの「あ〜る」で騒いでた 中学生の頃以来だ。 内容は 解説不能。 分類としては宇宙系ギャグマンガ(主に言語操作)。 往年の天才漫画家ながいけんのギャグセンスが時代を超えて此処に爆発。 もう他の追随を許さないと言うか追随できねぇというか。 凄すぎる。(この「〜すぎる」もながいギャグが最初期だったと記憶する。) 昔森住のブックセンター(香川)で読んだ「まんがファンロード」って雑誌で ちゃぶ台囲んで丸狩りと宇宙人?なファーザーがモテる計画を練る、 という漫画を読んだ記憶がありますが、それからもう何年になるのか・・・ 確認を求む。 ながいけんの過去を知る者は伝導して吉。ただしあんまりやりすぎると凶。 何かにつけ「やはりだめか」と苦悩する深田君だが、それでもファーザーに 頼らざるを得ないあの性格は一体何を暗示しているのか・・・実は深い裏設定とか 有ったらやだけど無いに違いない。 奴の弱点は目だ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/03/24)

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