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吉崎観音


Yosizaki Mine


吉崎観音「ケロロ軍曹9」/角川書店/2004/08/10

アニメからのフィードバックが顕著になってきている様に感じる。
特に夏美の体型と小雪ちゃんのキャラ造形に。
単行本で読んだ話がすぐにアニメになっちゃうのもナンですな。
いや、「アニメ原作」としか読めなくなってるのは少々辛い。やっぱり吉崎観音の
「マンガ」ならでは、な所を(読者として)読み込んでいかなければ……
その余裕が、今は、無い感じ。

ま、それはそれとして、この巻で印象深かったのはクルルと623の出会いの下り。
ちょっと懐かしい空気が描かれていて、なかなか良い感じなのだった。
こういう、屋上に行きがちな人たちの気持ち、っていうのかな、ひとりぼっちで
屋上で焼きそばパン食べたいような気持ちをキレイに描いていて。それが
思い出の中で展開しているのもいい。

嫉妬ショットォ!も結構「いい話」テンプレで良い感じだった……
「蛇の目でおむかえなんてすさんだ家庭もいいとこですぅ」とか好きだ。

あと水濡れ夏美に興奮する小雪ちゃんとか!いいよね!

73話の夏美の服(とジョン・トラボル瞳にドキーン!のコマ)がかわいくてならない
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(2005/03/06)

吉崎観音「ケロロ軍曹8」/角川書店/2004/03/27 夏美の弱点を見て頷く軍曹の顔がたまらん。 ウェットルマンの造形も神秘的だ。 63話の電力不足ネタとか今読むと懐かしいな。懐かしい、とか言ってられるのもまた この夏までの話かも知れないけど。東京電力(でんりき)総合中央発令所の下りは 軽いジャブなのに妙に受けてしまう。電気のない世界での夏の過ごし方。時事では あっても普遍的に通じるネタで、お色気もあり、密度の高い一本。 あと65話の不良品バイクの下り、山の中での故障とか、ああ、聞く聞くそういうの、 的なリアリティがあっていい。心細くなっていく下りもうまい。シナリオが良いん だなこれは。ページ数はなくても印象深い作品。 67話地球動物兵士化銃の回はなんと言ってもp126。いやあ〜ん!!。たまらん。 たまらん……!この1カット、好みすぎる。パ〜ン。あああ。うは〜〜。 微笑の象もたまらねえ。 いや、やっぱこのパンダ。この巻はこの1コマに尽きた。はあー。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (2005/03/06)
吉崎観音「ケロロ軍曹7」/角川書店/2003/10/01 かえってきたドラえもんで始まる7巻は、新キャラ小雪ちゃんの登場でいっそう 賑やかになる予感。最初の数コマはキャラ造形に迷いがある感じだけど、p23で 垂直三回転宙ひねりあたりから一気にキャラが立ちまくる。そしてネコ口担当+ おぱんつ担当としてさらにキャラ立ちは明確に。ええ子や〜 そして軍曹の5人目の仲間も。 ゼロロ改めドロロの、そのトラウマから立てたキャラってのも面白い。この作者 ならではの繊細な感じがあって好きだ。キャラ立てには弱点が必要というが。 アサシンに鑑定眼力とか燃えるよね(「ね」は禁止)。 556とラビーの話も印象深い。なんかこれ読んでからカラーボックスとか見る たびに556のセリフを脳内再生してしまうよ。ラビーの造形も556に負けずに「濃い」 んだけど、それを超えて尚かわいいというのはこの作者のかわいい力の賜物。 今巻は全巻に増してサービスカット満載。読み応えもあり。 ああ、それにしてもママの必殺「愛のスペシャルホールド」にはかかってみたい @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (2005/03/06)
吉崎観音「ケロロ軍曹6」/角川書店/2003/02/01 今回は解らないネタが多かったです……。 「解ってない」ってことは解るんで、なんか悔しいー。 モトネタサイトとか行ってもイマイチ掴めなくて……不勉強を痛感する。 まナニハトモアレ楽しけりゃそれで良し!とは思う。ので例によって巻頭から ダラダラと感想を書いていきたい所存。こんなですいません。 ■第46話 東京日向家之怪宇宙人!!…の巻 宇宙刑事モノパロディ。最早読者の想定年齢は20代後半以上となっている感がある。 最近特にそんな感じ。若い衆がこれを読んでどこまで食いつけるモノか(宙明節、 って言われても反応できるかどうか)。だがこれくらいの「突き放し」に食いついて 来なければそこまでの読者と言うことでもあるのか。個人的に「どゥーッ!」って 声の表現がスキだ。ネタ自体は「宇宙刑事パロ」なんだけど、p29でマスクつけた ままコップの中身を飲み干す何気ない下りとかに「らしさ」を見る。 ■第47話 緊急指令!K66降格命令!?…の巻 一読者としては単純に腹を抱えて笑えるんだけど、ちょっと心配になってしまったり した。モトネタ深すぎませんか。タママの「隊長キャラ」の混同とか「デザキイッ」 のコマの「遊び方」とか……一定年齢以上のオタじゃないと何が何だか良くわから ないまま終わってしまうんじゃ無かろうか。いや面白いんですよ、「なに?それは まちがいよ!!」とか。あと個人的にp51で落とされたギロロの顔の位置が気に なった。 ■第48話 蛙vs夏美水中大決戦!!…の巻 これはいろいろな意味で今巻最高の傑作。オタネタじゃない方面(共通体験ネタ) できっちり仕事をしている感じ。ていうかギロロがもう最高です。物語展開も 起承転結見事で教科書的な作品。 ■第49話 海底探検機器遭遇!!!…の巻 冬樹のキャラが異常に立った回。「変な子っ」という感想がステキ。 「対消しゴムのカスコーティングCDケース」とかスバラシイ技術だと思う。 海底ネタはどことなく海底奇岩城を思わせていい。こういうの読むと、対象読者の 年齢想定、低そうに見えるんだけどなあ……ノントルマの彼女は今後展開に絡んで 来るのだろうか。 ■第50話 祭対決!鉄人vs宇宙人!!…の巻 ママ十二歳萌え!以上ッ!と思ったけど祭ネタがこれまた良く出来ていて楽しいの だった。あ、あとこの回は「ガ一號涙唄」があったな。ここでイキナリ藤子濃度が 跳ね上がるという。密度高いな……びゅんびゅんびゅんのざんぶらぶん。 モブシーンの隠れキャラも楽しい。 ■第51話 迷惑千万!曹長伝説。…の巻 クルルキャラ立て回。なんか尺が短い。モアちゃんは確かに怖い。 見所は呼び鈴の音か ■第52話 人情一途!伍長伝説。…の巻 弁天の鎖みたいな話。あれは鍵だったか。 ベルトがないと髭を切られた猫みたいなギロロ。 お約束とは言え大丈夫なのか。 ■第53話 史上最小之侵略。前編…の巻 さようならドラえもん、みたいなものか。連載読んでないからなー。 ……ふー。流した流した。とりあえず。 然しこう……ぱんティラの枚数が増えてませんか。アイキャッチが必要だって 事なんだろうけど、危機感とかあるのかなあ。いや僕は嬉しいからいいんですが。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (03/09/02)
吉崎観音「ケロロ軍曹 5」/角川書店/2002/06/01 なんかいい年して発売日に速攻ゲットしたくなるマンガ。 物凄い勢いで爆笑しつつ読了した後更に256回位再読して、週末にもなればマンガ 読みの友人と「読んだか!?」「読んだ!」とか言いながらケロロ話で夜が更け たりする。そういうマンガ。「フロナガン機関だって!プププー!」「DAKARAは 兎も角季節の芝生かよ!」「ジュマンジかよ!」「モンスターかよ!」みたいな。 小学生か>自分。てな訳で、その辺はやり尽くしてしまったのでちと感想が 遅くなってしまいました(言い訳)。 キャラの立ち具合だけで話が展開してるよーな安定感。その分マンネリになりがち なのがギャグマンガの辛いところで。「シクシク訪問録」の偽芸人達のキャラ造形 を含めたギャグが今巻の最高潮というところでしょか。いや笑った。15cmくらい。 あの辺の掛け合い(小さなアリの穴から…巨大なダムが崩壊するかのごとく…)の 可笑しさはニニンがシノブ伝を思い出す。というかシノブ伝を読んでると強烈に 吉崎マンガが脳裏に浮かぶんですが。同じ目をしてるんだろうなあ…… 温泉も運動会も誕生会も双六も桃華パパもドッペルゲンガーも、どれも良くできた 話だったけど、全体的に似たようなテンションの中、今巻「コレ」という話を 上げるとすれば、自然に巻末の「閑話休題、只前進!!」に目が行ってしまったり。 単行本の中にちゃんと一つはポイントがあるというか。緩急だよなー。世の中全て。 このクソ暑い昨今でさえ、この話を読んでいると、そのの後半になっていくに 従って、「もうすぐ春」の、あの独特の季節感を身体で感じてしまう。 何かが始まりそうな、動き出せそうな予感。最近は季節さえ感じなくなって 久しいけど、学生時代は春になる度にこんな気分に包まれたものだ。 それはそうだ。自分が望まなくても、外的要因によって「毎日」が否応なく 変化していくことが当然だったから…… 人間は元々「オートメーション化している日々」を自分から作り出して、そこに 安住する生き物だけど、それにふと息苦しさを感じて、そんな時に「この道通った 事無いなあ、どこに繋がっているんだろう」とか思って、そのままフラッと行って しまう……ってことは、人生の中で時々ある。その感じを非常にうまく捉えた 傑作。 春を前にした3月の日曜、その空の色、風の温度、周囲の音、全てがこの白黒の 絵の中から感じられるた。オチの明るさ、明日へ開けていく様な明度は、何というか もう、ひどく懐かしく、切なく、美しいのだった。 侵略テーマSFとしての立ち位置も失っていない。その辺の危うさが5巻になっても 維持されてるのは流石。かなり懐柔されまくってるけど。現状を良しとしない 赤い奴が結局一番懐柔されてたり……あー、ギロロの恋に未来は有るのか…… モア殿の女子高生プライベート白書熱烈希望。でも生ROMはなー。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/08/06)
吉崎観音「ケロロ軍曹 4」/角川書店/2001/10/01 やっと買えたヨ。てゆーかAmazonで買いました。売ってネーヨ。 いつもの通りの、いつもの内容。地球征服に来た侵略宇宙人としての「怖さ」が ほとんど消えて無くなってしまっている辺りに、逆に不安を感じてみたり。 いや単純に面白がって読んでは居るんだけど。 相変わらず細かいギャグでクスクスと笑わせられる。オタ的記号の配置のバランス 感覚がイイんだよー。浅かったり深かったり。いちいち心の中で突っ込み(ウイグル 族長かよ!然も胸にオリオン座かよ!とか)入れながら読んでしまう。パイルダー オーフ!!とか笑ったよもー。個人的には、ケロロの歯痛に転がり回る描写と、 モモッチの髪とポールのヒゲが刺さってるタママの描写は、何度見ても妙な笑いが こみ上げて好きだ。 然し読めば読むほどスゲーよこのマンガ。コマ配置や見開き/裁ち切りの使い方、 背景の入れ方に至るまで、マンガの教科書的な完成度。物語の緩急の付け方、 シメの鮮やかさも見事。プロの仕事だよー、ってプロなんだけどさ−。スゴイ。 今巻ベストは矢っ張り参拾参話のおもちゃやの話、かなー。 オモチャ屋に向かうときのあの思わず足早になってしまう気持ちとか、もーすげー 久々に思い出した。あーそうそう、昔そうだったよーとか。こういう所がこの マンガのイカス所。ちょっと前まで自分も「そう」だった「男子」の感覚を思い 出させてくれる。懐かしい、っていうか、あーいつのまに(以下俺語りの為削除) クルルに噛みつくケロロのテンパった感じと、ラストの何とも言えない空気感。 たまんねー。ホント、イイマンガだよ…… ポール始めキャラ作りの面白味も遺憾なく発揮されて、兎に角安定して面白い。 勿論723殿もモアちゃんもエッチ&カワイイ限りで言うこと無しだ! ポールに乗って。の巻、はあの短編が如何に素晴らしいかを再確認させられた。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (01/10/16)
吉崎観音「ケロロ軍曹 3」/角川書店/2001/03/01 このマンガ大好きさ。まだマンガを読み出したばかりの頃に帰った気分で、 純粋に楽しめる。昔「吉崎観音」に(勝手に)感じていた「内輪」意識は完全に 無くなった。プロの作品を素直に愉しんでいる感覚。 実際この無性に懐かしい感じは何だろう。タッチが藤子Fを意識しているから (元々藤子タッチでは無かったと思う・・・意図的なものでは?)とか、そう言うん じゃなくて、もっと根元的なところ、漫画の、読者に対するスタンスが懐かしい、 のかな。兎に角読んで幸せになれる。快不快原則だけで練られているからか、とも 考えるけど、そこまでドラえもんでも無いし。あー兎に角面白いんじゃあー。 てゆーか感想なんか書けませんよ。批判的に読めないもん。取り敢えず夏美萌え〜とか ママ萌え〜とかモア殿萌え〜とか言うしか無いじゃん(他に無いのか)。大体今巻の テーマは「女の子」と作者が折り返しで言ってしまう程に女の子な感じだし。 今読んでて思ったんだけど、こういう「家の中」でのシーンが多い漫画って久々かも。 夏美なんかしょっちゅう煎餅食いながらテレビ見てるし。最近これくらい家の中でのみ 物語が展開する作品って滅多にない気がする。いや、拙者インドア派だから、読んで ると妙に安心を憶えて。何かホッとするヨ・・(でも侵略テーマの宇宙人SFマンガ。 地上を三回焼き払える爆弾とか持ってるし。この辺の一皮むけば下は恐怖、みたいな 所を今後どう展開するのかに期待) 物語の展開がオーソドックスに徹している所もなんかホッとする。下敷きに なっている「物語」(或いは作品世界)は基本的に目新しいものではなくて、むしろ 「こう言うの子供の頃良く読んだなー」とか、そういう「お話」。でもその上に 乗っているのが必要以上に濃い小ネタ(*1)だったり、非常に可愛いキャラだったり、 という所がツボ。物語がオーソドックスであるが故に、逆に引き立つという感じか。 巧いバランスだと思う。 (*1)p21の「盛り上げダ〜〜ンス!!」「も 盛り上がれ盛り上がれ〜〜」とか、 p171の「お嬢様がなぜ高速回転を!?」とか、いきなりコサキンで来られるとは 思わず。「女が待ってるんだ(実は犬)」とかああいう後ろでごちゃごちゃやってる ギャグもテイストが濃い。 テンションの盛り上げ方の丁寧さもイイ。作品中最大の興奮度を持つと思われる 「夏美全開御宝奪取作戦」も、いきなりガツンと来るんじゃなくて、じわじわと 盛り上げていく。この滑らかさこそプロの技。この辺が安心して読める理由か。 等と分析めいた事を云いつつ結局云いたいのは「オモシィレェ〜」という事で。 ・番外編の「すもも上等!」は、雰囲気がもう実に「アン子大いに怒る」っつーか。 やっぱ僕が気が付かなかっただけで、この人の根っこは藤子(F)なのかなー。 そんな感じ。云うまでもなくオススメ。是非買い。 おしえてえらいひと:p138「球に乗って」ってモトネタアリ?死環白って? @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (01/03/29)
吉崎観音「ケロロ軍曹 2」/角川書店/2000/07/01 丁寧に詰め込まれた、ちょいマニアックな笑いが実に良い。読者にちょっとだけ 背伸びをさせるバランス感覚が巧いのだ。読んでいて(マニア的な)自尊心を くすぐられる感じが気持ち良い。いい仕事してますねと言わしめる出来。 下らないギャグをメいっぱい詰め込んで、これでもか!と笑いを畳みかける そのサービス精神の旺盛さには本当に嬉しくなってしまう。 絵柄の力も大きい。吉崎/あかつきのあのかわいやらしい女子の体型(というか ライン)はもとより、ケロロ軍曹等のあの造形の確かさ、ユニークさはかなり 魅力的だ。きっちり描き込まれた背景も好感度高い。p96で舞踏会の中へ去って いく軍曹の、あの背景のくだらなさ! その確かなデッサン力で描かれたキャラ(可愛い女の子とか無骨な侍とか筋肉 モリモリのストライカーとかカエル状の宇宙人とか)が、それぞれの場所で ギャップのあるボケをかます、この可笑しさ。美人がボケるとそれだけで笑いが 取れるという卑怯さは、嘗て星里もちるによって指摘された通りである。 シュワルツェネガーが無表情でギャグをかます可笑しさとか。玄哲のオカマ声とか。 そのテのギャップを利用した強烈な笑かし力がこの作者には有る。 てゆーか読者として連戦連敗? で、まあ取りあえず男子は買っとけ、と。てゆーか時事ネタ多いから今読まないと どんどん辛くなるってゆーか。今が旬ですよ!まさに! あー、宇宙十兵衛も出るのかー。どうせ前回の単行本じゃ未収録の奴とか有るん だろうなあ・・・買うしかないのか。 好きなキャラはタママ(可愛い時)。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/07/26)

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