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いがらしみきお


Igarasi Mikio
いがらしみきお「ぼのぼの 24」/竹書房/2004/02/07

「すべてはゴミ」「さびしくなる瞬間」「プレゼント遊び」「置かれた魚」。

久々にストレートなネタで迫る24巻。この作者には語るべき事柄が幾らでも
あるようだ。うらやましいというか、因果な、というか。笑うネタは殆ど無く
ただ考えさせるテーマと、作品世界内での結論が描かれる。
まっとうなテーマにまっとうな回答、という、それが良いのか悪いのか。

冒頭、モノが増えすぎて、しまう場所が無くなってしまったぼのぼのが、全てを
捨ててスッキリ、何もないって素晴らしい!……でもまたモノが、みたいな話は、
実際もって我々の日常そのものだ。

年末からこっち、以前引っ越しの名目で段ボール箱に詰め込んだ本の山を少し
ずつ崩して行く中で「ああ、この段ボール箱を空けずに、そのままブックオフ
とかに置いてきた方がどれだけ楽だろう」と思い、思いつつやっぱり作者名順
に本棚をソートしたりしている自分の因果さに呆れている身としては、実に響く
ネタだった。ケロロ軍曹曰く「捨てる勇気!」捨てるのは、また収集するため
なのだ。

見ないビデオ、聞かないテープ、読まない本、全てはゴミだ、という切り捨て
にゾクリとする。100均とか行って感じる気持ち悪さ。買い物すればする程
生活空間はゴミに支配され、生活環境が貧しくなっていく。もうモノはいい。
情報も同じく。その意味では、ここ数年で、(僕個人は)完全に飽和して
しまった、と強く感じる。ぎっしりと並んだ背表紙を眺めて悦に入っていた
時代は遠く去り、今は圧迫感だけがある。今持っているだけの本とビデオと
テープとLDとCDを全て再チェックすることは、もう不可能だろう。HDDの
奥底に眠った画像ファイルや音楽データも然り。この辺に関しては自分の中で
まだ答えが出ていない(結局本棚の整理は続いている)ので、またいずれ
考えよう、と思考停止。近い将来、ゴミ屋敷に指定されるやも知れぬ。


遊び終わった瞬間に寂しくなる、というアライグマ君の問いは、漠然としている
だけに回答も明快ではなく、またその回答へ到るまでの段階も、妙に長い。
確かにそう言うこともあった。あった、と思うのは、つまりもう僕は(そういう
事で)寂しいと感じないからか。僕もアライグマ君と同じように寂しい気持ちを
感じていたけど、随分前にアナグマ的「誰だって孤独だ」という諦念に達して
しまった、のだと思う。いや、確かに、子供の頃って、訳もなく寂しかったなあ、
とは思う。でもそれが何故寂しいのか、明確に問いさえしないまま、そういう
感覚とは縁遠くなってしまった。

プレゼント遊びは一体どういう展開に持って行くのだろう、と思ったけど、
うーん。斯う云うのは消費されるの早いよねえ、ということか。アライグマの
「これは凄い遊びだ!」っていう独りよがりな盛り上がり、あるよね、そう
いうの……全ての遊びは既に行われている。でも、それを言い出したら、僕らは
もう何もできなくなってしまう。

ラストの一篇は、何だろう。諦めて、受け入れろ、って事かな。
その正体がわからなくて不安なものでも、食ってしまえ、みたいな。

……いつもの如く、流し読み感想垂れ流しでお送りしました。
ではまた
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(04/01/23)

いがらしみきお「ぼのぼの 22」/竹書房/2003/03/27 「道を作る」「たいへんなことが起きる」「ミンナ虫」「考えは見えない」。 どれがどう、と取り立てて語る様なネタは無かった気がする。 読み返してみて、うーん、やっぱりちょっと無いかな、と思った。 もうこれだけ続いてしまうと、別に取り立てて面白いネタが無くても、連中が そこで生きて息をしている、会話をしている、というのがわかれば、それだけで 幸せになってしまうものだから、別にいいんだけど。 天変地異が起こるかも、っていう下りの、森全体を包む緊張感が好きだ。ミンナ虫 の下りの、妙な静謐さもなんか好きなんだよなー。なんか好きだ、としか 言えないけど。 いや、ちゃんと笑ったけどね。主にシマリスの暴走っぷりとかに。 「これが『気まへら』」。ヤマビーバーちゃんの家に勝手に道をつなげてしまう 下りとかやっぱ可笑しい。あとぼのが放つ「いつもより海面が上がってるような 気がする」「なんだおとうさんが海に入ってるからか」とか。これすごい古そうな センスのオチを持ち込んでるんだけど、でも何か突き抜けてて可笑しかった。 それにしても、フェネギーの「本気」っぷりにはいつも泣ける。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (03/09/08)
いがらしみきお「ぼのぼの 21」/竹書房/2002/06/27 「お留守番」「そっくり」「大将が降りてきた」「コウモリ」。 今巻の主題はやっぱり「大将森に帰る」みたいな所でしょうかね。 春になったから、いつもの様に山からヒグマの大将が降りてくるんだけど…… 「つまづいて転んでやる」 「まちがって呼び止めたくせに謝りもせずに行ってしまってやる」 「背もたれにして物想いにふけってやる」 何か大将笑いのセンスが変わってきた?とか思ってたら、なんかどんどん 言動が無茶苦茶に。伊藤えん魔な感じ?体型も似てるし。コワモテでかます ほのぼの笑いというか。独りボケツッコミ(涙を止める下りとか)も良い感じ。 コヒグマくんの、実に健全な子供らしい言動に涙する「親」も多かろう。いや僕も 子供なんか居ないけど、あの「無邪気さ」に、なんかホロリと来てしまった。 オヤジが脇の下に「文字」を書いてる所なんかは結構微妙。 「なんだかへんなことが起きててなよ  今まであんなに確かだったいろんな理由がどんどん消えてしまうのさ」 頑なさが消え、何をするにも「理由」が必要だった日々から開放された大将。 その開放感というか。理由を失って日々を生きることに平穏を見いだした大将を ダメ押しでしつこくからかうスナドリネコの描写が実にいい。本当に良い。 こんな描写で泣いたとか言ったら変な目で見られそうだけど。 若い頃に自分の生き方を尖鋭化させて、「俺はこうでなくてはならない、その為 には自分の喜びは犠牲にしなくては」とか思いこんで、その事で自分を縛り上げて しまった男が、自縄自縛の呪いから「気が付くと」開放されていた、という様な ……自分にはそういう所はコレッポッチも無いけど、妙に共感出来たのだ。 ぼのやアライグマやシマリスや、子供でなくてはならないが故に「成長」という 描写から切り離されたこの動物世界の中で、大人だけが変わっていく。 そういうのも良いバランスだと思う。 いや、ホント、あのヒグマの大将とスナドリネコの一連の描写には、泣けたのよ。 あとウロボロカボチャの動きには思わず吹き出した。こういう身も蓋もない変さは 往事のいがらしマンガを彷彿とさせる。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/08/08)
いがらしみきお「ぼのぼの 20」/竹書房/2001/02/27 個人的には結構ツボに入る、というか「語り」が出来そうな内容で、面白かった。 「姉の結婚」「最近楽しくない」「年寄りになると嫌われる」「会話の楽しみ」 「大人になった時のともだち」……まー単純な読者なんで、「そのまま」読める 話の方が好き、なんだろー(その分プレーリードッグくんネタはチョット苦手)。 「最近楽しくない」に関しては、結局アレだよね、「心の持ちよう」としか 言いようがないよ>フェネギー。シマリスの言う「世の中はもともと楽しくない、 楽しくするためには自分が行動を起こさなければならない」ってのも「違う」 気はするし。作者はもしかしたらフェネギーに何らかの回答を与えてやろうと して話を始めたのかも知れないけど、結局回答は自分から出すしか無いので あって……というオチ。 みんな、なんかそういうモヤモヤとした「最近違うなー」を抱えて生きているの かも知れない。いがらしみきおが昔ホームビデオで酔っぱらった仲間達の行動を 撮っていた頃は、多分心底「楽し」かったんじゃ無いだろうか。でもそういう 「楽しさ」は永遠に続くはずも無くて。まー、楽しいことでも毎日続いたら それと気付かずに退屈と変わらないね、とも言うし。何の話か。 いや、こっちもまとめようがない。だって、最近楽しくないなあ、と思って 生きてる奴だから>拙者。 年寄り話の方も、コレという結論はない。そもそも結論なんて無いのだ。 人は死ぬまで変わり続けるものだからな。 「つまりどれくらいおもしろいのか  どれくらいやるとアキるのか  そういうことがわかってるヤツにそばにいられたら  誰だっていやじゃろうよ」(p83) とか言ってる割には、「な、こうだろ?」って言うと、ぼの達に「そう?」とか 返されてしまったり。「人は変わっていく」事の、その辺のリアルさっつーか。 当たり前なんだけどさ。忘れてしまいがち。 「つまらない話の楽しみ」に関しては、ぼのの言う事がより「真実」に近い 気はする。寂しいから、っていうのが最初にあるとしてもさ。他人の視点を 借りて見たい時もあるしさ。相手の反応で自分をとらえ直すってのもあるか。 真っ直ぐ目的地に向かって黙々と歩く奴、風景を見ながら歩く奴。フム。 然しアレだ。シマリスを見ていると、最近結婚した姉を持つ友人を思い出す。 キャラクター、似てるんだよ。他人に対する行動が過剰な所とか。うーん。 女系家族の末弟ってあんな奴多いのかなー。サンプル数少ないんでわかんない けど。 んー。また次が楽しみな @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (01/12/09)
いがらしみきお「ぼのぼの 19」/竹書房/2000/08/27 今巻はちょっとツボに入る話が無い感じ。考えオチっていう訳でもなさそうだし。 太る話とか親子の話とか、ダイレクトなネタは有るんだけど、どうもその辺も 「ぼのぼの」としての視点の変換の面白さ、みたいなものが感じられなくて。 いやまあ4コマに教訓を求めたりしようって方が間違ってるのかも知れないけど。 まあこんな巻もある。 別にコシマキの乙武メッセージに脱力した所為ではないのだ。決して。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/08/23)
いがらしみきお「ぼのぼの 18」/竹書房/1999/12/27 今巻はぽすっとツボにはまった感じで良いのだ。割と好き。 森の秋冬のイメージが、しんしんと深まっていく感じが味わい深い。 会話ネタじゃなく、彼らの生きている背景に視点が行くのは久々かも知れない。 「音虫」とか「ポツポツ穴」とか「モズレア」とか・・・なんかアタゴオル みたいな感じも。でも「解明」されない点が違う。謎は謎として存在し続ける。 ・・・何というのか、彼らの何気ない日常の一こま、みたいなのを覗いた感じ。 私が見ていようと見ていまいと、彼らは日常を日常としてそれなりに楽しんで 生きているのだ、という実感が残る。 ぼのが以前から抱き続けている「こわい考え」である所の 「見ていないところでは別の姿をしているのではないか」という疑問に 今回何らかの答えが見出されたのも大きい。彼の中で、ふっと腑に落ちた 瞬間があったのだろう。 「新しい遊び」の下りなんかも、何となく郷愁感が漂う。結局こういう 「だから何」みたいな日常にこそ、喜びや感動や郷愁は存在するんだよな。 ・・・と、作者が「そういう」モードに入っていたのか、或いは読者たる私が 今そう言うモードに入っているだけなのか。まあ、どっちにしても、 個人的には楽しめた一冊でした。 ・・・あー、今巻ホントに味わい深いよ。ここ数巻ではベストかも。 スナドリネコさんの魅力爆発だよな。あの生き様。 あとヒグマの大将も。 「オレもただ生きて行くだけじゃあおもしろくねえもんで  みんなの世話を焼くのさ」(p129) とか、ああ、なんか真実の言葉だよなあと思う。この人も頭良い。 大将だけじゃなく、この世界の大人はみんな「大人」って感じだ。 各々に「自分」をかかえて、それぞれに毎日を生きている・・・ そういうもんなんだ。多分。 にしてもポツポツ穴のオチは結構怖かった @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/12/21)
いがらしみきお「ぼのぼの 17」/竹書房/1999/08/27 腰巻きに曰く 「シマリスくんにおにいさんが!!!」 ・・・・確かに今巻では「それ」が一番大きな事件かも知れない。 が、それとて大した事件ではないのだ。何か最近もう結構惰性かも。 「大きな事件」が無い、あっさりめの・・・前からこんなんだったっけ? 強いて教訓台詞を探すなら 「そうか 強くなるっていうことはわかることか わからないからこわいんだね」 「そうでぃす わかってみればどうってことないことばかりなのでぃす  でも問題は どうしてみんなそんなどうってことないことばかり  やるのかなぁということなのではないでしょうか」(p154) ・・・・かな。 うーん。「これは!」というところを無理に探し出すことは出来ないではないけど (「あたりまえなほど、最近は変なヤツ扱いされる」と言うおにいさんのキャラ 造形等)、それこそ無理矢理なんで、まぁ今巻はそこそこでした、と。 ・・・最近ずっとそうかも。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/08/27)
いがらしみきお「ぼのぼの 16」/竹書房/1998/10/17 「趣味とは」 「歩くという事」 「好きの位置」 「不良とは」 「繰り返し見る夢の景色」 等々、抽象的なテーマが分散している割には結構好きな感じの巻。 冒頭のシマリス姉弟の対決はドライブ感が有って燃える。 兎に角シマリスの動きが笑えて笑えて。 彼の一人遊びギャグ(「しまった!やり直してしまった!」とか 「いけない こんなことしてる場合じゃない」とか)は、こう 一人芝居をやってる自分を客観的に見て笑う自分、みたいな視点を シマリスは持っている事を感じさせる・・・ 出色だったのは矢っ張り崖崩れの下りでしょうかね。 クズリのオヤジの、「見かけによらずスゴイ人」ぶりも堪能できたし。 あとアライグマの、オヤジのケガ描写(P60)が痛くて笑えた・・・ あと新登場のペンギンくんもちょっと注目。 喋らないキャラが遂に!世界観は!?とか思って よくよく考えたら彼は鳥だ。 そういえば鳥や虫は基本的に喋らない・・・ この作品世界では、どうも哺乳類だけが会話を交わせる見たい。 大体、このペンギンくんは、喋ると魅力半減かも知れない。 「くえー」がイイですよね。ワカメ貼ってみたり。 安心して、爆笑しながら読める、キャラの立った・・・・ 何にせよ、安定した4コマ。 しかしそろそろまた大きい「物語」の一つも欲しい、と思うのですが。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (98/10/16)
いがらしみきお「ぼのぼの 15」/竹書房/1998/01/01 今巻は特に「何の話」というのは無い。日常が繰り返されている感じ。それも良し。 シマリスのキャラだけがこう突出してきている様な感じはするが・・・ 「そして隠し味少々」 何か嫌なことをしなければならないと解っているときの憂鬱。 そういうのを感じるシマリスはオトナだ。或いは悩める自意識過剰の少年か。 ぼのが子供でシマリスが少年、アライグマくんは青年と言った感じ? キャラ分け的に・・・何となくね。 アライグマの行為も何か意味が有りそう。 尻尾を切ろうとしたり顔を洗わなかったり・・・ 自分の身体に挑戦しているのか・・ 夏屋の話はちょっとシュール。 スカッとするぜ。 ぼのとスナドリネコさんの関係ってのも不思議だ。ぼのは明らかに スナドリネコさんに甘えている。他のオトナ(自分の父親も含め)達には 決してああいう態度をとらないぼのだが・・・スナドリネコもそれを 是としている・・・・兄弟?オジサンと甥、か。 解放されたシマリス君の表情は「自由」の味をよく出していて好きなんですけどね。 自由ってのはやっぱり山を越えたところにあるんだ・・・ ジェスチャーはどっちも解らなかった・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (98/01/26)
いがらしみきお「ぼのぼの 14」/竹書房/1997/3/27 オビや人物紹介には冒頭の「だまされ」(まわりくどすぎ。これ以降の伏線として 使うなら兎も角。)がこの巻のメインの様に語られていますが どうも今巻はバラエティ篇というかいろいろいっしょくたに入って 一冊になってる感じがします。 その個々の話の中でもお気に入りは ビビジランテソンテネグロホメストーニカルマンドーレポポスくん ですね。 いや彼(彼?)のキャラクターは良い。一回切りのゲスト登場では惜しすぎる。 その辺どうなんでしょうか>雑誌で読んでる方々。 いや・・・なんか「水玉螢之丞」っぽくて・・なんかさ・・・ あと、最近扱いが軽くなりがちだった ぼののお父さんがフィーチャーされてていい感じです。 思い返す為の旅、というのは正しい。 むしろ旅の本質はそう言うものだと思うです。 それはいくらそうじゃないもっとこう・・・と言ってみたところで 矢張り真理なのだ。と思う。少なくとも僕の中ではそうです。 だから旅先で何かを置いてくる、あるいは旅先に何かの印を付けておく。 いつかもう一度来たときに、それを確認するために・・・ ああ・・・小旅行でもいいから今のうちにやっとくべきだな・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/03/25)
いがらしみきお「ぼのぼの 13」/竹書房/1996/10/7  最近のシマリスくんは、昔の彼とは少し違ってきたよね。押しも強いし。 今回登場したアソビちゃん(結構いいとこの娘っぽい)も、シマリスの一種異常な 所にはついて行けなかった様である・・・  アライグマも変わった。より「子供らしく」(ぽい、のじゃなくて)なった気が する。そしてその事を、つまりアライグマ君も又「子供」である、という事をぼのが 客観的に見ている(P76)のは面白い。ぼの自身のキャラも少し変わったか。まー13巻 も続けていればそりゃ変わるか。む。  今巻は腰巻きにも有ったけど、「お話が8つ入ってる」のである。で、どの話も かなり良い感じ。ヒグマの大将の涙もろいのとかダイ姉ちゃんのオトナな所とか (いや笑った・・・)・・  アライグマの一人遊び、一人でいるのは寂しそう、と言うのも、いかにも本来の 「ぼのぼの」らしい展開であった。だがかつてはそういう事を感得するのは、全て 「ぼの」の役だった様にも思う。そのへん、「子供達」としていっしょくたになって 来てるのかも知れないわね。いや、オトナも含めてか。  まあ相変わらず高品質の一冊。良い感じ。 もーええ感じええ感じ。も、むっちゃええ感じやわ〜 って最近何でも「ええ感じ」で済ませてしまうあたりヤク中ぽいかも @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (96/09/29)
いがらしみきお「ぼのぼの 12巻」竹書房/1995 どうした何があったのだ。 壊れまくりの12巻。 何でまたイボ修行・・・・・ もうギャグなのかなんなのか。 なんか「ネ暗トピア」みたい。 これは今までの「ぼのぼの」では無いよね。変わってきたのかしら。 特にシマリスの壊れようは(今までも確かに壊れてはいたけど)凄い。 もうこの12巻は彼の妙な波動で塗り込められているのでは。 これ以降もそうなのか。(連載は読んでないものでわかんないんですが) ぼのも怒ったり、感情がけっこう表に出るようになったですね。 アニメの影響が少し出ているような気がしているのですが。 何にしてもスナドリネコ氏は相変わらずなのであった。 実際スナドリネコ氏が出演している間はこの世界は「相変わらず」でいられる。 そんな感じでした。 パラパラ漫画のスナドリネコ氏が好き。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (95/12/30)
いがらしみきお「ぼのぼの 11巻」竹書房/1995 かなり現世とシンクロしている11巻なのだった。 特にフェネギーの「あ〜あ」は実は解決らしい解決を見ないまま うやむやになっていく・・ あれは「現代」臭いわ・・・ 11巻の雰囲気は、以前のソレに比べてもかなり変わったと思う・・・ アライグマの面倒見の良さ、とか、アライグマ親子のノリが変わった事とか・・ シマリスは暴走しっぱなしだし(ほんとにいっちゃったきり・・) やはり帯にもあるけど、「木に登ってみたいなぁの巻」が良い。 これは良いね。以前ならスナドリネコさんなんかがやってた言葉によるサポートも アライグマのオヤジという強力な断言者によって為される。いいね。 あのオヤジの言うことはいちいち沁みる。 「そういうのは頭ん中でやるのにはかなわねぇよ」ってのはホント凄いセリフだ。 これは随分前だったけど・・・ 今回は 「なにができないなんてのはたいしたことねえぞ  なにができるのかなんだ  オレたちはなんのためにメシ喰ってるんだ?  またメシを喰うためじゃないだろう  自分にできることを探してるのさ」 いいねぇ。さすがはオヤジだ。 「それも悪くない」んだぜ。 今回の笑いは全てフェネック親子が担当。でも爆笑はないかなぁ。 てなところで。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
いがらしみきお「ぼのぼの」10巻・竹書房 いよいよ本当の「スタンド・バイ・ミー」である。 が 何かヒネた視点が感じられる。 というのも先のボーズくんに比べてぼの達が年上でありまた シマリスとぼのがボケてアライグマが突っ込むという「演技」を しなければ続かないトリオになってしまった為か。 その旅の結果は「オレたちはみんなバカなんだ」に落ち着いて仕舞った。 でもオモシロイんだ・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
「ぼのぼの9」  いがらしみきお  竹書房バンブーコミックス ハマります。アライグマくんのおかあさんがいい。 今回あの夫婦の会話は名言がいっぱい、というかとても素敵な会話をしてくれます。 口ゲンカしてんですけどね。 「ワタシはね 心配になったんだよっ  世の中がホントはおもしろくないのかなって」 「そしたら世の中ってちゃんとおもしろいじゃないかっ」 このおかあさんは、いい。ただのヘンな人かと思ってたが・・・ 素敵なヒト(クマ)です。 ホントに素敵。 ぼのは今回はつきあいでつぶれている シマリスくんは一人遊びがもう暴走してしまって爆笑です。腹筋がツる。 あー(京都にいってしまったシマリスびいきの友人のことを思いだしたりしている) あー・・ いよいよ試練のときなんつってるけどなー・・よくわかんねい。 映画はもしコッチでやるとしても12月以降になりそうです。

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