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藤島康介


Fujisima Kousuke
藤島康介「ああっ女神さまっ 29」/講談社/2004/09/06

前巻から続いてのホーキレース。p23で川からあがってくるベルの顔が良い。
p40のもいいな。この引き結んだ唇。p45の顔とかサイコーさ。ベルのこういう
所が好きだ。
ベルの勝利によりヴェルスパーの体色異常の原因が判明。自分の使い魔に
名前をつけないといけないらしい。名付けに興味を持って女神達が追い回す中、
意地になって逃げ回るヴェルスパー。その裏で展開される「名付け」の意味。
この辺、最近の作者らしさが出ていて面白い。名前を付けると言うことの晴れ
がましさ、ちょっとした気恥ずかしさ。特に「ああっ女神さまっ」とかいう
タイトルで何年も連載してる作者にはそういうのちょっと思うところあるんじゃ
なかろーかと思ってみたり。それにしても千尋さんの胸は素晴らしい。……あっ
p120のベルもいいな……

「名付け」系の「お話」にしてしまわない、下手にその辺に深く踏み込まない
バランス感覚は(知ってか知らずか)独特だ。

後半はウルドの昇級試験話。沸点の話とかそういう理系はフリはこの作品らしい。
試験は次巻に続くのだった。
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(05/01/30)

藤島康介「ああっ女神さまっ 28」/講談社/2004/03/23 ベルダンディーの声が出ない、ウルドの診断と投薬により一定時間は声を出せない という仕掛けで展開する前半。日常にちょっとした縛りをもうけることで演じられる ちょっとした事件。 久々に登場した長谷川はやっぱりぱんつ見せキャラだったり。久々に大学が舞台に なる、という事を予想させる流れ。新入部員の勧誘と、ベルダンディーの喉と、 卒業してから解る大学の時間の大切さ。そういうのが輻湊していて、展開に厚みを もたせている。そしてその厚みが故に、なんだか安心してこの作品に身をゆだね られる。p50の島本和彦ライクな絵やp51の扉絵、あとp64〜のノリノリな ベルダンディーなんかも好きだ。p61のチョビみたいな描き文字のベルとかたまらぬ。 青島くんも懐かしいことこの上なし。 後半は変な色になっちゃったヴェルスパーを治すために、ヒルドと魔法ほうきレース。 ヴェルスパーのかつての愛機グリューエンデスヘルツvsベルのストリングフェロー ホーキ。正直作画は大変そうだけど、うーん。これはどうでもいいかな…… という所で次巻につづくのだった。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (05/01/30)
藤島康介「ああっ女神さまっ 27」/講談社/2003/11/21 螢一では支えきれなくなった元使い魔の天使を、凍結されたまま忘れ去られていた ヴェルスパーに。しかしその為にはチューを!みたいな。ギャグを意図的に いれていて、なかなか楽しい。 その後の輪ゴム戦争とかも楽しいぞ。久々にペイオースに焦点があってて、 たいやきに固執するあたりとか、おお、こういう性格だったか、とか思って新たな 魅力に惚れてみたりする。跳弾とかの解説もわかりやすくていいだろう。しかし スクルドの戦車ギヤなのか…… p66の「喧嘩はだめよ」のベルの振り向きの愛らしさ。服がまたかわいいいんだ…… 足の太さもいい。 chap.174から始まるマシンナーズの話も面白い。やっぱりこの漫画はメカに抜けた 方が面白いよなあ。作者の腕が走るというか。ちょっと軸をずらせば様々な種族が、 という様な部分に、作品世界の豊かさを感じさせてくれる。 ベルはそれ(様々な種族の生きる様々な世界)を知っている。彼女にとって この森里家での生活は(永遠の長寿を生きる身からしても)一部にすぎないのでは ないか、というちょっとした不安。でもベルの笑顔ですべてをオッケーとして しまえる螢一は、やっぱ凄い。「ほらね」 然し、ホントメカがいい。ただもうネジとかペンチとかの絵がいいんだよなー。 見ててうっとりする。ネジしめてるだけの絵なのに、それが滅茶苦茶気持ちいいん だぜ。p113のとか。何だろうな、この快感。 今巻は、個人的に「当たり」でした…… 彼らの「天使のいる生活」が覗き見できる、そういうのが楽しい。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (2004/01/10)
藤島康介「ああっ女神さまっ 26」/講談社/2003/06/23 天使喰いを魔界に戻して任務完了。リンドは森里螢一を生涯の友と呼んで帰っていく。 正直この天使喰い騒動の部分って言うのは特に印象には残らなかったんだよね…… なんか「作者の世界」からこっち側に出てこないと言うか。ちょっと遠い感じがした。 あとベルの胸に顔を埋めて赤面する蛍一はもうなんとかしろ、とか思った。 あるいはそれほどに魅力的なのか!あの乳は! で。行きがかり上天使を二人背負ったベルは、その力を制御しきれずに暴走する。 元使い魔の天使は、申し出によって螢一の身体へ…… 結局「ツカミ」でつかまれたのはエンジンばらしシーンでの 「ここまでナメちゃってるとだめですよ」「どうします?ドリルでさらいますか」 とかあの辺の会話くらいで。ああいうのは相変わらずいいのだった。この回は 振り向き千尋さんの身体のラインとか、ネジを楽しそうに左回転させるベルの仕草 とか、絵的にも見所が多い。ここぞとばかりにベルに甘える螢一の感じも結構好き。 こいつこうでもなきゃやらないからなあ。 ベルダンディー(に限らずだけど)のあの裸体のラインってのはしかしどうなん だろう。柔らかさ、を表現するあまりに重力が見えるというか、要するにたるんで いるように見えてしまうのは僕だけか。元々手足の描写が「力強い」感じでは あったけど、うーん。少なくとも昨今の萌え絵のラインとは明らかに違う。 p151のあの身体のラインとか、何か意図したモノがあるんだとは思うんだけど…… 「女性」というものを正しく描こうという意志の表れか。 27巻に続く @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (2004/01/10)
藤島康介「ああっ女神さまっ 25」/講談社/2002/11/15 あー、これはアレか、ミステリのスタイルなのか。とか思いつつ。 このタイプの話(悪魔が邪魔してきては螢一が踏ん張って撃退)も時々あるけど、 毎回よくもこれだけ思いつくねえ、というバリエーション。個人的には「螢一の 日常、ベルの天然ボケ日記」みたいな話が好きなんだけど、でも「これ」がある から「女神さまっ」なんだろうという分もある。「こっち」の方が好きな人も 居るだろうしねえ。男は女の為に闘ってナンボだ、と。 頑なな「戦闘属性」リンドの心の揺れを、微妙な表情で見せる辺りは流石。やっぱ この人の絵は気持ちいいよなー、と(あんまり気持ちよすぎて最近は消費され過ぎな きらいは無くもない)思う。本当に綺麗だ。ベルダンディーの笑顔の力も衰える 事を知らぬげ。螢一に(そしてベルダンディーに)「正論」を吐かせて恥ずかしく ないだけの筆力を持ち続けている。 その半身たる天使に対するそれぞれの思い(引け目の様なモノ)の描写(ウルドは 半分悪魔だし、リンドのはアレだし、スクルドのはまだ出てこないし)も面白い。 こういうのは、天使を持たぬ身としてはちょっと想像し難いんだけど、でも解る。 女神達の「所属」する世界「設定」はまだ殆ど描かれる事はないけど、所々に想像を かき立てるワードを挟むことも忘れていない。この辺は職人の仕事だなあという。 でまあミステリの方はベルダンディーの全裸と引き替えに(違う)戦闘に持って いくんだけど、もーカタに填めてさくさくと。螢一の立ち位置を周到に準備して、 いやもう、なんか感心してばっかりですが、でもホントに上手い。 緊張感の高め方や、犯人出現シーン、ラストのリンドの尻まで、兎に角読ませる。 「いざという時」には、急に傍観者から主人公に戻る螢一も堂に入ったモノ。 螢一だからこそ、彼だからこそ彼の周りに女神が集うのだ、というだけの説得力を 背負って、見事闘ってみせる。そしてスクルドのイヤボーン。パターンと言えば パターン、だけど、それを「またかよ」って読み捨ててしまうのは、読者として 寂しい気もする。読み捨てがちだけどね……スクルドの表情の作り込みや、螢一の 気持ちを(読者が「慣れ」で読み飛ばさずに)丁寧に追えば、それだけの手応えは 返ってくると思うが、如何。 螢一の存在こそがこの「場」の中心である事は間違いない。彼がベルダンディーを 見なくなった瞬間、この「場」は消え去る……いや、そういうレベルじゃなく、 彼の存在が、彼の持つトーンがこの作品世界を決している。あんまり崇高な存在に なってしまわれても困るけど、その辺、作者がどうバランスを取っていくか…… 実際、この漫画家はスゲエよなあ、と思うのだ。絵と、魂と、両方を兼ね備えて。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/12/19)
藤島康介「ああっ女神さまっ 24」/講談社/2002/05/23 前巻より続くバイク勝負で勝ちを譲った螢一、約束の「正体」を明かそうとするベル、 はまあ「次回まで」という感じ。両親は何かに気付いてるみたいだけど、まあこれは 一段落らしい。麻雀とか、こーやって大勢でわやわややってるのもこの漫画の魅力だ。 しかし鷹乃さん、最後の方もう目の下の皺さえ無くなってるんですが。恐ろしい。 中盤は千尋さんの野生の魅力大爆発な温泉旅行。この人も妙にキャラが立って良い 感じになってますな。野生の彼女との対比で、久々にベルダンディーの素ボケ描写 が生きている。考えたら彼女のこういう面(井上喜久子っぽい)は最近あんまし 描かれなくて寂しい感じもするな。 運転中のトラブルを一通り体験してみたり、露天風呂で布一枚越しに混浴したり、 あー、ええなー、と、もしかしたらこれは作者の願望なのかも…… 久々に長距離運転してみてえなあ……いいもんですよ。 p108のシメはちょっとわかりにくかったけど、多分美女二人の魅力の前に行列が 出来たヨ、ってな話なんだろう。にしても千尋さんは理想の先輩だと思った。あと 露天風呂無理矢理掘り出してしまうベルダンディーは、もしかしたら内心ちょっと 「この人等にはつきあいきれん……」とか思ってたのかも知れないと思った。 で、次巻へのヒキたるリンド登場。また増えるのかよ!とか思ったけど違うか。 盗まれた「天使喰い」を追跡してこの寺へとやって来たリンド、そのスキマに 注目しつつ(……)次巻へ。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/12/10)
藤島康介「ああっ女神さまっ 23」/講談社/2001/10/23 螢一の父親・桂馬さんと、母親・鷹乃さん登場の巻。 恵も巻き込んで、家族勢揃いという感じ。両親に彼女(ベル)を紹介する手間が 省けたとゆーか。僅かずつではあれ、確実に「進展」している……のか? 然しあの尼寺(じゃないけど)の様を難なく受け入れる辺りは流石に恵の親だと 思う(螢一はその辺まだ常識人として設定されてはいるか)。この親にして この子等あり、という。 両親を名前で呼ぶってのは、やってみたいけど気恥ずかしい、なんかそういう世代。 アメリカだとそういうの普通みたいな気がするけど(ドラマとか見てると)、 うーん。多分螢一も抵抗があったんじゃないだろうか。桂馬さんのあの「父さんと 呼ぶな」(p49)とか見てると、結構抵抗→挫折みたいな事が有ったのではないかと。 p106あたりからの会話の下りは、おー、藤島康介、ここまで描けるか、とちょっと 唸った。父親と、息子の彼女、その間にある感情の機微が良い感じに出ている。 で、まあ親父と、「男の面子」をかけたレースが有って、それを見守る女達が 居て、ヒキ、と。この作品、こーやってバイクが主役を張ってると、やっぱり 漫画として締まるよねえ。良い感じ。読んでいて気持ち良い。 僕にとってこの作品は、やっぱり「こういう作品」であって欲しい。個人的には 些か遠い世界だけど(自動二輪の免許さえ持ってないよ)、こういうオイル臭い 趣味の世界があって、こういう風に人生をその趣味に乗せて生きている連中が 居るのだ、という事を「信じさせて」くれる、そういう作品。これもやっぱり 「読み」で言う所の「お勉強効果」なのかもしれないけど。 レース前に恵が兄貴のバイクのセッティングをさくっと替えていく描写とか、 こういうの、実に「らしく」て好きだ。 あと鷹乃さんは若すぎ。「わかったべ」「ここは尼寺だべ」に激萌える。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (02/12/09)
藤島康介「ああっ女神さまっ 22」/講談社/2000/10/23 三女神の歌(p49あたり)の盛り上がりに尽きる。久々にゾクゾクした。 とはいえ、「女神さまっ」としては見るべき展開特になし。猫レーザーとか。 しかし。例の「実在の証明」とか立ち読みしてると、その裏に流れた時間に クラクラするよ。本格的にこの漫画にハマってからもう10年近くの歳月が流れて いるらしいのだ。一度ハマった後、割と飽きかけてた(受験で忙しかった)高三の 頃に、丁度あのコーラ飴みたいなCDが出て、スクルドの歌声に完全にKOされて。 文系だったのにどうにかして理系(工学系)に進路を変更できないかと真剣に 考えたほど。無理だったけど。視野狭窄してたっちゃあそれまでですが。 で、大学に入ってLD買って、でも3枚目が出た頃は何か醒めちゃってたんだよな。 漫画とかアニメとか全然チェックしてなかった頃。パソコンも触ってなかった。 別のモノ触ってたとか触れなかったとか。だもんで、実は3枚目から後のLD買って ないんざんす。見るには見たけど。LDファンには大受けだったらしい劇場版も 見ん尽くで終わってしまいそうだし。あー。って何過去語りで誤魔化してんだよ。 いや勿論新刊が出れば迷わずゲットする位には面白いと思う。何より絵の巧さ (こういうのを巧いと言ってしまって良いのかどうかは兎も角)にはつくづく 惹かれる。ただ長く続くというのは、それだけ矛盾や重荷も背負っていくわけで。 語り尽くさない(特にベルダンディーの内面を)事で歪みを吸収しつつ、然し それでも・・・ ってまあこれは今巻が個人的にイマイチかな?と思っただけのことか。22冊も 有りゃ当たりも外れも有るわいな。そのたびに「こいつはモウ駄目になった」とか 「矢っ張りすげえ!」とか言ってる訳ですよ。無責任な読者は。結局ね。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/11/06)
藤島康介「ああっ女神さまっ 21」/講談社/2000/06/22 以前ヴェルスパーに子供にされ、その呪いを解けないペイオースが森里屋敷に 現れる。ヴェルスパーが人間界に追放されたという情報を耳にしたというのだ。 だがそのヴェルスパーは猫に。ベルダンディー等三女神の力をもってしても、その 呪いは解けない。自らに呪いをかけることで再び記憶喪失を免れていたヴェルスパーの 示唆により、ウルドの母親、大魔界長ヒルドの登場となる−、と今巻はこんな話。 ウルドとスクルドのお約束合戦等、非常にオーソドックスにまとまった巻。 女神さまっらしい巻といえる。引きも巧いし。 さほど熱を持って読むような巻では無かったけれど、ちびペイオースと海へ行く 下りなんかは作者の技が冴えていてイイ感じ。こういうとき(俺には何が出来る だろう>>こんな事くらいしか出来ないけど・・・)の螢一ってのは、肩の力を 抜かせる兄貴分としての強さが出ていて好きだ。人の価値ってのは結局こういう ところで決まるんだよな。知識でも財力でも無く、とそう信じさせてくれる。 ベルダンディーと螢一が「同じ時間」を過ごせるのは(女神の時間からすれば) ほんの一瞬なんだよ、という様な下りも有り。シャオリン?とかまあそれはお約束 としても。で、そこでまた女神達の事を思いやれるのが螢一って奴なんだ、と。 巧い。 この巻数でこれだけのレベルとテンションを保って物語を展開できる力量には ただただ感心するのみ。優しさが取り柄の男の子の周りに個性的な女の子を配置して 何たら、という作品があまた有る昨今、一線を画した存在で有り続けるのは並大抵 では無い。最早ライフワークと言っても過言ではあるまい。 ネズミの足が伸びる下りで何度も笑ってしまった @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (00/07/26)
藤島康介「ああっ女神さまっ 20」/講談社/1999/11/22 なんかこないだ19巻の感想書いたばっかりな気がしますが。 表紙のスクルドが凶悪。ヘソが。 あと千尋さんがもの凄い勢いで可愛くなってきてるのは気のせいか。 p185で崩したイメージは後々まで尾を引いている気がする。 いや好きなんですけどね。あの顔。 18巻の時にも書いたけど、ノリが何か昔に戻ってきてて嬉しい。 ベルダンディーのボケっぷりが、ウルド/スクルドの凸凹コンビが、 螢一の「良い奴」ぶりがすんなりハマってて読んでて気持ち良い。 彼等の繰り広げる「日常」の愛すべき姿・・・ まあ「それ」ばっかりでは漫画にならないだろうし、またこの先 それなりの波乱が有るんだろうけど、こうやってまた原点に返ってきて くれるなら、それも良いかも知れない。いつまでも続く幸福の連鎖・・・なのか? でもって期待してた部長引継レース(ベルダンディー対螢一)は「そこそこ」 という印象。長谷川を軸に展開されたんで、長谷川がイマイチツボじゃない 拙者にとっては、ちょっと外された感じでした。長谷川萌えな人は嬉しかったかも。 そろそろまた「自動車部の外の世界」も見てみたい気もする・・・勝手な読者 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/11/29)
藤島康介「ああっ女神さまっ 19」/講談社/1999/09/22  相変わらず「絵」は良いんだがなぁ・・・まぁ、18巻の出来が良かったんだし 今巻はまぁこんなもんか的感想。やたらポーズを決める人々には少々ウンザリも するが・・・ってそれを模写しまくってるくせに偉そうなこと言うな>自分。 ロボ子ことシーグルのキャラがどーも立って無い気がするのも不満点の一つ。 これ以上差別化された少女キャラを立てる余地があるのかどうかは不明だけど 例えば、こいつは日頃何やって過ごしてるんだろうとか。自分のメンテと スクルドおっかけとばんぺい撃退とかしかやってないのではないか。あ、あと パンチラと。その辺が描き込まれていくとまた色が出てくるのか。今後の 作り込みに期待。 諸隅教授の下りは、多分前からストックしてあったのに、P2とかP3とかが 出ちゃったんで、腐らないうちに使っちゃえって使ったんじゃないかしらとか 邪推する。研究室でのベルダンディーのボケっぷりが以前のノリでギュー。 巻末、部長の引継から始まった始まった勝負は、正直「嫌々やってる長谷川」が ネックで、読んでて(今んとこ)結構辛い。前巻ラスト〜今巻頭の 「ベルダンディー&螢一コンビの復活」でつかんだ手応えを、ベルと螢一の 「真剣勝負」を描くことでより深めようと言う事だとして、でもイマイチ・・・ うーん、取り敢えず次巻が楽しみ、としておく。 ・ばんぺいとかシーグルとか見てると、あんまりにも簡単にメカに感情を  与えすぎてる気がする。純粋知性としての「ロボット」の味わいってのも  あっても良いんじゃないかなぁ、とか。 ・ベストショットはP90のスクルドか。「すごいでしょう」。久川の声が聞こえる。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/11/24)
藤島康介「ああっ女神さまっ 18」/講談社/1998/11/20 前巻の感想を書いたときに、 「読者の目の届かない所で進展しているであろう  螢一とベルダンディーの関係」 について色々妄想してみたのだけれど、 p38(躓いたベルダンディーを抱きかかえるだけで真っ赤の螢一) を見る限りでは、結局の所「まだ」らしいのだ。 でもそれは、つまりこの漫画が原点の魅力に回帰しつつある ということの表れなのかも知れない。 前巻で感じた「この漫画もいつまで続けるんだか・・・」 みたいな不満はこの巻では全くない。寧ろ初期のこの作品が持っていた 魅力が再現されている点に於いては、(個人的に)久々に面白い巻となっている。 再現というのは、例えばこの真っ赤になる螢一や押し寄せる先輩達、 そしてラストのバイク勝負等。特にこの「峠の幽霊」は久々に熱くなった。 矢っ張り藤島康介の漫画には「コレ」を期待してしまうよ。 工学系の快楽、というか。作者の趣味が出てるような作品が好き。 キャラ主体の物語もイイには良いんだけど、やっぱりね・・・ p201からの畳みかけるような螢一&ベルダンディーの「復活」 (という作りだよねあれは)劇の格好良さったら無かった。 「本物のキングとクイーンがいるんだから」の、 あの大ゴマの高揚感。久々にキましたよ。 シュレディンガーホエールの造形も久々に藤島節炸裂みたいな感じだったし (この人斯う言うのデザインするのも好きそう・・・)クジラ=歌 という短絡とも言える物語が全然クサく無いのも流石だ(テキストは やっぱり「銀河ネットワークで・・」かしら?)。 或いはあの広漠たる畳空間で螢一とベルダンディーが交わす台詞の強烈なこと。 もうあの二人にだけ許される様な・・・でもそれが良いんだよそれが! いやー、あの瑞々しさそう簡単には出せないぜ。 ・・・ああ、ホント、今巻はもう全然文句の付けようがない。 結局、「螢一とベルダンディー」が好きなんですよ。拙者。 つーか、螢一が好き。いやそう言う意味じゃなくて。 本来読者が感情移入しやすいキャラクターである螢一が表に立たないと、 どうしても作品への移入度が下がるわけで。 作品世界へ感情移入する際の媒体たる螢一の造形/扱いが この漫画の善し悪しを決める最大のポイントだと思う。 で、だから今巻の螢一(をメインに展開する画面)は凄く良かったんですよ。 「そこ」に拙者も居られたから。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (981130)
藤島康介「ああっ女神さまっ 17」/講談社/1998/09/22 何だかまた装丁が変わりましたね。 螢一とベルダンディーが物語の中心軸から少しずつ離れていく昨今。 この純真無垢な世界観では展開できない「アレ」や「ソレ」 が画面外で行われていることを推測するのは難しくないでしょう。 いつまで経ってもキスひとつ出来ない・・・ままでは 流石にギャグになってしまう・・ 永遠に進展しない関係、流れない時間、がこの女神世界の 根本だった訳だけど、時間は兎も角「関係」が進展しないのは 難しくなってしまったでしょ。 だから「画面外では進展してるよ」という感じを、 実際には描くことなく匂わせる・・・ ダブレットの下りなんかはもう、螢一の方にも 「ベルダンディーを取られる」心配が全然無い。 その辺がなぁ・・・なんか・・・いいけど。 スクルド研究所の自律メカ第2号も登場して、それなりに 賑やかな毎日は続いている。 もしかしたら永遠にこの幸せな展開は続くのではないか、 作者にはその積もりがあるのではないか−とか思ってしまうけれど。 このまま続くとどうなるのか、見てみたくも有るんですけどね。 ・・いや、ホント長く続けるのって、無茶苦茶難しい。 それだけでこのマンガは賞賛されるべきだ。 アリガトウゴザイマスの彼女の造形は結構狙いが見えて何というか。 つーか、スクルドですら「ロリ」の範疇外になってしまったという。 時代の流れを感じざるを得ませんな。 ・・・あ、いや、ロリじゃないのか。メカね。ロボ。 ロボフェチ〜みたいな。p2203コマ目のアングル萌えみたいな。 早速アクションフィギュア化みたいな。 で。 ですね。 個人的には「画面外で行われているアレやソレ」が見たい訳ですよ! 漫画の持つお勉強効果って奴で、そもそもこの「女神」にハマった その根本は「アコガレの大学生活」とか、「アコガレの一人暮らし」 とかそう言うのだったから・・・今の私は「その先」が見たいのよ。 何その先は自分で? いや、ねえ。それが出来りゃ・・はあぁぁ〜・・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (981110)
藤島康介「ああっ女神さまっ 16」/講談社/1997/11/21 これまた分厚い16巻。 短間隔で15(97/09/22)・16と出た割には、ページ数が・・・ 前巻と同様の感想。何やらヤマ場のない展開だねどうも、という。 どんなに事件が起こっても、毎日それが続いたら結局日常の連続というか・・ やっぱ感情移入の度合いが落ちているんだろうなぁ・・・ どーでもいいのですが、前巻から拙者の中ではスクルド=アスカという式が せいりつしてしまっていて、拭いきれない。こういう人他に居るんでしょかね。 今やその声さえ、久川ではなくみやむーである>拙者の心の中劇場。 ベルダンディー自身の「欲求」が出たという点では、この冒頭の「手をつなごう」 の展開なんかは興味深いのだけれど・・矢張り「一線」をこえられないのは 超えてしまうと最早漫画が成立しないと云う、ファンタジーの域に達しているからか。 でも「絵」は相変わらず魅せてくれる訳で。 今巻個人的な気に入りの絵・カットを挙げてみると ・p8アオリのスクルド ・同p8恥線(こういうシチュエーションでのソレ珍しい・・)のベルダンディ ・p45トビラ。この絵は良い。 ・p79同トビラ。この絵も良い・・望月フカンを彷彿とさせる。  感情表現を含むフカン・・ ・p122電話声のウルド(斯う言うちょっとした可笑しみが結構ツボな拙者) ・p151千尋のキャラを決定したコマ。表情の妙。 ・p217〜ウルド・スクルドの「仕事」風景。この二人の間でビジネスライクな会話・・  作者の演出意図が見事に当たっている。p219ラスト2コマのウルドの「演技」は  演技賞モノだ。 ・p235尻から現れるペイオース。キャラ立ってるよな・・ ・・・こんな感じ。 実際部分部分は好きなんだけど・・・うむむ・・ 最早これはファンタジーだし・・ でもリアリティーを失ったら(有る意味で)漫画は終わりだと思っている私。 まぁ、結局買っちゃうんですけれど。 ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/12/17)
藤島康介「ああっ女神さまっ 15」/講談社/1997/9/22 何か分厚い15巻。総ページ数236p。 前半は前回ラストよりの「引き」で来た、対沙夜子戦(ってやな表現)だが、 盛り上がりを欠くことこの上無し。一番の見所たる 「ベルダンディーは螢一の側を離れてしまうのか?」的危機感が全く無くて・・・ もう少しどうにかならないものか。この展開で、読者が「どきどき」する事は 難しい。余程のことがない限りベルダンディーが螢一の側を離れる事は無い、と 読者は「知っている」からな・・・ 沙夜子のキャラも薄すぎ。もっとキャラに「生活臭」が欲しい・・・いやまぁ 「薄い」のは昔からだけど、特に最近・・・ 「シチュエーション主体の少女漫画もどき」と言うか・・。 後、連載が長編化してくるとどうしても陥るのが話の引きずりで、例えば chap86・87は一本にまとまるべき話だ。ネタが無い訳でも無さそうなのに。 コーラで酔うベルダンディーは、梅干しで酔うラムちゃん以来(いや或いは それ以前)の「異世界生物」の代表的行動パターンの一つであろう。 かなりあからさまな使い方だが、この回ってベルダンディーじゃなくて 井上喜久子じゃんか、とか思った私。キャラ的に。 ベルダンディーって「こう」だっけ? 見るべき所は矢張り「絵」。然しスクルドのこの髪型(固定化してる・・)は 個人的には駄目・・・昔のが良いよう。 p130の恵の段抜き登場シーン等に見られるポーズの類似感(p182のスクルドなどの 腰の後ろに手を組んで乗り出す、俗に言う「あんた馬鹿?」ポーズ。 って言わないか)がちょっと疲れる。前巻からこのポーズ多いよな。流行か? 何か文句ばっかり言ってて「昔は良かった」ぢぢい状態だが、それでも p148〜149の見開きを見たときは興奮したし(この人は矢っ張りバイクとか 描いてるときが一番「カッコイイ」よな)スクルドはいちいち可愛いし、恵だって 今にも渕崎ゆり子の声が聞こえてきそうな位生き生きと動いている。 ・・・思わず文句が出ちゃうのはその昔、生活の全てを「女神さまっ」に 捧げていた時代があるからで・・・・。 だが何にせよ、いつまでも続けられるものでもあるまい。冗長に陥る前に・・・ とも思ってしまうが、それこそ大きなお世話と云うものであろう。 うる星だって、34巻続いたんだ・・・ ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/11/01)
藤島康介「ああっ女神さまっ 14」/講談社/1997/4/20 買ってからもう4ヶ月近く手元に置いてある。 何か手持無沙汰の時に思わず開いて読んでいるという感じで 結構回数読んでるはず。でも読んでるだけ。眺めてるだけ、というか・・ もうそろそろ書庫行きなんで、今の内に感想を書いておきましょうかという。 正直初読の時はもう全く「感想」が持てなくて、何なんだこれはと ショックを受けたものでした。 友人に話すと「其れは貴様が歳を食ったからだ」と一言で決めつけられましたが でも確かにそう。 少女漫画の鉄則というのがあって、主人公は対象読者の少し年上、が ヒットの絶対必須条件なのだそうだ。読者は未来への憧れを持って、漫画を 「(恋愛)マニュアル」として読む、という。 僕が高校生の頃此の漫画にドハマリしてたのは、結局その一点に尽きたのでは ないかしら。絵の巧さもあるけれど、矢っ張り「大学生活」への憧れみたいな そう言う付加価値が大きかったのだろう、と今になってみれば思う。 だが今や大学も卒業してしまい、ハタと気がつくと「何じゃこりゃ」という訳。 女の子の多くが歳と共に少女漫画時代を「卒業」してしまう様に、 「女神さまっ」も、もう対象年齢外の私にはあまり輝いては見えなくなった。 それだけの事・・・ ・・・だと思うんだ。読者の移入度の低下だけだと。 漫画の本質はそうは変わってないはず。昔から魂薄い部分はあった・・・ 矢っ張りキャラクターに「目標」を持たせないとな。 時の停まった円環の世界で、突拍子もない事件が起きては それに慌てて対処する可笑しみ、みたいなものを永遠に続けていても、 それはそれで良いと思うんですけどね。 でも時間は流れ出す。就職活動、留年、スクルドの恋、etc. 漫画大明神のお札(「時」は止まる)の効力はまだまだ大丈夫だと思うのだけど、 あえて其れを剥がし、時を進め始めたのは、果たして正解か否か・・ 兎も角、人としての魅力を持った蛍一の復活を望む者である。 何かどんどん薄くなっていくしな・・・影・・・ ま、然し絵は相変わらず良い仕事。嫌いじゃない((c)羽山秋人)。 特にスクルドはホイホイ変わる髪型と服装がギュー。 ちょっと媚び気味のポーズも三面図起こしやすくて良いのでは・・・。 ではでは。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/07/25)
藤島康介「ああっ女神さまっ」13巻 講談社/1996/4/23 前半スクルド、後半元部長、の、「キャラクターをとりまく展開」が 落ち着いていて良いですね。 矢張りこのテの漫画はキャラクターの魅力ですから。 変に物語主導になると、どうも・・ 連載時に読んでた時は、スクルドがなんか幼すぎるのでは・・・とか 思ってたですけど、もう慣れてしまったのか・・・別にそうとも思わない・・・ だいたい中学2年生くらい? しかし黒のノースリーブに白い腕、は犯罪的だ・・・・ クラクラする・・・ 研究室のスピーカーの裏に指輪、の話、 似たような事をやったのを思い出して 当時懐かしく読みました。 実はあのテの教室用スピーカーを工学部ごみ捨て場で拾って、まだ所持している @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (96/05/04)
藤島康介「ああっ女神さまっ 12巻」講談社/1995 ペイオースさんがさんざん引っかき回して帰っていく・・・・・ というだけの12巻。 それなりそれなりではあるんですけれども。 なーんかなー 絵はむちゃくちゃ良いし お話も良いのですけど。 いまひとつ魅かれるものがない・・ もう少し「日常性」を描けないものか。 最近のアフタヌーンの方を観ててもなーんか 展開は強烈な割に読むのがどんどん辛くなってくるぜ・・ なんのことはない日常、を描くと人気落ちたりすんのかなぁ。 だろうなぁ お茶飲んでああおいしい、で一日終わったりしてなー・・ でも本当に感動できるのは「日常」では? 別に少女漫画をやって頂戴、というのではなくて・・ ああもう。 描きにくいのは解る・・・ キャラクターも増えたし・・・ 考えたらもう10巻あたりから 読むのが楽しみじゃなくなってたなぁ・・ とはいえ 絵の美しさ線の綺麗さを愛でる、という立場なら話は別。 それは楽しみなんですけど・・ 漫画だから・・ しょせんは漫画、か。現実は描き得ない? 藤島作品の美麗な絵に地に足の付いた展開は望めないのか? 女神が現実に存在すれば起こるであろう展開とか うーん。 とにかく、ちょっと続きすぎなのかも。 どうなんでしょう。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (95/12/13)

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