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馬頭ちーめい


Baotou Chi-mei

馬頭ちーめい+STUDIOねむ「兄弟神技+」/アスペクト/1998/08/06

何で今更(99/03現在)この単行本の感想を書いているかというと・・・
イヤ別に深い意味はなくて、感想未処理棚からひとつかみ、と言う感じ。
まぁB-Aも完結したことだしここは一つ、というか。

まずは例によって昔話から。

・・・まだ我が徳島県小松島市でゲームショップ「わんぱくこぞう」が
全盛をほこっていた頃、カウンターには「ぱっくんぽっけ」という月刊紙が
毎月山積みにされていた。で、その「ぱっくんぽっけ」のイラスト担当が
この馬頭ちーめい氏だった。私はそれ欲しさに毎月通ったものだったよ。
(この単行本に収録されているのはその紙末のまんがだけだが、他にも
 企画モノの度にちーめい氏描くまんがが載っていた訳で、その辺の
 未収録はどうも辛い。出来ればぱっくんぽっけそのものの復刻版を
 出して貰いたい。)
さて時は流れ、「兄弟神技」のNo.56が掲載された号を最後に
小松島のわんぱくは潰れ、その後も時を経ずして徳島県内からは次々と
「わんぱく」が姿を消していった。

以来、私は「ぱっくんぽっけ」を読んでいない。
一時期は禁断症状になって、店員に通販出来ないものか
相談したのだが、確か通販は出来ないと云う話だった。
今はどうなってるんだろう?

※ちなみに「兄弟神技」自体の新作はWebサイトでも読むことが出来る。
 >>http://www.wanpaku.co.jp/pac/pac.html
 でもやっぱ紙媒体がいいんだよ・・・こればっかりは・・・




・・・・という訳で、この単行本は、ファミコンショップ
「わんぱくこぞう」の月刊紙「ぱっくんぽっけ」において
現在も大好評連載中の「兄弟神技」(現「兄弟神技ねお」)
の、1991/08/20号〜1998/06/20号分を収録し、さらに
ファミ通1992/06/05号〜1994/08/12号までの全4コマを収録したものである。

馬頭ちーめいの持つ「独特の」(としか云いようのない)ギャグセンス満載。
特に兄弟神技愛のテーマとか。あの辺の言語操作感覚は、例えばB-Aなどでは
ちょっと見ることの出来ないアレだ。結構好き。

でも、単に笑えるだけっていうのでもなくて・・・なんかこう、
読んでて心地良い。作品世界を包む空気は、晴れた春の日差しの如。
この人の作品はどれもそう。結局「作者の人柄」っていうのか。
知らず知らずの内に結構影響を受けてしまうタイプの作家。
そういえば胃の調子が悪いときに激辛カレー食うようになったのって、
P29、「ほんとに効くからたべてみその巻」読んでからなのだった。
しかしこれがもう5年も前の作品とはね・・・時間の流れの何と早いことか。


・・・で、現在も好評連載中、と。次巻はまた7年後か・・・
@@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@
(99/03/12)

馬頭ちーめい+SUTDIOねむ「ブレイク−エイジ 9」/アスキー/1998/05/07 ・・・うわー・・5月だって・・・すいませんどうも。 ・[SIMULATIONS] 「ディーターもあんなふうに・・・」 「2度もあんな思いをさせられんのはまっぴらだ!!」 高原氏は本当に愛されていたんだろうなぁ、と思わせる台詞。 たまにしか作品世界の表には出てこない(死んでるからな)けど この人がこの作品世界の登場人物の全てを引き合わせた張本人な訳で。 ・・・ああ、それにしてもこんなに見舞客が来るんなら、 俺だって今直ぐ倒れてみてえ。実際倒れそうですが。 ・・・拙者の場合はほとんど「まだ生きてるよ」を地で行きそうでどうも。 こういう「トモダチ!」っていう感じのガヤネタがこの作品の最大の魅力。 ・[PRISM OF NIGHT] 「D.P.」というゲームそのものの魅力を描こうとしている所に好感を持つ。 この漫画は矢っ張り基本にD.P.あってこそな訳で その「基本にあるもの」をきちんと描くところが、所謂「業界モノ」とは ちょっと違うところ。TO−Yの歌を全部書くようなモンだ。違うか。 このD.P.戦闘画面の「少年漫画」っぽさと、キリ達の青春な視点とが 微妙なバランスで噛み合っていて初めて、この漫画はこの漫画たりうる。 プリズムが映し出す二つの夜。 抜け出した部長と国香先生が大人の時間を過ごしている裏で展開する 土日エンドレス出勤の連中の、そのどろどろとした雰囲気がもう。 類業種に就いて3年目のワタシにとって、その雰囲気は結構なじみ深いモノが あるわけですが。でも、彼等みたいにテンションあげて馬鹿やりながら・・・ みたいな事は一度もなくて。 「バカバカしい夜通しの徘徊−  罪悪感と虚無感に揺られながら  僕たちはなんだか幸せだった・・・」 ・・・この気分は、所謂「文化祭前夜」のソレだ。 或いは「好きなこと」をやっている間の苦労ってのは、 そんな感じだったのかも。・・・忘れちまったよそんな大昔の事は。 「こういう仕事スタイル」に憧れてた筈なんだけど・・今の俺は・・ 結局自分の基礎体力が足りないのが最大の原因というか。いや、 やっぱ理想+努力、の、そのどちらもが足りないんだよ今の俺にはッ。 だいたい(以下略) ・・部長と副部長をこの夜の馬鹿騒ぎから外したのは意図的なものだろう。 この二人が居ると、そのキャラクター上どうしても「大人」な行動を 制限されてしまう。二人を外すことで、キリ達は大人の仲間入りをしつつある ワカモノたち、を自然に演じることが出来た訳だ。この辺も巧い。 ・[FLY ME TO THE WORLD] ジェラルディンってホントお姫様だよね・・・こういうトモダチが一人欲しい。 初めてD.P.をプレイした時の感動を語るジェラ姫。 「翼を手に入れたような気がしたの!!」 ・・・・この高揚感!!これだ!という感じ。 実際にはまだこの世に存在すらしないゲームなのに、読んでて 「そうそう!そうなんだよ!このゲームの最大の魅力はそれなんだよ〜!」 とか思ってしまう。架空のゲームシステムをここまで「存在」せしめる作者の愛。 このサブタイトルが示すように、デンジャー・プラネットは まさに一つの「世界」をプレーヤーに提供する。 その世界で味わう「自由」のいかばかりか。 D.P.の感動の一つに、「自分がロボットを操縦する快感」 というのがあるはず。昭和30年代、家庭にまだ自動車が無かった頃 少年達が感じていたあくなき「コクピット願望」。 昭和40年代末生まれの、そして今や少年ならざる僕は この漫画を読んでそのコクピットに憧れる。 ・[DAY DREAM SWEEPER] 彩理さんの尻が凶悪。テーマは男と女。 この作品らしいと言えばらしい、「愛」溢れる良い話だ。 ・[PLOTTER IN THIS TOWN] P174「そもそもマスターシステムが許容する限り−」 結局の所、D.P.を実現するには、この「マスターシステム」が 最大のポイントな訳で。無限にカスタマイズされた機体を どうやってレギュレーションに填めていくか・・・簡単には 行かないだろうな。あとは回線速度の問題とか。まだまだ解決すべき 問題点は多い。 で、複座合体システムの”ベンケイ”もFIX。このUPしたときの キリの「−マジ!」の顔。ああ、一度で良いからこういう顔で マスターUPを迎えてみたいものだ。ノウキと戦い、不満たらたらで 互いに責任をなすりつけあいつつ「仕方なく」ソフトをリリースしていく・・ ・・・というのが多くの現場の状況なんじゃないかと思うんですけど、でも キリ見たいに自分で「ここまで、これでおしまい!」と、 きちんと線を引ける様じゃないと、いつまでも終わらないし・・・・ その辺も、少人数の強みかも。数が増えると価値観も分散してしまうから どうしても「作品」の筆の置き時が見えなくなってしまう。 「現場」で時間と空間を共有する事で、つまり経験を共有することでしか 得られない「価値観の統一されたチーム」っていうのが理想だよな・・・ 一緒に「徘徊」したりするのも、だから大切なのだ。 その意味では、ネットワークによるリモートワーキングなんてのは どこかしら無理がある話なのかも知れない・・・ あ、でも、その大前提として、「気の合う仲間」であることが必要ですが。 嫌な上司や同僚と一緒に行動するくらいなら一人でやるさ・・・ ってさっきから何の話をしてますか俺様。何か嫌なことでもありましたか。 ・・・・・・えーと。 ビームの方はもう完全に最終回モードに入っていて、長かった彼等の 「青春の軌跡」にも一段落がつきそう。一時はどうなるかと思ったけどねぇ。 人が皆、誰かにそう望まれて未来へ飛び込んでいけるなら、世の中は どんなにか美しいだろう・・・とか思ってしまう今月。 人と人のつながりはこうもあり得る。 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (99/01/31)
馬頭ちーめい+SUTDIOねむ「ブレイク−エイジ 8」/アスキー/1997/08/22 何か連載で読んでると、単行本買う気失せるよな−と云うことで 11月も半ばになって漸くゲット。噂のジェラ姫の表紙は実はイマイチ・・・ 等身でかくない?ていうか顔の造作が何か年齢上がっててちょっと・・・ ってロリか>俺(今更)。 今回は逢羽工大の文化祭(2009年11/21〜23・・)だったり、強化合宿(ああ栄光の 女風呂・・)だったりで、結構イベント主体型な巻。ゴチャキャラで わいわいやってるの描くと巧いねこの作者は。 しかしこのイベント主体な展開、見方を変えれば、彼等が最早 日常生活で(コニパレや部室で)いつも一緒、という風には行かなくなり 斯う言うイベントでも無ければもう一緒に居られる時間は少ない・・・ という事の現れでも有ろう。 彼等には彼等個人の時間が流れ始めている。時は確実に流れているのだ。 今巻特にそれが目立ったのは薄幸の少女ぽいジェラルディン。 社交界デビューを前にした、つかの間の自由・・・・切ないぜ。 今月のビーム(連載本誌)なんてもー・・・ キリぽんは相変わらず主人公道まっしぐら。久我にも人見知りしないで 話しかける下りなんかは実に良い。主人公はこうでなくちゃ。 この人見知りしない明るさというかなつっこさてのは、でも 昔いじめられまくった経験から来るものも大きいんだろうな・・・ で、もう一人の主人公とも言える久我の、「今」に至る経緯なども出てて ああ、これがまた巧い。キャラの作り込みが深いのを感じる・・・ p61〜63の会話なんて、胸が痛い人が結構居るに違いない。 パソ業界の真実をついた台詞だ・・・。 でも久我はまだ 「きみの才能がせち辛い業界で摩耗されていくのを  見たくないねぇ私は」 とか云ってくれる、求めてくれる人が居るんだから良い方かも。 これだけ求められていながら、ヤクザなこの業界の端っこに ぶら下がり続ける彼。一体何故− 「俺はイーディスを・・・・D・高原の遺産をぶっ潰したかっただけだ・・」 イーディスにD・高原兄妹が居た、あの黄金時代、あの古巣を愛するが故、 あの時代を求めるが故に、イーディス潰しをしようとする久我。 そのアンビバレントな感情も、明確に語られこそしないものの、 きちんと描かれている。 そして今、その標的は九郎(とキリ)にターゲットされた。 然し果たして、久我は彼等を倒す事で「古巣」への想いと 決別出来るのだろうか・・・とかいう展開だと思うけどどうか。 ホントは良く分かんない所も有るんですけど・・ 単純にこうと語れない、人それぞれのドラマが絡み合って 毎日シンドイけどそれなりに楽しい、ワクワクする様な毎日が積み重なっていく− こんな感覚を覚えなくなって久しい。矢張り自分から始めなくてはな・・ 自発的に行動しなくては・・・ 話は変わる。 ちょこっと出てくるCGガールズ絡みの話(p144)、あれはどうなのか。 完全AIてのは此の時代でも無理だろうから、ダテキョーの進化版 と云った所であろう。然しこういうの見ると「京美」を思い出す私であった・・ こういう、本編とは直接絡まないような設定も世界観を演出する上では重要。 例えばTALS(p34)の話も興味深い。何処から斯う言う話が出てくるのか 謎だが、これも恐らくは本編にそれほど深い関わりの無い様な社会派ネタ。 でも斯う言うのを挟むことで、「現実的な未来像」を周りから強化しているのかも。 未来・・・ もう、でも、今此の瞬間でさえ、1997年なのだぜ? 子供の頃夢に見た、科学と工業の発展系としての「未来」は 何処に有るんだ・・・ 「未来は待っていればやってくるものでは無い。自ら作り出すものだ」 今月の「子供の科学」のエジソン特集を読んで感涙にむせんだ元科学少年 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (97/11/11)
馬頭ちーめい+SUTUDIOねむ「ブレイク・エイジ 7」/アスキー/1997/1/22 「コミックビーム」誌で現在も連載中−−、のコミック7巻。 やっと出たかとお思いの人も多いかと思いますが。 まあ連載読んでるわね・・・ いや、連載で読んでても単行本は買っちゃうよな、という。 この漫画の魅力ってのは、一つだけじゃ無いので、どう紹介したものか悩む。 単なる「ラブ☆」だけでもないし、かといってゲームの設定その他が 全てでもないし。 こういうジャンルが有るのかどうかは知らないけど、「高専もの」って 有るんじゃ無いかしらん、と。この話は前にやったっけ。 まあ、しかしそう、魅力を一点に絞れないってのは美徳だと思う・・・ 全体を通しての「人の良さ」みたいなものが心地良い。 うーん・・例えば「男の子」が「男の子」らしい、ですよね。それが良い。 勿論「女の子」もそう。「らしさ」が巧い。うう。言葉が出ない。 例えばVOL.36「FATAL INVADERS」。 この回の「らしさ」の心地よさったら無い。P150の彩理さんの表情、ポーズ、 そこから生まれる「らしさ」・・・それに「一人少女漫画」の有珠も好き。 後はやっぱり苦悩する青少年。P106-107なんかはもー・・・ 解るぜキリちゃん。でもどんどん体格良くなってきてるし、こりゃいつまでも クレアさんやってられんわな。 しかし。ああ。バトロイしたい! 今格ゲー(特にVF3)に行き詰まってて、 まともな対戦が出来てないんです。 いや自分が燃えられないだけなんですが。 兎に角、やっててあんまり燃えない。 今ここにコニーパレスがあればな・・・・と、思う。 「ゲーセン」じゃない何か・・・ インターネットのそれじゃない「ネットゲーム」。 もっと可能性を見たいです。 VR世界での設計はあくまでゲームであり、最終的にはその中の経験値で 「本物」を・・・というキリの志向は、「正しい」と思う。「自然にやさしい」 電脳遊技もいいとは思うんですけど、やっぱり、「本物」を見たいものです。 この漫画みたいに世界が見えたら幸せだろうな、と思う・・・ @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (FEB.2.1997)
馬頭ちーめい「ブレイク-エイジ 6」/アスキー/1996/8/22 あの「フラッシュ・バック」全収録。彼等の過去は本編で多く語られてはいた ものの、矢張りこうして描いて貰えると嬉しいものだ。 彩理さん(ハハンハハンハン班長)も若いしな・・・(ハッ背後に黒い影・・) ・・・うう・・ ・・でも雑誌変わってタイトル変わるって言うから当時はゾっとしたものでしたが、 始まってみれば安心・・・という。 きりぽんがまたもーちびっちゃくてかわいいのだ。最近どんどん背が伸びるが・・ そうか。部長はまだ着ぐるみ野郎って訳でも無かったのか・・(ですよね?) で、今巻のイチオシは何と言ってもビリーと有珠。いやまぁオイシイ所を 逃したキリぽんは次回があるとしてだ。有珠はかわいい・・あのいじらしさが押し。 あとやっぱしクレアちゃんね。うーん。好み。 って今巻出てないぞ・・アレ?ビーム? ・・・あ、ビームだ。今月号な・・いや、クレアちゃん好きだなぁ。強いし。 勿論東海林さんが一番ですが(何時の間に!?) しかし、アレだ、この作品を読んで高専とか志望するコ出てるんでしょうかね。 かつて小山田作品がそうであった(らしい)様に・・・ 何にせよ理系離れが嘆かれている昨今、好ましいんじゃないかしらんなどとオヤジ めいた事を言うワタシは確かにもう若くない文系一筋野郎なのだってば。 最近、モトモト嫌いじゃなかったんだから、せめて趣味レヘルででもこんぴうたの 勉強くらいしておけば良かったと痛感しているワタシでした。 中描きの「歴代担当」は笑えるけど似てるぜ。でもやっぱり笑える。 キンちゃんがもー・・・・で、現担当O村って・・うう・・そうか・・ 所でここ3カ月分の「ぱっくんぽっけ」がどうしても手に入りません。 なんか「わんぱく」いきそびれてて、チャンスを逃してしまう昨今です。 誰か持っておられましたら、「神技」だけでいいから見せて下さい・・・ コニーパレス店長になるのが夢 @@@@@@@@@@@@@@@@ [JUN] @@@@@@@@@@@@@@@@ (96/08/06)

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